フォリックスFR-S2シャンプーの効果は?

フォリックスFR-S2シャンプーは効果なし?

ミノキシジルとフィナステリドを配合したシャンプー「ポラリスNR-02」が惜しまれつつ販売終了してから約半年。後継商品のフォリックスFR-S1と一緒に販売が開始されたフォリックスFR-S2シャンプー。

ミノキシジルとフィナステリドを配合している点が大きな売りであるフォリックスFR-S1に対し、フォリックスFR-S2は医薬品の発毛成分を使用せずキャピキシルをメインの成分に据えているのが特徴。

キャピキシル…あのがっかり化粧品成分か…

医薬成分による副作用の心配がないことが大きな売りであるフォリックスFR-S2。私たちのハゲに対してはどの程度効果的なのか検証してみましょう。

    目次
  1. フォリックスFR-S2とは?
  2. フォリックスFR-S2の全成分
  3. フォリックスFR-S2の洗浄成分
  4. フォリックスFR-S2はノンシリコン
  5. キャピキシルその他成分の効果は?
  6. フォリックスFR-S2の価格
  7. フォリックスFR-S2はハゲに効果なし
  8. フォリックスFR-S2の存在意義

フォリックスFR-S2とは?

まずフォリックスFR-S2の生い立ちについて簡単に。

FR05~FR16までの5種と女性向けのFR02といったミノキシジル外用薬を展開するフォリックスシリーズは2017年の秋に登場したブランドです。

それまで最強の外用発毛剤としての地位を築いていたポラリスの販売終了に伴って販売を開始した事実上の後継商品で、発毛剤のミノキシジル濃度や主要成分は概ね引き継いでいます。

ポラリスと入れ替わるように発売されたフォリックスでしたが、唯一のシャンプーであるミノキシジル、フィナステリド配合のポラリスNR-02だけは後継商品が発売されず、ユーザーは落胆。

しかし、フォリックスシリーズ登場から遅れること約半年、2018年4月になってポラリスNR-02の後継であるフォリックスFR-S1が発売。それに同時に発売されたのがここで取り上げるフォリックスFR-S2なのです。

ポラリスNR-02の後継は成分的にフォリックスFR-S1になるので、フォリックスFR-S2は新しく作られた育毛シャンプーという位置づけになるでしょうか。

育毛剤や育毛シャンプーを叩きまくっている私としては物申したいことが山ほどある。個人的にはそんな商品。

フォリックスFR-S2の全成分

なにはともあれまずはフォリックスFR-S2の全成分を見てみましょう。

フォリックスFR-S2
成分
純水
A13
コカミドプロピルベタイン
ラウロイルサルコシンNa
ラウリルスルホ酢酸Na
ココイルイセチオン酸Na
ステアリン酸グリセリル
ジステアリン酸グリコール
フェノキシエタノール
カプリリルグリコール
カフェイン
PRONALEN BLEND(BG、ダイズ芽エキス、コムギ胚芽エキス)
ラウリルグルコシド
ヤシ油アルキルグルコシド
デシルグルコシド
ポリクオタニウム-7
スペアミント油
グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド
アルガニアスピノサ核油
ヒマシ油
加水分解コムギタンパク
パンテノール
リンゴ果実エキス
キャピキシル(BG、水、デキストラン、アセチルテトラペプチド-3、アカツメクサ花エキス)
TRICHOGEN BLEND(オタネニンジンエキス、アルギニン、アセチルチロシン、アルクチウムマジュス根エキス、加水分解ダイズタンパク、ポリクオタニウム-11、PEG-12ジメチコン、パントテン酸Ca、グルコン酸亜鉛、ナイアシンアミド、オルニチンHCl、シトルリン、グルコサミンHCl、ビオチン)
FOLLICUSAN BLEND(変性アルコール、パンテニルエチル、イノシトール、乳タンパク、乳糖、アセチルシステイン、アセチルメチオニン、クエン酸Na、クエン酸)
メントール
EDTA-2Na

パッと見て感じるのは複数の成分をブレンドしたものが多いという点。

キャピキシルやPRONALENはまだしも、TRICHOGENやFOLLICUSANはかなり多くの成分をブレンドしている。これら成分については後述しますが、このあたりがフォリックスFR-S2の売りとなっています。

