ザスカルプ5.0Cに発毛効果がない理由

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ザスカルプ5.0Cの効果に隠された嘘

近年新しい育毛成分としてキャピキシルが注目されていることから複数の育毛剤がこれを配合しており、THE SCALP5.0C(ザスカルプ5.0C)もそんな中のひとつ。しかしザスカルプ5.0を使っても当然ながら髪は生えません。

やれキャピキシルだ、成長因子だといかにも髪の毛が生えそうなことを書き連ねているものの、ザスカルプ5.0Cは厚生労働省が認可する医薬部外品の育毛剤ですらなく、まったく効果が担保されないただの化粧品。

2018年12月に大きなリニューアルを敢行しリデンシルやピディオキシジルなどを新たに配合したものの、化粧品である点や発毛効果がない状況に変化なし。

なぜスカルプ5.0Cが男性型脱毛症(AGA)に効果がないと言い切れるのか?その理由に迫ってみましょう。

    目次
  1. キャピキシルに発毛効果はない
    1. ミノキシジルの3倍は嘘
  2. 付け焼刃のリデンシルとピディオキシジル
    1. リデンシルとピディオキシジルに効果なし
  3. ザスカルプ5.0Cの成長因子で髪が生え…ない
  4. ザスカルプ5.0Cの全成分
  5. ザスカルプ5.0Cに副作用はある?
  6. リニューアルで内容量減少
  7. ザスカルプ5.0の価格は?
  8. ザスカルプ5.0でAGAは改善しない

キャピキシルに発毛効果はない

基本的に育毛剤に使われる育毛成分には発毛する根拠がほとんどありませんし、そもそも薬機法(旧薬事法)において“発毛”を謳うことすら禁止されています。

それはイクオスEXプラスチャップアップなどに配合され人気の成分「M-034」が「ミノキシジルと同等の“育毛効果”」という微妙な表現を使っていることからも見て取れると思います。

そもそもこのM-034は、センブリエキスやグリチルリチン酸ジカリウムのような厚生労働省に「育毛効果がある」と認められた有効成分ですらなく、ザスカルプ5.0Cに配合されるキャピキシルもまた同様。

…というか、キャピキシルは医薬部外品の育毛剤に配合することすら認められていないため、これを配合した時点で化粧品のカテゴリに。そう、つまり育毛効果すら担保されていないのです。

厚生労働省に承認されているかどうかが効き目の全てではないものの、キャピキシルは「ミノキシジルの3倍の育毛効果」を謳うなど色々と胡散臭すぎる。

例えばネットに溢れる育毛サイトなどでは、キャピキシルの効果を証明するデータとして下図のような画像が散見されます。これを根拠に「ミノキシジルの3倍」と言っているわけです。

ザスカルプ5.0Cのキャピキシルで毛は生えない
出典:LUCAS MEYER COSMETICS


しかし、これはキャピキシルを製造しているカナダのLUCAS MEYER COSMETICS社が公表しているもの。自社データということもあり信憑性や客観性には疑問を抱かざるを得ません。

ミノキシジルの3倍は嘘

そもそもミノキシジルの3倍とする効果の根拠は人間の頭皮で行った臨床試験での結果ではなく「Ex vivo」…つまり培養した組織を使った実験での結果ということになります。

培養した毛包にキャピキシルを添加する状況というのは、ヒトの頭皮にキャピキシルを塗布する場合と大きく環境が異なります。人間の頭皮にはバリア層があるし、様々なメカニズムによって髪の毛が生えたり抜けたりしている。

そういった人間が持つ生理的な作用をすべて無視して培養した細胞に直接キャピキシルを添加し「はいミノキシジルの3倍でーす」とか言われても、「こいつ何言ってんだ?」という感想しか湧いてこない。

開発メーカーは培養細胞のみならずヒトに対する試験も行っていますが、そこではなぜか比較対象としてミノキシジルが用いられていない。

培養細胞での試験ではミノキシジルと比較しているのに、ヒトへの試験ではプラセボ(偽薬)との比較。ミノキシジルと比較するとメーカーにとって都合が悪い何かがあると見られても仕方ありませんよね。

ザスカルプ5.0Cの主要成分といえるキャピキシルについて、メーカーや育毛サイトはなんだかんだ都合の良いことを書いてはいるものの、結局は都合のいいデータだけを抜き出しているだけ。

発毛成分であるフィナステリドやミノキシジルのような発毛効果を裏付けるだけのエビデンス(科学的根拠)は一切ありません。だって、発毛はおろか育毛効果すら認められていないただの化粧品成分なのですから。

