ポリピュアEXは少し成分が入った水

ポリピュアEXはまったく効かない

ポリピュアEXは独自の特許成分である「バイオポリリン酸」を配合していることが大きな特徴の育毛剤。「2ヶ月使える」と謳っていることもあってお得感もあり人気の商品になっていますが、そこには色々と落とし穴が隠されています。

実際にポリピュアEXのことを調べれば調べるほどツッコミどころが満載で、発毛とは程遠く2ヶ月の使用も胡散臭いことが分かってきます。

ではそんなポリピュアEXのダメなところをひとつずつ見ていきましょう。

    目次
  1. バイオポリリン酸の効果に疑いの目
  2. 30%増量の謎
  3. 驚くほど浸透しないナノ技術
  4. バイオポリリン酸以外の成分は?
  5. バイオパップス追加に意味は?
  6. ポリピュアEXの副作用
  7. ポリピュアEXって本当に2ヶ月使えるの?
  8. モンドセレクション金賞の無意味さ
  9. ポリピュアEXはおすすめできない

バイオポリリン酸の効果に疑いに目

ポリピュアの最大の売りは独自の特許成分であるバイオポリリン酸を配合していることですが、これっていったいどんなものなのでしょうか?

薄毛やハゲの人の毛乳頭は眠っている状態で、このバイオポリリン酸を使うことによって毛乳頭に働きかけ睡眠状態から覚醒させる…というものらしいですが、特許成分のわりに公式ホームページでも詳細が語られていません。

とりあえずバイオポリリン酸に言及しているところをよく見ると、リニューアル後にずいぶんパワーアップしたようなことが書いてあるが…

効果ないバイオポリリン酸

「ただの保湿成分かよ!!」

…とツッコミを入れたくなります。まあ育毛剤に配合されるその他の成分のほとんどは「※保湿成分」の注意書きが右下の方に小さく書いているのが通常。これは薬機法上の措置と考えられます。

公式サイトには「毛乳頭をケア」「毛乳頭へアプローチ」など育毛や発毛を連想させる言葉を用いていますが、具体的なメカニズムには言及していません。

そして熱心に研究している割に、実際の人間頭皮を用いた臨床試験は行われていない。一応培養した毛包を用いた試験を行い活性化が確認されたとしているが、あくまでも自分の研究所で出した結果なので客観性に乏しい。加えて育毛剤の有効成分としてすら認められていない。

資生堂が特許を取ったアデノシンが有効成分として認められ、臨床試験も行い、日本皮膚科学会にその効果を認められたのと比べるとバイオポリリン酸の力不足感といったら…

特許だー独自成分だー言っても、そのへんに腐るほど存在している宣伝文句だけ威勢がよく実際はまったく効果のない育毛剤となんら変わらない印象。それが薬用ポリピュアEX。

30%増量の謎

バイオポリリン酸30%増量の謎

育毛剤業界はもちろん化粧品業界でもたびたび目にする「成分○○%増量!」の文字。これだけ見ると「さらに効果的になったのかー」と感じる人も多いでしょう。でもそもそも前提から間違っている。

有名なところだとブブカの「M-034を200%増量」が挙げられ、ポリピュアEXの「バイオポリリン酸30%増量」もまた同様。しかしこれ、そもそもの含有量が書かれていないので、信憑性は皆無といっても過言ではない。

万が一、億が一バイオポリリン酸に発毛効果があるとしても、それがどの程度の含有量で効果を発揮するのかまったく分からない。例えばポリピュアEXの内容量に対し5%配合されていれば一定の効果が望めるとしても、含有量が明記されていないのであれば極端な話0.1%である可能性も否定できませんよね。

そこから30%増量したとしても0.13%。笑い話にもならん。

もう少し穿った見方をするなら、含有量非公開ながら当初は1%配合していたものをじわじわと減らしていき、30%増量してまた1%に戻ったなんて可能性もゼロではない。

近年活発に内容量を減らしているスナック菓子などでよく見るよね、その手法。内容量をガンガン減らしているのに「10%増量」でお得感を演出する姑息なアレ。それでもまだ内容量を明記しているだけまし。

ポリピュアEXが必ずしもそうだとは言わないが、含有量を明記していない時点で「○○%増量」は形骸化していると言っていい。

驚くほど浸透しないナノ技術

気になる点はまだある。それは浸透力に関し「※角質層まで」と書いている点。

バイオポリリン酸の効果は嘘 公式ホームページでバイオポリリン酸について紹介されている文の中には「頭皮への浸透力が約2倍にアップ」と記載。しかし注意書きとして「※角質層まで」とあります。

角質層は右図のように皮膚のごくごく表面の部分のこと。その厚さ0.02mm。毛乳頭に働きかけるはずのバイオポリリン酸の紹介で角質層までの吸収が2倍とか言われても…

新手のギャグかと目を疑ったわ。

まあ、薬機法(旧薬事法)において医薬部外品や化粧品は角質層までの浸透しか謳えないことになっているので、仕方ないと言えば仕方ないんですけどね。

とはいえ、角質層までの浸透力アップを誇らしげに語るということは、「そもそもポリピュアEXって毛乳頭まで届かないんじゃ…」と考えるのが自然ですよね。

バイオポリリン酸については「バイオポリリン酸で髪の毛は生えない」で詳しく取り上げていますので、気になる人は参照してください。

■独自の特許う成分のわりにバイオポリリン酸の説明が不十分
■角質層までの浸透力アップを誇らしげに書くあたりに怪しさ爆発

バイオポリリン酸以外の成分は?

