M-1ミスト 成分たった5種で発毛効果なし

M1ミストの効果は?

M-1育毛ミストはメディアにも取り上げられるなど比較的有名な育毛剤で、一部では「他の外用薬と併用できる育毛剤」としても知られていますが、中身は成分5種と極めて少なく発毛効果なし。AGAの改善は期待できません。

一方で価格は「ぼったくり?」と感じるほど高価。

正直なんでこんな育毛剤が淘汰されずに残っているのか不思議でしょうがないのですが、そこには色々な理由があるようです。

髪は生えない値段は高いと良いとこなしに見えるM-1ミストですが、買って使っている人はどのへんに魅力やメリットを感じて使用しているのでしょうか?

    目次
  1. M-1育毛ミストの全成分
  2. M-1ミストは学術発表や受賞しているらしいが…
  3. M-1育毛ミストの研究の問題点
  4. M-1ミストは副作用の心配がいらない
  5. 信じられないほど高いM-1ミストの価格
  6. サロン専用商品との違いは?
  7. M-1育毛ミストはおすすめできない

M-1育毛ミストの全成分

M1ミストの成分

数ある育毛剤の中でも特に成分数が少ないM-1育毛ミスト。それだけに一つひとつの成分は非常に気になるところですよね。

まずはM-1ミストの全成分を見てみましょう。

M-1育毛ミスト

グリチルリチン酸2K
センブリエキス
ニンジンエキス

精製水
加水分解酵母
加水分解ケラチン液

育毛成分 計5種

気持ちが良いくらい少ない。

精製水を除いて育毛成分は5種となっています。グリチルリチン酸2Kとセンブリエキス、ニンジンエキスの3種は医薬部外品の育毛剤を名乗るうえで必要な有効成分。これらは極めて凡庸な構成と言わざるを得ません。

つまり、一般的に育毛剤の差別化を図るうえで重要になる“その他の成分”は実質2つのみとなります。

こんなに成分が少ない育毛剤って記憶にないな。

有効成分自体は極めて一般的かつ超定番なものしか使っていないことから「加水分解酵母」と「加水分解ケラチン液」っていうのによほど自信があるということか?

ただし、成分の数が少ないこと自体に問題はありません。発毛効果が認められ医療現場で使われるフィナステリドやデュタステリド、ミノキシジルといった発毛成分は単体で使われますしね。

M-1ミストの主要成分はたった2つしかないし、一応調べてみたよ。

■加水分解酵素

加水分解酵素とは加水分解反応をする酵素の総称で、非常に多くの種類が存在するため「加水分解酵素」だけでは何を指しているのかいまいち分からない。

ただこの加水分解酵素がM-1ミストの「育毛シグナル300%UP」を支える成分らしく、なんかすごいらしいですよ(自称)。

なんでも毛乳頭細胞や毛包幹細胞の分化を司る細胞増殖因子(成長因子)であるIGF-1、HGF、VEGE、FGFなどを生産するらしい。

ただし、育毛や美容関連の商品ではこういった自社データを持つ企業って非常に多いんですよね。「ミノキシジルの〇倍」とか「効果を実証」とか。しかしそれは客観性がないただの参考資料に過ぎません。

■加水分解ケラチン液

ケラチンというたんぱく質は髪の毛の99%を構成しているため一見育毛に効果がありそうな成分に感じますが、その実シャンプーやコンディショナー、化粧品など多くの製品に使用されている成分。

仮に加水分解ケラチン液に発毛効果があるのであれば、これを配合した化粧品を使った人は顔の毛が濃くなるという悲惨な状況になりかねない。しかしそんな話は聞いたことがありません。

加水分解ケラチン液は髪の毛を保護しハリやコシを与えるヘアコンディショニング剤として使用されることもあります。しかし私たちハゲが望むのは髪の毛が増えることですよね。残念ながら加水分解ケラチン液にそんな効果はありません。

つまり発毛効果など一切望めない至って普通の汎用美容成分といえる。

M-1ミストは学術発表や受賞しているらしいが…

M-1育毛ミストに科学的根拠は?

