アデノシン 髪は生えないが育毛効果あり?

アデノシンで髪は生えない

日本の一部育毛剤などに使われるアデノシンは高い育毛効果があるとされ、実際に一部の試験では一定の効果が出ているものの、それはあくまでも育毛効果であり発毛効果は一切ありません。※2017年において一定の発毛効果が認められました。(理由は後述)

このアデノシン、近年乱発傾向にある育毛剤が出てくる以前から育毛剤の有効成分として認められており、資生堂のアデノバイタルやアデノゲン、海外の育毛剤でも使用されているものがあります。

チャップアップイクオスのような客観的根拠に乏しいものに比べればある程度しっかりとした論文が出ている分、信頼性としてはずいぶんマシ。

ただ、発毛剤のような髪の毛を生やす効果はあまり期待できず、「髪の毛がちょっと太くなればいいな」程度の成分であるのは間違いありません。

これを配合した育毛剤の使用を考えている人もいると思いますので、中立的な観点からアデノシンがどういったものか評価していきましょう。

    目次
  1. 日本皮膚科学会によるアデノシンの評価
  2. 【追記】アデノシンの評価が上昇
  3. アデノシンの論文とは?
  4. アデノシンに副作用は?
  5. アデノシンを配合する育毛剤・発毛剤
  6. 過度な期待はできないが他の育毛剤よりまし

日本皮膚科学会によるアデノシンの評価

アデノシンは日本皮膚科学会が2010年に示した男性型脱毛症診療ガイドラインで評価されている数少ない育毛剤の有効成分となっています。

まずはその評価の概要を見てみましょう。

アデノシンの評価

評価としては上から3番目、下からも3番目という微妙な立ち位置で、フィナステリドやミノキシジルに比べればしょぼい評価であることは間違いない。

それでも「用いてもよい」という評価を得ている理由にはある一編の論文があるからで、日本皮膚科学会のこの論文のデータによってそこそこの評価をしている事が伺えます。

また、アデノシンはグリチルリチン酸ジカリウムセンブリエキス同様厚生労働省から「有効成分」として認められているため、現状ではM-034キャピキシルのようなどこの馬の骨とも分からない成分より信頼はできる。

…もちろん髪の毛が生えるわけでは決してないがな。

【追記】アデノシンの評価が上昇

日本皮膚科学会が2010年に策定した男性型脱毛症診療ガイドラインにおいて、育毛成分としてはまあまあの評価を得ている一方で発毛効果までは認められていなかったアデノシン。

しかし、2017年になって刷新された「男性型および女性型脱毛症診療ガイドラインでは1段階評価を上げる結果になっています。

アデノシンの評価2017年版

とはいっても男性に対してのみだけどな。

なぜ男性に対しての評価がこれまでの「C:行うことを考慮してもよいが、十分な根拠がない」から「B:行うよう勧める」になったのかというと、2010年時点では男女ともに1件ずつしかなかった論文や臨床データが男性に対しては3件に増えたため。

そのうち2件は比較対象に対して明らかに優位な結果になり、別の1件に関してはミノキシジル5%との比較において同等の発毛効果が認められたとのこと。

それによって評価が上昇したものの、ミノキシジルに比べれば圧倒的にデータが少ないためB評価に留まったと推測されます。

女性に対しては相変わらず1件のデータしかないため評価を据え置いている。

日本においてアデノシンを用いた育毛剤というのは資生堂のアデノバイタルとアデノゲンしか存在せず、中でも女性用のアデノバイタルが人気ということを考えると微妙な結果ではある。

アデノシンの論文とは?

上で触れたアデノシンの論文について少し触れておこう。

ややこしい説明は省きますが、アデノシンの発毛メカニズムは薄毛部分の毛乳頭細胞に作用し発毛促進させる「FGF-7」という成長因子の生成を促すことにあります。

論文ではこれを実証するため実際の人間に使用して検証しています。

その試験内容とは、アデノシンを配合したローション使用群51人と、育毛剤にも使用されるニコチン酸アミドを配合したローション群50人に分け、6ヶ月間使用し結果を見るというもの。

で、結果がこれ。

アデノシンの試験結果

それぞれ50人とそれほど数は多くないものの、アデノシンを使用した群は軽度改善、中等度改善の数が有意に多くなっているのが見て取れます。

日本皮膚科学会の評価はこの論文の結果を受けてのもので、これだけ見れば「お、アデノシン結構良いじゃん」となりそうなものだが、もちろんこれには続きがある。

というのも、この軽度改善や中等度改善は薄毛が改善したわけではなく髪の毛の太さの話で、その太さに関しても平均すると毛髪径40μm未満の軟毛が数%減少し、60μm以上の髪の毛が10%程度増えたというもの。

論文の中でもハッキリと「毛髪本数はほとんど変化しなかった」と書いてある。

「今ある髪の毛がちょっと太くなればいい」と思っている人にとっては選択の余地もあるかもしれないが、髪の毛を増やしたいと考えている人にとっては無意味な成分ということになります。

アデノシンに副作用は?

