リグロースラボSP2は気休め!発毛効果なし

リグロースラボSP2に発毛効果なし

かつて存在したジェンヘアーという発毛剤ブランドの実質的な後継との見方もできるリグロースラボ。高濃度ミノキシジルと低価格が魅力の同ブランドですが、リグロースラボSP2だけは「発毛効果なし」と言わざるを得ない。

フィナステリドを主成分とする外用薬を販売するなど独自色もあるリグロースラボ。しかしスピロノラクトンが主成分であるSP2は蛇足である感が否めない。

女性にも使用できる商品を…と考えた結果なのかもしれないが…

リグロースラボSP2がダメだと言い切れる根拠はなんなのか。商品の概要や背景なども見ながら詳しく紹介していきます。

    目次
  1. リグロースラボSP2とは
  2. リグロースラボSP2の成分
  3. 主成分スピロノラクトンの作用とは?
    1. スピロノラクトンは利尿剤
    2. スピロノラクトンはDHTも抑制する
    3. 女性ホルモンの増加
  4. 試験において一定の効果が確認されている
  5. 期待できないスピロノラクトン外用薬
    1. ミノキシジルと比較
  6. リグロースラボSP2の浸透力
    1. スピロノラクトンは経皮吸収する?
  7. 副作用の心配はほとんどない
    1. リグロースラボSP2を使ってはいけない人
  8. リグロースラボSP2の価格
  9. スピロノラクトン内服薬という選択肢も
  10. リグロースラボSP2の総評

リグロースラボSP2とは

まず、リグロースラボSP2とはどういった育毛剤なのか見てみます。

リグロースラボSP2は2018年6月に販売が開始されたリグロースラボブランドの商品で、同ブランドの中で唯一男女兼用という特徴があります。

リグロースラボシリーズを販売するメーカーは、最強外用発毛剤と名高いフォリックスシリーズを手掛けるアメリカのSapphire Healthcare LLC(サファイア ヘルスケア)。そういった点で新しい商品ながら信頼性に問題はありません。

品質という面ではな。

このリグロースラボシリーズ、商品ラインナップや名称を見るとかつて存在したジェンヘアーという発毛剤ブランドに酷似しており、なんらかの関わりがある商品と推測されます。ジェンヘアーにもスピロノラクトン2%を主成分としたSP2という商品があったしね。

そしてリグロースラボSP2もスピロノラクトン2%が主成分。同シリーズ他製品と違い高濃度ミノキシジルやフィナステリドを使用していないため、女性も使える商品に仕上がっているのです。

発毛効果はほぼ期待できないけどな。

リグロースラボSP2の成分

では具体的にリグロースラボSP2の成分を見てみましょう。

リグロースラボSP2
成分
スピロノラクトン2%
プロパンジオール
変性アルコール
純水
フェノキシエタノール
エチルヘキシルグリセリン
ポリソルベート80

育毛成分はスピロノラクトンのみという潔さ。それ以外は保湿成分であるプロパンジオールと防腐剤のフェノキシエタノール、抗菌や消臭目的のエチルヘキシルグリセリン、界面活性剤のポリソルベート80、そして水と変性アルコール。

本当に気持ちがいいほど何も入っていない。

主成分が外用薬として唯一発毛効果が認められているミノキシジルというのであれば納得もできるが、スピロノラクトンなんですよねぇ…

主成分スピロノラクトンの作用とは?

じゃあこのスピロノラクトン、どういった効果が期待できるのか?

フィナステリドや高濃度ミノキシジルを売りにしているリグロースラボブランドで販売しているだけに、スピロノラクトンにも期待したいところですが…

スピロノラクトンは利尿剤

リグロースラボSP2の主成分であるスピロノラクトンは本来利尿作用がある医薬品となっており、内服薬として日本でも処方されています。

腎臓にはナトリウムの再吸収を促す「アルドステロン」というホルモンが存在します。アルドステロンの分泌が増えるとナトリウムの再吸収を促すことで血圧の上昇や浮腫を引き起こすアルドステロン症という病気になることも。

スピロノラクトンはこのアルドステロンと受容体が結合するのを阻害する作用(拮抗作用)があり、これによってアルドステロンの働きを抑制。尿の排出を促しアルドステロン症を改善、血圧を下げたり浮腫を改善させたりといった効果が期待できます。

