チャップアップシャンプーに期待するな

チャップアップシャンプーは効果なし

チャップアップといえば、ウェブを中心に販売する育毛剤としてNO.1の座に居続ける人気商品。AGAや薄毛を改善させる効果は人気とは比例していませんけどね。

そんなチャップアップには育毛シャンプーが存在するのをご存知ですか? 定期コースに付属するサプリメントを含め、育毛全般をチャップアップブランドで囲い込もうという算段なのでしょう。効果はさておき。

人気の育毛剤ブランドが送り出す育毛系シャンプーとあって、この商品に薄毛の改善を託す人もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし育毛剤やシャンプーを含め、チャップアップブランドの商品で髪の毛が生えることはありません。

これで髪の毛が生えると勘違いする人がこれ以上出てこないようにするためにも、チャップアップシャンプーが具体的にどういった商品で、なぜAGA(男性型脱毛症)や薄毛改善が見込めないのか詳しく解説したいと思います。

チャップアップシャンプーの成分

チャップアップシャンプーがどういったものかを判断するには成分を見てみないと始まりません。まずは同商品の全成分を見ていきたいと思います。

チャップアップシャンプー
成分

コカミドプロピルベタイン
ラウロイルメチルアラニンNa
コカミドメチルMEA
グリセリン
コカミドMEA
香料
ポリクオタニウム-6
PEG-32
PEG-6
ココイルグルタミン酸Na
トリイソステアリン酸PEG-120メチルグルコース
リンゴ酸ジイソステアリル
フェノキシエタノール
BG
トリイソステアリン酸peg-20水添ヒマシ油
ポリクオタニウム-53
安息香酸Na
クエン酸
ペンテト酸5Na
エタノール
カンゾウ根エキス
オウレン根エキス
グリチルリチン酸ジカリウム
メチルグルセス-20
ラウリン酸ポリグリセリル-10
グルコシルルチン
グルコシルヘスペリジン
PPG-3カプリリルエーテル
ショウガ根茎エキス
セバシン酸ジエチル
グリシン
フィチン酸
酸化銀
PPG-7
クエン酸Na
塩化Na
ユキノシタエキス
ゴボウ根エキス
ウメ果実エキス
アルテア根エキス
トウキンセンカ花エキス
セイヨウサンザシ果実エキス
セージ葉エキス
カミツレ花エキス
ラベンダー花エキス
ローズマリー葉エキス
タチジャコウソウ花/葉エキス
サトザクラ花エキス
サガラメエキス
ドクダミエキス
レモン果実エキス
マタタビ果実エキス
γ-ドコサラクトン
キュウリ果実エキス
アスコルビン酸
リンゴ酸

ちゃんとしたアミノ酸系洗浄成分(界面活性剤)を使用し、当然ノンシリコン。

「Cuシャンプー」という商品名で販売していた時に比べ成分が増えている印象。実際、リニューアルにより新成分の「ジンゲルシックス(ショウガ根茎エキス)」を含め、植物系成分を22種から43種に増やしたらしい。

ジンゲルシックス…チャップアップ育毛剤に鳴り物入りで配合された、「独自成分」という謳い文句の平凡なショウガエキス(ショウキョウエキス)ね。

メーカーとしては「育毛剤チャップアップの目玉成分をシャンプーにも配合しました!」と強調したいのでしょうが…

チャップアップシャンプーの洗浄成分

次にシャンプーの“肝”ともいえる洗浄成分を見て見ましょう。チャップアップシャンプーがどういった洗浄成分を使っているかというと…

  • コカミドプロピルベタイン
  • ラウロイルメチルアラニンNa
  • コカミドメチルMEA
  • コカミドMEA
  • ココイルグルタミン酸Na

洗浄力がマイルドなアミノ酸系洗浄成分としてオーソドックスといえる構成。

メインの洗浄成分となるであろう「コカミドプロピルベタイン」と「ラウロイルメチルアラニンNa」は低刺激で知られた界面活性剤で、それでいてしっかり洗いあげるだけの洗浄力も併せ持っています。

「コカミドメチルMEA」と「コカミドMEA」は共にヤシ由来の非イオン系界面活性剤。コカミドプロピルベタインやラウロイルメチルアラニンNa、ココイルグルタミン酸Naの泡立ちをサポートしつつ、増粘作用で泡の持続性にも寄与します。

