リグロースラボD5αに発毛効果はあるのか?

リグロースラボD5αの発毛効果は?

プロペシアに代表されるフィナステリド内服薬をさらにパワーアップさせた成分であるデュタステリド。日本では2015年に発毛剤として認可され、国内外問わず徐々に普及しつつあります。

しかしそんなデュタステリドは内服薬として使われるもの。

ごく一部の商品を除きミノキシジルのように外用薬として用いられることはほとんどなく、一部存在するデュタステリドを用いた商品もミノキシジルの補助的な成分として配合されるのみ。

そんな中、格安ミノキシジル外用薬を販売することで知られるリグロースラボのブランドからデュタステリドを主成分とする初の育毛剤「リグロースラボD5α」が登場。…というか、本当に効くのかこれ?

リグロースラボD5αでAGAが改善するのか?発毛の科学的根拠はあるのかなど、気になる点を徹底検証してみましょう。

    目次
  1. リグロースラボD5αとは
  2. リグロースラボD5αの全成分
  3. デュタステリドの発毛メカニズム
    1. デュタステリドの効果はフィナステリドの1.5倍
  4. デュタステリド外用薬のハゲへの効果は?
    1. リポソームを用いることで浸透する
    2. 経皮パッチで経皮吸収を確認
  5. フィナステリド外用では一定の効果を確認
    1. 科学的根拠はない
    2. リグロースラボD5αのデュタステリド濃度が高い
  6. デュタステリド以外の成分は?
    1. アゼライン酸1%
    2. トリペプチド-1銅
    3. Trichogen Blend(トリコーゲンブレンド)
  7. リポソームによる高い浸透力
  8. リグロースラボD5αの副作用
    1. デュタステリド外用薬に副作用はほとんどない
  9. リグロースラボD5αの価格
  10. リグロースラボFIN25とD5αの比較
  11. リグロースラボD5αに対する個人的見解
    1. リグロースラボD5αはどんな人におすすめ?
  12. リグロースラボD5αのまとめ

リグロースラボD5αとは

リグロースラボD5αの詳しい検証に移る前に、まずこの商品の概要について書いておきましょう。

「リグロースラボ」というブランドは高濃度ミノキシジルで名を馳せるフォリックスシリーズを製造・販売する「Sapphire Healthcare LLC(サファイア ヘルスケア)」が展開しています。

フォリックスシリーズが高濃度ミノキシジルにアデノシンやプロキャピルなどを配合した高機能発毛剤のブランドなのに対し、リグロースラボは比較的シンプルな成分構成で価格を抑えたブランド。

そんなりリグロースラボシリーズはフィナステリドやスピロノラクトンを主成分とした変わり種の育毛剤を販売することでも知られ、そしてとうとうデュタステリドを主成分としたリグロースラボD5αを出してきたといったところ。

デュタステリドは外用薬としての実績やデータがほぼ皆無であることからリグロースラボD5αの発売に対し「正気か!?」と感じる一方、従来のミノキシジルが効かない人にとっては期待の星になる可能性を秘めているとも感じる。

実際期待できるだけの要素も散見されますしね。

リグロースラボD5αの全成分

ではリグロースラボD5αの具体的な中身を見ていきます。まずは全成分から。

リグロースラボD5α
成分
デュタステリド0.5%
アゼライン酸1%
変性アルコール
プロパンジオール
ポリソルベート20
グリセリン
アロエベラ葉エキス
セトリモニウムクロリド
グリセリン
イソステアリン酸PEG-7ジメチコン
ジメチルイソソルバイド
トリペプチド-1銅
Trichogen Blend(オタネニンジンエキス、アルギニン、アセチルチロシン、アルクチウムマジュス根エキス、加水分解ダイズタンパク、ポリクオタニウム-11 、PEG-12ジメチコン、パントテン酸Ca、グルコン酸亜鉛、ナイアシンアミド、オルニチンHCl、シトルリン、グルコサミンHCl、ビオチン)
ピロ亜硫酸Na

これはなかなか力が入っていますね。

リグロースラボシリーズはフォリックスシリーズと違い主成分以外の育毛成分は少ない傾向にありますが、リグロースラボD5αはデュタステリド以外にも色々と育毛成分が入っている。

アゼライン酸やアロエベラ葉エキス、トリペプチド-1銅(銅ペプチド)に加え様々な成分で構成されるTrichogen Blend(トリコーゲンブレンド)がそれにあたり、特にアゼライン酸、アロエベラ葉エキス、トリペプチド-1銅は最強外用薬であるフォリックスFR16を連想させる。

