フォリックスFR16 最強外用薬の効果と成分

フォリックスFR16の外観

日本においてミノキシジルといえば、5%を配合する外用薬「リアップX5プラスネオ」が有名ですが、本場アメリカには3倍超となる16%を配合するフォリックスFR16が存在。高い効果に加え価格はリアップより安いという最強の外用薬です。

日本ではリアップシリーズとそのジェネリック医薬品にしか存在しないミノキシジル外用薬。しかし世界的な発毛成分のスタンダードであるミノキシジルを用いた商品は海外に多数存在しています。

とはいえ大半の商品のミノキシジル濃度はリアップX5同様「5%」、高濃度の商品でも7%程度が一般的。一方、フォリックスシリーズの中でも最強を誇るFR16はミノキシジル16%。

豪快なアメリカらしい、ぶっ飛んだ配合量を実現しています。

もともと高濃度ミノキシジル外用薬のポジションにはポラリスシリーズが存在していたものの、現在はフォリックスシリーズに移行。そのため、ポラリスとの比較を交えながらフォリックスFR16を詳しく紹介していきたいと思います。

    目次
  1. フォリックスFR16とは
  2. フォリックスFR16の成分をポラリスNR-10と比較
  3. 注目成分を一つひとつ紹介
    1. ミノキシジル16%
    2. フィナステリド
    3. アデノシン
    4. アゼライン酸
    5. トリペプチド-1銅
    6. プロキャピル
  4. リポスフィアテクノロジーの浸透力
  5. 安全性に問題がある成分は?
    1. フェノキシエタノール
    2. BG(1,3-ブチレングリコール)
  6. ミノキシジル16%に副作用はあるのか
  7. フォリックスFR16の使用感
  8. クリームタイプは是か非か
  9. フォリックスFR16の容器改悪問題
  10. M字ハゲにはフォリックスFR16が最適との声も
  11. フォリックスFR16を使って効果を検証
  12. フォリックスFR16の価格は?
  13. フォリックスFR16の総評・まとめ

フォリックスFR16とは

フォリックスFR16とは?

いきなり「高濃度ミノキシジルを配合したフォリックスシリーズ」という言葉を聞いても「なんだそれ?」と感じる人が多いのではないでしょうか。

それもそのはず、フォリックスシリーズは2017年10月から日本でデリバリーが開始された新しい外用発毛剤ブランドなので、育毛剤や発毛剤に興味を持っている人ですら知らない人が存在するのも無理はありません。

フォリックスシリーズを一言で説明すると、これまでのポラリスシリーズに代わる商品ということになります。

ポラリスは5~16%のミノキシジルを配合する最強の外用発毛剤として君臨していました。しかし2017年8月頃から商品の供給が不安定という理由で取り扱う個人輸入代行業者が減り、最終的には完全に購入できない状況に。

それと入れ替わるように登場したのがフォリックスシリーズなのです。

このフォリックスシリーズを製造・販売しているメーカーはアメリカの「サファイアヘルスケア社」。ポラリスを製造販売していたポラリスリサーチラボラトリーズの親会社であるDSヘルスケアグループが社名変更して誕生した会社です。

公式サイト:SAPPHIRE HEALTHCARE

サファイアヘルスケア社はフォリックスシリーズの他、発毛剤ユーザーに人気のリグロースラボシリーズやドクターゼロブランドとして多くの育毛剤や発毛剤を展開。そういった点から信頼性は非常に高いといえるでしょう。

すでに高濃度ミノキシジルの主流になったフォリックスシリーズの中でも、FR16はポラリスNR-10と同様にミノキシジルを16%配合。他の主要成分もほぼ同じものを使用しつつパワーアップを果たした商品なのです。

具体的にはプロペシアの成分として知られる「フィナステリド」や、資生堂のアデノバイタルやアデノゲンに配合され、2017年に策定された男性型および女性型脱毛症診療ガイドラインにおいて一定の発毛効果が認められた「アデノシン」など。

高濃度ミノキシジルによる高い発毛効果が特徴のフォリックスシリーズの中でも最高のミノキシジル濃度。その他成分においても効果的な成分をこれでもかと配合した、まさに“最強”と呼ぶにふさわしい外用薬がフォリックスFR16なのです。

フォリックスFR16の全成分

フォリックスFR16の全成分

では、フォリックスFR16にどういった成分が配合されているのか、まずは全成分を見ていきましょう。

フォリックスFR16
成分
純水
プロパンジオール
ミノキシジル16%
ベヘントリモニウムメトサルフェート
セタノール
香料
フェノキシエタノール
ホホバ種子油
エミュー油
加水分解コラーゲン
スペアミント油
アゼライン酸
アデノシン

