ツゲイン10の効果や副作用、価格は?
標準的なミノキシジル外用薬の濃度といえば5%。日本はもちろん世界的に見てもそれが一般的になっています。
しかし、リアップX5プラスやロゲイン、カークランドといった5%のミノキシジル外用薬を長く使っていると効果を実感できなくなってくるケースも。そんな時「もうちょっと濃度が高い商品を…」と考えてしまうもの。
そんな時の選択肢の一つとして挙げられるのがミノキシジル10%の「ツゲイン10」。一般的なミノキシジルの2倍の濃度とあって発毛効果を期待せずにはいられませんよね。
しかしその効果や副作用はいかほどのものなのか?また価格やコストパフォーマンスは?他の高濃度商品との比較も交え、ツゲイン10の価値に迫っていきたいと思います。
ツゲイン10とは?
ミノキシジル外用薬は1980年代に発売されたアメリカの発毛剤ロゲインに端を発しており、その後多くのジェネリック医薬品が製造・販売されています。ツゲイン10含めツゲインシリーズもそんな中の1つ。
ミノキシジル外用薬の標準的な濃度である5%の2倍となる10%を配合しているのが大きなポイントで、「5%では効かない」という層から支持を集めています。
個人輸入で購入できる他のロゲインジェネリックと大きく違う点はアメリカ製ではないこと。
海外製のミノキシジル外用薬として人気のカークランドやリグロースラボ、フォリックスはすべてアメリカ製。一方ツゲインはインドのシプラ社製なのです。「ツゲイン」という本家をもじったようなネーミングに若干の胡散臭さが…
勘のいい人であればすでにお気付きでしょう。インドのシプラ社は海外製プロペシアジェネリックとして圧倒的な人気を誇るフィンペシアと同じメーカーなのです。そういった点で安心感は高いといえるでしょう。
ミノキシジル10%の効果は?
ツゲイン10の特徴はなんと言っても発毛成分であるミノキシジルを10%配合していること。当然ながら5%製剤より高い効果を望むことができます。
とはいえ、じゃあ具体的にどのくらいの効果があるのか…と問われると言葉に窮してしまうというのが実情。なぜならミノキシジル5%の臨床試験データは数多く存在する一方でそれを超える濃度のものはほとんど存在しないから。
一応日本のミノキシジル5%製剤であるリアップX5のデータを見てみると、6ヵ月間の使用で90%以上の人に何らかの改善が見られ、1年間続けることで約98%の人が発毛効果を得られています。
内10%は薄毛の状態がほぼ改善する「著明改善」になるなど高い効果を発揮。ミノキシジル5%製剤を使用した人の髪の毛の増加本数は1平方センチメートル平均22本となっています。ちなみに1%製剤だと平均16本くらい。
ミノキシジル1%で1平方センチメートルあたり15本増加、その5倍濃度となる5%で22本増加ですから、単純に「効果も5倍」というわけではないことが見て取れます。
これを鑑みツゲイン10の効果を予測するとするなら、1平方センチメートルあたり23~30本くらいの増加が見込めるでしょうか。
ツゲイン10で23~30本発毛の根拠は?
ミノキシジル10%のツゲインで1平方センチメートルあたり23~30本の増加が見込める根拠とはどこにあるのか?これはミノキシジル1%と5%の効果の差を「5倍濃度」と受け止めるか「濃度4%増」と受け止めるかによって変わってきます。
1%から5%へとミノキシジルが5倍になっているにもかかわらず増加している髪の毛が1平方センチメートルあたり7本しか変わらないのであれば、5%から10%へと2倍になったところでその上積みは1~2本程度と見ることができます。
ゆえにツゲイン10による1平方センチメートルあたりの髪の毛の増加量は5%の約22本から若干増えて23~24本くらいという計算。
一方、1%から4%増えて5%になったことで約7本の差が生まれたと考えるなら、ツゲイン10は濃度がさらに5%増えることから5%製剤に比べ1平方センチメートルあたり7~8本の上積みが望める。
そういったことからツゲイン10を使用することによって1平方センチメートルあたり23~30本の増加が見込めると判断しました。
どちらにせよミノキシジル5%製剤と比較し“激的”と言えるほどの効果は望めないと見ています。しかし5%のものに比べ発毛効果が高いのも間違いないでしょう。
また、リアップX5の臨床試験で示された「1平方センチメートルあたり22本増加」はあくまでも全被験者の平均的な数字。あまり効果がなかった人がいる一方で劇的に効いた人もおり、その平均が22本というだけの話。
ツゲイン10で1平方センチメートルあたり23~30本の髪の毛の増加が見込めるというのは、そういった“平均”に倣ったもの。ミノキシジルとの相性が良い人であれば劇的な改善の可能性も十分考えられます。