フィナステリドを主成分とした外用薬リグロースラボFIN25はフィナステリドのみしか育毛成分が入っていないことを考えると、リグロースラボD5αへの力の入れようが見て取れる。

デュタステリドの発毛メカニズム

デュタステリドの発毛効果

リグロースラボD5αにはデュタステリド以外にも様々な育毛成分が配合されていますが、メインはあくまでもデュタステリド。これに効果があるかどうかでこの商品に対する評価は大きく変わるでしょう。

このデュタステリドはプロペシアやフィンペシアに使われるフィナステリドと同様に前立腺肥大症の治療薬として開発されたもの。日本においても前立腺肥大症治療に際しデュタステリド経口薬「アボルブ」が処方されています。

その作用は5αリダクター(5α還元酵素)を阻害するというもの。

前立腺肥大症、男性型脱毛症(AGA)共に原因は男性ホルモンである「ジヒドロテストステロン(DHT)」。このDHTは男性ホルモンであるテストステロンと5αリダクターゼが結合し生成されることから、5αリダクターゼの働きを阻害することでDHTの生成を抑制し薄毛を改善させるのです。

デュタステリドの効果はフィナステリドの1.5倍

とはいえ、5αリダクターゼを阻害しDHTを減らすというメカニズムは従来のフィナステリドと同様。であればわざわざデュタステリドを使用する必要はない気がしますよね。

しかし、デュタステリドは効果を発揮する範囲が広いのです。

5αリダクターゼは1型と2型が存在し、フィナステリドは2型のみを阻害するのに対し、デュタステリドは1型と2型両方を阻害するのが特徴。

デュタステリドの発毛メカニズム

これによって体内や頭皮のDHTは大きく減少し、それによる発毛効果はフィナステリドの1.5~1.6倍になったとの臨床試験データが複数存在します。

下図はデュタステリド0.1mgおよび0.5mgを含有したAGA治療薬ザガーロの臨床試験データ。プロペシアやフィンペシアといったフィナステリド1mg製剤に比べデュタステリド0.5mgは1.5倍ほどの効果があるのが確認できます。

デュタステリドの効果はフィナステリドの1.5倍
出典:グラクソ・スミスクライン社公式サイト


フィナステリドに比べ価格が高いなどのデメリットも存在しますが、フィナステリドでは劇的な改善は難しい状況とあって今後はデュタステリドが徐々に普及すると見られています。

デュタステリド外用薬のハゲへの効果は?

デュタステリド外用薬の効果

このようにデュタステリドは次世代の発毛剤として期待されています。しかしそれはあくまでも内服薬での話なんですよね。

内服薬に関しては複数の臨床試験により発毛効果は科学的に証明されているものの、外用薬としての試験は一切行われていません。

そもそもデュタステリドを配合した外用薬は私の知るところではミノキシジルの補助として配合されている5HP/7HPしか存在しません。そう、デュタステリド外用の効果は未知数なのです。

デュタステリドの外用薬に関してデータが存在しないか色々と調べてみたものの、実際に効果を検証したものは存在しないというのが実情。

しかし関連する研究結果が何件か見つかりました。デュタステリド外用薬であるリグロースラボD5αの可能性を探ってみましょう。

リポソームを用いることで浸透する

育毛剤にしろ発毛剤にしろ頭皮に浸透し有効成分が毛根まで届かなければ意味がないのはいうまでもありません。しかし市販の育毛剤はナノ化やら何やらを謳うばかりで実際に浸透する根拠を示していないのが実情です。

外用薬として唯一効果が認められているミノキシジルを例にとってみましょう。

人間の皮膚というのは厚さ0.02mmの角質層に守られています。この角質層は幾重にも層になった優秀なバリア層で、細菌や雑菌などが外部から侵入しないよう機能しています。

化粧品や医薬部外品の育毛剤はこの角質層を突破することはできません。臨床試験を行わないこれら商品による想定外の副作用などを警戒し薬機法により角質層までの浸透に留めるよう定められているからです。

一方、ステロイドなどの医薬品の外用剤というのは角質層を通り抜けなければ意味がありません。角質層の下の真皮層などに成分を届けてはじめて効果を示すからです。

この角質層を突破するにはいくつかの条件があり、分子量500以下、適度な脂溶性を有することなどが挙げられます。ちなみに化粧品によく用いられるコラーゲンの分子量は10~30万ほど。

