薬用プランテル M字に特化を信用するな
男性型脱毛症(AGA)で一番多いパターンはM字ハゲ。そんなM字ハゲに特化している薬用プランテルは私たち男性の強い味方…なのかと思いきや、超平凡な成分、安くない価格に加えM字特化の謳い文句には大いに疑問が。
「なぜそう言い切れる?」と感じる人もいるかもしれませんが、そこには確固たる根拠があります。
育毛剤というのは基本的に髪の毛を生やす発毛効果はありませんし、それを謳うこともできません。しかしAGAの大きな特徴であるM字を強調しているというのは暗に「発毛効果がある」と匂わせているようにしか見えない。
そのため、薬用プランテルがいかに発毛効果のない育毛剤か、これを使うことがAGA治療においてどれだけ意味がないことなのかなど徹底的に追及していきたいと思います。
薬用プランテルの成分
育毛剤においてもっとも重要なのは成分…といっても育毛成分などどれも発毛効果はないのだから本当はどうでもいいんですが、まあ便宜上成分が大事ということで薬用プランテルの全成分を見てみましょう。
薬用プランテル |
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セファランチン グリチルリチン酸2K センブリエキス D-パントテニルアルコール(プロビタミンB5) ビワ葉エキス 海藻エキス-1 牡丹エキス シナノキエキス ヒキオコシエキス-1 ヒオウギ抽出液 POE(40)硬化ヒマシ油 ラウリルジメチルアミンオキシド液 濃グリセリン BG エタノール フェノキシエタノール 無水エタノール 精製水 |
育毛成分 計10種 |
「成分数の多さは正義」という昨今の育毛剤のバカらしい風潮に逆行する潔さ。
赤字で示すのが使用されている有効成分や育毛成分。プランテルの育毛成分は全10種で、医薬部外品の育毛剤を名乗るのに必要な有効成分はセファランチン、グリチルリチン酸2K、センブリエキス。その他の成分はこれらを除くとたったの7種。
しかも有効成分に使われているセファランチンってあれか。
日本皮膚科学会が出した「男性型脱毛症診療ガイドライン」で「根拠がないから勧められない」とぶった斬られた成分ですね。
成分量が少ない分他の育毛剤に比べて一つひとつの含有量が多いというのであれば「まあそれなら…」と納得できそうなものですが、育毛剤は成分の含有量を記載しないのが一般的。常識的に考えれば一つひとつの含有量は悲しくなるくらい少ないのでしょうから記載できないんでしょうね。
まあ育毛成分がどれだけ高濃度で入っていても発毛などしないけどね。
■セファランチンは日本皮膚科学会に非推奨と認定された成分
プランテルのM字ハゲ特化は信用できない
薬用プランテルは「M字に特化した育毛剤」を謳っており多くの育毛サイトでもそう紹介されています。しかし全10種の成分は多くの育毛剤に配合される極めて凡庸なものばかりで、何を根拠にそう言っているか気になるところ。
あ、違うか。
「M字に使える」だった。
使えるかどうかって話なら水でも小便でも使えるよね。
■プランテルは頭頂部専用育毛剤MSTT1と同一商品
さて、本題はここからです。
やたらとM字タイプの薄毛への効果を謳うプランテルですが、実は「頭頂部専用」を謳う「MSTT1」と同じ成分構造…というよりは、同一商品であるという事実があります。
「M字特化と頭頂部特化の育毛剤が同じはずないじゃん!」
出典:薬用プランテルとMSTT1は同じ成分
そう感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、まずは右図を見て下さい。
これは上が薬用プランテル、下がMSTT1の裏に記載されれている成分表。同成分である上に並び順、一字一句に至るまで完全に一致しているのが見て取れます。
常識的に考えてこんな偶然あると思いますか?