ツッコミどころ満載のバイオポリリン酸は置いておいて、とりあえずポリピュアEXの全成分に目を向けてみましょう。

少し前にリニューアルが行われ成分が追加・変更されていますので、リニューアル前のものも併せて表記しておきます。

新ポリピュアEX 旧ポリピュアEX

ニンジンエキス(※)
センブリエキス(※)
グリチルリチン酸ジカリウム(※)
パントテニルエーテル(※)
精製水
エタノール
ポリリン酸ナトリウム
加水分解コラーゲン末
酵母エキス(1)
酵母エキス(2)
チョウジエキス
ヒオウギ抽出液
ホップエキス
レイシエキス
l-メントール
水素添加大豆リン脂質
γ-オリザノール
1,3ブチレングリコール
水酸化ナトリウム
リン酸二水素ナトリウム


精製水
エタノール
ポリリン酸ナトリウム
ニンジン抽出液(※)
1-3ブチレングリコール
酵母エキス(1)
加水分解コラーゲン末
センブリエキス(※)
フェノキシエタノール
グリチルリチン酸ジカリウム(※)
チョウジエキス
ヒオウギ抽出液
l-メントール
ユーカリ油

まあたいして変わってないけどな。ちなみに(※)は有効成分。

この中で育毛剤と名乗る上で必ず必要となる「有効成分」と前述のバイオポリリン酸であるポリリン酸ナトリウムと酵母エキス(1)を除くと、残る育毛成分は加水分解コラーゲン末と酵母エキス(2)、チョウジエキス、ヒオウギ抽出液、ホップエキス、レイシエキスくらいですか。

ポリピュアEXのリニューアル時にバイオポリリン酸と相性が良いとして加水分解コラーゲン末とヒオウギ抽出液を追加配合していますが、これら3つはすべて「保湿成分」です。

成分の数が多ければ良いというわけではありませんが、さすがにこれでは髪の毛が生える気がしない…というか、育毛剤だから生えるはずもないんですが…

バイオパップス追加に意味は?

バイオパップスは効果なし? リニューアルに際し「バイオパップス」なる成分が追加されています。成分表的には酵母エキス(2)がそれにあたるらしい。正式な名称は「3’-ホスホアデノシン5’-ホスホ硫酸」。

もちろん保湿成分だがな。

特許の概要を見てみると、薄毛男性の毛包を採取しミノキシジル、アデノシンと併せて試験を行った結果、この2つの成分より高い育毛効果を示したという。

キャピキシルとかリデンシルとか、培養細胞を用いて「ミノキシジルより効果がありました!」と謳うこの手の成分はもうお腹いっぱいだよ。

効果を謳うなら統計学的に有意な数の人間に対して二重盲検法などの厳密かつ客観的な試験を行ってからにしろといいたい。

ちなみに、特許関連の資料ではミノキシジルやアデノシンと同じ濃度0.05%で試験しているバイオパップスだが、ポリピュアEXにどの程度配合されているか明記されていないのはお約束。

■ポリピュアEXの成分は非常に少ない
■新配合のバイオパップスの効果を過信するな

ポリピュアEXの副作用

「育毛剤には大なり小なり副作用があって、ポリピュアEXも例外ではない」。そんな印象を抱いてはいませんか?

そんなことはありません、ポリピュアEXには副作用はほとんどないのです。…もちろんネガティブな意味でな。

しっかりと効果が立証された処方薬などの医薬品には必ず副作用が存在します。それは何らかの作用があれば、その裏で必ず別の影響が発生するから。

例えば、外来生物によって日本の固有種が絶滅の危機に瀕しているとして、その外来生物を駆除すれば固有種が増える可能性がある一方で他の生態系にも影響してきますよね。

目的の生物を駆除(薬の作用)することによって思いもよらない生き物が勢力を伸ばす(副作用)…何らかの効果があるものは必ずこういった作用が存在し、それはプロペシアやミノキシジルといった発毛剤も同様です。

で、ポリピュアEXに副作用はない?そりゃ効果がないからだよ。

ポリピュアEXに限らず育毛剤の多くは発毛剤のような副作用がないことを大きな売りにしていますが、育毛分野に詳しい人間からしてみれば副作用がないというのはネガティブな要素でしかない。

男性型脱毛症(AGA)の遺伝という極めて強い原因に逆らって髪の毛を生やすなら、それ相応の効果が必要なのは言うまでもありません。そしてそこには必ず副作用が存在します。

副作用がない…それは効果がないと公言しているようなものなのです。

ポリピュアEXって本当に2ヶ月使えるの?