BG

PPG-26ブテス-26
PEG-40水添ヒマシ油
アピゲニン
オレアノール酸
ビオチノイルトリペプチド-1
Prolipo neo
(プロパンジオール、レシチン(リン脂質))
フィナステリド
Syn-Ake
(グリセリン、水、ジ酢酸ジペプチドジアミノブチロイルベンジルアミド)
GHK-Cu Solution
トリペプチド-1銅、水)
アロエベラジェル
ベニバナ油
水溶性コラーゲン
加水分解野菜タンパク
D-パンテノール
オタネニンジンエキス
ニンジン種子油
オリーブ油
TEA

特に発毛効果や育毛効果が期待できる注目成分については赤字にしてあります。

日本で最も売れているミノキシジル外用薬「リアップX5プラスネオ」をはじめ、ミノキシジル外用薬の世界的な標準濃度は5%。にもかかわらずフォリックスFR16はその3倍強となる16%配合。

「濃ければ濃いほど効くだろう」と言わんばかりの豪快さはいかにもアメリカ。

また、前述したように内服薬の発毛剤として活躍するプロペシアの主成分「フィナステリド」や「アデノシン」は大いに注目したいところ。

一方、かつて海外において複数の試験が行われ、一定の発毛・育毛効果が確認されている「アゼライン酸」や「トリペプチド-1銅」なども配合。日本ではあまり馴染みのない成分かもしれませんけどね。

ただ、それらの発毛・育毛成分とは別に、フェノキシエタノールやBGなど、防腐や抗菌目的で配合されている成分に不安を感じている人もいるかもしれません。

そのあたりに関しても詳しく触れていきます。

注目成分を一つひとつ紹介

ではフォリックスFR16に配合される主な注目成分を一つひとつ見ていきましょう。

ミノキシジル16%

フォリックスFR16 ミノキシジル16%の発毛効果

リアップX5プラスネオのCMの中でこの成分名が使われていることから、薄毛ではない人でも聞いたことがあると思われる、最も知名度が高いであろう発毛成分、それが「ミノキシジル」です。

元々は血圧を下げるための血管拡張剤として使われていた内服薬の成分ですが、使用した人の多くに発毛が認められたため、副作用のリスクを抑えつつ発毛効果を得られる外用の発毛剤として使用されるようになりました。

一般的な濃度はリアップX5プラスネオや、ミノキシジル外用薬の本家ロゲインのように5%。しかしフォリックスFR16はシリーズ最高濃度となる16%を配合しています。世界的に見てもこれを超える濃度の外用発毛剤は見たことがない。

日本においてミノキシジル外用薬の効果を臨床試験でしっかりと示したものはリアップのものしかありませんので、とりあえずそれを見てもらいましょう。下図はミノキシジル5%のリアップX5の臨床試験結果。

ミノキシジルの発毛効果
出典:大正製薬商品情報サイト


フォリックスFR16の3分の1以下の濃度でもこの効果。

含有量が3倍超の16%だから発毛効果も3倍!」などと言うつもりは毛頭ありませんが、ミノキシジル濃度1~5%の間では濃度と効果は比例することが示されているため、一般的な5%より16%の方が効くのは想像に難くありません。

惜しむらくは5%を超える濃度のミノキシジル外用薬を使用した臨床試験が行われていない点。16%…とはいかなくても、7%や10%での試験結果があれば、高濃度ミノキシジルの信頼性はより高まるのですけどね。

フィナステリド

フォリックスFR16のフィナステリドは効果ある?

フォリックスFR16のもう一つの大きな特徴がフィナステリドを配合している点。

プロペシアやフィンペシアの主成分として知られるフィナステリドは、服用することで薄毛の原因であるジヒドロテストステロン(DHT)を作り出す「5αリダクターゼ」の働きを阻害し高い発毛効果を発揮します。

ただし、高い発毛効果が世界的に実証されているのはあくまでも内服薬での話。これを外用薬として頭皮に塗布してどこまで効果があるのかについて懐疑的な見方をしている人も多いのではないでしょうか。

実は海外においてはミノキシジルとフィナステリドを組み合わせたローションを使用した臨床試験が複数行われています。

ミノキシジル+フィナステリドローションの効果

フォリックスFR16のようにミノキシジルとフィナステリドを組み合わせたローションによる臨床試験を2例紹介しましょう。

ひとつは2012年の論文で、AGAの男性40人を2群に分け、片方の群にはミノキシジル3%のローションを、もう片方の群にはミノキシジル3%とフィナステリド0.1%を配合したローションを24週にわたって使用するというもの。