男性ホルモンである「ジヒドロテストステロン(DHT)」が原因で引き起こされる薄毛やAGAにアミノ酸系洗浄成分など全くの無意味ではあるものの、アミノ酸系シャンプーとして見ればチャップアップシャンプーの洗浄成分は十分合格点。

■その他の注目成分

その他の成分としてメーカーが押し出しているのが以下の10種。なんでも「天然オーガニック成分」らしいが、オーガニックで髪の毛が生えりゃ苦労はしない。

  • セージ葉エキス
  • ローズマリー葉エキス
  • キュウリ果実エキス
  • タチジャコウソウ花/葉エキス
  • ラベンダー花エキス
  • セイヨウサンザシ果実エキス
  • アルテア根エキス
  • カミツレ花エキス
  • ゴボウ根エキス
  • トウキンセンカエキス

あくまでも頭皮環境を整え健やかな状態を保つための成分である点に注意。当然ながらこの10種の中に薄毛を改善させる作用がある成分は一つとして存在しません。

そもそも、すぐ洗い流すシャンプーに天然成分など気休め以外の何ものでもない。こんなものいくら入っていてもハゲ改善の足しにはならないのです。

ジンゲルシックスの効果は?

リニューアルを行ったチャップアップシャンプーは植物系成分を倍増させるなど商品価値を向上させてきましたが、最も大きな目玉はやはりジンゲルシックス配合でしょう。

このジンゲルシックス、ブブカゼロやイクオスEXプラスに比べ目玉成分が少ない状況を打破すべく、新たに配合した独自成分ですからね。

何やら強そうな響きであるジンゲルシックス、さぞかし凄い成分かと思いきや、前述したとおりただのショウガエキス(ショウキョウエキス)なのです。

はるか昔から様々な化粧品や育毛剤に配合されてきたショウキョウエキスごときが何を言っているんだか…」というのが本音だが、チャップアップやチャップアップシャンプーに配合されているショウガエキスはちょっと違う。

というのも、一般的なショウキョウエキスが黄色ショウガから抽出されるのに対し、ジンゲルシックスは赤ショウガから抽出されるのです。赤ショウガは黄色ショウガに比べ育毛成分である「6-ジンゲロール」が約2倍含まれているとか。

それなら普通のショウキョウエキスを2倍量配合すればいいだけの話じゃね?

歴史の長いショウキョウエキス自体は、以前大手企業の試験により一定の育毛効果が確認できたというデータも存在します。しかしヒトに対しての試験ではなく、マウスの毛を剃り、その部位に塗布するなど、薄毛やAGAとは全く異なる環境なので参考にならない。

ましてや、チャップアップシャンプーは育毛剤のチャップアップと違い、洗い終わればすぐに流してしまう。

ジンゲルシックスを配合した育毛剤のチャップアップですらAGA改善効果や発毛効果は皆無なのですから、チャップアップシャンプーのジンゲルシックスで薄毛がどうにかなるわけがないのです。

チャップアップシャンプーで髪が生えない理由

チャップアップシャンプーは育毛剤や育毛サプリメントを販売しているメーカーが同ブランドで販売していることもあり、育毛効果を期待する人も多いと思います。

しかし、何度も書いているようにこれで髪の毛が生えることもなければ、AGAが改善することも一切ありません

そもそも男性の薄毛のほとんどを占める男性型脱毛症(AGA)は、男性ホルモン「テストステロン」と、5αリダクターゼという酵素が結びついて生成される「ジヒドロテストステロン(DHT)」が原因。

DHTが毛乳頭細胞内のアンドロゲンレセプター(男性ホルモン受容体)と結合することで、髪の毛の成長を阻害する酵素や信号が発せられ、結果ヘアサイクルが乱れて薄毛が進行していくのです。

そして、アンドロゲンレセプターの感受性や5αリダクターゼの分泌量は遺伝によって決定されます。

5αリダクターゼを強力に阻害するフィナステリドやデュタステリド、毛包や毛母細胞に働きかけ力技で発毛させるミノキシジルといった発毛剤であればまだしも、シャンプーごときで遺伝に立ち向かえると思いますか?

シャンプーはもとより育毛剤程度ではどうにもならないのです。

1万歩譲ってチャップアップシャンプーのジンゲルシックスに多少の発毛効果があったとしても、配合されている量は極めて微量。

なぜなら、水と界面活性剤(洗浄成分)が内容量の9割を占め、かつ含有量の多いものから順番に成分表に記されるシャンプーにおいて、ジンゲルシックス(ショウガ根茎エキス)は30番目に記載されているのですから。

ケトコナゾールを2%配合しているケトコロストシャンプーや、ミノキシジルとフィナステリドを配合しているフォリックスFR-S1であればまだしも、チャップアップシャンプーに何を期待するというのだ。

シャンプーが原因の薄毛に効果は?