これが事実なら、かたやM字ハゲ特化、かたや頭頂部ハゲ特化は嘘ということになりますが、天真堂のソヴール08をそのまま使用していたブブカ、チャップアップ、イクオスは男性用(厳密には男女兼用)、マイナチュレは女性用と謳っていたことを鑑みても特に珍しいことではありません。
それを決定付けるもうひとつの画像も見てみましょう。
左がMSTT1、右がプランテルになります。製造販売元が株式会社ミリオナ化粧品、販売名がヘアーローションMで一致しているのが分かります。
ちなみにこの株式会社ミリオナ化粧品は製造委託などを行うOEMに特化した化粧品会社で、ブブカやチャップアップ、イクオスが使っていたソヴール08を作る天真堂と同じようなもの。
そう考えるとプランテルもMSTT1もミリオナ化粧品が提案するOEM育毛剤のひな型的なものをそのまま使っているのかな~と推測されます。
とりあえず多くの育毛サイトで紹介されている「薬用プランテルがM字に特化している」というのは大嘘で、ただの汎用育毛剤。
ターゲットを絞るという意味であえてこういう表現を使うのは理解できないこともないが、AGAに効果がない医薬部外品の育毛剤である薬用プランテルがAGAの大きな特徴であるM字を持ち出すあたりに、AGAに効果があると消費者に錯覚させる意図が見え隠れする。
■薬用プランテルはM字専用に開発されてものではなく、ただの汎用育毛剤
モンドセレクション銀賞の意味
プランテルは2015年にモンドセレクション銀賞を受賞しており、なんか世界的に品質や効果が認められた印象を受けますよね。
しかしモンドセレクションは誰でも1150ユーロ(約15万円)払えば審査してもらえるもの。また商品同士を比較するコンテストとは違い大半の商品が何かしらの賞を受賞できるという、いわば「金で買える賞」なのです。
一応審査基準を見てみましょう。
- ■使用成分のリスト
- ■強調表示の形式と内容
- ■製品の効用に関する正しい説明
- ■表示の根拠およびコンプライアンス
- ■使用上の注意
- ■強調表示と製品に含まる成分の整合性
- ■製品の革新的要素
- ■消費者向けに謳われている製品の科学的効用性
- ■謳われている効用が期待できるだけの有効成分が配合されているか
- ■使いやすさ(爽快感、香り、質感、浸透率)
- ■肌への優しさ
- ■試用テストに基づく製品の一般的効用性
こういった基準で審査され、受賞するかどうか、どの賞に該当するかを決めます。ちなみに2016年の実績を見てみると…
2938点の製品が評価され、そのうち2618の製品が何らかの賞を受賞していることに。その受賞率は驚きの約89%!
しかもそのうちの64%が最高金賞もしくは金賞で、銀賞に留まっているプランテルに対しては「誇らしげに銀賞受賞しましたとかよく書けるな」という印象しか出てきません。
ハッキリ言ってモンドセレクションに価値などほとんどなく、あえて価値を見出すとしても最高金賞のみといったところでしょう。
モンドセレクションの裏側を知る人間からすると「銀賞ならむしろ発表しないほうがいいんじゃない?」と感じるほど。
薬用プランテルで毛は生えるの?
生えません。
そもそも髪の毛が抜け落ちてしまった部分に発毛させる効果は育毛剤にはなく、それが可能なのは発毛剤のみになります。
ましてこんな平凡な成分が10種のプランテルに何ができるのかと。
薬用プランテルに副作用はあるの?
ありません。
育毛剤というのは色々な成分が入った発毛効果のない水ですから、頭皮に塗っても副作用はおろか髪の毛を生やす効果も一切ありませんので安心してご使用下さい。
薬用プランテルは使う価値あり?
金に糸目をつけず“何か”の成分が入ったものをとりあえず頭皮に塗っておきたいというマゾ、もしくは今ある髪が少しでも太くなればいいという人にとっては薬用プランテルは使う価値があると思います
頭皮に塗る外用薬でできる限りの発毛効果が欲しいという一般的な薄毛人間の思考をお持ちの方は、月々の出費がプランテルと同じくらいで使用できる発毛剤がいくらでも存在するからそちらをご使用しとけ。
プランテルの総評・おすすめ度
薬用プランテルはいかにもM字ハゲに効きそうなことを書いてはいますが、頭頂部専用育毛剤MSTT1と同一商品ということを前提にしてホームページを見ると滑稽すぎて笑えること必至です。
だってM字型薄毛の原因を追究し研究に研究を重ねて完成したものがプランテルというのですから。
OEM会社が開発した汎用育毛剤に「薬用プランテル」という名前を付けて売っているだけの商品で、一体誰が研究に研究を重ねたのか聞いてみたいね。
こんなものがお得なはずの定期コースでも1本6,980円もするんだぜ。
薄毛になってしまった部分に新たな髪を生やしたいのであれば間違っても薬用プランテルに手を出してはいけません。
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