ナノインパクト100 高い上に発毛効果なし

ナノインパクト100の効果は?

ナノ技術に強く創業100年を超えるホソカワミクロンが、その技術によって毛根に届く育毛剤として開発・販売しているのがナノインパクト100。ナノレベルの高い技術を使っているのだから発毛しそうな気もしますが、実際これで髪が生えることはありません。

近年、真偽のほどはさておきナノ技術を使って浸透力の高さを謳う育毛剤は数多く存在しているものの、じゃあ「それらで髪が生えるか?」と言われれば答えはNO。

しかもナノインパクト100の成分はいたって平凡なもので構成されています。“高いナノ技術を持った会社が作った育毛剤”というのが最大の売りなのだが、ナノ技術うんぬんの前にまずそれらの成分では髪は生えないという現実。しかも値段が高く内容量は少ないおまけ付き。

そんなナノインパクト100がなぜ発毛しないのか、根拠や成分に加え、価格面などにも触れながら説明していきたいと思います。

    目次
  1. ナノインパクト100とは?
    1. ホソカワミクロンとは?
  2. ナノインパクト100の成分
    1. 注目成分は?
  3. ナノインパクトの内容量は少ない
  4. ナノインパクト100の浸透力のウソホント
  5. ナノインパクト100に発毛効果はあるのか?
  6. ナノインパクト100の副作用
  7. 高すぎる価格設定
  8. ナノインパクト100の総評・まとめ

ナノインパクト100とは?

ナノインパクト100はホソカワミクロン株式会社が製造販売を行う医薬部外品の育毛剤。

以前は「ナノインパクトプラス」という名で販売されていましたが、2016年に成分を4種追加しつつ浸透力をアップ、ナノカプセルを増やすなどのリニューアルを行い、それに伴って商品名を「ナノインパクト100」に変更しています。

ナノインパクト100の最大の強みはメーカーといっても過言ではないでしょう。

なぜなら、チャップアップやイクオス、ブブカといったネットを中心に販売する育毛剤メーカーの多くがぽっと出の新興企業で、外部の企業に育毛剤の製造や企画を依頼するなか、ナノインパクト100は大企業が製造販売を行っているから。

ホソカワミクロンはそれほど大きな企業なのです。

ホソカワミクロンとは?

ナノインパクト100を製造するホソカワミクロン

ナノインパクト100を製造販売するホソカワミクロン株式会社は東証一部上場の大企業。創業は大正5年(1916年)と歴史がある企業で、資本金が100億円を超えているあたり、数千万円しかない新興企業とはレベルが違う印象。

業態は粉砕や分級などナノ技術を得意分野とした粉体製造システムを提供しており、近年はナノ技術を活かした化粧品や医薬部外品の販売を手掛けるように。ナノインパクト100はそういった背景から生まれたのです。

粉砕機や混合機の製造などを得意とする企業が化粧品や育毛剤を製造するというのは違和感があるかもしれませんが、アスタリフトを富士フイルムが作ったりと別分野の企業がその技術を活かして化粧品分野に進出するケースが散見されることから、今後こういったものが増えていくのかもしれません。

創業100年を超える東証一部上場の大企業が製造販売しているとあって信頼性は申し分なく、そういった点においてもナノインパクト100はすごい育毛剤のような印象を受けますが…

