ブラックシャンプーに育毛効果なし

効かないプレミアムブラックシャンプー

育毛シャンプーで最も知名度が高いのは文句なくアンファーの「スカルプD」でしょう。一方、ネットを中心に人気になっている「プレミアムブラックシャンプー」なる存在が。しかし残念ながら発毛効果はもちろん育毛効果すらありません。

そもそも、厳密にはいわゆる“育毛シャンプー”というものは存在しませんし、ただの洗髪剤であるシャンプーに発毛効果及び育毛効果を期待することは間違っているのです。それはプレミアムブラックシャンプーも例外ではありません。

にもかかわらず、プレミアムブラックシャンプーは楽天市場の部門別で何度も1位を獲得するなど、ネット上では高い人気を誇っています。

はじめから「気休めの薄毛対策」と理解しているのであればまだしも、もし「薄毛を改善させたい」と考えてプレミアムブラックシャンプーを使用・検討しているのであれば、考え方を改める必要があるでしょう。

プレミアムブラックシャンプーの成分

いわゆる“育毛系シャンプー”にカテゴライズされるであろうプレミアムブラックシャンプーは、同カテゴリの商品の中でも比較的高価なことが特徴。注目したいのは、その価格に見合った成分が配合されているかどうかです。

まずはプレミアムブラックシャンプーの全成分を見てみましょう。

プレミアムブラックシャンプー
成分
グリセリン

コカミドプロピルベタイン
ココイルグリシンK
ラウリルグルコシド
ラウロイルメチルアラニンNa
ココイルグルタミン酸TEA
トリイソステアリン酸PEG-120メチルグルコース
メントール
ポリクオタニウム-7
BG
ポリクオタニウム -10
PEG60-水添ヒマシ油
オリーブ油
水添レシチン
オタネニンジン根エキス
加水分解ケラチン
ヘマチン
ポリ乳酸
褐藻エキス


センブリエキス
加水分解コメエキス
エタノール
アルニカ花エキス
オドリコソウ花/葉/茎エキス
オランダガラシ葉/茎エキス
ゴボウ根エキス
セイヨウアカマツ球果エキス
セイヨウキズタ葉/茎エキス
ニンニク根エキス
ローズマリー葉エキス
ローマカミツレ花エキス
オレンジ油
ユズ油
ユーカリ油
グリチルリチン酸2K
ドクダミエキス
クララ根エキス
グレープフルーツ種子エキス

プレミアムブラックシャンプーは21種の天然成分が入っているというのが大きな売りになっているものの、成分全体に目を通してみても、目新しいものや革新的なものはまったく見当たらない。

育毛剤はもとより、他の育毛系シャンプーや女性用化粧品でもよく見る成分が並んでいる…という印象になるか。

中でもオタネニンジン根エキスセンブリエキスグリチルリチン酸2Kは育毛剤の有効成分としてよく目にするものの、薄毛を改善させる効果は期待できない。

このあたりはリンク先を見てもらえば分かるように、これらがいかに髪の毛が生えない成分か詳しく書いています。

しかも、育毛剤の有効成分として使われる際は規定量を配合すると決められているので、1%程度の含有量が担保されていますが、シャンプーの場合はそういった規定はないため、含有量はかなり少量と思われます。

「ボタニカル系」とされるシャンプーでよく目にする成分ばかりが目立ち、薄毛やAGAの改善に効果がある成分は一切見当たらない。これで約5,000円…無知な消費者を食い物にしようという意図がありありと見て取れます。

プレミアムブラックシャンプーの洗浄成分は?