この結果、両方のグループで毛髪数が増加。両郡に“統計的に有意”とされるほどの差は見られなかったものの、写真での評価ではミノキシジル+フィナステリドの群は有意に大きな改善を示したとされます。

そしてもう一つの論文は2018年と比較的最近のもの。

こちらもAGAの男性40人を2群に分け、片方にはミノキシジル3%、もう一方にはミノキシジル3%+フィナステリド0.25%のローションを24週使用し、その効果を比較しています。被験者の年齢は18~60歳。

こちらの試験ではフィナステリドの濃度が高いこともあってか、ミノキシジル+フィナステリド外用薬は、毛髪密度、毛髪の直径、全体的な写真評価すべてにおいてミノキシジル単体のローションより有意に優れていたという結果に。

ミノキシジル+フィナステリドローションを使用した被験者の90%は中程度から顕著な改善が示されたとも。

製薬会社による大規模な治験までは行われていないものの、フィナステリドを外用に用いた試験では一定の効果が出ていることから、高濃度ミノキシジルとフィナステリドを組み合わせたフォリックスFR16も大いに期待できるでしょう。

そもそもフィナステリドは男性ホルモンの働きを抑制するという性質上、胎児や子供の成長を阻害しかねないため、妊婦は触れることすら禁忌とされています。それは裏を返せばフィナステリドは経皮吸収するということに他なりません。

そのことからも、頭皮に塗布したフィナステリドが経皮吸収され効果を発揮する可能性が高いと見られています。

フォリックスFR16と同じサファイアヘルスケア社製のリグロースラボシリーズの中には、フィナステリド0.25%を主成分とする商品も存在し、それなりに人気となっていることから、やはり一定の効果は望めるのでしょう。

ただし、エビデンス(科学的根拠)と呼べるデータが膨大に存在するミノキシジルと違い、フィナステリドの外用薬に発毛効果があるという科学的根拠はないと言わざるを得ないというのが現実。

複数の試験で効果を確認しているとはいえ、それらは小規模な試験での話であり、科学的根拠とはなり得ないのです。

過度な期待はせず、“ミノキシジルの補助”と割り切ったほうがいいでしょう。

アデノシン

フォリックスFR16に配合されるアデノシンの効果

アデノシンは日本においては資生堂の「アデノバイタル」や「アデノゲン」に配合される成分で、厚生労働省に育毛剤の有効成分として正式に認められたもの。

当サイトにおいて育毛剤や、それに使われる科学的根拠のない成分に批判的な私ですが、その中にあってアデノシンに関しては一定の評価に値すると感じています。

なぜなら、2017年の年末になって新たに策定された男性型および女性型脱毛症診療ガイドラインにおいて、アデノシンの評価はミノキシジルやフィナステリド、デュタステリドに次ぐ評価になっているから。

アデノシンの評価2017年版
出典:日本皮膚科学会ガイドライン


2010年版のガイドラインではC1だったアデノシンの評価は、後に有用なデータが出てきたこともあって男性に対してのみ「B:行うよう勧める」に上昇しています。

その中にはミノキシジル5%と差がない発毛効果が認められたというデータも存在し、フィナステリド、デュタステリド、ミノキシジル以外の成分としては唯一「発毛」に言及しています。

実際、アデノシンを使用した最も大規模な試験(被験者102名)では、アデノシンを使用する群と使用しない群の2つに分け実施され、アデノシン群の改善率は80.4%、対照群は32.0%と有意な差が確認されています。

ちなみにミノキシジル5%と同等の発毛効果が得られたとするアデノシン濃度は0.75%。フォリックスFR16にどの程度の濃度で配合されているか明記されていないのは不安点ではあるものの、低濃度でも一定の効果は期待できそうです。

アデノシンにある程度しっかりとした科学的根拠が出揃ったことで、ある程度信頼できる成分になったと見ていいかと。

ただし、フィナステリド外用と同様に、アデノシンに関しても製薬会社が数百人~数千人規模で行った治験ではないため、医薬品の成分に比べれば信頼性は劣る。

アデノシンもミノキシジル16%を引き立てる補助的役目になりますね。

アゼライン酸

アゼライン酸の育毛効果

アゼライン酸は「アゼライク酸」とも呼ばれ、主にニキビの治療薬として用いられることが多い成分。

一方でフィナステリドと同様に「5αリダクターゼを阻害しDHTの生成を抑制する効果がある」とされ、1988年に行われた臨床試験では5αリダクターゼを90%も抑制したというデータが出ている。