AGAに対する効果は期待できないにしても、仮に今の自分の薄毛の原因が質の低いシャンプーを使用したことが原因だったら?

「一般的な高級アルコール系(石油系)洗浄成分は洗浄力が強すぎて頭皮に悪い」と言われる昨今、薄毛の原因はシャンプーにあると感じている人もいることでしょう。

だからスカルプDやチャップアップシャンプーなどの育毛シャンプーを使えば、頭皮環境が改善されて薄毛が治るかもしれないと。

確かに「アミノ酸系はマイルドで皮脂を過剰に奪わない」「頭皮や髪の毛への刺激が少ない」というのが育毛シャンプーの決まり文句。しかしシャンプーごときでハゲることなんてまず考えられない。

何らかのアレルギーによる頭皮のかゆみや軽い炎症程度なら可能性もなくはないが、その程度でハゲるほど髪の毛や頭皮は弱くない。

考えてもみてください。ご自身の若い頃や世の女性たちの多くは、高級アルコール系洗浄成分を使用した市販の安価なシャンプーを使っています。でも薄毛になんかなっていないですよね。

洗浄成分とハゲは全く関係ないのです。

これまで使っていた高級アルコール系のシャンプーからアミノ酸系のシャンプーに替えたからといって、髪の毛が生えることは100%ありません。

洗浄力がマイルドなアミノ酸系洗浄成分が良い…この言い分は高い商品を売りたい業者のセールストークに他ならないのです。

安定の天真堂製

チャップアップシャンプーは「毛髪診断士と美容師が開発した」と謳っていることから、どれだけ研究開発を重ねたのかと思って裏を見れば、そこにあるのは「天真堂」の文字。

チャップアップシャンプーは天真堂製

チャップアップやイクオスEXプラス、ブブカゼロといったネット通販で人気の育毛剤は、元々「天真堂」というOEM商品を製造販売している会社の「ソヴール08」という汎用育毛剤を使用していたのは有名な話です。

天真堂のホームページを見てみましたが、チャップアップシャンプーと同じ成分のOEM用商品はなかったためソヴール08のような“汎用そのまんま”という事ではないようですが、完全な外部委託であることに違いはありません。

こういった行為自体は広く一般的に使われている手法なので「ダメ」というつもりは毛頭ありません。イオンのトップバリュやセブンイレブンのセブンプレミアムなどのプライベートブランドはほとんどがこの手法ですよね。

ただ、チャップアップシャンプーのように、「自社で研究・開発の末生み出しました」的な印象を消費者に抱かせる宣伝文句はいただけない。

例えばチャップアップシャンプーの目玉成分であるジンゲルシックス。これ、「チャップアップしか使えない」という謳い文句ですが、天真堂が独自研究開発した成分「赤ショウガエキス」として公式サイトに掲載しているんですよね。

参考サイト:天真堂

天真堂との契約でチャップアップシリーズのみに配合できる独占権を取得しているといったところか。「開発」といえば聞こえはいいが、実際は社内や天真堂と協議して「じゃあこれ入れましょっか」的な感じなんだろうなと推測されます。

どこの企業が研究開発していようが、製造していようが、ハゲ改善に効果があれば文句はありません。しかしチャップアップシャンプーは薄毛にまったく効果がない商品。

そのため「ぽっと出の小さいベンチャー企業が他社ブランド向けの商品を製造している企業にそれっぽい商品を作らせ、いかにも効きそうな文言を添えて売っている」という悪いイメージがどうしても先行しがち。

価格が非常に高い

育毛剤や発毛剤など、薄毛に関連する商品の価格が高いのは半ば常識化していますよね。発毛剤であるリアップX5プラスネオは1本7,000円以上しますし、ハゲ改善にまったく効果を示さない市販の育毛剤ですら5,000~10,000円がざら。

それは育毛系シャンプーも同様で、最も有名であるスカルプDは4,000円弱、ネットを中心にそれなりの人気を誇るプレミアムブラックシャンプーは5,000円以上と、ハゲの足元を見て驚きの値札を掲げています。