そんな中医薬品の発毛剤であるミノキシジルの分子量は209。余裕で通り抜けることができる大きさとなってます。

前置きが長くなってしまいましたが、デュタステリドの分子量はというと528。浸透が確認されているフィナステリドの372より大きく、角質層を抜けることができるかどうか微妙なラインなのです。

しかし、2011年に発表された研究ではリポソームという技術を用いることでデュタステリドの浸透が確認されたとあります。

ちなみにこのリポソームという技術はリグロースラボシリーズ全てに採用されている浸透技術と同様のもの。詳しい内容は後述しています。

少なくとも市販の育毛剤のように「デュタステリドって浸透するの?」という不安や疑問を抱く必要はなさそうです。

経皮パッチで経皮吸収を確認

2014年に発表された研究ではAGAと同じくDHTを原因とする前立腺肥大症の治療に際し、デュタステリドの副作用を排除するためナノエマルジョンゲルを有する経皮パッチの検証を行っています。

ラットを用いた試験では前立腺肥大症に対し良好なアプローチを確認。こちらもデュタステリド外用薬の可能性を感じさせるものとなっています。

ただし、この2つの研究はデュタステリドの経皮吸収について証明したものに過ぎず、それによってAGAや前立腺肥大症が改善したといったところまでは踏み込んでいません。

やはり現状ではデュタステリド外用薬であるリグロースラボD5αの発毛効果を実証するものは皆無と言わざるを得ないでしょう。

フィナステリド外用では一定の効果を確認

フィナステリド外用薬の効果は?

しかし、間接的ながらリグロースラボD5αの発毛効果を予感させるものは存在します。それはデュタステリドと同じ作用を持つフィナステリドでは外用薬でも一定の効果を見出している点。

2012年に発表された研究では3%ミノキシジルと0.1%フィナステリドのローションと、3%ミノキシジル単独のローションの比較試験を行っています。対象はAGAの男性40名。

その結果、この2つに毛髪数の有意な差は認められなかったものの、治療前と治療後の写真判定では有意な皆瀬値を示したとされます。有意差とは言えないまでも髪の毛の一定の増加を確認した、もしくは髪の毛1本1本が明らかに太くなったといったところでしょうか。

もうひとつ、2014年にも同様の試験が行われています。こちらは5%ミノキシジルと0.1%フィナステリドのローションと、5%ミノキシジル単独のローションでの比較。

24週間の比較試験を行った結果、ミノキシジルとフィナステリドのローションはミノキシジル単体のものに比べ薄毛改善率が有意に高く、また医師による写真判定、患者の自己評価に関してもミノキシジル単体より良好な成績を収めています。

参考文献:https://www.omicsonline.org(英語)

これによりミノキシジルとフィナステリドを配合した発毛剤は臨床的に有意な改善を示すことが示唆されたと結論付けられています。

科学的根拠はない

ただし、これらの研究はあくまでもフィナステリドのもの。同じ作用によって発毛させるとはいえフィナステリドとデュタステリドは別の薬であるため、この結果をそのまま当てはめるわけにはいきません。

また、このフィナステリド外用薬の研究においてもあくまでもミノキシジルとの併用という点を忘れてはならない。

ミノキシジル単体よりミノキシジル+フィナステリドのほうが効果があったとはいえ、フィナステリド単体のはっきりした効果は確認されていないのです。

研究のレベルに関しても医薬品発売に向けて行う大規模かつ客観的な臨床試験とはほど遠く、この程度の結果では発毛効果にエビデンス(科学的根拠)があるとは口が裂けても言えない。

あくまでもフィナステリド外用薬の可能性が示されたにすぎず、デュタステリドに関してはその程度の研究から間接的かつ連想的な“おこぼれ”をもらった程度と言わざるを得ないでしょう。

ただ、デュタステリドにはフィナステリドを大きく上回る発毛効果があるのは確か。リポソームを用いることで浸透することが確認され、かつ同様の薬であるフィナステリドは一定の効果を示している。

まったく発毛根拠がない育毛成分ばかりを配合している日本の育毛剤に比べれば遥かに期待できると感じます。

リグロースラボD5αのデュタステリド濃度が高い

もう一つ注目すべきはグロースラボD5αのデュタステリド濃度は0.5%という点。

ミノキシジル+フィナステリドローションの効果を検証した試験に用いられたフィナステリドの濃度は0.1%。フォリックスFR16などフィナステリドを配合している外用薬もそのくらいの濃度になっています。