これをそのまま受け止めれば期待は膨らむものの、その割には日本の厚生労働省にあたる米の食品医薬品局(FDA)に発毛成分として認められていませんし、実績もミノキシジルとは天と地ほどの差が開いてしまっている点からも、ちょっと残念な経緯を辿ったのかなと。

とはいえ、アゼライン酸を20%配合したニキビ治療薬「スキノレンクリーム」を発毛目的で頭皮に塗る人もいるほど。ミノキシジルなどの発毛剤に混ぜて使用する人が多いようです。

海外ではこれを主成分とした育毛剤も販売されているので、一定の効果は期待できると見ていいのかもしれません。

トリペプチド-1銅

フォリックスFR16のトリペプチド-1銅

フォリックスFR16の前身であるポラリスNR-10にも配合されていた「トリペプチド-1銅(銅ペプチド)」。2021年に行われたフォリックスシリーズのリニューアルで「GHK-Cu Solution」の構成成分という位置付けになったらしい。

これもフィナステリドやアゼライン酸同様5αリダクターゼを阻害する効果があるとされ、髪の毛の休止期を短縮し成長期を伸ばします。

単体での効果の程度はよく分からないものの、ポラリスでも複数の商品に配合されていた実績のある成分なので、まあ期待しましょう。

プロキャピル

成分表上は「オレアノール酸」「ビオチノイルトリペプチド-1」「アピゲニン」「水」「BG」「PPG-26ブテス-26」「PEG-40水添ヒマシ油」の7つで構成されるプロキャピルは、フォリックスになって配合された新たな成分になります。

プロキャピルの効果を掲載した海外のサイトを見てみると、5αリダクターゼを阻害し、かつ毛包の血行を改善、成長を促進させるとあります。

プロキャピル1%とミノキシジル1%との比較試験では同等の効果を示したとも。数は毛包の成長の様子を撮影したもの。

プロキャピルとミノキシジル

確かにこれを見る限りプロキャピルはミノキシジルと同等、もしくはそれ以上の効果が出ているように見えます。

薄毛男性35人を対象に4ヶ月間の試験も行っており、プラセボ(偽薬)を使用した群に比べより多くの発毛が確認されています。

参照記事:プロキャピル

…ただ、ぶっちゃけてしまうと、ミノキシジルに対抗心を燃やしている成分って総じてアレなんですよね。M-034然り、キャピキシル然り、リデンシル然り、ピディオキシジル然り…

名前に関しても同じ香りするので、過度な期待はせず「補助的に効果があればいいね」くらいの気持ちで。

リポスフィアテクノロジーの浸透力

リポスフィアテクノロジー

前身となるポラリスシリーズには独自技術として「Liposphereテクロノジー(リポスフィアテクノロジー)」が採用され、これによる高い浸透力が売りのひとつでした。後継商品であるフォリックスシリーズにもこの技術が使われています。

このリポスフィアテクノロジーがどういったものかというと、人間の皮膚と酷似した組織で化合物を極小カプセル化。その特性により従来の外用薬に比べ毛穴のより深いところまで浸透させることができるという仕組み。

そのカプセルは親水性と疎水性を併せ持つため、皮脂や汗などの分泌物を透過し浸透するとのこと。ちょっとややこしいが、近年は肌に対する化粧品にも採用される例が増えている注目技術です。

そもそもミノキシジルやフィナステリドは分子量が小さいため、角質層を突破し皮膚の奥まで浸透することで知られている。加えてこのリポスフィアテクノロジーが採用されているのですから期待はより高まります。

安全性に問題がある成分は?

フェノキシエタノールやBGの安全性

高い発毛効果が期待できるフォリックスFR16。それだけに発毛・育毛成分ばかりに目が行きがちですが、中には安全性や刺激性が気になる成分も見受けられます。

特に気になるのは高濃度で配合されるミノキシジルの刺激性。そして防腐や抗菌目的で配合されている「フェノキシエタノール」と「BG(1,3-ブチレングリコール)」あたりになるでしょう。

髪の毛が生えることを期待してフォリックスFR16を使用しているのに、こういった成分が刺激になり薄毛を誘発しては本末転倒。ミノキシジルやフェノキシエタノール、BGは本当に安全なのでしょうか?