高価なプレミアムブラックシャンプーの使用をあえて検討する人というのは、薄毛を気にしているケースがほとんどなのではないでしょうか。そうなると特に気になるんは「洗浄成分(界面活性剤)」ですよね。

このシャンプーの洗浄成分は洗浄力のマイルドなアミノ酸系。そもそも、約5,000円という値札を引っさげているのですから、安価な高級アルコール系洗浄成分ではなくアミノ酸系洗浄成分を使用するというのは当たり前。

プレミアムブラックシャンプーの洗浄成分の中でラウロイルアラニンNaココイルグルタミン酸TEAヤシ脂肪酸グリシンKはアミノ酸系、コカミドプロピルベタインはベタイン系、ラウリルグルコシドは植物由来の洗浄成分。

複数の洗浄成分を組み合わせつつも、頭皮に過度な刺激を与えないことを意識していることが見て取れます。

ただ、洗浄力の強いラウレス硫酸Naなどの高級アルコール系(石油系)シャンプーを使用している市販のシャンプーで髪を洗ったことが原因でハゲることはまず考えられない。

これが知れ渡ってしまうと高価なシャンプーの存在意義が無くなってしまうため、高価格帯のシャンプーを販売している業者や、紹介料を得るために宣伝を兼ねた記事を作成しているサイトは高級アルコール系洗浄成分を必死に叩きますけどね。

実際は洗浄力が強いとされる高級アルコール系洗浄成分を使用したからと言って薄毛になることもなければ、アミノ酸系を使って髪の毛が生えることもありません

どうしてもアミノ酸系の洗浄成分が良いのであれば、「いち髪」で十分かと。

発毛効果も育毛効果もない理由

ここまで、プレミアムブラックシャンプーには新たな髪の毛を生やす発毛効果どころか、今ある髪の毛を太くするといった育毛効果すらないと書いてきました。

なぜそう言い切れるのか?

例えば、チャップアップやイクオスEXプラスといったネット通販を中心に人気の育毛剤には、AGAや薄毛を改善させる発毛効果は一切期待できず、私達が悩まされているAGA対策のために使用してもまったく意味を成さない現実があります。

なぜなら、チャップアップなどは医薬部外品の育毛剤というカテゴリの商品であり、そもそも薄毛やAGAを改善させる目的の商品ではないから。

胃がんを治すために胃薬を飲みますか? 大腸がんを治すためにヨーグルトを食べますか? AGAや薄毛を治すために育毛剤を使用するというのは、こういった行為と同レベルの無意味な対策なのです。

ましてやプレミアムブラックシャンプーは、発毛効果はもちろん育毛効果すら存在しない、化粧品カテゴリの平凡なシャンプーなので、現在生えている髪の毛の成長を促進させる効果すら期待できない。

そうは言ってもプレミアムブラックシャンプーは人気の商品だし、実際は多少の発毛・育毛効果はあるんじゃ…」と思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし冷静に考えてみて下さい。

育毛剤ですら様々な育毛成分を配合してなお発毛効果はもちろん、ろくな育毛効果すらないのに、育毛剤より濃度の薄い成分を「泡」という密度の低い状態にした上に、2、3分で綺麗に洗い流すものに育毛効果があると思いますか?

それでも発毛成分であるミノキシジルを配合したフォリックスFR-S1や、発毛効果があるという試験結果が存在するケトコナゾール配合のケトコロストシャンプーであれば、淡い期待も抱こう。

しかしプレミアムブラックシャンプーには、医薬部外品から女性用の化粧品にまで幅広く使用される、ごくごく平凡な成分しか配合されていない。それで毛が生えたら世の女性の顔は毛むくじゃらですよ。

値段の高さも相まって期待せずにはいられないプレミアムブラックシャンプー。とはいえ、しょせんは化粧品カテゴリのシャンプーである点を忘れてはなりません。

スカルプDに比べれば誠実さを感じる

間違いなく髪の毛が生えないと断言できるプレミアムブラックシャンプーですが、圧倒的な知名度を誇る育毛系シャンプー「スカルプD」に比べ誠実さを感じる面もあります。

それはスカルプDが発毛剤と同じような効果があると錯覚させる表現を使っているのに対し、プレミアムブラックシャンプーはそういった紛らわしい表現を控えている点。

というのもスカルプDは以前、男性型脱毛症(AGA)の原因である5αリダクターゼという酵素を阻害するように錯覚させるような表現を使っていた過去があります。今はさすがに削除したらしいが。