また、同じくリグロースラボから販売されているフィナステリドを主成分とした外用薬「リグロースラボFIN25」のフィナステリド濃度は0.25%。つまりリグロースラボD5αのデュタステリドは非常に高いのです。

内服薬の場合、フィナステリドは1mgが主流なのに対しデュタステリドの主流は0.5mg。むしろフィナステリドの方が高濃度である状況で、リグロースラボD5αはデュタステリドを高濃度に配合しています。

外用薬の場合、デュタステリドの発毛効果に科学的根拠はありません。しかし成分自体の発毛効果は確かなもの。従来のミノキシジル外用薬に限界を感じている人にとってリグロースラボD5αは希望に満ちた商品となるのではないでしょうか。

デュタステリド以外の成分は?

リグロースラボD5αは同シリーズの中では多くの育毛成分を配合しているのが特徴。ミノキシジル外用薬と違い確固たる発毛根拠がないデュタステリドを主成分とするリグロースラボD5αの場合、こういった補助成分が重要になる場合も。

というわけでリグロースラボD5αのその他の成分についても触れておきます。

アゼライン酸1%

リグロースラボD5αのアゼライン酸

アゼライン酸は主にニキビの治療薬として用いられる成分。日本では認可されていないものの、海外では極めて一般的な医薬品となっています。

そんなアゼライン酸が育毛分野で使用される理由は、かつて行われた研究においてフィナステリドやデュタステリド同様5αリダクターゼを阻害する作用が示されたから。

そのためアゼライン酸を20%配合したニキビ治療薬「スキノレンクリーム」を頭皮に使用する人もいるほど。

しかし、アゼライン酸の育毛・発毛効果についてそれ以上深く研究されることはなく、結局明確な発毛根拠は示されていません。とはいえ、強力な抗炎症作用や抗菌作用があるため、頭皮環境の改善には一役買うでしょう。

主な作用はデュタステリドと同じ5αリダクターゼ阻害となるため、補助的な効果があれば御の字といったところでしょうか。

トリペプチド-1銅

リグロースラボD5αのトリペプチド-1銅

リグロースラボD5αに配合されるトリペプチド-1銅(銅ペプチド)もアゼライン酸同様5αリダクターゼ阻害作用があるとされます。一部にはミノキシジルと同等の効果を確認したというものも。

実査に臨床試験も行われており、多少の有意差が認められた例も。

トリペプチド-1銅に関しては色々と研究が行われているものの、発毛根拠と呼べるほどの明確な効果が確認できたわけではありません。やはりデュタステリドの補助と見るべきでしょう。

それでも育毛や発毛に関してヒトを用い臨床試験まで行っているのですから、そのへんの育毛剤に配合されている成分よりはよっぽど信用できるでしょう。

Trichogen Blend(トリコーゲンブレンド)

Trichogen Blend(トリコーゲンブレンド)はリグロースラボM15やM7αなどシリーズの中でも高価な部類に入る商品に配合されている成分。ニンジンエキスやダイズタンパク、ビタミンB群など多くの成分で構成されています。

開発したメーカーが行った試験においてヘアサイクルを正常化する作用や一定の発毛効果を確認したとあります。

Trichogen(トリコーゲン)の効果
出典:BASF Care Creations


また、髪の毛を修復し髪質を改善させたり、髪の毛自体を太くしたりする効果も。

開発メーカーが行った試験ということもありこの結果を鵜呑みにはできませんが、しっかりとした試験を行い効果を確認したという点から多少の期待はしてもいいのではないでしょうか。

リポソームによる高い浸透力

リグロースラボD5αのリポソーム技術

上でも少し取り上げたようにリグロースラボD5αには高い浸透力を発揮するリポソーム技術が採用されています。

このリポソームがどういったものかというと、親水性の頭部と疎水性の尾部を持った二重構造のリン脂質によってカプセルのように成分を閉じ込める技術。

人間の皮膚は表皮の角質層こそ脂溶性ですが、角質層を抜けると水溶性が高まるという性質があります。リポソームはそういったヒトの細胞に近い性質を持つことで親和性を高め浸透させるのです。

