ミノキシジル2%配合整髪料の発毛効果は?
薄毛改善のためリアップやフォリックスといったミノキシジル外用薬を使用しているが、朝に使うとセットがしづらい…そんな悩みを根本から解消しようと開発されたのがハイパフォーマンススタイリングジェル。
発毛剤を使用した後に整髪料を使うという二度手間やセットをしにくいという問題に対し、「じゃあ整髪料にミノキシジル入れちゃえばいいじゃん」的な発想から生まれたであろうハイパフォーマンススタイリングジェル。
非常に理に適っているようにも感じますが、ハイパフォーマンススタイリングジェルにミノキシジル外用薬のような発毛効果は望めるのか?…という疑問も。
ミノキシジルを配合した唯一の整髪料であろうハイパフォーマンススタイリングジェルの効果や詳細について検証します。
ハイパフォーマンススタイリングジェルとは?
そもそもハイパフォーマンススタイリングジェルとはどういったものなのか?
ハイパフォーマンススタイリングジェルはリグロースラボM5や5HP/7HPやケトコロストシャンプーなどヘアケア商品を販売しているアメリカ企業「サファイアヘルスケア」のブランドのひとつ「リグロースラボ」の整髪料。
数年前までは「ドクターゼロ」のブランドから販売していましたが、ブランドの統合や社名変更などによりリグロースラボへと変更になりました。
世界広しといえど整髪料にミノキシジルという強力な発毛成分や、近年発毛効果が認められつつあるアデノシンを配合しているのはハイパフォーマンススタイリングジェルぐらいしか見当たりません。
「クソ忙しい朝にミノキシジル外用薬と整髪料を別々に使うとか時間の無駄」とばかりにミノキシジルを整髪料に配合する乱暴さはいかにもアメリカっぽい。
ハイパフォーマンススタイリングジェルの全成分
ミノキシジルやアデノシンといった育毛・発毛成分が配合されているのが特徴的なハイパフォーマンススタイリングジェル。
アメリカ製とはいえ日本製に比べれば若干怪しさが付きまとうため、どんな成分が入っているのか気になる人もいるでしょう。まずはハイパフォーマンススタイリングジェルの全成分を見てみます。
ハイパフォーマンススタイリングジェルはノーマルホールド、ストロングホールドの2商品で展開しているため、売れ筋のストロングホールドの成分を表記します。
ハイパフォーマンススタイリングジェル・ストロングホールド | |
---|---|
成分 | ミノキシジル 2% 脱イオン水 変性アルコール PG PVP TEA フェノキシエタノール カプリリルグリコール ポリアクリル酸 トリペプチド-1銅ba アデノシン |
ミノキシジルやアデノシンといった成分の説明は後述するとして、気になる成分として「プロピレングリコール(PG)」が挙げられるでしょうか。
PGの安全性は?
PGは刺激が強いとの見方があり、日本では近年化粧品や育毛剤などで使用を控える商品が増えています。このあたりは海外と日本の認識の違いなのだろうか?
このPGに関しては様々な研究機関が安全性を確かめる試験を行っており、高濃度のパッチを使用した試験では少量ながら軽度のアレルギーや紅斑などが確認されています。
とはいえ、一般的な化粧品などで使われるPGは低濃度であるため、評価は「毒性をほとんどなし」という結論に至っています。
ハイパフォーマンススタイリングジェルなど整髪料に使用されるPGも低濃度であり、かつPGは現在も多くの商品に使われていることを考えると、過度に心配する必要はないでしょう。
注目の成分は?
