L-リジンは発毛効果ない気休め成分

リジンに発毛効果なし

多くの育毛サイトで「L-リジンの育毛効果がすごい!」と紹介されています。しかし何度も書いているようにこれらはしょせん右へならえの価値のないコピー記事で、実際L-リジンに発毛効果はありません。

このL-リジンの髪の毛に対する効果としてお決まりのように出てくるのが「米国での特許」であり、「効果が証明された」なんて書かれている場合も。

でも、これ嘘だからね。

育毛に関してL-リジンがアメリカで特許を取っているのは確かではあるものの、それが効果を証明することにはならない…そのあたりを触れつつL-リジンがどういったものか詳しく見ていきましょう。

L-リジンがもてはやされる根拠は米国の特許

さて、L-リジンが薄毛やハゲに効果があるとさも当然のように書かれているその根拠として挙げられるのが、アメリカでの特許取得です。

これはイギリスのバイオサイエンティフィック社が米国で取得したものであり、内容は概ね以下のようになっています。

  • 1日500~1500mgのL-リジンを摂取することで高い育毛効果を発揮
  • ミノキシジルやフィナステリドとの併用でAGAを改善する効果が高まる
  • 中でもミノキシジルとの相性は抜群

こう聞くと確かに魅力的に感じますよね。しかもアメリカで特許を取っているという事実はその効果を裏付けているように感じることでしょう。

ただし、特許を取っているからといって医学的・科学的な根拠が証明されたわけではないことは留意しておくべき。

バイオポリリン酸のページでも書きましたが、特許ってそんなもん。

リジンの特許は育毛効果の証明にならない

基本的に特許というものはこれまでにない発想や発明に対して一定期間の独占権を保証するものであって、そのデータや効果に必ずしも根拠が必要になるわけではありません。特許というのはそういう性質のもので、世界的な共通項。

当然それが裏付けられたという一定のデータは必要になるものの、特許を審査する側はそれを確かめるための実験や試験を行うわけではないため、その信憑性についてはある意味「言ったもん勝ち」になるのです。

実際、特許申請に捏造データを用いるのは日常茶飯事という現実がありますしね。

つまり、ある程度信憑性があるっぽいデータが揃っていて、なおかつこれまでにない発想や発明であれば特許は取れることになります。

最も顕著な例だとアメリカでのタイムマシンの特許でしょうか。相対性理論などに照らし合わせれば科学的根拠があるとしてタイムマシンの特許を取得した博士が存在しますが、言うまでもなく机上の空論ですよね。

L-リジンと育毛の関係についての関連性を謳い研究している企業は件のバイオサイエンティフィック社以外目立ったものがない点からもデータの信頼性に疑問符が。

L-リジンは普段の食事で不足することはまずない

リジンは食事で十分摂取できる

さて、特許は必ずしも信用できるものではないことが分かっていただけたところで、L-リジンについて少し詳しく見てみましょう。

このL-リジンは体内で合成されない…つまり人間の体内で作りだすことができない必須アミノ酸の1つであるため、食品などから摂取する必要があります。当然ながら体を形作る上で絶対に欠かせない成分。

そう聞くと「積極的に取らなきゃ」と感じるかもしれませんが、よほど偏った食生活を送っていない限りリジンが不足することって実はほとんどないんですよね。

上記の特許を取ったデータでは1日500~1500mgの摂取で育毛効果が高まるとされています。ということで、多くの人がよく口にするであろう主な食品の100gあたりのリジン含有量を見てみると…

食品名 含有量
かつおぶし 6600mg
大豆 2400mg
本マグロ 2300mg
かつお 2200mg
シロザケ 2000mg
ぶり 2000mg
アジ 1900mg
鶏のムネ肉 1800mg
イワシ 1800mg
牛レバー 1600mg
牛ひき肉 1500mg
サンマ 1400mg
鶏もも肉 1400mg
納豆 1100mg
豆腐 500mg
そば 310mg
ヨーグルト 290mg
白米 220mg
中華めん 190mg
食パン 170mg

書きだしたらきりがないので一般的な食材のみを抽出しました。魚介類や大豆製品に多く含まれるものの、肉や乳製品、主食となる米やパン、麺にも十分に含まれているため、仮に1500mgとしても普段の食事で不足することはまず考えられません。