デュタステリドはリポソーム技術を用いることによって高い浸透性が確認されていることから、この組み合わせは必然かと。

ちなみに、サファイアヘルスケア社が展開するリグロースラボシリーズやフォリックスシリーズにはすべてこのリポソーム技術が用いられています。

リグロースラボD5αの副作用

次にリグロースラボD5αの副作用について見てみます。

フィナステリドやデュタステリドは5αリダクターゼを阻害し男性ホルモンであるジヒドロテストステロン(DHT)の生成を強力に抑制するため、性欲減退や勃起障害といった副作用が出る恐れがあります。

ただしそれは経口薬として服用した場合の副作用。

例えば、内服薬としてのミノキシジルには血圧低下やめまい、動悸といった副作用があるのに対し、外用薬では頭皮のかゆみや炎症、紅斑程度の副作用しかないのは知られた話ですよね。つまり内服薬と外用薬では副作用が全く違うのです。

ゆえにデュタステリド外用薬であるリグロースラボD5αには目立った副作用が存在しない…と言いたいところなのですが、ミノキシジル外用薬のように臨床試験を行っているわけではないので「副作用はない」と言い切れないのが実情。

デュタステリド外用薬に副作用はほとんどない

しかし、ここまで呼んできた人であれば前述したデュタステリド外用薬の試験について目にしていることでしょう。これらは長期間のデュタステリド服用により想定される悪影響を排除するために行われたものなのです。

服用した場合デュタステリドと同様の副作用を持つフィナステリドも外用として使用する場合は有意な副作用は確認されておらず、ミノキシジル+フィナステリドローションの試験においてもミノキシジルのみと副作用は変わらないという結果に。

リグロースラボD5αのデュタステリドは経皮吸収されますし、厳格な試験を行っていない以上「副作用は絶対にない」とは言い切れませんが、経口薬のような性欲減退や勃起障害といった性機能障害の副作用を懸念する必要はないでしょう。

リグロースラボD5αの価格

リグロースラボD5αの価格

育毛剤や発毛剤は効果の有無を確認するまで最低3~6ヶ月もの期間が必要。しかもその効果を持続させたいのであれば使い続ける必要があるため、どうしても価格は気になるところですよね。

まずはリグロースラボD5αの価格を見てください。

デュタステリド濃度 価格
リグロースラボD5α 0.5% 3,980円

うーん…微妙。

リグロースラボD5αはミノキシジルと違い効果や価値が見通せないデュタステリド外用薬とあって、コストパフォーマンスを量るのは非常に難しいと言わざるを得ません。

ただ、リグロースラボD5αにはアゼライン酸やトリペプチド-1銅、Trichogen Blendなど複数の育毛成分が配合されています。これはこれまで同シリーズで最も高価だったリグロースラボM7αとほぼ同等の成分構成。ちなみに価格は3,800円。

内服薬を見る限りミノキシジルよりデュタステリドの方が圧倒的に高価であることは明白であるため、その他の成分の多さも含めれば3,980円というのは妥当であると考えられます。

ただし、成分的にこの価格は妥当でも効果面で妥当かどうかは難しいところ。結局はデュタステリドに価値を見出すことができるのかどうか…そこにかかっていますよね。

リグロースラボFIN25とD5αの比較

リグロースラボD5αとリグロースラボFIN25比較

デュタステリドを主成分とするリグロースラボD5αの購入・使用を検討する人の多くはミノキシジル外用薬を比較対象としていないのではないでしょうか。もしくはミノキシジルとの併用を考えているか。

なぜなら、世界的に発毛効果が認められ、実績やデータも十分なミノキシジルを使おうと考えるのが自然だから。会えてミノキシジルを使わないのには相応の理由があるはず。ミノキシジルでは効果が実感できなかったとか。

だからこそリグロースラボD5αは良くも悪くも唯一の存在と言えるでしょう。

ただ、リグロースラボD5αにはひとつだけ明確に比較対象となりうるものが存在します。それが同じブランドから販売されているフィナステリド外用薬「リグロースラボFIN25」。

フィナステリドとデュタステリドは同じ作用の医薬品とあって、どちらを使おうか迷っている人もいるのではないでしょうか?