ミノキシジルの刺激性や副作用に関しては後で詳しく取り上げていますので、ここではフェノキシエタノールとBGについて言及していきましょう。

フェノキシエタノール

かつては防腐剤といえばパラベンがよく使われていましたが、安全性を懸念する声もあってか近年はフェノキシエタノールを使用する例が増えています。フォリックスFR16も同様にフェノキシエタノールが使われています。

しかし、仮に危険性や刺激性がほとんどないとはいっても、防腐剤などの添加物に不安を覚える人がいるのも事実。

というのも、フォリックスFR16は「薄毛をこれ以上進行させたくない」という、極めてデリケートな問題にアプローチする商品であることから、刺激性に対し人一倍敏感になってしまうのは致し方ないところ。

結論から言えばフェノキシエタノールに危険性はありません

フェノキシエタノールの安全性を検証するために行われた試験は多く存在します。その多くは通常のローションで使用される量とは比べ物にならないくらい高い濃度で行われていますが、刺激性や危険性はほとんど確認されていない。

通常、フェノキシエタノールの濃度は1%未満で使用されます。それをはるかに上回る5%や10%を含んだオイルや軟膏を塗布した試験において、刺激性やアレルギー性反応は観察されていません。

正直なことを書いてしまえば、フォリックスFR16の主成分であるミノキシジルのほうがよほど刺激性がある。後述しますが、ミノキシジル外用薬によって皮膚のかゆみや紅斑が出る可能性は否定できませんからね。

「エタノール」「防腐剤」という響きからあまり良いイメージが湧かないフェノキシエタノール。しかし安全性は確認されていますので安心してください。

BG(1,3-ブチレングリコール)

次にBG(1,3-ブチレングリコール)について。

BGもフェノキシエタノール同様防腐や抗菌目的で使用されるほか、保湿効果も期待できることから化粧品や医薬部外品など数多くの商品に使用されています。

ただ、一時PG(プロピレングリコール)の危険性が取りざたされたこともあり、同じような目的で使用され、なんとなく名称も似ているBGに懸念を抱く人が多いのも事実。

一般的なローションなどに使用されるBGの濃度は概ね1~5%ほど。

一方、BGの刺激性を検証する試験では50~100%という高濃度のBGを含ませたパッチを肌に貼り付ける試験も。その結果は「刺激性は確認されなかった」「1人に軽度の刺激が確認された」程度のもの。心配には及ばないというのが実情です。

参考サイト:BGの基本情報・安全性

そもそも、毎日使っているシャンプーやリンス、整髪料などにもフェノキシエタノールやBGが広く使用されており、これらを避けて生活することは不可能に近い。

育毛系シャンプーとして抜群の知名度を持つスカルプDやマーロにもBGは配合されていますからね。

当然ながらフェノキシエタノールやBGで薄毛になったりAGAが進行したりすることもないので安心してください。

フォリックスFR16の副作用

フォリックスFR16の副作用

発毛剤といえば無視できないのが副作用。

ミノキシジル5%のリアップX5プラスネオですら副作用の存在が取りざたされているのですから、ミノキシジル16%という高濃度を誇るフォリックスFR16に対し不安を感じないわけがありませんよね。

ネット上には発毛剤の副作用について過度に恐怖を煽るような記事も目立つことから、「プロペシアやミノキシジルなどの発毛剤は副作用が怖い」という印象を持っている人も多いことでしょう。

確かに内服薬であれば副作用のリスクは完全には排除できないものの、ミノキシジルの外用薬であれば副作用の心配をする必要はほとんどありません。

本来内服薬であるミノキシジルは、内服することで強力な発毛効果を発揮するものの、元々が血管拡張剤であるため低血圧やめまいといった副作用が出やすいという特徴があります。

…というか、ミノキシジルは本来血圧低下こそが主作用であり、発毛(多毛症)のほうが副作用なんですけどね。

しかし、頭皮という限定的な部分にのみ使用する外用薬の場合、血圧に作用することはほとんど考えられず、製品の注意書きにおいても万が一のために「心臓が弱い方」「血圧が高く降圧剤を飲んでいる方」の使用は控えるように書いている程度。

とはいえフォリックスFR16のように16%もの高濃度になると、さすがに副作用リスクも高まるんじゃ…」と感じる人もいるかもしれません。しかし外用のミノキシジルで重篤な副作用が出たという報告は一切ありません。

2万件に及ぶ臨床試験でもプラセボ(偽薬)とミノキシジルの副作用に有意差はありませんでした。

一時期「リアップを使って死亡した人が出た」「循環器に対する副作用が―」なんて騒ぎも一部でありましたが、これも因果関係はハッキリしていない上に、使用している人数から統計学的に見てもリアップを使用していない人との有意差はないと結論付けられています。

健康な人がフォリックスFR16を使ってめまいや低血圧などの副作用が出たとしたら、ほとんどはノセボ効果(思い込みによる副作用)によるもの。ミノキシジル外用薬の副作用はその程度のものなのです。