ベジタリアンやビーガンのように肉や魚を一切摂取しない人ですら、豆腐や納豆などの大豆製品と主食を食べていれば不足することはないレベル。

仮にL-リジンが育毛に効果的だったとしても、わざわざサプリメントなどで補う必要はないということになるのです。

リジンの過剰摂取や副作用

次にリジンの副作用についても触れておきます。

体内で合成できないため食品などから摂取する必要がある必須アミノ酸のリジンは、一般的な食事で摂取するなかで過剰摂取や副作用が問題になることはありません。

一方、サプリメントを使用すると通常では考えられないほどの摂取量になる恐れがありますよね。しかしこちらにおいても過剰摂取による害はないと見てよさそう。

というのも、過剰摂取による害が懸念される栄養素や成分というのは、厚生労働省などから注意喚起があるものですが、リジンに関しては探せど探せどそういった情報は見つけられませんでした。

公的機関はおろか医療機関による注意喚起も存在しないことを考えるに、リジンに過剰摂取や副作用のリスクは存在しないとみていいでしょう。

まあ、リジンは肉や魚を100g程度食べただけでも1日に必要な摂取量に達してしまいますからね。過剰摂取の害があったとしたら世の中の人のほとんどが副作用に悩まされることになってしまう。

日本の育毛サプリメントは話にならない

日本の育毛サプリメントは論外

やや脱線しますが、ここで多くの育毛サイトの問題点に少し触れておきましょう。

当サイトは発毛効果のない育毛剤や、金のために必死になってそれらを売ろうとする育毛関連サイトを叩きまくっています。そりゃもうボコボコに。

で、このリジンも御多分に洩れず右へならえの成分。なぜなら多くの育毛サプリメントに配合されているものだから。ゆえに「育毛効果が~」と書いているサイトが検索上位を占めているわけで。

上でも触れたように特許には育毛・発毛効果に対する科学的根拠はありませんし、そもそもデータ量も少なすぎるためL-リジンの薄毛やハゲに対する効果には疑問を呈するしかありません。

とはいえ、L-リジンは必須アミノ酸であり摂取して損をするようなものではありませんし、薄毛に対する効果にしても「絶対にない」とは言い切れないため、しっかりとした含有量があって良心的な価格のサプリメントを勧める分には特に文句を書くつもりはありません。

しかし、何だかんだ理由をつけてボストンイクオスサプリEXといった育毛サプリをおすすめするサイトの多いこと。なんといってもそういった育毛サプリメントを売れば数千円の報酬が貰えるからね。

しかし、こういった育毛サプリメントはただの健康食品であり、発毛効果はおろか育毛効果すらありません。こんなもんで髪の毛は絶対に生えないと断言できます。

加えてリジンの含有量が一切表記されていない。含有量が豊富であればそれを宣伝し売り上げに繋げるのは当然の流れですよね。裏を返せば含有量を明記しないということはカスみたいな量しか入っていないからに他ならない。

にもかかわらずクソ高い。

L-リジンに興味があるとしても、これらの育毛サプリメントには絶対に手を出さないようにしてください。仮にリジンのサプリメントを使用するにしても、しっかりとした含有量があり、かつ安い商品はいくらでも存在する。

リジンに発毛効果はないが…

ハッキリ言ってL-リジンに発毛効果はありませんし、ミノキシジルやフィナステリドとの相乗効果に関しても私は懐疑的です。なぜならリジンが不足することなどほとんど考えられないにもかかわらず、ハゲは一向に減らないから。

ただ、リジンに対し損得勘定が絡まない掲示板のレビューにおいてそれなりに好意的な意見が多いのも事実。海外製のサプリであれば格安で購入できますし、体にも悪いものではないため、試してみる価値はあるのかもしれません。

レビューを見る限りミノキシジルタブレットとの相性が最も良さげのようではあるものの、もし本当に相乗効果があるのであれば髪の毛のみならず体中の毛が濃くなる多毛症も強くなることが予想されますので、そのあたりは覚悟が必要でしょうか。

まあ、体毛が濃くなるなどハゲに比べれば屁みたいなものだが。

L-リジンは普段の生活で不足することはほとんどない必須アミノ酸ですし、効果の根拠も弱い事から基本的におすすめしません…と前置きしたうえで、それでも使用したいなら日本のクソ高い育毛サプリメントではなく、アメリカ製の安価なものをおすすめします。

中でも1日にリジン1600mg、亜鉛8mgが摂取できて1ヶ月分1,000円程度で済むバイタルミーのL-リジンプラスあたりがおすすめでしょうか。

リジンにしろ亜鉛にしろ発毛効果に対する科学的根拠はないが、販売サイトに多くの好意的なレビューが集まっている状況を見るに、信じる者は救われるということなのかもしれません。

まあ、多くの人はフィナステリドやミノキシジルと併用しているからこそ発毛効果が確認できているのでしょう。さすがにリジンだけで髪の毛が生えるというのは都市伝説としか言いようがない。

1ヶ月1,000円程度で使用できるなら効かなくてもダメージ少ないし、試してみてもいいんじゃない?その程度の期待度。

L-リジンプラスの詳細

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