付け焼刃のリデンシルとピディオキシジル

THE SCALP5.0C(ザスカルプ5.0C)は元々キャピキシル5%以外に目立った成分はなく、普通の育毛剤にキャピキシルを加えただけという印象が強い商品でした。

一方、他のキャピキシル育毛剤はピディオキシジルやリデンシルを配合し商品価値を高めている…そう判断したのか、2018年12月のリニューアルでザスカルプ5.0Cは新たにリデンシルとピディオキシジルを配合しました。

つまり他の商品のいいとこ取りを目指したわけですね。

しかしその内容はお粗末。他のキャピキシル育毛剤の場合、リデンシルを2~5%配合していたり、ピディオキシジルを1.5~2%配合していたりと、キャピキシルの補助成分ながらある程度の濃度を確保しています。

一方のザスカルプ5.0Cはというと…リデンシルとピディオキシジルを配合したと息巻いているものの、その濃度は不明。濃度を前面に押し出していないということは、かなりの低濃度ということなのでしょう。とりあえず入れてみました的な。

リデンシルとピディオキシジルに効果なし

そもそも、リデンシルやピディオキシジルもキャピキシル同様発毛効果は一切認められていない成分。

リデンシルは培養細胞や人間に対する試験を行っているものの、やはり開発メーカーの自社データ。しかもこの試験がプラセボ(偽薬)と大して効果が変わらないという悲惨なものなんですよね。

むしろこんな散々なデータを公表したスイスのメーカーに拍手を送りたいくらい。

一方のピディオキシジルはというと…これはミノキシジルに似た分子構造というだけで大した試験すら行っていない。

マウスの毛を剃ってそこにピディオキシジルとミノキシジルを塗布したら同じくらいのスピードで毛が生えただの、毛髪活性度がミノキシジルと同等レベルだの…そういうの、もうお腹いっぱいだよ。

こういった育毛系の成分を開発するメーカーって、自社にとって都合がいいデータだけを必死にアピールするものの、当局に発毛成分として認めてもらおうという行動は起こさないんですよね。

コストの問題もあるだろうが、そもそもミノキシジルやフィナステリドのような効果がないことは百も承知なんだろう。だから小手先の技で無知な消費者を丸め込もうとする。

こんな素晴らしい結果を残しているリデンシルやピディオキシジルを低濃度で配合しているザスカルプ5.0C…これはすごいぞ。色々な意味で。付け焼刃感と右へならえ感が凄まじい。

ザスカルプ5.0Cの成長因子で髪が生え…ない

キャピキシルを配合した育毛剤(化粧品)の共通した動きとして「何らかの別の注目成分を配合する」というものがあります。

BOSTONスカルプエッセンスやフィンジアなら「ピディオキシジル」、Deeper3Dやバイタルウェーブなら「リデンシル」や「成長因子」といったようなものが挙げられ、ザスカルプ5.0Cもご多分に洩れず成長因子を配合しています。

ザスカルプ5.0Cに配合される成長因子は以下のとおり。

  • 発酵熟成プラセンタ
  • オクタペプチド-2
  • オリゴペプチド-41

少なっ!

Deeper3Dの8種やバイタルウェーブの6種より圧倒的に少ない3種。とはいえ数は問題にならない。なぜなら成長因子を頭皮に塗ったからといって髪は生えないから。

そもそもなぜ成長因子で髪が生えるという風潮になっているのかというと、そこにはIGFやVEGFといった複数の成長因子を頭皮に注入するハーグ療法の存在があるからだと推測されます。

このハーグ療法、施術に100万円以上かかることもあるという高額さに加え、思うような効果が出ないという意見も非常に多い民間医療。

施術する美容医院では世界的に認められているようなことを書いているものの、発毛剤をはじめ様々な医薬品などの認可を行う、日本での厚生労働省に位置するアメリカの米食品医薬品局(FDA)にも認められていない。

日本皮膚科学会もハーグ療法を否定

これまで2010年版という古いものしかなかった男性型脱毛症診療ガイドライン。この中でハーグ療法など頭皮に成長因子を注入する治療法は評価の対象にはいっていませんでしたが、2017年年末になって発表された男性型および女性型脱毛症診療ガイドラインではこれについて言及しています。