どちらにせよミノキシジル5%製剤に比べツゲイン10の方がより高い発毛効果を望めるのは間違いありません。
ツゲイン10の副作用
5%に比べ効果が高いということは、当然ながら副作用も強い可能性があります。
とはいえミノキシジル10%製剤の臨床試験データというのは存在しないため、5%より強いことが予想されるものの具体的にどの程度の発現率になるのか分からないというのが実情。
それを量るためリアップシリーズのミノキシジル1%と5%のデータを見てみます。
リアップシリーズを製造・販売している大正製薬が行った臨床試験では、1%製剤の副作用発現率は5.3%。一方のミノキシジル5%は8.7%と、やはり5%製剤の方が副作用が出やすい傾向が見て取れます。
一方、厚生労働省主導で行われた安全性の調査では1%製剤の副作用発現率は2.41%、5%製剤が8.82%。こちらでも5%の方が明らかに高いですね。
1%と5%の差を見るに、ミノキシジル濃度が10%になると副作用発現率は10~15%くらいでしょうか。確かなことは言えませんが…
ちなみにミノキシジル外用薬によって副作用が出る理由はミノキシジル自体の刺激性に加え、プロピレングリコール(PG)の刺激が関わっている可能性も。
そのため、ツゲイン10含めミノキシジル外用薬によって出る副作用のほとんどは塗布した頭皮のかゆみや紅斑、炎症に留まります。
本来血管拡張剤であるミノキシジルの使用によって懸念される低血圧や動悸、めまい、心臓への負担といった深刻な副作用が出ることは考えられないため、そういった点においては安心できるでしょう。
ツゲイン10の使用感は?
ツゲイン10はスプレーノズルとスポイトの2つを同梱しているため、ご自分の髪の毛の状況に合った使用方法を選択できるのが特徴。スポイトなら既定の量を吸引、スプレーノズルなら1回につき5プッシュといった具合。
髪の毛が比較的多いのであればスポイトで直接頭皮に、髪の毛が明らかに少ない部位に使用するならスプレーノズルで噴霧するのが無駄がなくていいと感じます。このあたりはお好みで。
塗った後のべたつきはあります。しかし高濃度のミノキシジルを配合した商品は多かれ少なかれべたつきが存在するため、このあたりはしょうがないところ。
一方気になるのは“匂い”。最近のミノキシジル外用薬は若干のアルコール臭のみという場合が多く、塗った後は速やかに消えてしまうもの。しかしツゲイン10は香料のようなちょっと人工的な匂い。
フレグランスや香水が苦手な私はあんまり好きな臭いではありません。まあこのへんも好みが分かれることろではありますが…
ツゲイン10の価格
気になるツゲイン10の価格も見てみましょう。
複数の個人輸入代行業者が販売しているツゲイン10。中でも価格が安く、信頼性が高い老舗で、かつ正規品を扱っているのは海外ドラッグ。
商品名 | 価格 | 1本あたりの単価 |
---|---|---|
ツゲイン10 1本 | 3,450円 | 3,450円 |
ツゲイン10 2本 | 6,150円 | 3,075円 |
リアップX5プラスの8,140円に比べれば圧倒的に安いものの、カークランドやリグロースラボを見慣れている人間としては決して安くない価格設定。安さが売りのシプラ社なんだからもう少し頑張ってほしいところ。
しかし2本同時に購入すると大きな割引が適用され1本あたり3,000円程度に。ミノキシジル10%製剤がこのくらいの価格で買えるのであれば悪くないかと。送料無料なのも嬉しいところ。
気になる人はツゲイン10の商品レビューを参考にしてみてください。
他商品と徹底比較
ミノキシジル10%という濃度で1本3,500円弱、2本買えば1本当たり約3,000円という価格はコストパフォーマンスに優れる商品といえるものの、他の商品と比べると微妙な点も出てきます。
ツゲイン10の使用を検討する人のほとんどは5%製剤では物足りなさを感じているのではないでしょうか。だからこそより濃度の高い発毛剤を検討していると。
そうなると直接的なライバルとなるのはリグロースラボM15やフォリックスFR10、FR12あたりか。様々な面で比較してみましょう。
ツゲイン10 | フォリックスFR10 | フォリックスFR12 | リグロースラボM15 | |
---|---|---|---|---|
内容量 | 60ml | 60ml | 60ml | 60ml |
ミノキシジル濃度 | 10% | 10% | 12% | 15% |
その他主要成分 | なし | ■アデノシン ■プロキャピル ■ビマトプロスト他 |