頭皮のかゆみや炎症の可能性も

ミノキシジルが持つ血管拡張剤としてのネガティブな部分が出ることはほとんど考えられないフォリックスFR16。しかし塗布した頭皮になんらかの異常が出る可能性は否定できません。

というのも、ミノキシジル外用薬には成分を溶かし込むためのエタノールが使われており、これが刺激となって頭皮のかゆみや炎症が引き起こされることが起こり得るからです。

また、ミノキシジル自体にも刺激性があるとも。

ミノキシジル1%と5%の臨床試験では、副作用発現率は1%の方が明らかに少なかったという結果が出ています。

ミノキシジル1%と5%の副作用の差

このデータを見るに、1%のリアップでは150人の被験者の中で4人に皮膚症状が出ており、5%では150人中12人と3倍に。

5%でこれなのですから、ミノキシジルを16%も配合するフォリックスFR16に頭皮への刺激がないとは口が裂けても言えません。

とはいえ、5%ミノキシジルの頭皮への副作用発現率は8%ほど。前述した効果と同様に「濃度が3倍だから副作用も3倍」とはなりませんから、フォリックスFR16の副作用発現率はせいぜい10~15%くらいでしょう。

それほど高くない副作用発現率に加え、その内容も頭皮のかゆみや炎症程度。厳しいことを言いますが、その程度のリスクすら受け入れられないというのであれば、そもそも発毛剤など使うべきではない。

“副作用がない”とされる育毛剤を気休めに使ってハゲ散らかせばいい。それが嫌なら勝負するしかないのです。

フォリックスFR16の使用感

フォリックスFR16の使用感

フォリックスFR16の前身となるポラリスNR-10は最強外用薬として名を馳せる一方、臭いやべたつき、塗布した後の髪の毛のゴワゴワ感など、使い心地は決して褒められたものではありませんでした。

しかし、フォリックスFR16になってこれらの問題は大きく改善しています。

粘度の高いクリームタイプの割にべたつきは少なく、髪の毛に塗った後のゴワゴワ感もかなり改善。日本製の育毛剤に比べれば使い心地はやや劣るものの、高濃度のミノキシジルに様々な育毛成分が入っていることを考えれば致し方ないのかと。

また、ちょっとヤバい臭いを漂わせていたポラリスに比べれば無臭と言ってもいいほどの改善を見せています。厳密には微妙な匂いはありますけどね。常識的な範囲のアルコール臭といえば分かりやすいか。

基本的に朝晩使用する必要がある商品であるフォリックスFR16。特に朝の出勤前は髪の毛にゴワゴワ感や匂いを付けたくないところですよね。そういった点においてフォリックスFR16は確実に進歩しているのです。

クリームタイプは是か非か

クリームタイプは塗りにくい?

フォリックスシリーズは基本的にサラッとしたローションタイプの発毛剤です。しかしFR16だけは例外的にクリームタイプであり、良くも悪くも大きな特徴となっています。

多くの育毛剤や発毛剤が採用するローションタイプは液だれに悩まされることも多く、その心配がないクリームタイプは一見理に適っているようにも感じます。

しかし粘度の高いクリームは髪の毛に付着しやすいというデメリットも。

クリームを吐出するためのスプレーノズルが付属しているものの、思いのほかクリームの粘度が高いため出しづらいこともあり、使い勝手が良いとは必ずしも言い切れない。

従来のポラリスのようにスポイトを別途用意したり綿棒や割り箸を使ってすくい取ったりなど、付属のスプレーノズルに頼らない使用方法をとったほうがいい印象を受けます。

ただそうなると1回5プッシュという目安量が分かりにくくなるという問題点も。まあそのへんはどんな方法でも使っていくうちに分かってきますけどね。

正直「なんでフォリックスFR16だけクリームタイプなんだよ」と文句を言いたい。

フォリックスFR16の容器改悪問題

粘度が高いクリームタイプであるうえ、付属のポンプの出来がいまいちということもあり、ポンプに頼らずマドラーなどでかきだして使用する人が後を絶たないフォリックスFR16。

そんなユーザーの不満を解消するため…なのかどうかは分かりませんが、2021年になってフォリックスFR16のみ容器をリニューアルしたのです。

ローションタイプである他のフォリックスシリーズの容器は変更することなく、シリーズ唯一のクリームタイプであるフォリックスFR16のみ容器を変更したということは、「使いづらい」という声に応えた形かと。