「…で?」って感じですよね。ハゲと無関係じゃん、と。

スピロノラクトンはDHTも抑制する

薄毛の原因の大半を占める男性型脱毛症(AGA)や女性男性型脱毛症(FAGA)はジヒドロテストステロン(DHT)という強力な男性ホルモンによって引き起こされます。

このDHTが毛乳頭細胞内のアンドロゲンレセプター(男性ホルモン受容体)と結合することで髪の毛の成長が阻害され薄毛になってしまう。これがAGAやFAGAのメカニズムです。

アルドステロンとその受容体との結合を阻止する働きがあるスピロノラクトンは、アンドロゲン受容体にも作用することが知られており、DHTとアンドロゲンレセプターの結合を防ぐことで薄毛改善が見込めるとされます。

女性ホルモンの増加

スピロノラクトンが薄毛に効果があるとされる理由はDHTの働きを阻害するだけに留まらず、女性ホルモンを増やしたりテストステロンからエストロゲンへの変換を促したりする作用があるとも。

女性ホルモンであるエストロゲンは、プロペシアの主成分フィナステリドと同様に5αリダクターゼを阻害しDHTの生成を抑制する作用があります。

つまりスピロノラクトンはDHTの働きを阻害するうえに、DHTの生成自体を抑制する働きがあるのです。そんなこともあって女性化乳房などの副作用もありますけどね。

試験において一定の効果が確認されている

薄毛…とりわけ女性の薄毛に対するスピロノラクトンの効果を検証した試験は海外でいくつか行われており、一定の効果が示されています。

最も大規模に行われたものは80名の女性を対象にしたもので、毎日200mgのスピロノラクトンを服用した場合、脱毛が50%~62.9%減少したらしい。

44%の女性に発毛が確認され、44%は進行なし、そして12%の女性は薄毛が進行。つまり進行を止める以上の効果が88%に見られたことに。

一見ある程度効果があるように感じる結果ながら、同じ内服薬として比較するならフィナステリド1mg(プロペシア)より明らかに弱いことが分かります。

スピロノラクトンはフィナステリドより弱い

加えて、スピロノラクトンの試験の被験者は80名とそれほど少なくはないものの、その試験内容は非ランダム化試験。客観性に乏しいと言わざるを得ません。

また、ある試験ではスピロノラクトン使用で12ヶ月間はある程度の効果が見られたものの、その後足踏み。そのためミノキシジル5%製剤と併用させたところ発毛が再開したとの結果も。

これはミノキシジルとスピロノラクトンの相乗効果を示すものですが、被験者は53歳の女性1人。根拠と呼べるようなものではありません。

スピロノラクトンの発毛効果を調べる試験はいくつか行われているのは確か。しかし規模はどれも小さく、フィナステリドやミノキシジルほどの効果も示されていない。しかも試験内容に客観性が乏しいのが実情なのです。

期待できないスピロノラクトン外用薬

リグロースラボSP2に効果なし

発毛や育毛に対し、医薬品の作用や効果を確認する上で絶対に欠かせない臨床試験を行っていないスピロノラクトン。しかしいくつかの試験で一定の効果が見られてのも確かです。

しかし…それ全部「内服薬」での話。

リグロースラボSP2のようなスピロノラクトン外用薬の発毛効果を調べた試験が行われていないか色々と調べてみましたが、それらしいものを見つけることはできませんでした。

そう、内服薬ですら発毛効果のエビデンス(科学的根拠)は乏しいのに、試験を行っていない外用薬に効果が期待できると思う?

ミノキシジルと比較

発毛剤として世界中で使用されているミノキシジルと比較してみましょう。

ミノキシジルは作用こそ全く違えど、本来はスピロノラクトンと同じ血圧を下げる薬です。そのミノキシジルは外用薬としてのみ発毛剤として認可されており、これは世界共通です。つまり内服薬の発毛効果は認められていない。

しかしハゲの間ではミノキシジル外用薬より内服薬…つまりミノキシジルタブレットのほうが高い発毛効果を望めるのは常識。「最強の発毛剤」と呼ばれることもあるくらいだからな。

経口の発毛剤であるフィナステリドやデュタステリドも同様。この2つも一部発毛剤で外用として用いられるものの、内服薬ほどの効果は期待できません。そもそも外用としての発毛根拠もほとんどない。