では本題のハイパフォーマンススタイリングジェルの注目成分に移ります。
ミノキシジル2%
本来は頭皮に塗布する発毛剤に使用される医薬成分ミノキシジルを2%も配合しているのが大きな特徴のハイパフォーマンススタイリングジェル。
男性が使うミノキシジル外用薬の世界的なスタンダードは5%ながら、2%でも十分な発毛効果が得られることが分かっています。
出典:大正製薬商品情報サイト
上記は大正製薬リアップの臨床試験のデータ。濃い青がミノキシジル5%のリアップX5、薄い青がミノキシジル1%のリアップのもの。
これは1平方センチメートルあたりの髪の毛の増加数を表しており、5%で平均22本程度増えているのが分かります。一方で1%でも平均16本程度増えている。
ミノキシジルは一般的に含有量が多いほど効果を発揮するものの、1%と5%の差は30~40%ほど。含有率にして5倍であることを考えると差は小さいと言っても過言ではありません。
このデータに照らし合わせれば、ハイパフォーマンススタイリングジェルのミノキシジル2%というのは1平方センチメートルあたり17~18本増やすだけの力を持っていることになるでしょう。
もちろん、外用薬と整髪料という違いを考慮する必要はありますが、ミノキシジル2%というのはそれなりの発毛効果が望める濃度であることは間違いありません。
アデノシン
日本においては資生堂のアデノバイタルやアデノゲンに配合されることで知られるアデノシン。同社の高濃度ミノキシジル製剤であるフォリックスシリーズなどにも配合されています。
このアデノシン、元々は一介の育毛成分で髪の毛を生やす発毛効果はないと見られていました。しかし根拠を示すデータが複数存在することを鑑み2017年の男性型および女性型脱毛症診療ガイドラインにおいて一定の発毛効果が認められています。
当然ながらミノキシジルに比べれば実績や根拠の面で大きく劣るものの、外用の成分としてはミノキシジル以外に唯一発毛効果が認められている点は見逃せない。
少なくとも日本の育毛剤が異常に持ち上げるキャピキシルやリデンシルといったものより信用できるのは間違いないでしょう。
トリペプチド-1銅
トリペプチド-1銅(銅ペプチド)はフォリックスFR16やフォリックスFR12など強力な発毛剤にも配合されているため、ご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
このトリペプチド-1銅は男性型脱毛症(AGA)の原因であるジヒドロテストステロン(DHT)を作り出す酵素5αリダクターゼを阻害する効果があるとされます。プロペシアの成分であるフィナステリドと同じ効果といえば分かりやすいか。
一応海外では臨床試験も行われており、トリペプチド-1銅を使用しなかったプラセボ群に対し、発毛効果に有意差が確認されたとあります。
ただ、フィナステリドやミノキシジルといった発毛剤と違い、データが少なくエビデンス(科学的根拠)に乏しいと言わざるを得ないので、おまけ程度の感覚で。
ハイパフォーマンスジェルで髪は生えるのか?
主な注目成分を見てもらったところで核心に迫りましょう。ずばり「ハイパフォーマンススタイリングジェルに発毛効果はあるのか?」について。
まず前提として、どんなに優れた成分を配合していようが「整髪料」という時点で発毛効果を認める国や機関は存在しません。なぜなら整髪料は髪の毛に塗るものであって、本来頭皮にはほとんど付着しないものだからです。
しかしミノキシジルやアデノシンは頭皮に塗ってなんぼの成分。それを本来頭皮にはほとんど付かないであろう整髪料に配合するあたりに若干の矛盾を感じます。
開発メーカーもそれは重々承知しているようで、使用方法には「適量を手にとり、洗髪後の清潔な髪に根元から立ち上げるように使用します」と書いてある。
当然といえば当然ですが、整髪料として髪の毛に塗りセットすると共に、頭皮にもある程度塗布する形に。しかしそれで本当に効果があるのでしょうか?
内容量から効果を考察
ハイパフォーマンススタイリングジェルはその名の通りジェルタイプですから、揮発性のエタノールを使っているミノキシジル外用薬より長時間頭皮に残ります。そういった点はプラス要因になる可能性があるでしょう。
内容量は150ml。髪の毛の長さにより朝のみの使用で1本1~2ヶ月ほど使用できるため、間を取って45日としましょう。となるとお、1回の量は150ml÷45回=3.3mlとなります。
一方で高い発毛効果があるミノキシジル外用薬はどうでしょうか。
ほとんどのミノキシジル外用薬の内容量は60mlで朝晩2回使用して1ヶ月分。つまり1回につき1ml使用することに。
ハイパフォーマンススタイリングジェルを1回3.3ml使うのであれば、頭皮にも十分行き渡らせることができます。もちろん髪の毛が長い場合は使用量を増やす必要がありますが。
ジェルタイプの整髪料という形態でミノキシジルがどこまで浸透するのかは未知数。しかし、角質層を通り抜けるために必要な「分子量500以下」に対し、ミノキシジルの分子量は209と条件はクリアしています。
ハイパフォーマンススタイリングジェルには界面活性剤も使われているため、発毛剤ほどではないにしろ一定の量は浸透するのではないかと推測されます。
…あくまでも整髪料なので「発毛効果がある」とは言いませんけどね。
商品ラインナップ
ハイパフォーマンススタイリングジェルは、各々の好みや用途に応じて2つのタイプが用意されています。
- ノーマルホールド
- ストロングホールド
要はどれだけ固まるかの違いですね。ミノキシジル2%やアデノシン、銅ペプチドといった発毛・育毛成分はすべて共通しています。
ナチュラルな髪形であればノーマルホールドを、ある程度固めたい場合はストロングホールドを使ってみて、以後は好みに合わせて変更するといいでしょう。
ハイパフォーマンススタイリングジェルの使用感
夜に使用する発毛剤であればまだしも、ハイパフォーマンススタイリングジェルは主に出かける前に使用するという性質上、匂いや手触りといった使用感は非常に気になるところ。
まず最も気になる匂いについては無臭です。
手に取って髪の毛に付ける時点では微かなアルコール臭を感じるものの、そもそもが無香料であるため数分もすればアルコール臭も消え全く気にならなくなります。
発毛剤の中には匂いが気になる商品がありますし、香料が入った整髪料が苦手という人も多いでしょう。そういった点で無臭というのは非常に助かります。
テクスチャ(手触り)に関してもサラッとしていてべたつき感はなく好印象。一般的な整髪剤と同様の感覚で使用できます。
一方、セット力に関しては強いとは言えない。
ノーマルホールドはもとよりストロングホールドもガチガチに固まるというわけではないため、しっかりと固めて長時間維持したいという人にとっては物足りないと感じることもあるでしょう。
ドクターゼロブランド時代にはストロングホールドの上に「スーパーストロングホールド」というのがあったんですけどね。ナチュラル感を演出できるライトハード…と好意的に受け止めるしかないかな。
ハイパフォーマンススタイリングジェルの副作用
ハイパフォーマンススタイリングジェルは整髪料とはいえ、副作用の懸念がある医薬品ミノキシジルを配合している事から副作用リスクを心配する人もいるのではないでしょうか。
結論から言えば、ハイパフォーマンススタイリングジェルに副作用リスクはあります。
含有量や頭皮に付着する量は少なめとはいえ、ミノキシジルを使用している以上「副作用はない」とは言い切れないのです。
ただし、一般的なミノキシジル外用薬に比べれば副作用発現率は低くなりますし、仮に副作用が現れたとしても、ミノキシジルを配合した発毛剤同様、頭皮のかゆみや発疹、紅斑程度の軽微なものに限られます。
なぜそう言い切れるのか?
