ミリオンヘアー等ハゲ隠し“ふりかけ”の是非

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増毛パウダーってどうなの?

頭皮に髪の毛と同じ色をした粉を振りかけることで薄毛部分を目立たなくする商品の存在をご存知ですか?有名どころだとスーパーミリオンヘアーやアートミクロンなどが挙げられるでしょうか。

通称は「ふりかけ」「増毛パウダー」。

気になるところにサッと振りかけるだけで髪の毛が増えたように見せることができることから、それなりに売れているらしい。最も知名度が高いスーパーミリオンヘアーなんて世界70ヶ国以上で使用されいると豪語。

確かに手軽にハゲが隠せるというのは魅力的かもしれない。しかし一方でこんな感情が湧き出てくるのも確かなのではないでしょうか?

「かつらと同じで根本的な解決になってないじゃん」…と。

スーパーミリオンヘアーやアートミクロンに代表される“ふりかけ”。その是非について考えていきたいと思います。

ふりかけで髪が増える仕組み

そもそもスーパーミリオンヘアーやアートミクロンなどのふりかけはどういった仕組みで髪の毛が増えているように見えるのでしょうか?

こういった商品の中身は髪の毛に色に近い色に着色された微細な植物性の繊維を用いる場合が多く、それが静電気によって髪の毛や頭皮に付着することであたかも髪の毛が増えたように錯覚させるのです。

スーパーミリオンヘアーの仕組み

頭皮が黒い繊維によって覆われることでハゲの象徴でもある「透けた地肌」が解消され、かつ髪の毛にも繊維が付くのでボリュームアップ効果も望める…これらの相乗効果によって髪の毛が増えたように見えるのです。

薄毛気味の芸能人が撮影の際生え際を黒く塗るのと同じようなものでしょうか。

微細な繊維を用いることでのっぺりとした印象を与えず、ナチュラルな髪の毛を演出できるというのが最大の売り。目の錯覚を利用していると言ってもいいのかもしれない。

雨や風で粉が落ちる?

強風や雨で増毛パウダーは落ちる

基本的に静電気によって髪や頭皮に付着しボリュームアップしたように見せるのがスーパーミリオンヘアーやアートミクロンの特徴。

しかし静電気のみでくっついているのであれば、風や雨などによって簡単に落ちてしまうのではないかと心配になってきますよね。

結論から言えばふりかけは雨や風で落ちます

静電気で付着しているため、ちょっとした風や小雨程度で落ちることはほとんどありませんが、強めの風や雨になると多少は落ちてしまうのです。

そういった場面でもパウダーが落ちないようスーパーミリオンヘアーやオートミクロンなどの商品は定着させるためのスプレーが存在。セットでも別売りでも購入できるようになっています。

これを使うことで強風や突然の雨を心配する必要はなくなるとされていますが…

白いシャツなど薄い色の服は要注意

静電気によって付着するうえ専用のスプレーによってしっかりと定着させることができる…とされる増毛パウダー。しかしそれも100%でないことは想像に難くないはず。

スプレーは表面にさっとかける程度なので、スプレーがかかりきらない場所が出てくる可能性がありますし、予想以上の風や雨で取れてしまうケースも考えられます。ついつい髪の毛に触れたり、何かに擦ってしまうこもあるでしょう。

そうなった時、真っ先に落ちてくる場所は…そう、肩口です。

白いシャツなど薄い色の服を着ている場合、黒い粉が付着して悲しい目に遭う可能性も。スーパーミリオンヘアーの公式サイトなどでは「白い服に付着してもはたけば簡単に落ちます」なんて書いているが、問題はそこではない。

白い服に付いて周囲にバレてしまうことが問題なのだ。

スプレーを使えばそう簡単に落ちないとはいえ、静電気や軽いスプレー程度でくっ付いているものをそこまで信用できるはずもありません。

増毛パウダーを使う場合は万が一の事態に備え濃い目の服を着るようにした方が無難でしょう。

頭皮に悪影響はないの?

