育毛剤成分のほとんどは水とエタノール
ハゲをどうにかしようと育毛剤の効果を信じせっせと塗っているあなた。その育毛剤の成分のほとんどは水やエタノール(アルコール)で、まともな成分など1割程度しか入っていないって分かって使っていますか?
育毛剤の公式サイトや育毛関連サイトの「すごい効果!」的な甘い言葉に騙され、そこに一縷の望みを見出しているのかもしれませんが、残念ながら水です。色んな意味で水です。
まあこれは育毛剤のみならず化粧品でも同様なのですが、有効成分や育毛成分と言われるものはせいぜい内容量の1割程度で、それ以外のほとんどは水やエタノールといった髪の毛には関係ない成分。
具体的にどういうことなのか、そしてそれが意味するものとは何なのか、育毛剤に隠された裏側を取り上げていきましょう。
育毛剤に含まれるもののほとんどが水やエタノール?
「化粧品は水を高く売る商売」なんて言われ方をするように、育毛剤も同様にその成分のほとんどは水で構成されており、次いで多いのがエタノールやアルコール、そして申し訳程度に育毛関連の成分が入っているという構図になります。
その比率は育毛剤によって異なるものの、水が7割、その他育毛とは関係ないエタノールやアルコールなどの成分が2割ぐらいが一般的になっています。
ではこの水やエタノール・アルコールの役割ってなんなのでしょう?
育毛剤における水の役割
育毛剤に水が入っている最大の理由、それはかさ増しです。
育毛剤お得意の自然由来成分が10mlしか入っていなくても、水を多量に入れることによって100mlにすることが容易なのは想像に難くありません。
極端な例を挙げれば、まったく同一成分、同含有量ながら高純度を謳う10mlの育毛剤と、従来通りの100mlの育毛剤、どっちを買いますかと問えば分かりやすいか。
ほとんどの育毛剤は各成分の含有量を明記していないため、消費者から見れば100mlの方が遥かにお得に感じるのは言うまでもないですよね。
とはいえ、水をある程度入れることによって塗りやすさ・伸ばしやすさが実現できるため、「水=悪」というわけでもないんですけどね。
それでも内容量の6割7割を占めるほど入れる必要はないと思うが。
育毛剤におけるエタノール・アルコールの役割
育毛剤にほぼ必ず入っているエタノールやアルコールも内容量のかなりの部分を占めており、一部では「頭皮に悪い」なんて言われ方もしています。
これらの役割の一つは浸透しやすくするというもの。
頭皮や毛穴は皮脂で覆われており、水が主体の成分では基本的に弾かれてしまいます。しかしエタノールやアルコールが入ることで皮脂を中和し浸透しやすくなるという目的があります。
まあ、頭皮や肌のごく表面にある角質層は分子量500以上のものは弾き返す超優秀なバリア層なので、アルコールやエタノールが入っていてもこれを突破することはないがな。
余談だが、育毛剤の宣伝文句でよくある「ナノサイズ」でも角質層を突破することはできないから騙されるなよ。
そして、エタノールやアルコールの役割のもうひとつが浸透している感の演出。
上でも書いたように角質層や皮脂で守られている頭皮に育毛剤ごときが浸透することなどほとんどないため、そのままでは頭皮に長く留まることになります。
そうなると、無知な消費者な「なんだよ、浸透しねぇじゃん」と考える。
それを回避するため、揮発性の高いエタノールやアルコールを入れ揮発しやすくすると、バカな消費者は「超浸透してんじゃん!マジ効くかも」と考えてくれるわけです。いやー、アホですね。
浸透してるんじゃなくて蒸発してるんだけどな。
もうひとつは防腐剤としての枠割。水や自然由来成分はそのままだと当然腐るので、エタノールやアルコールで腐らないようにしているわけです。
たまに「エタノールフリー」なんていかにも頭皮に良さそうなものが存在するが、エタノール以上の害が懸念される防腐剤が入っている場合もあるから気を付けろ。
成分の数が多い育毛剤はどうなの?
さて、ここでひとつ疑問を抱く人もいるのではないでしょうか?