■フィナステリド ■アデノシン ■プロキャピル他 |
なし |
価格 | 3,450円 | 5,320円 | 5,650円 | 3,930円 |
成分比較
ツゲイン10は純粋にミノキシジルのみに頼った発毛剤なのに対し、フォリックスFR10やFR12はフィナステリドやアデノシンなど発毛効果が認められた成分や育毛効果が期待できる成分が複数配合されているのが特徴。
ただし、アデノシンは一定の発毛効果が認められているとはいえフィナステリドやミノキシジルに比べ信頼性は低い。FR12に配合されるフィナステリドも外用薬としての効果は未知数。こちらも信頼性が高いとはいえません。
とはいえミノキシジルが同じ濃度であればアデノシンやフィナステリドを配合している分期待値が高いのも確か。そういった点において純粋なミノキシジル外用薬であるツゲイン10が苦しいのは仕方ないかもしれません。
一方、リグロースラボM15はツゲイン10同様有効成分はミノキシジルのみながら、その濃度は15%とツゲイン10の1.5倍。当然ながらより高い発毛効果が期待できるでしょう。
これらの商品と比べるとツゲイン10は見劣りしてしまう。
コストパフォーマンス
ツゲイン10はもとよりここで挙げた発毛剤はすべて高いコストパフォーマンスが期待できるものの、確実性という点においては外用剤として唯一発毛効果が認められているミノキシジルを15%配合し、かつ3,930円と安価なリグロースラボM15か。
3,930円という価格はツゲイン10と大差なく、しかもミノキシジル濃度は1.5倍。はっきり言ってしまえばツゲイン10の存在理由を真っ向から否定している商品とも受け取れる。
またフォリックスFR10やFR12にしても、フィナステリドやアデノシン、プロキャピル、プロシアニジンB2などといった成分を配合して5,500円前後というのはバーゲンプライスといえるでしょう。
このあたりの商品と比べてしまうとツゲイン10が霞んでしまうのは間違いない。せめてツゲイン10がもう少し安ければ…
信頼性の比較
ツゲイン10がインドのシプラ社製なのに対し、フォリックスやリグロースラボはアメリカのサファイアヘルスケア社製。
シプラ社は世界中にジェネリック医薬品を流通させている大手企業で、インド国内でも3位の製薬会社。フィナステリド内服薬のフィンペシアやデュタステリド内服薬のデュプロストを製造・販売していることでも知られます。
とはいえインド製の医薬品に抵抗感を持つ人が多いのも確か。世界中を相手取る大手製薬会社とはいえ、特許を無視し製造している医薬品という点に不安を覚えるというのは分からないでもない。実際は問題ないですけどね。
一方、フォリックスシリーズやリグロースラボシリーズを販売しているサファイアヘルスケア社はアメリカの企業。先進国であるうえ厳しいアメリカ食品医薬品局(FDA)の承認を得て販売しているだけに信頼性は極めて高い。
そもそもミノキシジル外用薬の本家であるロゲイン自体がアメリカ製ですしね。
ツゲイン10を販売するシプラ社は信頼性が高い医薬品を世に送り出しているだけに信頼性の面で全く問題ないものの、アメリカ製の商品とどっちが信頼できると問われれば…そりゃ「アメリカ」と答えざるを得ない。
ツゲイン10のまとめ
リアップX5プラスの2倍となるミノキシジル10%を配合するツゲイン10。より高い発毛効果を求める人から根強い人気があります。
しかし、様々なミノキシジル外用薬が出揃っている現在、コストパフォーマンスの面において他商品に劣ると感じるケースがあるのも確か。特にミノキシジル15%のリグロースラボM15が3,500円で買えるというのは大きい。
ミノキシジル以外の様々な育毛・発毛成分を配合するフォリックスシリーズも高濃度のものはミノキシジル15%や16%。そう考えるとツゲイン10の濃度である10%というのはちょっと中途半端なんですよね。
前述したとおり5%から10%に切り替えても劇的な効果まではなかなか望めないことからガッカリする可能性も。その点一気に15%にジャンプアップしたほうが効果の実感を得られやすい。
ツゲイン10がミノキシジル5%のカークランドやリグロースラボM5と同15%のリグロースラボM15の中間くらいの価格である3,000円くらいで買えるのなら価値も見いだせるのだが…
「5%からいきなり15%にするのは副作用的に不安」「もうちょっと段階を踏みたい」というのであればツゲイン10を使ってみてもいいかも。そういったこだわりがないならリグロースラボM15で十分という結論に。
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