内服薬として強い効果を発揮する発毛剤は外用にすると効果が限定される…それは育毛・発毛分野において半ば常識化しています。

話を戻してスピロノラクトン。内服薬では一定の効果が見られたという試験結果もあるが、外用は試験すら行われていない。

ゆえにその効果は“未知”であり、ポジティブに考えれば「発毛効果がないとは言い切れない」となるかもしれない。しかし真っ当な考え方をするなら、スピロノラクトン外用薬は“試験する価値すらない”という見方になるのではないでしょうか。

「効果なし」とは言い切れない。しかし客観的に見れば効果がないと言わざるを得ないのが実情かと。

リグロースラボSP2の浸透力

スピロノラクトン外用薬であるリグロースラボSP2のことを若干ボロクソ気味に書いていますが、一応フォローもしておきましょう。

それは頭皮への浸透が見込めるという点。

どういうことかというと、リグロースラボSP2には「リポソーム」という技術が使われています。この技術は近年化粧品分野でも活発に研究が行われているもの。

このリポソーム、角質層は脂溶性、その下は水溶性が強まる皮膚に浸透させるため、親水性(水溶性)と疎水性(脂溶性)を併せ持つ物質の層で成分を覆うことによって頭皮の奥まで有効成分を届けるという技術になります。

リポソーム技術

これはリグロースラボシリーズに共通して採用されるもの。リポソーム技術による高い浸透力も同シリーズの人気の秘密と言っていいでしょう。

スピロノラクトンは経皮吸収する?

リポソーム技術によって高い浸透力を発揮するリグロースラボSP2ですが、そもそもスピロノラクトン自体も経皮吸収する可能性があります。

角質層がバリアとして機能する健康な人の皮膚に浸透するには分子量が500以下でなくてはならないという条件があります。化粧品に使われるコラーゲンが10万~30万、ヒアルロン酸が100万という点から、分子量500以下がいかに小さいかが分かるかと。

医薬品の外用薬として使われる成分のほとんどはこの500以下をクリアしており、例えばミノキシジルは209.25フィナステリドは372.55。だからこそこれら発毛成分は経皮吸収するのです。

で、スピロノラクトンはというと…416.57。条件はクリアしています。

ただ、スピロノラクトンは脂溶性が高く、そのままでは浸透はしにくいとも。ちなみにミノキシジルは水溶性が高い。

スピロノラクトンは分子量的に浸透の条件をクリアしていることから、前述のリポソーム技術によって浸透力を高めることができれば、一定の効果が期待できるのかもしれません。

リグロースラボSP2のように薄毛に対してのものではないが、スピロノラクトン軟膏の研究開発が一部で行われていることからも、外用薬に期待する動きがあるのは確か。

副作用の心配はほとんどない

リグロースラボSP2に対しもうひとつポジティブな話題を。

数が少ないとはいえ一定の発毛効果が示されているスピロノラクトン経口薬は、下記のような副作用があることでも知られます。

  • 女性化乳房・乳房腫脹
  • 性欲減退
  • 月経不順・無月経
  • 低血圧
  • 頻尿
  • 肝臓関連の数値上昇
  • 食欲不振・吐き気、下痢

スピロノラクトンは本来、利尿作用によって高血圧や浮腫を改善させる薬であるうえ、男性ホルモンであるDHTを阻害し女性ホルモンを増やす作用ああるため、性欲減退や女性化乳房といった副作用の懸念が。

しかし、リグロースラボSP2のようなスピロノラクトン外用薬ではこういった副作用はほとんど心配する必要はありません。

ミノキシジルを内服薬として使用すると、血圧低下やめまい、動悸といった副作用があるものの、外用薬ではそういったものが出ないのと一緒。

発毛効果に対する根拠はないが、副作用のリスクもほとんどない。そういった点を考慮するに、気軽に試しやすいのは間違いない。値段も安いしね。

リグロースラボSP2を使ってはいけない人

ただし、リグロースラボSP2を使用するべきでない人も存在します。

  • 未成年
  • 心疾患を患っている人
  • 降圧薬を飲んでいる人

リグロースラボSP2の主成分であるスピロノラクトンは血圧を下げる効果があるため、すでに降圧剤を飲んでいる人は使用するべきでないと書かれいます。また、血圧低下は心臓に負担をかける可能性があるため、心臓が弱い人も避けたほうがいい。