ただね、この新容器の評判がすこぶる悪い。

フォリックスFR16の旧容器と新容器の比較

このように、一見すると容器が縦長になっただけに見える。新しい容器になって、これまで詰まりがちだったポンプも改善したのだろう…と普通は考えますよね。

ところがどっこい、この新容器のポンプは旧製品以上に詰まりやすいのです。数回使っただけで詰まってしまい、その後使い物にならないことも多々あるほど。

それでも旧容器はポンプ部分が取り外しできたため、マドラーなどですくいだすことができた。しかし新容器はポンプ部分が取り外しできない構造なのです。

じゃあどうするか? 容器を破壊する必要があります。容器リニューアルとか余計なことしなくていいから、元のポンプを取り外しできる容器に戻してくれないかな。

フォリックスFR16は粘度が高く、かつミノキシジル濃度も高いため、低温下などでは中で成分が結晶化し、それが詰まってしまうという現象らしい。そのため、ポンプを温めると出るようになるという話も。

いや、そんなんいちいちやってられんわ。

あまりにも新容器の評判が悪いため、遠からず改良するなど何らかの措置を行うと思いますが…現状のフォリックスFR16の容器は産廃レベルと覚悟しておきましょう。

発毛剤としては本当に素晴らしいんだけどねぇ…

M字ハゲにはフォリックスFR16が最適との声も

M字ハゲにこそフォリックスFR16

フォリックスシリーズで唯一クリームタイプという点に批判や不満も多いフォリックスFR16。しかしそんな声をよくよく精査してみると、クリームタイプであることが問題ではなく、ポンプノズルと相性が悪いことが問題視されていることが分かります。

付属のポンプノズルでは粘度が高いクリーム状の薬液を出すのが大変だと。

粘度が高い点に関しては「垂れないから塗りやすい」と好意的な見方も多く、特にM字ハゲに悩む人からは好評を得ています。

外用の発毛剤や育毛剤を使ったことがある人なら分かると思いますが、ローションは頭頂部など髪の毛がある程度残っている場所には適しているものの、M字部分や生え際に塗ると垂れてしまうんですよね。

理由は、引っかかりとなる毛がほとんどないことに加え、頭の形の都合上M字部分は垂直に近い角度になってしまうから。

粘度の高いクリームタイプのフォリックスFR16であれば、よほど大量に塗布しない限り垂れる心配がないため、M字部分の使用に関しては最も適していると考えられるのです。

一方、髪の毛がある程度残っている頭頂部などは髪の毛に絡んで塗りづらい場合もあるんですけどね。可能であればローションタイプのフォリックスFR12やFR15と使い分けたいところ。

フィナステリドはM字に効かないと感じている人が多い

AGA治療薬といえば真っ先に思いつくのはプロペシア。そんなプロペシアは発売前の臨床試験において頭頂部の薄毛より、生え際やM字部分といった前頭部の薄毛に効果があるという結果が出ています。

プロペシアはM字ハゲに効く?

若干ですけどね。

しかし、実際の声を聞いてみるとプロペシアやフィンペシアに代表されるフィナステリド内服薬は、頭頂部のハゲにはある程度効果を示す一方、M字にはあまり効果がないという意見が多くなっています。

M字ハゲにはミノキシジルのほうが効果的とも。

フォリックスFR16は現存する外用発毛剤としてミノキシジル濃度が最も高い16%。クリームタイプうんぬんを抜きにしてもM字ハゲへの効果が期待できる商品といえます。

M字対策は究極的にはミノキシジルタブレットなんだろうけど、副作用のリスクも考慮するとフォリックスFR16が最もバランスがいいのではないでしょうか。

もちろん可能であればフィナステリドやデュタステリドと併用した方が良いのは言うまでもありません。

フォリックスFR16を使って効果を検証

フォリックスFR16を買って使ってみた

フォリックスFR16が最強の外用発毛剤である点は疑いようがないものの、どの程度の効果を発揮するのかは実際に使ってみないと分からない…ということで、私自ら購入して使用してみました。期間はとりあえず6ヶ月。

実際にフォリックスFR16を手に取ってみた印象としては「思った以上に小さいな」と。容器が変わる前のものということもあり、手のひらの中に納まる程度の大きさも60mgという内容量を考えれば自然なのかもしれません。

使用する部位はM字部分や生え際部分とします。フォリックスFR16は同シリーズ唯一のクリームタイプということで、髪の毛がある程度残っている頭頂部には適さないというのがその理由です。

しかし、いざ使ってみると付属のポンプが使いづらいことに気付きます。粘度があるためプッシュしても出にくいうえに、残量が少なくなってくると吸い上げられないという事態に。

フォリックスFR16はすくって使った方がいい

ということで家にあった焼き鳥用の竹串の持ち手部分を使用してすくう方法に変えました。綿棒などでもOKですが、先端に吸収されてしまって無駄になる可能性があるため、割り箸や小さいマドラーなどのほうがいいかも。

実際の発毛効果は?