ナノインパクト100の成分

ではまず育毛剤の質を測る上で重要なナノインパクト100の成分を見てみましょう。

ナノインパクト100

有効成分


エチニルエストラジオール
トコフェロール酢酸エステル
センブリ抽出液


その他の成分


ペンチレングリコール
BG
POE・POPデシルテトラデシルエーテル
ヒノキチオール>
メンチルグリセリルエーテル
エタノール
ビワ葉エキス
ジオウエキス
サクラ葉抽出液
ヒオウギ抽出液
ダイズエキス
酵母エキス-1
キナエキス
クララエキス-1
チョウジエキス
アルニカエキス
オドリコソウエキス
オランダカラシエキス
ゴボウエキス
セイヨウキズタエキス
ニンニクエキス
マツエキス
ローズマリーエキス
ローマカミツレエキス
オウゴンエキス
ニンジンエキス
チンピエキス
ボタンエキス
シナノキエキス
ヒキオコシエキス-1
冬虫夏草エキス
ツバキエキス
ビルベリー葉エキス
セイヨウオオバコ種子エキス
アシタバエキス
メントール
キサンタンガム
アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム
トレハロース
乳酸・グリコール酸共重合体
テトラ2-ヘキシルデカン酸アスコルビル
ポリビニルアルコール
ステビアエキス
コメヌカスフィンゴ糖脂質
N-ステアロイルジヒドロスフィンゴシン
β-グリチルレチン酸
リン酸一水素ナトリウム
クエン酸
精製水
無水エタノール

育毛系の成分は有効成分含め42種と育毛剤としてはかなり多いほう。

ただ、そもそも「成分量が多い=良い育毛剤」という図式が間違っており、それに当てはめるなら本当に髪が生える唯一のカテゴリである発毛剤のフィナステリドやミノキシジルは1種類しか含有していないから“ゴミ”ということになってしまう。

しかし現実には髪の毛が生えると認められている成分はフィナステリド、デュタステリド、ミノキシジルの3種しか存在せず、特にフィナステリドとミノキシジルは世界中の国々で発毛効果が認められています。

一方、これら成分以外に髪の毛が生えると認められているものは存在しません。そしてもちろんナノインパクト100にこれらは配合されていない。

注目成分は?

ではナノインパクト100にはどういった注目成分が存在するのか?

ナノインパクト100の成分を見渡す限りM-034Algas-2のような目玉の成分もなく、数は多いものの至って普通の育毛剤の成分を寄せ集めたという印象が強い。まあM-034やAlgas-2自体も何の発毛根拠もないハッタリ成分だが。

せめて、日本皮膚科学会が男性型脱毛症(AGA)の治療に際し検討する余地があるとする成分が入っていればまた見方も変わるのですが…

ナノインパクト100に発毛根拠のある成分は?

ナノインパクト100の成分と男性型脱毛症および女性型脱毛症診療ガイドラインで評価されている成分を見比べてみても、そういったものは一切入っていません。

そう、ナノインパクト100に配合されている成分は髪の毛を生やすためのものではなく、医薬部外品や化粧品によく使われる抗炎症作用や保湿効果、血行促進作用があるものばかりが名を連ねているにすぎないのです。

また、「42種」といったってどの成分がどの程度配合されているのかは一切明記されておらず、そんな状況で効果に期待する方が間違っている。

そもそもナノインパクト100がカテゴライズされている医薬部外品の育毛剤というものは髪の毛を生やすためのものでも、AGAを治すためのものでもありません。今ある髪の毛の成長を助けることを目的にしているのです。

ハゲを治したい人がナノインパクト100を使う…的外れも甚だしい。

ナノインパクトの内容量は少ない

ナノインパクト100にはほかにも気になる点が。それが60mlという内容量

60mlといえば「ミノキシジルの3倍の育毛効果」という胡散臭いキャッチコピーが印象的なキャピキシルを配合した育毛剤(実際は化粧品)と同等の内容量。また、発毛剤であるミノキシジル外用薬もほぼすべての商品が60mlを採用しています。

しかし前述の通りナノインパクト100は極めて平凡な成分ばかり。この成分構成はネット上に溢れる育毛剤と同レベルであるため、チャップアップやイクオスといった商品と同様に120mlくらいの内容量がないと説得力がありません。

…といっても、120mlの内容量を誇るこれら育毛剤もAGAにはまったく無意味ですけどね。それでも「いっぱい入っている」というお得感の演出くらいはしてもいいのではないだろうか?

ナノインパクト100はプレミアム感を演出し、価格が高い分効果も大きいというイメージを作りたいのかもしれない。それにしてもこの程度の成分でミノキシジル外用薬と同等の60mlとは…

その割に容器はプラスチック丸出しの非常に安っぽいもの。コスト削減と利益追求が透けて見える。

ナノインパクト100の浸透力のウソホント

ナノインパクト100の浸透力は?