いわゆる“髪のふりかけ”である増毛パウダーはスーパーミリオンヘアーやアートミクロン、マジックパウダー、ヘアプラスなど複数の商品を見つけることができます。

それだけ一般化しているという見方もできますが、ここでふと疑問が。そう、こういった“大人のふりかけ”は頭皮や既存の髪にとって悪影響なのではないかという点。

ハゲの対策として使用しているのに、それがハゲを悪化させる原因になっては本末転倒ですものね。

増毛パウダーのメーカーは安全性を謳うが…

スーパーミリオンヘアーやマジックパウダーなどの黒い粉の正体は、植物性の繊維やレーヨンなどの人工繊維で作られており、髪の毛や頭皮に悪影響を及ぼすことはないと謳われています。

…まあ、営利目的の企業だからそう言うわな…

メーカーによってはパッチテストなどを行い安全性をアピールしている場合も。実際に増毛パウダーによって悪影響が出たという話を聞くことはないので、これによってハゲが加速したり頭皮が炎症を起こしたりといった心配をする必要はほとんどないでしょう。

プラスになることはないと心得よ

ただし、悪影響が出る可能性は低くとも、髪や頭皮にとってプラスになることはないことも理解しておく必要が。

余計なものを頭皮や髪の毛にくっ付けて良い影響など出るはずもない。それらが落ちないようスプレーで固めるのであればなおさらです。スプレーによって髪の毛の動きを制限した結果、抜け毛が増える可能性は否定できない。

そもそも、化粧品や医薬部外品の育毛剤含め、こういった商品は医薬品と違い安全性や有害事象を客観的に調べる臨床試験を行っていません。ゆえに「安全である可能性が高い」というよりは「よく分からない」といったほうが正しい。

スーパーミリオンヘアーの是非

スーパーミリオンヘアーの是非

ここまでスーパーミリオンヘアーに代表される増毛パウダーの性質や安全性などについて書いてきましたが、そもそもこの商品の存在自体に疑問を抱いている人もいるのではないでしょうか。

なんというか…建設的な要素が見当たらないんですよね。薄毛を改善させようとするわけでもなく、進行に身を任せながらその場しのぎで隠す…的な。

まあ、かつらや増毛も同じレベルですけどね。

だからこそ「恥ずかしい」という印象が拭えない。かつらをかぶっている人を見かけた時に「うわっ、かつらだよ!ププ」って感じるのと同様に、増毛パウダーにも同種の恥ずかしさを感じてしまいます。

おそらく「改善や治療の可能性を捨て隠すことに注力している」という点に格好悪さを感じるのでしょう。

フィナステリドやデュタステリドといった発毛剤で改善を目指す人はもちろん、選択が間違っているとはいえ育毛剤や生活習慣の改善などで発毛を目指す人に対しては「頑張ってるな~」と好意的に見ることができるんですけどね。

これはハゲだからこその共感なのか?ハゲていない一般人から見れば増毛パウダーもかつらも発毛剤も生活習慣の改善も一様に「悪あがき」にしか見えないのだろうか?

ともあれ、私は基本的にスーパーミリオンヘアーやマジックパウダー、アートミクロンといった髪のふりかけの使用はおすすめしません。だって先が見えないもの。

また、近年は育毛剤の使用を好意的に受けとめたり気にしなかったりする女性が増えているものの、“隠す”ことに特化するかつらは依然として「往生際が悪い」「潔くない」と嫌悪の対象。対女性という点においても増毛パウダーは避けたいところ。

薄毛改善の科学的根拠があるフィナステリド、デュタステリド、ミノキシジルを使い発毛を目指すか、でなければ諦めてハゲをオープンにするか…個人的にはその二者択一かなと感じています。

まあ、女性がシミやシワを化粧で隠していることを考えれば、似たようなものなのかもしれませんけどね。そう考えると、かつらやふりかけを馬鹿にする女性共に腹が立ってくるな。お前らの詐欺に近い厚塗り化粧は棚に上げるのかよ!

生活の質を高める可能性はある

個人的には使いたくないと感じる増毛パウダーですが、同類ともいえるかつらに関しては2017年に日本皮膚科学会が策定した男性型および女性型脱毛症診療ガイドラインにおいて一定の評価をしている事実があります。

脱毛症ガイドラインにおけるかつらの評価

男性型脱毛症(AGA)の対処法として専門家がかつらを真面目に評価しているというのは何ともシュール。しかしそこには一定の根拠もあるようです。

というのも、男性・女性かかわらず生活の質(QOL)において、かつらを使用した群は有意に上昇したとあり、周囲の目を過度に気にする必要がなくなった分、生活の質が上昇したことが伺えます。