で、一番気になる発毛効果はというと…まずは使い始める前の写真。

フォリックスFR16のレビュー

M字部分が後退しているのが確認できると思います。角度や証明の問題であまりハゲていないように見えるかもしれませんが、実際はもっと明確に薄くなています。

そして下図がフォリックスFR16を約6ヶ月間続けた結果。

フォリックスFR16使用6ヶ月後

やや濃い目の産毛がある程度増えているのが分かります。

フォリックスFR16を使用する前はミノキシジル5%のカークランドを使用していたこともあり、目立った初期脱毛はなし。しかし効果を実感するまでに3ヶ月程はかかっています。

また、最強の外用薬という割には“劇的”といえるほどの効果が出ていないという現実も。たしかに産毛が生えてきたり濃くなったりといったものは確認できるものの、「ハゲが治った」と言うには弱い。

効果の最終判断を下すには1年ほど使用する必要があるため、もうちょっと頑張って使っていきたいと思っています。

フォリックスFR16の価格は?

フォリックスFR16の価格

外用の発毛剤としては「最強」と言って差し支えないフォリックスFR16。

日本ではミノキシジル5%のリアップX5プラスネオですら8,140円する中、フォリックスFR16がいくらするのか、同じく高濃度ミノキシジルを売りにする商品の価格も併せて見ていきましょう。

商品名 ミノキシジル濃度 価格
フォリックスFR16 16% 5,820円
フォリックスFR15 15% 5,550円
リグロースラボM15 15% 3,820円

比較対象は同じくミノキシジル15%のフォリックスFR15とリグロースラボM15。これらと比べるとFR16が最も高いことが分かります。

しかし、270円安いフォリックスFR15にはFR16の売りのひとつであるフィナステリドが配合されていない。いうまでもなくミノキシジル濃度も1%低い。コストパフォーマンスという面でみればフォリックスFR16のほうが良いといえるでしょう。

一方のリグロースラボM15は安価であるものの、内容的にはミノキシジルのみに頼った発毛剤。様々な育毛成分が配合されたフォリックスFR16とは性格が異なるのです。

高濃度ミノキシジルを使うのは初めてという人であれば、入門としてリグロースラボM15を使ってみるのもいいでしょう。しかし、価格の安さに惹かれ妥協して使うのはおすすめしません。

そもそもフォリックスFR16の5,820円という価格はバーゲンプライス。リアップX5プラスネオやメディカルミノキ、リグロEX5などはミノキシジル5%にもかかわらず8,000円近くしますからね。

薄毛改善は時間との勝負でもあります。ちょっとの出費をケチって後で後悔する事態だけは避けたいものです。

フォリックスFR16の総評・まとめ

フィナステリドやデュタステリド、ミノキシジルタブレットといった内服の発毛剤は非常に高い効果を示す一方で、ある程度の割合で性機能障害などの副作用が出る可能性があります。

しかしミノキシジル外用薬であれば副作用の心配はほとんどいりません。とはいえ5%では目に見えた効果を感じない…そんな人にはぜひ一度フォリックスFR16を使って欲しいと思います。

フィンペシアなどのフィナステリド内服薬やベルトリドといったデュタステリド内服薬、ミノキシジルタブレットなどとの併用も可能というのも強み。

フォリックスにはミノキシジル濃度12%や15%のものも存在しますが、値段はほとんど変わらないため、コストパフォーマンスを考えればやはりFR16かと。

登場したのは2017年と、まだまだ新しい商品とあって名前を聞いてもピンとこない人もいるかもしれません。しかし今後はポラリスNR-10に代わって最強発毛剤の座に落ち着くであろうフォリックスFR16。

内服のジェネリック発毛剤に多いインド製やタイ製ではなく、ミノキシジルの本場であり発毛剤先進国でもあるアメリカ製なので信頼性も十分。

また、サファイアヘルスケア社はポラリスシリーズやリグロースラボシリーズなど様々な発毛剤を製造販売していた実績があるため安心感があります。

ただ、クリームタイプである点と付属のポンプノズルが使いづらい点は決して褒められない。商品自体は素晴らしいだけにここは残念と言わざるを得ません。ここはさらなる改善を期待しましょう。

ぼったくり感がある日本のリアップX5プラスネオやメディカルミノキを使うくらいなら、効果面においても価格面においてもフォリックスFR16を使った方が良いのは間違いありません。

フォリックスFR16の詳細

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