ナノインパクト100の最大の売りは、東証1部に上場するホソカワミクロンが持つナノ技術を用いた浸透力といっても過言ではないでしょう。

ナノインパクト100が使用する「乳酸・グリコール酸共重合体(PLGA)」のナノカプセルは直径140nm(ナノメートル)。これが毛根まで浸透することによって育毛剤の効果を最大限発揮するというのです。

また、PLGAナノカプセルは毛糸玉のような構造をしており、それが徐々にほぐれることによって長時間にわたって効果が持続。2重の浸透技術により高い育毛効果を実現しているという。

確かに140ナノメートルというのは毛根まで浸透できるレベルの大きさ。2018年に近畿大学がミノキシジルを200ナノメートルの微粒子にすることに成功したとニュースになりましたが、ナノインパクト100の大きさはそれ以下。

しかし、高い浸透技術と“効果の有無”はイコールではありません。極端な話、水を毛根まで浸透させたところで髪の毛は生えませんよね。

前述の通りナノインパクト100には発毛成分はおろか、髪の毛の成長に寄与するという客観的なデータがある成分は一切配合されていません。化粧品やシャンプーなどにも使われる極めて平凡な成分ばかり。

凡庸な成分も毛根に浸透させれば効く…的な? そんなはずない。

ナノ技術を得意とするホソカワミクロンが作ったとあって浸透力に関しては疑いようがないでしょう。しかし肝心の中身が伴わないため、その浸透力も意味を成さないのです。

ナノインパクト100に発毛効果はあるのか?

発毛効果は100%ありません。ナノインパクト100なだけに。

そもそも「発毛効果」は発毛剤のみに許された表現。それだけに発毛剤には明確な発毛根拠がありますし、フィナステリドやミノキシジルといった発毛成分で髪が生えるのは世界の共通認識。

一方、ナノインパクト100の成分に目を向けると、発毛成分がないのは当たり前として、期待を持たせてくれそうな成分すらほぼ存在しない。まさか超絶凡庸育毛成分であるオウゴンエキスビワ葉エキスで毛が生えるとでも?

ナノ技術で毛根に届けるというが、それが意味を成すのは発毛効果のある成分のみで、髪を生やす効果もない成分を毛根に届けたところでどんな意味があるのか?

どんなに素晴らしい性能のトラックがあったって、運ぶものがガラクタでは宝の持ち腐れ。ホソカワミクロンが持つナノ技術もこの程度の成分を浸透させるのでは浮かばれないだろうよ。

もしこれを使って「髪の毛が生えた」と感じるのであれば、それは気のせい・思い込みか、もしくはそもそも男性型脱毛症(AGA)ではなく、別の何らかの要因による薄毛。おそらく放っておいても回復するレベルのもの。

ナノインパクト100でAGAは治らない。髪の毛も生えない。

ナノインパクト100の副作用

主にネット上などでフィナステリドやデュタステリド、ミノキシジルといった発毛剤の副作用に対し厳しい意見が飛び交っていることもあり、育毛剤であるナノインパクト100の副作用が気になる人もいるのではないでしょうか。

しかし安心してください、ナノインパクト100に副作用はほとんどありません。

ナノインパクト100を含め医薬部外品の育毛剤というのは製造や販売に際し医薬品のような臨床試験(治験)が必要ありません。成分などの条件をクリアすれば医薬部外品として販売できるのです。

それは裏を返せば「医薬部外品の成分で副作用が出る可能性は低い」と国が認めたようなもの。ナノインパクト100の成分を見ても極めて一般的なものしか使われていないことから、副作用が出る可能性はほとんどないと見ていいでしょう。

ただし、エタノールが使われていることからごく稀にアレルギー症状を呈する人がいるもの確か。万が一頭皮にかゆみや紅斑、発疹などが現れた場合は全額返金保証を適用しお金を返してもらった方がいいでしょう。