こういった発毛効果を連想させる際どい表現は育毛剤の常套手段ではあるものの、育毛シャンプーごときがこれをやってしまうあたり、アンファーの企業姿勢とコンプライアンスのあり方が見て取れる。

そこへいくとプレミアムブラックシャンプーは発毛効果を匂わせる表現は一切使っていない。スカルプDが医薬部外品なのに対し、ブラックシャンプーはただの化粧品という点も影響しているのかもしれません。

そうはいっても、化粧品カテゴリのキャピキシルを用いた育毛剤(化粧品だが)は思いっきり発毛効果を匂わす表現を使っており、このあたりはメーカーの良心次第といったところか。

そういった点においてプレミアムブラックシャンプーは過度な表現を控えており、それについては評価できる。

スカルプDを上回る高い価格

一方でまったく評価できないのが価格。

医薬部外品のスカルプDですら3,973円と異様に高価なのに、たかだか化粧品のプレミアムブラックシャンプーときたら…

商品名 内容量 価格
単品購入 400ml 5,280円(税込)
定期コース 400ml 4,752円(税込)

にわかには信じがたい価格設定。

プレミアムブラックシャンプーを使ったところで髪なんて1mmも生えないのに5,000円超。誰が買うんだこんなもん…と感じるが、実際はそれなりに売れている。

藁をも掴む思いのハゲの行動力と、金に糸目をつけない金銭感覚は想像以上だな。

一応1本で2ヶ月使えるとのことですから、1ヶ月あたりの出費は約2,600円。ちなみに発毛剤であればフィンペシア+ミノキシジルタブレットの強力なセットが1ヶ月あたり2,000円以下の費用で使える。

そう考えると、これを買う人は何を目的に買っているんだろう?

薄毛が気になってきた人が、ハゲ改善のために買うものだという認識なのですが、髪の毛を生やす効果が一切ないものに、発毛剤以上のお金を出すわけですからね。

ヘアケアしてるぜ」的な自己満足で十分なのだろうか?

病気に例えれば、癌の治療において感知する可能性が最も高い「手術」という保険適用の標準治療を拒み、高額かつエビデンス(科学的根拠)のない胡散臭い民間医療に傾倒するようなもの。

まあ…その結果癌が進行し手遅れになってしまう例が数多存在しますけどね。

薄毛も同じです。フィナステリドやミノキシジルといった発毛剤の副作用を懸念し、プレミアムブラックシャンプーなどでお茶を濁している間にも薄毛やAGAは確実に進行します。そして気付いた時には手遅れと。

そうならないためにも、AGAや薄毛対策は何が正しくて何が間違っているのか、しっかりと下調べし正しい選択をする必要があるのです。

なにを目的に使うのか自身に問いかけるべし

最近薄毛になってきた気がする…

そう感じた人が、最初に手に取るヘアケア商品というのは育毛シャンプー(スカルプシャンプー)が最も多いというデータもあります。

確かに発毛剤や育毛剤というと敷居が高い印象があるかもしれません。その点シャンプーであれば普段から毎日行うものなので、それを育毛シャンプーに切り替えれば済むという手軽さも一因か。

ただ…それって目的を見失っていませんか?

育毛シャンプーを使えば「ヘアケアをやっている」「これで薄毛が改善するかもしれない」という安心感や満足感を得られるかもしれませんが、何度も書いているようにシャンプーで髪が生えることは100%ありません。

だからといってチャップアップやイクオスEXプラス、フィンジアといった育毛剤にも発毛効果はなく、使用しても薄毛が改善することはない。

本気で髪の毛を生やしたいのであれば、手遅れにならないうちにフィナステリドやデュタステリド、ミノキシジルといった発毛剤を使うようにして下さい。

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