ガイドラインによるハーグ療法の評価

その評価は「C2:行わないほうがよい」。

成長因子や細胞移植は今後期待できる治療法ではあるものの、臨床試験の結果は限定的で安全性も確保されていないため厳しい評価に。

ハーグ療法を行う際はプロペシアやミノキシジル外用薬を併用することが多いなんて意見も見られ、高額で胡散臭い民間療法という印象は拭えません。

頭皮に成長因子を注入するハーグ療法ですらこの評価なのに、どの程度配合されているか、どの程度浸透するかも分からない育毛剤(厳密には化粧品)の成長因子を頭皮に塗って効果があると考えるのは不自然。

実際、各種成長因子を頭皮に塗布して髪の毛が生えたというデータは存在しません。「なんとなく髪の毛が生えそう」というイメージだけで配合している成分に過ぎないのです。

ましてザスカルプ5.0Cの成長因子は数が少ないので、これで髪の毛が生える効果がありそうと感じる人は発毛を完全に舐めている。

ザスカルプ5.0Cの全成分

さて、それらを踏まえザスカルプ5.0Cの全成分を見てみましょう。

THE SCALP5.0C(ザスカルプ5.0C)
成分

BG
腐植土抽出物
ピロリジニルジアミノピリミジンオキシド
グリセリン
ピロ亜硫酸Na
セイヨウアカマツ球果エキス
塩化亜鉛
チャ葉エキス
ヒト脂肪間質細胞順化培養液
オクタペプチド-2
オリゴペプチド-41

白金
セルロースガム
炭酸水素Na
サッカロミセス/(黒砂糖/プラセンタエキス)発酵液
クエン酸Na
アセチルテトラペプチド-3
アカツメクサ花エキス
デキストラン
グリチルリチン酸2k
イノシトール
アラントイン
センブリエキス
カミツレ花エキス
サンショウ果実エキス
プルサチラコレアナエキス
スイカズラ花エキス
グレープフルーツ果実エキス

ベタイン
PCA-Na
ソルビトール
セリン
グリシン
グルタミン酸
アラニン
リシン
アルギニン
トレオニン
プロリン
オタネニンジン根エキス
ダイズ種子エキス
アロエベラ葉エキス
カンゾウ根エキス
アルニカ花エキス
オドリコソウ花/葉/茎エキス
オランダガラシ葉/茎エキス
ゴボウ根エキス
セイヨウキズタ葉/茎エキス
ニンニク根エキス
ローズマリー葉エキス
ローマカミツレ花エキス

育毛成分 計55種

リニューアル前の育毛関連成分は41種だったため、リニューアルによって14種増えたことになります。あくまでも「数」だけの話ですけどね。

数だけの話をすればイクオスEXプラスなんか124種類ですよ。一方、発毛剤であるミノキシジル外用薬やフィナステリド・デュタステリド内服薬は1種。でも効果は発毛剤の方が圧倒的。

つまり発毛において成分の数など何の意味も成さないのです。むしろ効果が認められた成分1種のみで十分というのが医学の常識。そんな状況においてザスカルプ5.0Cの55種…“成分の数は多い方が良い”という印象操作の賜物ですね。

50種だろうが100種だろうが、そこに薄毛を改善させるだけの効果がある発毛成分が入っていなければ意味がない。で、ザスカルプ5.0Cのどこに発毛成分が入っているのだろうか?

キャピキシル?リデンシル?ピディオキシジル?冗談もほどほどにしろ。

ザスカルプ5.0Cに副作用はある?

育毛剤を使用する上でどうしても気になるのが副作用ですよね。THE SCALP5.0C(ザスカルプ5.0C)に副作用はあるのでしょうか?

結論から書くと発毛効果はおろか育毛効果すら存在するかどうか怪しい商品なんだから、まともな副作用なんてあるはずがない。もちろん悪い意味で。

副作用というのは明確な効果のある薬などの反作用が表面化するもの。効果が強ければ強いほど主作用に付随する反動がある。裏を返せば発毛効果がない育毛剤(化粧品)を頭皮に塗ったところで副作用なんて出るはずがありません。

そもそも医薬品の発毛成分ミノキシジルですら、外用薬では塗布部のかゆみやかぶれ、炎症程度の副作用しかないのに、化粧品のザスカルプ5.0Cに目立った副作用が出ると考える方がどうかしています。

ザスカルプ5.0Cには副作用も発毛効果もありませんので安心してご使用ください。

あえて副作用を挙げるなら発毛効果があると勘違いした人が高い金を出して全然髪が生えず絶望感を味わうことになることくらいでしょうか。あ、これは副作用じゃなくて主作用か。