M-1育毛ミストの大きな売りは毛髪研究会議など様々な学会などで独自の育毛理論を提唱し続けているという点。

M-1育毛ミストは確かに医療機関や大学ばかりが集う「日本皮膚外科学会総会・学術集会」において民間企業としては珍しく学術発表していますが、それはあくまでも「発表しただけ」に過ぎません。

メディア掲載に関しても「こんな研究が発表されました」というもので、効果を実証したものではありません。

■M-1ミストは何らかの賞を受賞しているらしい

M-1育毛ミストは「第7回世界毛髪研究会議」にて「最優秀プレゼンテーション賞」という賞を受賞しています。

「世界」と名がついていますし何やら凄そうな雰囲気を漂わせていますが、プレゼンテーション賞ってところに怪しさを感じずにはいられません。

一般的にプレゼンテーション賞というのは優れたプレゼンをおこなった人などに贈られる賞で、内容を時間内に正確かつ分かりやすく伝えるなど“プレゼンの質”が審査対象であり、製品の実際の効果とはまったく関係がありません。

毛髪研究会議で賞を受賞したと聞けば「すごい育毛剤」という印象を持ちますが、その実プレゼンを評価されただけでM-1ミストの効果や成分が評価されたわけではないので勘違いしないようにして下さい。

■M-1ミストは学術研究を発表しただけ
■世界毛髪研究会議で受賞したのは効果とは無関係のプレゼンテーション賞

M-1育毛ミストの研究の問題点

M-1育毛ミストは確かに学術発表や研究の成果を自社のホームページに誇らしげに掲載していますが、決定的なものが欠けています。

それは臨床試験を一切おこなっていないこと。

「育毛シグナルが300%」とか「毛乳頭細胞を活性化」などはすべて顕微鏡で見える世界での話であり、実際に人間の頭皮に使ったものではありません。

培養細胞を用いたものならキャピキシルが「ミノキシジルの3倍の育毛効果」と言ってみたり、リデンシルが「ミノキシジルの2倍の育毛効果」と言ってみたりとやりたい放題ですが、基本的に信頼に値しません。

研究段階では高い効果が確認されても実際に人間に使用する臨床試験では思うような効果が出ないことは非常に多いもの。

科学的根拠を謳う手法の違和感

M-1ミストのサイトを見ると面白い文言を発見できます。それはビジネス誌であるプレジデントや科学専門誌、男性向けの雑誌に掲載され、テレビ通販でも販売されたことを「科学的根拠がある証拠」と胸を張っている点。

M1ミストの嘘
出典:M-1ミスト公式サイト


一般的に「科学的根拠(エビデンス)」とは、様々な実験やヒトを対象にした臨床試験において効果の裏付けられたものを指します。

医療で使用する医薬品などは培養細胞を用いた研究から動物実験を経て、最終的にヒトを対象にした大規模な治験を行い科学的根拠を獲得するのです。

で、M-1育毛ミストはというと、メーカーが提唱するマイクロセンサー理論なるものはヒトの培養毛乳頭細胞を用いて実証したもの。実際に論文に目を通しましたが、臨床試験はおろかマウスを用いた動物実験すら行われていない。

医療のレベルで考えるなら、効果はおろか安全性すら確認されていない初期の研究段階といったところ。これで科学的根拠とは片腹痛い。しかも「桁外れ」って…何と比べて桁外れなんだろう?

まあ、イクオスやチャップアップといったまともな研究すら行われていない育毛剤の成分に比べれば、M-1ミストの加水分解酵素は培養細胞を用いて研究している分だけ“まし”なのは確かですが…

まさかとは思うが、世界中で臨床試験が行われ科学的根拠が示されたデータが山のように存在するフィナステリドミノキシジルと張り合うつもりだろうか?

M-1ミストは副作用の心配がいらない

私たちが悩まされている男性型脱毛症(AGA)に対する効果は望めないM-1ミストですが、唯一評価できる点があります。それは副作用の心配がほとんどないという点です。

一般的に医薬部外品の育毛剤というのは安全性を確かめる試験を行っていませんが、使用される成分から医薬品に比べ副作用が少ないと考えられています。

とはいえ、ほとんどの育毛剤は様々な成分を溶かし込むため、かつ浸透力を高めるためにエタノールを使用しています。しかしエタノールには微弱ながら刺激性があり、稀にアレルギー反応を示す人も。

ゆえに医薬部外品の育毛剤といえど「副作用がない」とは言い切れないなか、M-1育毛ミストにはエタノールが使われていないのです。いわゆる「アルコールフリー」というもので、一部の健康志向の化粧品などが採用している手法。