それ以外の成分に目を向けると…特に目立ったものはない印象。フォリックスFR-S2の効果はこれらブレンド成分が握っていると見て間違いないでしょう。

フォリックスFR-S2の洗浄成分

育毛シャンプーを語る上で欠かせない(と思っている人が多い)のが洗浄成分(界面活性剤)です。

ネット上などではラウリル硫酸Naやラウレス硫酸Naといった高級アルコール系の界面活性剤が諸悪の根源のように叩かれまくっているので、シャンプーにどういった洗浄成分が使われているか気になっている人も多いでしょう。

フォリックスFR-S2に使用されている界面活性剤は主に7つ。

  • コカミドプロピルベタイン
  • ラウロイルサルコシンNa
  • ラウリルスルホ酢酸Na
  • ココイルイセチオン酸Na
  • ラウリルグルコシド
  • ヤシ油アルキルグルコシド
  • デシルグルコシド

「ハゲが使うシャンプーはアミノ酸系が良い」なんて訳の分からない神話が存在するなか、フォリックスFR-S2の洗浄成分を見てみると、アミノ酸系と呼べるものはラウロイルサルコシンNaのみになるでしょうか。

全体的にヤシ油由来の陰イオン系、非イオン系界面活性剤がメインになっており、高級アルコール系に比べ頭皮に対する刺激は少ない一方で、泡立ちや洗浄力は落ちます。

唯一「ラウリルスルホ酢酸Na」は高級アルコール系界面活性剤と言えなくもないですが、これは洗浄力が比較的マイルドで皮脂を取り過ぎてしまうという心配はありません。

洗浄成分は可もなく不可もなく

洗浄成分はミノキシジルやフィナステリドを配合するフォリックスFR-S1と同一となっています。そして全体的にはアミノ酸系と呼べるものではありません。

発毛成分であるミノキシジル+フィナステリドを配合しているという大きな特徴があるFR-S1であればこれでも十分ながら、そうではないFR-S2はいわば「普通の育毛シャンプー」の域を出ません。

となると、アミノ酸系洗浄成分をほとんど使っていない状況は褒められたものではありません。成分に大きな特徴がないから、せめて洗浄成分で頑張れよと。

まあ、アミノ酸系だろうが高級アルコール系だろうが男性型脱毛症(AGA)には何の影響もないんですけどね。あくまでも気分的な問題として。

フォリックスFR-S2はノンシリコン

ラウリル硫酸Naやラウレス硫酸Naといった高級アルコール系界面活性剤と並んで頭皮に悪影響があると叫ばれているのがシリコン。高いシャンプーを売りたい人間が作りだしたクソみたいなイメージ戦略なのだが、世間の風潮としてはシリコンは悪者になっています。

しかしフォリックスFR-S2はなんとノンシリコン。超安心。

…頭皮に対するシリコンの悪影響は試験によってハッキリと否定されており、配合されていようがいまいが高級アルコール系界面活性剤と同様にAGAにはまったく関係がない。それでも入っていないほうが安心というのであれば、ノンシリコンに越したことはないのだろう、精神衛生上。

ただ、シリコンが入っていると髪の毛がサラッとしてしまい、ボリュームがなくなったように感じるのは事実。見た目の面で薄毛感を緩和したいというのであれば、シリコンが入っていないほうがボリュームは出ます。

ちょっとキシキシゴワゴワするけどね。

キャピキシルその他成分の効果は?

では薄毛やAGAに対するフォリックスFR-S2の効果を検証してみましょ。

そのカギとなるのはキャピキシルに代表される育毛成分とされるもの。フォリックスFR-S2が売りとしている育毛成分を一つひとつ見ていきます。

キャピキシル

「ミノキシジルの3倍の育毛効果がある!」としてセンセーショナルなデビューを果たしたキャピキシル。複数のゴミ…もとい高価な育毛剤にも配合されていることからご存知の方も多いことでしょう。

キャピキシルを開発したカナダのルーカス・マイヤー・コスメティックス社は自社の試験結果を公表しており、培養した毛包を用いた試験ではミノキシジルの3倍成長したことから「ミノキシジルの3倍」というフレーズが巷に溢れる結果に。

実際の人間の頭皮に用いた試験では成長期の髪が13%増えたのに対し休止期の髪は29%減少。プラセボ群(偽薬群)と比較しても大きな改善が見られたことから、日本でもこれを採用する育毛剤が複数誕生しました。