「じゃあ、成分の数が多い育毛剤はどうなのか」、と。
チャップアップやイクオスなどは60種を超える成分数の多さを売りにしていますが、仮に育毛剤に入っている育毛成分が一律内容量の10%だとするなら、一つひとつの成分の量はごくわずかということになりますよね。
この考え、当たらずも遠からずといったところでしょうか。
例えば成分数20種の商品と60種の商品。単純に3倍の数が入っているのだから、3倍の量の育毛成分が入っていると思ったら大間違い。
20種の方の育毛剤の成分が計10%入っているとすれば、60種の方は30%?そんなことあるはずがない。もしそれをやっているとするなら、「高濃度」を売りにするはずだしな。
もちろん、20種の方が計3%程度で、60種の方が10%程度という可能性もなくはないが、宣伝目的以外に過剰に成分比率を高めるようなことはまずしないだろう。なぜならコストがかかるから。
やれ「M-034を200%増量」とか「バイオポリリン酸30%増量」とかやっているように、成分比率を高めたり、他の育毛剤より比率が高かったりすれば大々的に宣伝を行うはず。
それを行わないということは…察しろ。
そもそも200%やら30%やら増量したところで元の量が分からないんだから、まともな人間であれば「はぁ?」ってなるのが普通なんですけどね。
つまり、成分の数が多かろうが少なかろうが、全体的な比率でいえば一般的な育毛剤の範囲を逸脱していないと見るべき。ならば成分の数が多い育毛剤というのは一つひとつが少ないと見るのが自然だろう。
増量に際して他の成分の比率や一つひとつの比率を削っていることも十分考えられる。含有量を明記していないということはそういうことだ。
そう考えると「5%」と明記しているキャピキシル育毛剤(化粧品)はまだ良心的と言えるかもしれません。まあ、あれじゃ髪は生えないが。
育毛剤は別の意味でも水
育毛剤に含まれる成分のほとんどは水やエタノール・アルコールだと書きましたが、発毛や髪の毛を生やすという観点から言えば存在そのものが水と言っても過言ではない。
なぜなら、育毛剤を塗ったところで新たな髪の毛が生えることなどないのだから、薄毛の治療を望んでいる人から見れば育毛剤を塗ろうが水を塗ろうが効果はほとんど変わらないからです。
酒が強い人が「ビールなんて水みたいなもの」と言っているのと同様に、成分のほとんどが水、含有量も一切分からない、発毛効果も一切ない育毛剤など水と変わらんよ。
健康系サプリメントのように「育毛剤を塗ってる」というプラシーボ効果で髪が生えてくれれば良いが、残念ながら髪の毛に関してはそれも望めない。
気休めでも何かしたいというのであれば止めはしませんが。
ほとんどが水なのは発毛剤も一緒
最後に誤解なきように書いておきますが、外用薬の成分のほとんどが水やエタノールという点についてはリアップやロゲインといったミノキシジル発毛剤も同様です。面白おかしく書いたものの、育毛剤だけを叩いているわけでは決してなく、化粧品、発毛剤含めこういった商品はすべて同じ穴のムジナ。
まあ、それを言ったら病院で処方される内服薬なども薬の大きさに対して有効成分はわずかじゃねぇかという話になってしまいますが。
ただし、育毛剤はキャピキシル系を除き成分の含有量を明記しているものはほとんど存在しませんが、医薬品である発毛剤は内服、外用問わず主成分の含有量を必ず明記していますので、効果の程度や最低限の効き目を量るのは容易。
しかも主成分のみで強力な発毛効果を期待できるので、内容量の5%しかミノキシジルが入っておらず、それ以外の成分は一切存在しないとしても十分なのです。
一方の育毛剤はどうか?
まったく発毛効果のない無駄な成分を何十種と入れるも、基本的に水やエタノールなどが9割程度を占めていますから、一つひとつの成分はほんのわずか。そんなんで効くはずないだろうという話である。
ちなみに、多くの発毛剤や育毛剤の外用薬は内容量に対して10%前後の有効成分しか入っていませんが、ポラリスシリーズや新たなフォリックスシリーズはミノキシジル最大16%配合しつつ他の成分も入れているぶっ飛んだ発毛剤。
その影響なのか臭いや使用感はやや微妙ながら、効果は外用薬最強に。
まあそれはそれとして、育毛剤の成分のほとんどは水やエタノール、アルコールであり、成分の数が多いほど一つひとつの含有量は少ない可能性が高いので、数に騙されないようにして下さい。
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