またエタノールはじめ様々な成分を配合している都合上、これら成分にアレルギーがある人は頭皮のかゆみや発疹、炎症が出てくる可能性はあります。これはザスカルプ5.0Cに限らずすべてのスカルプローションに共通することですが。

リニューアルで内容量減少

ザスカルプ5.0Cが薄毛に効果がない理由として、リニューアルによって内容量が減少したことも挙げられます。

元々ザスカルプ5.0Cの内容量は80ml。他のキャピキシル育毛剤のほとんどが60mlであるのに対しザスカルプ5.0Cは80mlであったため、1回に使用できる量が多いというアドバンテージがありました。

他の賞品が1日2回、それぞれ1mlの使用であるところ、ザスカルプ5.0Cは1回に1.33ml使用できる。同じキャピキシル5%であれば、1回に多くの量を使えた方が効きそうですよね。キャピキシル自体の効果はさておき。

しかし、2018年12月のリニューアルによりザスカルプ5.0Cの内容量は従来の80mlから60mlに減少。これはどう考えても改悪です。

含有量の分からないリデンシルやピディオキシジルを加えて60mlに減らすくらいなら、キャピキシル5%のみで80mlのほうがまだましな気がするが…ま、色々と大人の事情があるのだろう。コストとか宣伝効果とかね。

それでなくても発毛効果がない成分のオンパレードであるザスカルプ5.0C。加えて内容量まで減らしてしまったら、もはや存在価値すら見いだせなくなるな。

ザスカルプ5.0の価格は?

では最後に気になるザスカルプ5.0Cの価格を見てみましょう。

商品名 内容量 初回割引 価格
単品購入 60ml 15,000円
定期コース 60ml 4,980円 10,000円

髪の生えない育毛剤っぽい化粧品に諭吉さん放出は正直厳しい。

これなら宣伝ばかりで発毛効果の一切ない典型の育毛剤であるイクオスEXプラスチャップアップのほうが、サプリメントが付く分いくぶんましな印象。これらも発毛効果はないが、サプリによって少なくとも健康面ではプラスになる。

1ヶ月分10,000円出すのであればベルトリドミノタブフォリックス16%という発毛剤最強の組み合わせをすべて買って使用しても2,000円くらいお釣りがくる。

薄毛が改善する可能性が極めて高い発毛剤最強の組み合わせより、発毛効果がないただの化粧品であるザスカルプ5.0C単体のほうが高いって…なんかもうギャグのような話ですよね。

がんを患った人が、治癒率が高く健康保険も使用できる外科手術を避け、高いうえに治る根拠のない民間療法に手を出すような滑稽さ。その選択をした自分の愚かさに気付く頃には手遅れに。

発毛剤を使えない理由があり、かつどうしてもキャピキシルを使いたいのであれば止めはしませんが…ザスカルプ5.0Cにうつつを抜かしている間にもAGAは確実に進行していくことを忘れないでください。

ザスカルプ5.0でAGAは改善しない

個人的な印象をハッキリ書いてしまえば、薄毛の改善を目的とするなら育毛剤ですらない化粧品のザスカルプ5.0Cに毎月10,000円出すだけの価値はありません。…というか1,000円でもいらない。

一応誤解なきように書いておくと、ザスカルプ5.0Cに効果が全くないとは言いません。ただそれは頭皮の環境を健やかに保ったり、髪の毛のハリコシを演出するといった程度のもの。

ただし、ハゲてしまった場所から新たな髪を生えさせる効果は一切ありません。薄毛を改善する発毛効果がない点については100%間違いないと断言できる。

残念なことにザスカルプ5.0Cは医薬部外品の育毛剤ですらないので、発毛促進や抜け毛予防といった育毛効果についても言及することはできません。発毛はおろか育毛すらできるかどうか分からない商品…それがザスカルプ5.0Cなのです。

やや副作用の可能性はあるものの、フィンペシアやミノタブだったら月々1,000円程度で期待できる発毛効果。一方10,000円のザスカルプ5.0Cにはそれが一切存在しない現実を直視するべき。

これを使う価値があるかどうかの判断は個々にお任せしますが、AGAを改善・治療する効果のないものに1万円を払う必要はないと個人的に感じています。

育毛剤は総じて発毛効果のない商品。しかし中でもやたらと高価なキャピキシル育毛剤(化粧品)のコスパの悪さは異常と言わざるを得ません。

発毛剤の副作用リスクがどうしても受け入れられず、かつ金に糸目は付けず、加えて髪が生えなくても気休めになればいいという人向け育毛剤(化粧品)、それがザスカルプ5.0Cという結論になるでしょうか。

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