ぶっちゃけ外用薬で血圧が下がるとは到底思えないが、万が一の際に責任を追及されないためにこう書いているのだと推測されます。

教科書的な対応をするなら、「使用したい場合は医師に相談しましょう」となる。

リグロースラボSP2の価格

ハッキリ言ってしまうと発毛効果はあまり期待できないリグロースラボSP2。これで価格も高ければ「ゴミ」と認定できるのだが…

スピロノラクトン濃度 価格
リグロースラボSP2 1本 2% 2,400円
リグロースラボSP2 2本 2% 3,900円

絶妙な価格だわ。

発毛効果の科学的根拠には乏しいが、フィナステリドやミノキシジルに限界を感じている人が新たな可能性を求めて使うものとしては手に取りやすい価格。

内服薬と違って副作用リスクはほとんどないうえ、1ヶ月の出費は約2,400円。効果がなくても諦めがつく価格設定といえます。

同ブランドのミノキシジル5%製剤リグロースラボM5が2,500円、フィナステリド0.25%製剤リグロースラボFIN25が2,200円であることを考えると、費用対効果の面で弱いのは確か。

が、ダメ元で使ってみてもいいと感じる価格であるのも間違いありません。

ハゲの立場からより良い選択をしてもらうことをモットーにしている当サイトとしては、まずは科学的根拠豊富なミノキシジルやフィナステリドの使用を強くおすすめしますけどね。

それでもダメなら「気休め」と割り切るくらいのスタンスでリグロースラボSP2を使うのもあり…なのか?

スピロノラクトン内服薬という選択肢も

スピロノラクトン内服薬ハイレス

リグロースラボSP2の主成分であるスピロノラクトンは、外用薬としてはあまりにもデータ不足である一方、経口薬では一定の効果を確認している研究も存在。

となれば、リグロースラボSP2のような外用薬ではなく、スピロノラクトンの経口薬を使用するという選択肢もあります。

実際、個人輸入で購入できるスピロノラクトン内服薬の代表的なジェネリックである「ハイレス」は、男女問わず多くの人が利用しています。

その目的は発毛のみならず、男性ホルモンを抑制し女性ホルモンを増やすことによるニキビや過剰な皮脂の改善、体毛の減少、利尿作用による浮腫み解消など様々。そういった効果が望めるのもスピロノラクトンの良いところ。

極めて限定的とはいえ、ミノキシジル外用薬とスピロノラクトン内服薬は相乗効果が望めると示唆されていますしね。

ただし、スピロノラクトン内服薬は女性化乳房や性欲減退、頻尿などの副作用が懸念されることも忘れないでください。

ハイレス(Hyles)の詳細

リグロースラボSP2の総評

リグロースラボSP2は同シリーズ唯一女性も使える育毛剤として登場した経緯があります。それだけに男性にとっては物足りない商品となっているのは否めません。

主成分であるスピロノラクトンは内服薬でこそ複数の試験で一定の発毛効果を確認していますが、それは「根拠」と呼べるほどのものではなく、外用薬にいたっては試験すら行われていないのが実情。

一方で、発毛・育毛関連以外ではスピロノラクトンを外用として用いようという動きも一部にあるなど、「無意味」とまでは言えない状況か。2%と含有量を表記している点においても、少なくとも日本の育毛剤よりは信頼できる。

価格も1本2,400円、2本3,900円と試しやすい設定になっているので、ミノキシジルやフィナステリド、デュタステリドといった発毛剤の補助と割り切るなら一考の余地ありか。

使用順としては、ミノキシジル5%のリグロースラボM5や同15%のリグロースラボM15、そしてフィナステリド0.25%のリグロースラボFIN25を使って効果が出なかった場合に限られるかな?

高い発毛効果を望むのであればハッキリ言ってリグロースラボSP2はおすすめしません。発毛剤の選択肢が限られる女性向けの商品といったところでしょう。

女性が使うにしても、上で紹介したスピロノラクトン内服薬「ハイレス」のほうが色々とメリットがある気がする。そっちの方が安いし。

ただ、前身ともいえるジェンヘアーSP2の口コミを見るに、髪が太くなった、コシが出たという声も聞かれます。そういった点では、ミノキシジルのような発毛効果ではなく“育毛効果”であれば十分期待できるのかもしれません。

リグロースラボSP2の詳細

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