それにより「従来の治療で薄毛が改善しない場合や、QOLが低下している場合はかつらの使用を検討してもいい」と結論付けているのです。

スーパーミリオンヘアーやマジックパウダーなどの増毛パウダーを、かつらと同じ「薄毛を隠すことで周囲の目を意識しなくて済むもの」と定義するなら、生活の質向上に役立つという考え方もできるのかと。

かつらや髪のふりかけをどう受け止めるかは人それぞれ。それらによって豊かな生活が送れるというのであれば、否定すべきではないのも確かなのでしょう。

髪のふりかけはどんな場合に使うべきか

私なりに増毛パウダーを使うべきタイミングを考えてみます。

AGAは進行性の薄毛であるため、増毛パウダーの使用は避けたいところ。なぜなら増毛パウダーは髪や頭皮に付着するという性質上、ある程度の髪の毛が残っていなと効果を発揮できないため、進行性のハゲであるAGAならばどこかで“使用の限界”が訪れるから。

パウダーで隠し切れなくなったらどうするんだ?坊主?スキンヘッド?かつら?将来的なことまで考えると色々と面倒な話である。

しかし、フィナステリドやデュタステリド、ミノキシジルといった発毛剤を使用し、それによって発毛するまでの繋ぎとして使用するなら、その限りではないのかもしれません。

ハゲが目立つ時点では多めに振りかけ、薄毛が改善するにしたがって量を減らし、最終的には使わないで済むようになるのが理想的か。ただ発毛剤の効果は個人差があり、どの程度改善するのか見通せないのが痛いところ。

円形脱毛症の対策に

円形脱毛症にスーパーミリオンヘアー

男性の薄毛の9割以上を占めるAGAは発毛剤を使用しない限り進行する一方であるため、この薄毛タイプに増毛パウダーを使用することは基本的におすすめできません。

しかし、円形脱毛症を隠すためであれば有用なのではないかと感じています。

頭髪の一部分だけがぽっかりと抜けてしまう円形脱毛症は一時的な薄毛である場合が多く、放置していても半年ほどで改善するケースが多いのが特徴。もちろん病院で治療すれば完治はより確度の高いものに。

AGAと違い完治の可能性が高い円形脱毛症であれば、治るまでスーパーミリオンヘアーやアートミクロンなどで隠すのも手。一時的な薄毛を周囲にアピールするメリットなどどこにもありませんからね。

ただし、脂漏性皮膚炎など頭皮の炎症による薄毛の場合は要注意。頭皮が炎症を起こしているため、パウダーによって悪化する可能性が考えられます。

増毛パウダーは円形脱毛症や薬の副作用などによる、炎症を伴わない一時的な軽度の薄毛に対してもっとも相性が良いのではないでしょうか。手軽で価格もそれほど高いものではないですからね。

スーパーミリオンヘアーなど増毛パウダーの結論

スーパーミリオンヘアーやマジックパウダーなど比較的有名どころはもちろん、アデランスのヘアプラスやアートネイチャーのアートミクロンなど大手毛髪メーカーも製造している増毛パウダー。

それだけの需要があるということなのでしょうが、個人的にはおすすめしません。

発毛剤が存在しなかった20世紀ならいざ知らず、現在は発毛効果に科学的根拠がしっかりとあるフィナステリドやデュタステリド、ミノキシジルといった発毛剤が存在しています。

その場しのぎのふりかけより自分の髪の毛を生やした方が良いに決まっている。効果に個人差が大きいのが玉に瑕だが。

ただ、すでに発毛剤を試して思うような効果が出なかった人もいるでしょう。そういった場合にあっても増毛パウダーの使用は避けるべき。なぜなら遠からずパウダーでもごまかしきれなくなる時が来るから。

極論を言ってしまえば、ほとんどの男性は遅かれ早かれハゲる。発毛剤で対策してみて、それでもダメなら運命と思って受け入れることも検討してみてはいかがでしょうか。

潔く短めの坊主にした方が女性受けも遥かに良い。

増毛パウダーを使って必死にフサフサを演じていても、本物のフサフサを前にすれば虚しいだけ。発毛剤であれば自分の髪でフサフサになる可能性があるが、増毛パウダーでフサフサになる可能性は皆無ですからね。

スーパーミリオンヘアーやマジックパウダーなどの増毛パウダーは、円形脱毛症など一時的なハゲのみに使用するべき。私なりの結論はそうなります。

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