ポリピュアEXはそれなりに人気のある育毛剤で、その人気を支えている一因が「1本で2ヶ月使える」というリーズナブルさ。定期コース6,800円、単品7,800円ということを考慮すると1ヶ月換算で定期コース3,400円、単品購入でも3,900円で使用可能ということになります。

「2ヶ月使えるということはさぞかし量も多いのだろう」と思い内容量を見てみると120mlで、公式サイトには「1日2回、1本でたっぷり約2ヶ月分」とあります。

120mlといえばイクオスやチャップアップ、ブブカなど発毛効果はないけど宣伝が上手く機能し人気の育毛剤が採用する標準的な量で、これらの育毛剤は1日2回の使用で期間は約1ヶ月。

同じ1日2回120mlとなればポリピュアEXの1回の使用量はチャップアップやイクオスの半分ということになり、どう考えてもポリピュアEXは他の育毛剤に比べて薄く塗る必要がでてきますよね。

角質層までしか浸透しないような育毛剤を薄く塗るって…

まあ「1本で1日2回、2ヶ月使えるかどうか?」という点では「薄く塗れば使える」となりますので嘘にはなりませんが、それを言いだしたら6ヶ月でも1年でもOKということになる。

ポリピュアEXをどんなに多量に塗ったって発毛などしないのだから、いっそのこと「持っているだけで育毛効果があります」とかにすればいいんじゃない?

ああ、でもそれをやると売り上げを支えている無知なハゲが1本しか買ってくれなくなる上に薬機法違反になっちゃうのか。

■2ヶ月使えると謳うポリピュアは1ヶ月のチャップアップなどと同じ内容量
■薄~く広く塗布すれば2ヶ月使えないこともないので嘘にはならない

モンドセレクション金賞の無意味さ

ポリピュアEXのモンドセレクション

ポリピュアEXの売りのひとつに「6年連続でモンドセレクション金賞を受賞している」というものがあります。もちろん公式サイトでは誇らしげに画像を多用している。※上図は無駄に多く加工しています。

私が知る限り育毛剤の中で金賞受賞を最も長く続けているのがこのポリピュアEX。しかしそもそもこのモンドセレクション自体が何の意味も価値もない賞だから困ったもの。

ネットやテレビなどのメディアでたまに取り上げられるため知っている人もいると思いますが、このモンドセレクションは欧州ベルギーの民間団体が主催しているもので、その甘々な審査基準から「金で買える賞」と揶揄されています。

分かりやすいデータを見てみましょう。2017年度は世界各国(7割は日本)から審査の応募があった2965点の商品の審査結果はというと…

受賞した製品の数 受賞率
最高金賞 420 14.16%
金賞 1368 46.13%
銀賞 737 24.85%
銅賞 166 5.59%
選外 274 9.24%

実に2691の商品が何らかの賞を受賞しています。すげー。

そのうち金賞もしくは最高金賞を受賞してるのは6割強。つまり、モンドセレクションの審査に応募すれば9割は何らかの賞を受け取ることができ、そのうち6割は金賞以上。その金賞を6年も連続で受賞しているポリピュアEXってすごいねー(棒)。

全然セレクションじゃない

「モンドセレクション」という名前から運営団体が世界各国から優れた商品を選び、独自に審査している印象を受けるでしょう。しかしこれは自ら金を払って応募することではじめて審査されるものであり、運営する団体は金を貰って審査してやっている立場。

ちなみにその額は1150ユーロ(約15万円)。

しかもその審査内容は効果や作用を立証するものでは決してない。簡単に言ってしまえば「お金を出してくれる企業に賞をばらまいてくれる団体」ということ。

もっと分かりやすく言おうか?「ゴミ賞

なんか知らんが我が国はモンドセレクションをありがたがる国民性なのか、上でも書いたように審査を応募する商品の7割が日本。裏を返せば本場ヨーロッパはもちろん、日本以外では空気のような賞ということになる。

ポリピュアEXの6年連続モンドセレクション金賞受賞がどれほどすごいことかお分かりいただけたでしょうか。

ポリピュアEXはおすすめできない

個人的にはまったくおすすめしません。

バイオポリリン酸の効果が不透明であることに加え浸透力は角質層まで、成分量は非常に少ない、売りの2ヶ月使用も怪しいとツッコミどころは満載で、個人的には「成分が十数種類入った水」という印象しかありません。

まあ育毛剤の中身の大半は水なので当然といえば当然ですが。

ただ、育毛剤に髪の毛を生やす効果がないのはすべてに共通する点ですので、チャップアップやイクオスみたいなものに1ヶ月9,000円出すくらいなら、ポリピュアEXを買って2ヶ月使用したほうが懐のダメージが少ないという見方もできます。

もちろんそれは「どうせ発毛効果のないものを頭皮に塗るなら損が少ないほうがまし」という後ろ向きな考え方でしかありませんが。

発毛剤ミノキシジルですら外用薬では効果は限られるのに、育毛剤で髪の毛が生えると思うのがそもそもの間違い。考えようによっては育毛剤で髪の毛が生えるという淡く無駄な希望を、育毛剤の中では相対的に安い価格で提供してくれるポリピュアEXは良心的なのかもしれません。

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