それはミノキシジルを5%使用した発毛剤ですら頭皮のかゆみや炎症といったレベルの副作用しか出ません。整髪料であり、かつミノキシジル2%のハイパフォーマンススタイリングジェルに重篤なリスクがあるわけがない。
内服薬であるミノキシジルタブレットのような血圧低下や動悸、心臓への負担といった副作用が出ることはまず考えられないので安心してください。
ハイパフォーマンススタイリングジェルの価格
整髪料にミノキシジルやアデノシンを配合するという、画期的かつ野心的、そしてやや乱暴な感もあるハイパフォーマンススタイリングジェル。
比較対象となる商品がないため安いのか高いのかの判断に迷うかもしれませんが、とりあえず価格を見てみましょう。
商品名 | 内容量 | 価格 |
---|---|---|
ノーマルホールド | 120ml | 2,380円 |
ストロングホールド | 120ml | 2,380円 |
どちらも同じ価格です。
2,380円という価格は整髪料として見れば明らかに高いと言わざるを得ません。一般的な整髪料であれば500~1,000円程度で購入できますからね。
しかしミノキシジルが2%入っていることを考えると決して高くない。ミノキシジル2%の発毛剤である女性用ロゲインは1本約2,800円、ミノキシジル2%とアデノシンを配合するフォリックスFR02が3,750円という点を考えれば明らか。
もちろん発毛効果という点においては、同じミノキシジル2%とはいえ女性用ロゲインやフォリックスFR02の方が良い可能性が高いでしょう。しかしこの商品は整髪料だからこその価値があります。
このあたりの判断や価値観は人によって異なってくると思いますが、商品のパフォーマンスを見るに決して高くはないのかなというのが個人的な感想。
ハイパフォーマンススタイリングジェルの総評
ハイパフォーマンススタイリングジェルは整髪料にもかかわらずミノキシジルやアデノシンを配合するという唯一無二の商品。この乱暴かつ豪快な発想の商品は日本じゃまず考えられん。
この商品、どうしてもミノキシジルやアデノシンの発毛効果に目が行きがちになると思います。しかしハイパフォーマンススタイリングジェルの最大のメリットはハゲを気にせず整髪料を使えるという点ではないでしょうか。
整髪料を使ったからといってAGAが悪化するわけではありませんが、頭皮や髪の毛への負担を少しでも減らしたいという想いから整髪料の使用をためらってしまうのがハゲの心情。実際私がそうですし。
しかしミノキシジルやアデノシンを配合しているハイパフォーマンススタイリングジェルであれば、「育毛・発毛効果がある」という安心感から躊躇なく使用することできます。
それで実際に発毛効果があれば万々歳ですし、仮にハッキリとした効果が見えないとしても髪の毛に悪影響を与えることはない。忙しい朝にミノキシジル外用薬を塗り、乾くのを待って整髪料を…という手間から解放されるのも嬉しいところ。
朝はハイパフォーマンススタイリングジェルを使い、夜はリグロースラボM15やフォリックスFR15など、効果の高いミノキシジル外用薬を使うことで発毛剤の使用期間が延び費用も抑えられる。
生活環境や業種、また現在の髪形により整髪料を使う必要がない人であれば、わざわざハイパフォーマンススタイリングジェルを使う必要はありません。
しかし、普段から恐る恐る整髪料を使っている、髪の毛への悪影響を懸念して整髪料が使えないという人は一度試してほしいと感じます。
ハイパフォーマンススタイリングジェルは整髪料として見れば決して安くはないため、朝はスタイリングジェル、夜は同ブランドで安価かつ高性能なリグロースラボM15との併用をおすすめします。
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