育毛剤の副作用に懸念を抱いている人も多いと思いますが、アデノシンに副作用はほぼないので安心していい。もちろん発毛効果もないが。

これは上でも触れた日本皮膚科学会の男性型脱毛症診療ガイドラインにおいても、副作用が軽微な点が考慮され一定の評価を得ていることから、同成分を使って何かしらの副作用が出る可能性はほぼゼロと見ていいでしょう。

ちなみに、チャップアップなどの育毛剤を売るため発毛剤の副作用を必死に叩いている育毛関連サイトをよく目にすると思いますが、件のガイドラインにおいて、20000例を超える症例にミノキシジル外用薬と偽薬(プラセボ)を1年以上使わせたところ、有害事象の発生頻度に有意差はなかったと明言されている。

外用薬においてはミノキシジルですら副作用のリスクはほとんどないんだから、アデノシンにあるはずもない。

アデノシンを配合する育毛剤・発毛剤

日本においてアデノシンを使用した育毛剤は資生堂以外に出している企業は見当たらず、かつては「リアルラゾンDX」なるものが存在したらしいが、現在はそれも見当たらない。

ただ、海外のものに目を向けると、最強のミノキシジル外用薬として名高いポラリス(現フォリックス)の一部シリーズにも配合されています。

アデノシン配合育毛剤・発毛剤を見てみると…

  • アデノバイタル
  • アデノゲン
  • ポラリスNR-07
  • ポラリスNR-08
  • ポラリスNR-09
  • フォリックスFR02
  • フォリックスFR05
  • フォリックスFR07
  • フォリックスFR12
  • フォリックスFR15
  • フォリックスFR16

アデノバイタル、アデノゲンはご存知(?)資生堂の看板育毛剤で、アデノシン以外いたって平凡な成分が並ぶ育毛剤。今となっては一定の発毛効果があると認められてはいるものの、含有量表記していないあたりに胡散臭さが大爆発。

一方、ポラリスはミノキシジルを配合した頭皮に塗布する発毛剤で、NR-07が5%、08が7%、09に至っては15%と、NR-10の16%に次ぐミノキシジル含有量誇る最強レベルの外用発毛剤。ただポラリスは2017年10月頃に販売終了してしまった

現在は後継商品としてフォリックスシリーズが販売されており、全6種の同シリーズにはすべてアデノシンが配合されています。

上でも書いたようにアデノシンは髪の毛をある程度太くする効果と一定の発毛効果があるもののミノキシジルに比べ圧倒的にデータが不足してるため、フォリックスのように発毛成分の補助に使用されるべきもののように感じます。

まあ、日本の育毛剤はそもそも発毛させることを目的とした商品ではないので、今ある髪の毛が微妙にでも太くなってくれれば御の字なんだろうが、ハゲの身としてはそんなものに数千円も出したくないというのが本音。

過度な期待はできないが他の育毛剤よりまし

これまで書いてきたとおりアデノシンで新たな髪の毛が生えることが多少認められたものの、研究を記した論文においてもハッキリと「本数にほとんど変化はなかった」を明記していること、データが少ないことからもまだ全幅の信頼はおけない。

ただ、しっかりとした論文を出しているだけあって他の育毛剤のように発毛を匂わすようなこともしていませんし、実施の人間を用いて効果を検証したことなど評価するべき点も多くなっています。

何より2017年に策定された男性型および女性型脱毛症診療ガイドラインにおいて評価を上げたのは大きなインパクトがある。

効果を検証した論文が男性3件に対して女は1件しか存在しないため、女性に対しての発毛効果に関して信頼を置くわけにはいかないものの、今ある髪の毛が少しでも太くなれば満足という人であれば使う価値はあるかと。

とはいえ、アデノシンが主要な成分であるアデノバイタルやアデノシンに数千円出すのであれば、ミノキシジルをガッツリ配合しつつ同じくらいの価格帯であるフォリックスを使うべきなのは間違いない。

フォリックスFR16の詳細

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