というわけでこの2つを比較してみましょう。

リグロースラボD5α リグロースラボFIM25
主成分 デュタステリド0.5% フィナステリド0.25%
その他育毛成分 アゼライン酸1%
トリペプチド-1銅
アロエベラ葉エキス
Trichogen Blend
なし
価格 3,980円 2,200円

まず注目したいのが主要成分の量。内服薬の発毛剤の場合フィナステリドは1mgなのに対しデュタステリドは0.5mg。つまり本来であればデュタステリドの方が濃度が低いのです。

しかしリグロースラボD5αはフィナステリドを主成分とするリグロースラボFIN25の2倍の濃度。また、フィナステリド外用薬の効果を検証した複数の試験において使われている濃度が0.1%ということを考えてもリグロースラボD5αのデュタステリド0.5%はかなりの高濃度といえます。

加えてリグロースラボD5αはFIN25と違い複数の育毛成分が配合されていることから、コストパフォーマンス的にはリグロースラボD5αのほうが優れているように感じます。

ただ、外用薬として試験が行われているのはフィナステリドのみ。データや科学的根拠を優先するのであればリグロースラボFIN25のほうがいいのかもしれません。

リグロースラボFIN25の詳細

リグロースラボD5αに対する個人的見解

リグロースラボD5αをおすすめの人は?

最後に、様々な育毛剤や発毛剤を見てきた私なりの見解も書いておきます。

デュタステリドはフィナステリドに替わる次世代の発毛剤として期待される一方、実績や価格面で及ばないこともあり思いのほか普及していない印象を受けます。副作用に対する懸念も強いことでしょう。

そんな「デュタステリドを使いたいけど副作用が気になる人」にとってリグロースラボD5αはうってつけの商品と感じるかもしれません。

ただ、デュタステリド内服薬と外用薬、どっちの方が効果が高いかと問われれば間違いなく内服薬。また、ミノキシジル外用薬と比べてもミノキシジルの方が効果的と言わざるを得ません。

その程度の商品に3,980円出す価値があるのかどうかは微妙なところ。

リグロースラボD5αはどんな人におすすめ?

じゃあリグロースラボD5αは使う価値がないのか? 必ずしもそうとは言い切れない面もあります。

薄毛に悩んでいて、かつ発毛剤の封鎖用が気になる人はまずミノキシジル外用薬を使うべき。これに関しては疑いようがありません。幸いリグロースラボシリーズには1本あたり1,700円で購入できるリグロースラボM5がありますしね。

その後のステップアップとしてはフィナステリド内服薬やデュタステリド内服薬との併用がベスト。ただしこれらの副作用が気になる場合もあるでしょう。そういった状況においてリグロースラボD5αに存在価値を見出します。

もちろんミノキシジル外用薬の使用を止めてはいけません。外用フィナステリドの試験のようにミノキシジル外用薬とデュタステリド外用薬を併用するのです。

ミノキシジルとデュタステリドを配合した外用薬として5HP/7HPがありますが、あちらはミノキシジル5%or7%にデュタステリド0.1%で4,980~5,500円。

一方、ミノキシジル5%のリグロースラボM5とデュタステリド0.5%のリグロースラボD5αを併用しても価格は約5,700円。2種類使うという手間を惜しまなければこっちの方が良いに決まっています。

もちろんフィナステリド内服薬とミノキシジル外用薬の併用にプラスしてリグロースラボD5αを使うのもあり。猛者はここにミノキシジルタブレットも加えるのかもしれない。

リグロースラボD5αのデュタステリド濃度は相当高いのは確かであるものの、劇的な効果は望めません。しかし今使っている発毛剤に限界を感じた時にさらなる効果と新たな刺激を加えるという意味では有用なのではないでしょうか。

リグロースラボD5αのまとめ

育毛や発毛に新たな可能性を提示するリグロースラボD5α。高濃度デュタステリドを用いた外用薬というのはこれまで存在しなかったため、手詰まり感を感じている人にとってリグロースラボD5αの登場は朗報かと。

ミノキシジル外用薬が効かない場合、これまではより高濃度のものを使用するしか方法がありませんでしたが、これからはミノキシジル濃度は据え置きでリグロースラボD5αをプラスするという選択肢も生まれる。

ただし、発毛根拠が乏しいうえに決して安くない点は大きなデメリット。優先順位としては後回しでいいと思います。

フィナステリドやデュタステリドの副作用が気になって使えず、かつミノキシジル外用薬の効果に限界を感じている人を対象にするという守備範囲の狭い商品といったところか。

もしくは、発毛剤最強かつ定番の組み合わせであるミノフィナフォリックスにさらなる効果を加えるためのスパイスか。

価格や期待できる効果を考慮するに、私がリグロースラボD5αを積極的におすすめすることはありません。しかし前述のようなこれを使うしかない状況に置かれている人は手に取ってみてもいいのではないでしょうか。

リグロースラボD5αの詳細

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