もう少し突っ込んだ話をすると、頭皮に塗布する外用薬であればミノキシジルを用いた発毛剤でも副作用が出る可能性は低く、仮に何らかの有害事象が現れたとしてもエタノールやミノキシジルの刺激による頭皮のかゆみや炎症程度。

ドラッグストアなどで市販される医薬品としてもっとも注意を要するとされる第一類医薬品のミノキシジル外用薬ですらその程度なのですから、医薬部外品のナノインパクト100に副作用の心配など無用。

発毛効果も副作用もない人畜無害の商品なので安心してお使いください。

高すぎる価格設定

ナノインパクト100の価格は高い

このナノインパクト100、価格が高いのも気になる。1本で7,560円もするし、定期コースでもその価格は変わらず初回のみ半額になる程度。

この7,560円という価格設定、育毛剤であるがゆえ一切の発毛効果はないが過剰な宣伝のみで人気を集めることに成功したチャップアップの7,400円より若干高いし、同じく絶妙な広告展開で人気になっているイクオスのサプリメントが付く定期コース7,538円とほぼ同等。

そして内容量はチャップアップやイクオスの半分である60ml。成分の数もこれら育毛剤より少ないという体たらく。もちろんチャップアップやイクオスをおすすめする気は一切ないが、商品のパッケージを考えると割高感が否めません。

浸透技術に関してはナノインパクト100がこれらを上回るのは間違いないでしょう。しかし、それでなくてもぼったくり感がある育毛剤市場の中で、この成分、この内容量にして7,560円はあまりにも高い。

発毛効果が認められているアメリカ製のミノキシジル5%製剤「リグロースラボM5」が1本あたり1,700円で買える世の中において、一切発毛効果がないナノインパクト100が7,560円…どう考えたっておかしいですよね。

これはナノインパクト100に限らず日本の育毛剤のほとんどに言えることですが。

日本では市販の発毛剤であるリアップX5プラスやメディカルミノキ5が7,000円以上することもあって、育毛剤もその価格を基準に値付けしている印象がありますが、海外の発毛剤はこれより遥かに安い。

ミノキシジル外用薬の元祖であるロゲインですら1本3,000円弱ですからね。

ナノインパクト100の強みである浸透技術にそれだけの価値があるかと問われれば、そんなことは一切ない。事実リグロースラボM5は「リポソーム技術」という浸透技術を採用しています。

ナノインパクト100はどの方向から見ても高すぎるのです。

ナノインパクト100の総評・まとめ

ナノインパクト100を製造・販売するホソカワミクロン株式会社に高いナノ技術があることは疑いようがなく、東証一部に上場していることから信頼性も十分。

しかしそれと「育毛剤が効くか」については別問題。少なくとも育毛剤なんて発毛効果のないものを作っているうちはこの分野で飛躍することは厳しいでしょう。我々ハゲが求めているのは髪の毛が生える効果ですからね。

イクオスやチャップアップのように他社(天真堂)のOEM育毛剤ソヴール08をベースに使いながらあたかも自社開発のように装っているのと違い、おそらく自社開発であるナノインパクト100は、そういった面では評価できる。

ただ、それが影響してか価格は高いし内容量は少ないし、なによりナノ技術なんかよりはるかに重要となる“成分”に全然力が入っていない。

育毛剤としては多めである42種の成分を配合したって、どれがどのくらい入っているかはまったく分からず…というか、一つひとつは極めて少量だろうし、保湿成分や抗炎症作用のある成分を集めたところで髪が生えるわけがない。優秀なナノ技術により毛根にしっかりと届いたとしてもね。

期間限定ながらアフィリエイト報酬は10,000円と破格。アフィリエイターに提灯記事を書かせる気満々だし、しかもスポーツ新聞などにも積極的に広告展開。その宣伝のための費用が価格に転嫁された結果高価だと考えるとアホらしくなる。

ナノインパクト100はそんな程度の育毛剤。

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