キャピキシルとプラセボのデータ

ただし、キャピキシルの有効性を示したデータは開発メーカーのものしか見当たらず客観性は乏しい。加えて金が絡まない2ch(5ch)やAmazonのレビューを見てみるとキャピキシルを用いた育毛剤でハゲが改善したという口コミはほとんど見当たらない。

そもそも、ミノキシジルと比較したデータや、自社で行った試験によって育毛・発毛効果を確認したとする育毛成分は腐るほど存在するが、それが発毛剤として認められた例はひとつとして存在しない。…ああ、例外的にアデノシンがあったか。

1万歩譲ってキャピキシルに一定の発毛効果があるとしても、それは試験でも使用されている5%での話。フォリックスFR-S2はキャピキシルの含有量を明記していない点から考えても、かなり薄いと推測されます。

ハゲには何の役にも立たんよ。

Trichogen

フォリックスFR-S2の謎成分その1。

公式には「細胞代謝を刺激しながら髪質を強化して毛髪の表面を修復する」とあります。「ケラチンへの吸着性が良好」とも書いていますので、髪の毛のハリやコシを出しボリュームアップさせる成分と見ることができます。

Trichogenの成分構成を見てみると…

  • オタネニンジンエキス
  • アルギニン
  • アセチルチロシン
  • アルクチウムマジュス根エキス
  • 加水分解ダイズタンパク
  • ポリクオタニウム-11
  • PEG-12ジメチコン
  • パントテン酸Ca
  • グルコン酸亜鉛
  • ナイアシンアミド
  • オルニチンHCI
  • シトルリン
  • グルコサミンHCI
  • ビオチン

なんか育毛サプリメントに配合されているような成分が並んでいますね。ニンジンエキスやダイズタンパク、亜鉛に加え、アミノ酸とビタミンB群。

体内に摂り入れる育毛サプリメントですらAGAには無意味なのだから、これらを5分程度で洗い流すシャンプーに配合しても薄毛を改善する効果は期待できないでしょう。しかし髪の表面を修復する効果であればある程度は期待できるかと。

髪の毛のボリュームアップが目的であれば価値のある成分といえるでしょう。もちろんハゲには無意味だけどな。

Follicusan

フォリックスFR-S2の謎成分その2。「フォリックサン」という名称を見るに、フォリックスシリーズ独自の成分であることは想像に難くないかと。

これも複数の成分で構成。詳細を見てみると…

  • 変性アルコール
  • パンテニルエチル
  • イノシトール
  • 乳タンパク
  • 乳糖
  • アセチルシステイン
  • アセチルメチオニン
  • クエン酸Na
  • クエン酸

成分構成を見るにTrichogen以上に効果が見えてこないFollicusan。開発メーカー曰く毛乳頭細胞を刺激することで成長期の毛包を増やす一方、休止期の毛包を減らし抜け毛を予防するとのこと。

ミノキシジルを12%配合するフォリックスFR12にも配合される成分ですね。

ドイツの開発メーカーにより試験も行なわれており、成長期の髪が増え休止期の髪が減ったという結果も出ています。キャピキシルと似たようなものか。

ただ、この試験では5%のFollicusanが使用されています。フォリックスFR-S2などのシャンプーでそれだけの濃度を配合することは現実的ではないため、あまり参考にならない。

…というか、「こんなにすごい効果が!(自社調べ)」という表現はうんざり。

カフェイン

一見何の関係もなさそうな薄毛とカフェイン。むしろカフェイン摂取でハゲそうなイメージすらありますが、AGAの人から採取した毛包に使用した結果成長が確認されたという報告があります。

ちょ、ちょっとコーヒー塗ってくる!

あくまでもそういう結果が出た試験が存在するというだけですし、人間の頭皮に使ったわけでもないので効果のほどは不透明。

ま、気休め程度に。

Pronalen

フォリックスFR-S2の謎成分その3。

ダイズ芽エキスとコムギ胚芽エキスで構成されていることから、たんぱく質やビタミン、ミネラルといった豊富な栄養素で髪の毛の成長をサポートする成分と推測されます。

ただ、こういった成分を頭皮に塗布したところでまともに吸収されないことは薬学的に証明されており、これで髪の毛が生えたり抜け毛が減ったりすることは期待しないほうがいいかと。

フォリックスFR-S2の価格

一応育毛業界の注目成分という位置づけであるキャピキシルに加え、様々な成分を配合しているフォリックスFR-S2シャンプー。

その価格はというと…コンディショナーであるフォリックスFR-C1も併せて見てみましょう。

商品名 内容量 価格
フォリックスFR-S2 1本 250ml 2,450円
フォリックスFR-S2 2本 250ml×2 4,115円
フォリックスFR-C1 1本 250ml 2,260円
FR-S2+FR-C1セット 250ml+250ml 2,980円