刺激性がありアレルゲンとなりうるエタノールを使用していないことから、M-1ミストの副作用リスクは極めて低いと見ていいでしょう。

ただし、皮脂や水に親和性があり浸透力を助けるエタノールを使用しないため、脂性の角質層や皮脂を分泌している毛穴に浸透するのかは未知数。

でも大丈夫、M-1育毛ミストが浸透しようがしまいが発毛することは絶対にない。つまりAGAに対する効果は変わらないのです。どうせ効かないのだから副作用リスクは低い方が良いに決まっています。

信じられないほど高いM-1ミストの価格

さて、そんな科学的根拠が桁違いらしいM-1育毛ミスト、お値段の方はおいくらくらいすると思います?

商品名 内容量 価格
単品購入 200ml 9,800円(税込)
定期コース 200ml 9,000円(税込)
(2019年3月現在)  

たった5種しか成分が入っていない上に、その成分のほとんどが平凡という、男性型脱毛症(AGA)治療にとって毒にも薬にもならない育毛剤が定期コースでも9,000円もするんだぜ。

発毛効果…髪を生やす効果が一切ないのはもちろん、サプリメントが付くわけでもなく、プレゼンテーション賞を取ったと誇らしげに書いているような育毛剤が9,000円…誰がこんなの買うんだろう?

確かな発毛効果があるミノキシジルを使用するもぼったくり感が否めないリアップX5プラスやメディカルミノキ5、リグロEX5ですら8,000円以下、同成分であるアメリカ製のリグロースラボM5なら1本あたり1,700円だよ。

科学的根拠が桁違いなM-1育毛ミストより桁違いに発毛効果があるミノキシジル外用薬が安価に買える状況において、わざわざ9,000円出してM-1ミストを購入する理由はどこにあるのだろう?

実際はそこそこ売れているようですが、本気で発毛をさせたいのであればM-1育毛ミストを使うべきではありません。

サロン専用商品との違いは?

サロン専用M-1育毛ミストとの違い

一部通販サイトやメルカリ、ヤフオクといったオークションサイトでは「サロン専売品」とされるM-1ミストが売られているのはご存知ですか? 「何か違うの?」と疑問に感じたことがある人もいることでしょう。

公式サイト上で売られているM-1育毛ミストは深緑の箱に白地のボトルですが、サロン専用のものはパッケージ、ボトル共に緑のグラデーションがかかったデザインになっており、ご丁寧にサロン専用と書かれている。

サロン専用…つまりプロ御用達という見方ができるため、こっちの商品の方が良いように感じるかもしれません。しかし結論から書くと全く同じ商品です。

そもそもなぜサロン専売のM-1育毛ミストがネット上で売られているのか?

考えられる可能性は2つ。美容室などで購入した人間がメルカリなどに出品している、もしくは美容院で余った商品などをスタッフが流しているのでしょう。

公式サイトで購入するより通常のM-1育毛ミストを購入するより、メルカリなどでサロン専用のM-1育毛ミストを買った方が安いため、気になる人はこれを購入するのも手なのではないでしょうか。

もちろん、どちらを使っても髪の毛は生えませんけどね。

M-1育毛ミストはおすすめできない

多くの育毛剤が平凡な成分をただ配合しているのに比べればM-1ミストは研究をおこなっているという点でまだマシという見方もできます。

しかし臨床試験を行っていないうえに成分は5種、それらも平凡なもので構成されており具体的にどの成分がどう効いているかも明らかにされていません。

リアップX5プラスが8,140円、それと同じミノキシジル5%の米国産リグロースラボM5が1,700円くらいで使えるなど圧倒的に効果の大きい発毛剤が遥かに安価で購入できるというのに、なぜM-1ミストに9,000円支払う必要があるのか?

M-1育毛ミストには副作用はないが、それは発毛効果がないことの裏返しであり、髪が生えないのであれば水と大して変わらない。

とはいえ医薬部外品の育毛剤ですから抜け毛予防や発毛促進には一定の効果が期待できるのも確か。ゆえにそういった目的で使いたいというのであれば止めはしませんが、髪の生えない育毛剤に時間とお金を割いているうちにもハゲは確実に進行します。

薄毛を治したいなら手遅れになる前に発毛剤の使用を考えるようにしてください。

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