それはチャップアップシャンプーも例外ではありません。

商品名 内容量 価格
単品購入 300ml 5,300円(税込)
定期コース 300ml 3,280円(税込)

単品価格ではスカルプD(3,973円)はおろかプレミアムブラックシャンプー(5,280円)より高いという強気の価格設定。しかも内容量はスカルプD350ml、ブラックシャンプー400mlに対し、チャップアップシャンプーは300mlと少ない。

OEM開発企業の天真堂に作らせているんだから研究費なんてほとんどかかっていないだろうにこの価格…まあ育毛剤にしてもソヴール08をそのまんま使っていた頃から定価14,800円を引っさげていたんだからこんなものか。

安く仕入れて高く売るは商売の基本ですからね。

一方、定期コースは2ヶ月毎に2本セットで送られてくる仕組みで、価格は2本セットで税込6,560円…つまり1本当たり3,280円と、スカルプDの定期3,377円やプレミアムブラックシャンプーの4,752円より安い。

メーカーとしては安定した売り上げに繋がる定期で買ってもらうに越したことはなく、チャップアップシャンプーは定価の単品購入価格を高く設定することで相対的に定期購入をお得に見せる作戦なのでしょう。

1本当たり1,700円のリグロースラボM5あたりのミノキシジル発毛剤を使用すれば薄毛が改善する可能性が高いというのに、3,000円も4,000円も出して発毛効果がないシャンプーを使う意味が分からない。

顧客の囲い込みに必死なのが見て取れる

チャップアップはシャンプー市場に参入してから日が浅く、基本的には育毛剤と育毛サプリメントが主力となっています。

育毛シャンプーを扱うようになったのは、育毛関連商品の入り口として人気のシャンプーで薄毛に悩む男性を取り込み、育毛剤などの販売にも繋げていきたいからでしょう。

事実、公式サイトでは育毛剤とシャンプーのセットや、サプリメントも付けた3点セットを大々的に取り上げており、ハゲの取り込みに躍起なのが見て取れます。

しかし、当サイトで散々書いているように、市販の育毛剤やサプリメントに髪の毛を生やす効果は一切なく、育毛シャンプーに至ってはもはや気休めにすらならない

業者としては育毛関連商品が売れて儲かればハゲがどうなろうが知ったことではないのでしょうが…薄毛改善を期待してチャップアップシャンプーを使用するも、思うような効果はなく薄毛が進行して手遅れになる消費者のことも考えて欲しい。

かつて雨上がり決死隊として活躍していた宮迫博之さんがスカルプDの広告塔になりながら、その裏では薄毛治療をおこなって髪の毛を増やしたのを見ても分かるように、育毛関連商品なんてそんなものなのです。

チャップアップシャンプーなど使っても無駄

もしあなたが薄毛を改善させるためにチャップアップシャンプーの購入や使用を検討しているなら、すぐにその考えを改めるべき。

シャンプーが原因でハゲることはないし、逆に育毛系シャンプーで髪の毛が生えることも絶対にないのですから

もし、今使っているシャンプーが原因で頭皮に炎症を起こしていると感じているなら、まずは皮膚科に行くなり、ケトコナゾールやミコナゾールなど医薬品成分が入っている薬用シャンプーを使うなりするべき。

そして、頭皮にこれといった問題がないのに薄毛が進行している場合はシャンプーを替えてもまったく意味がありません。

安いシャンプーを使いながらフィナステリドやデュタステリド、ミノキシジルといった発毛剤を使用したほうがはるかに経済的かつ効果的です。

え? 発毛剤は副作用が怖い?

発毛剤の副作用に関して、育毛サイトや育毛剤メーカーなどが過剰に不安を煽っていますが、実際には副作用の発現率は5%ほどとそれほど高くありません。リアップなどミノキシジル外用薬に至っては稀に頭皮のかゆみやかぶれが出る程度。

それでも副作用が怖いと言うのであれば大人しくハゲを受け入れましょう。

ノーリスクハイリターンなんて都合の良いものは存在せず、それなりのリターン(発毛)を求めるなら、多少のリスク(副作用)は許容すべき。それは発毛剤のみならず、医療機関で処方されるすべての薬に該当すること。

薄毛を治すには育毛剤やシャンプーでは話にならず、発毛剤が唯一の対処法というのは、世界中で行われている臨床試験で導き出された純然たる事実なのです。

高い効果で人気の発毛剤
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育毛剤に惑わされ発毛機会を損失する人が1人でも減るよう拡散お願いいたします。

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