ミノキシジルとフィナステリドを配合し唯一発毛効果が期待できるフォリックスFR-S1の2,580円に対し、フォリックスFR-S2は2,450円。内容量も一緒でたったの130円しか違わない。

ただ、フォリックスFR-S2は単品での購入こそ割高感があるも、2本購入だと1本あたり1,635円とかなり安くなりますし、コンディショナーであるフォリックスFR-C1とのセットでも圧倒的なお得感を演出しています。

裏を返せば2本セットやコンディショナーセットを買えということでもある。

単品価格で考えると、250mlで2,450円というのは日本の育毛シャンプーと同等の価格帯。アミノ酸系洗浄成分でないことも含めるとフォリックスFR-S2にアドバンテージはありません。

しかし2本セットやフォリックスFR-C1とのセットだと大きく割り引かれる点は大きなメリット。500mlの育毛シャンプーが3,270円であればかなり安めの部類に入ります。

そうなるとキャピキシルなどの成分が価値を発揮し始めるかと。安めでキャピキシル配合…スカルプD他様々な育毛シャンプーに比べてもコストパフォーマンスに優れるのは言うまでもありません。

まずは1本試してみて、継続に値すると感じたのであれば次回から2本セットを購入するようにしましょう。1本と2本で800円くらいしか違わないから初めから2本でもいいけどね。

フォリックスFR-S2はハゲに効果なし

最後に核心に触れておきましょう。フォリックスFR-S2でハゲやAGAは改善するのかどうかについてです。

ハッキリ言ってフォリックスFR-S2にAGAや薄毛を改善する効果はありません。

キャピキシルやフォリックサンなどの成分は開発メーカーの試験によって効果があったとの報告が上がっていますが、客観性に乏しくエビデンス(科学的根拠)というにはあまりにも弱いから。

ましてや成分含有量も分からない、短時間で洗い流すシャンプーの性質を考えれば、これで薄毛が改善し髪の毛が生えると考える方がおかしい。

ただし、髪の毛にボリュームを出したり抜け毛を予防したりする効果であれば可能性はあります。特にボリュームに関しては市販のシャンプーに比べ効果が期待できるでしょう。

ネット上やドラッグストアに溢れる高いだけのゴミみたいな日本の育毛シャンプーを使うくらいならフォリックスFR-S2を使っとけと言いたい。アミノ酸系洗浄成分にこだわるならダメだけど。

フォリックスFR-S2の存在意義

キャピキシルや海外の育毛成分を配合し価格的にも見るべきものがあるフォリックスFR-S2。しかしミノキシジルとフィナステリドを配合するフォリックスFR-S1が存在する以上、どうしても影が薄い。

医薬品の成分であるミノキシジルやフィナステリドに対し副作用を心配する人もいるかもしれませんが、これらを外用で使用し性機能障害や血圧低下などといった副作用を引き起こすリスクはまずありません。

高濃度ミノキシジルとフィナステリド配合が特徴的な発毛剤フォリックスFR16やFR12ですら副作用は頭皮のかゆみやかぶれ、炎症程度がごく稀に出るくらい。であればそれよりずっと低濃度のフォリックスFR-S1において副作用の心配はないでしょう。

そうなるとフォリックスFR-S2の存在意義はどこにあるのだろう?フォリックスFR-S1と比べ発毛成分を使っていないという安心感と、低価格という点くらいか。

ただ、前述のとおり日本の育毛シャンプーに比べれば勝っている点の方が多いので、シャンプーにまで発毛成分を求めていない人、キャピキシルに興味があるが育毛剤は高すぎて…と感じている人にとってはベストバイになるかと。

また、フィナステリドを使用しているフォリックスFR-S1は女性が使うことはできないので、女性が使えるという点でフォリックスFR-S2は価値があるか。ただ、女性がフォリックスのシャンプーを手に取ることは稀な気もするが…

洗浄成分など基本的なところはフォリックスFR-S1もFR-S2も同じなので、まずは医薬品成分を使っていないFR-S2で洗浄成分などの相性を確認し、問題なければFR-S1に移行するというのも手か。

フォリックスFR-S2シャンプーの詳細

フォリックスFR-S1シャンプーの詳細

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