ミノタブは病院で処方してもらうべき?
最強の発毛剤との呼び声も高いミノキシジルタブレット。しかし日本において承認されていないミノキシジル内服薬を手に入れるには一部のAGAクリニックや個人輸入代行で購入するしか方法がありません。
未承認の医薬品とはいえ一部のAGAクリニックや皮膚科では処方しているので、常識的に考えればこれら医院を受診し医師の判断のもと処方してもらった方が良いように感じるでしょう。
しかし、病院で処方してもらうことによるメリットデメリットが色々と存在しますので、それらを総合的に判断しAGAクリニックでの処方が良いか、個人輸入代行が良いかを判断する必要があります。
ミノキシジルタブレットとは?
病院での処方が良いのか?個人輸入代行を利用して購入するのが良いのかを論じる前に、まずミノキシジルタブレットとはどういったものなのかを明らかにしておく必要があります。
ミノキシジルという成分は血管を拡張することによって血圧を下げるために開発されたもので、高血圧の治療薬として1960年代には登場していたとされています。
血圧を下げる薬であることから当初は内服薬としてのみ用いられていましたが、服用した高血圧患者の多くに全身の毛が濃くなる「多毛症」の副作用が見られたことから、多毛症を主作用とし副作用のリスクを大幅に軽減した外用の発毛剤として使用されるようになった経緯があります。
その効果により世界中に広がり多くの実績を残しているミノキシジルは日本でもリアップに使用されていることで有名ですが、頭皮に直接塗布する外用薬での発毛効果は内服薬であるミノキシジルタブレットに及ばないことから、より強い効果を望む人は内服薬を選択するように。
ミノキシジルタブレットは発毛剤として承認されていない
しかし、外用薬としては世界中で「髪の毛が生える発毛剤」として認可されているミノキシジルも、内服薬であるミノキシジルタブレットにおいては発毛剤として認可されておらず、それは日本のみならず万国共通となっています。
そのためミノキシジルタブレットの発毛効果を検証した臨床データは存在せず、エビデンス(医学的・科学的根拠)にこだわる当サイトにおいてこれをおすすめするのはやや矛盾を感じるのも確か。
ただ、ミノキシジル内服薬で全身の毛の生長が促進される多毛症の副作用があるのは間違いなく、そこに目を付けて副作用の少ない外用薬として使用したという事実は「外用薬は副作用リスクは少ないが効果もそれなり」と見るのが自然。
また、実際に使用している人の生の声として膨大な量の実績があるため、「ハゲを治したい」という切実な想いを抱いている人に大して「ミノキシジルタブレットは絶対に使うな」とは口が裂けても言えない。
ちょっと話が逸れましたが、日本はもちろん世界的に発毛剤として承認されていない点というのが今回取り上げる「病院で処方してもらうか否か」に大きく関わってきます。
ミノキシジルタブレットの効果
ミノキシジルの具体的な発毛作用については完全に解明されているわけではないのですが、ほぼ確実視されている作用は存在します。
それは、毛根部分を覆う毛包に作用し毛母細胞の分裂や増殖を促進することによって毛の生長を促すというもの。
ミノキシジルタブレットの場合この作用が全身に働くことで多毛症の副作用が出ると考えれば極めて信憑性のある考え方といえるでしょう。
線維芽細胞成長因子(FGF-7)や血管内皮細胞成長因子(VEGF)を増やす効果があるという説もありますが、これに関してはハッキリと証明されたわけではありません。
ミノキシジルタブレットの副作用
高い発毛効果を示すミノキシジルタブレットの使用において最も懸念すべきが副作用。そしてこれこそが個人輸入で購入するのではなくAGAクリニックなどで処方してもらうべきとする最大の要因でもあります。
ミノキシジルタブレットの具体的な副作用は…
- めまい
- 動悸
- 血圧低下
- 胸痛
- むくみ
- 多毛症
頭皮に塗布する外用薬ではほとんど問題にならない副作用も、内服薬として使用すれば血管拡張剤としての作用が影響を及ぼしてきます。
基本的に血圧を下げる作用があるため、血圧低下によるめまいやむくみ、それに伴って血液を送り出そうと心臓が働くことによる動悸などが考えられます。
また、発毛剤として使用する場合のミノキシジルタブレットは多毛症を主作用と見立てるものの、体毛が濃くなるというデメリットも考えておく必要が。
ただし、血管拡張剤としての1日の限度量は50mgとされている一方で、発毛剤として使用する場合の限度量は1日10mgと5分の1。一般的な使用量は1日5mgとされていますので、副作用を極度に恐れる必要はないのも確かですが。
病院で処方してもらう際のメリット
さてここからが本題。
AGAクリニックなど病院で処方してもらう場合、個人輸入代行で購入するのに比べてどんなメリットデメリットがあるのか詳しく見ていきます。
まずはメリットから。
医師の適切な判断を仰げる
病院でミノキシジルタブレットを処方してもらうことへの最大にして唯一のメリットが医師の判断を仰げるというもの。
個々の症状に合わせてミノキシジルタブレットを使用するべきかどうかをプロが適切に判断してくれるというのはおおきな強み。既往症があったり現在服用している薬があったりするならなおさら。
ミノキシジル内服薬は日本において血圧を下げる降圧剤としてすら認可されていない薬なので、医師の判断を受けるというのは強い安心感に繋がるでしょう。
万が一強い副作用が出た場合にもしっかりと対応してもらえますし、個人輸入での購入でたまに見聞きする「偽物を掴まされる」という懸念も払しょくされるため、安心・安全第一で考えるなら病院で処方してもらうべきでしょう。
ミノタブを処方してもらう事のデメリット
ミノキシジルタブレットを病院で処方してもらう大きなメリットは、医師の判断を受けることによる安心・安全に集約されます。しかしデメリットも多いのが実情。
受診や移動の手間がかかる
病院を受診するのって面倒ですよね。
事前に予約を取っていたとしても30分~1時間くらい待たされることはザラで、往復の移動時間や診療・処方の待ち時間などで半日潰れてしまうでしょう。
受診は1ヶ月に1回程度なので苦にならない人もいるかもしれませんが、忙しい人にとって休日の半分が潰れてしまうというのは大きな損失になります。
処方してくれる病院が限られる
前述のとおりミノキシジルタブレットは発毛剤として認可されていないため、処方してくれる病院は限られてきます。
基本的に大きな病院のAGA外来や皮膚科がメインの医院では正式に認可されたプロペシアやそのジェネリック、ザガーロの処方しか行っておらず、処方してくれる病院というのはAGAを専門に扱うクリニックなどがメインになります。
これらは数が多くない上、ハーグ療法や育毛メソセラピーなど胡散臭い高額医療を行っている場合が多く、受診するとそういった治療へ誘導される恐れもあります。
ミノタブの価格がやたらと高い
医療機関でミノキシジルタブレットを処方してもらう最大のデメリットがこれ。これが「バカじゃないの?」というくらい費用が高い。
個人輸入代行で圧倒的な人気を誇るノキシジルボトルタイプといくつかのAGAクリニックで処方されるミノキシジルタブレットの価格と費用を比較してみましょう。
商品名 | 含有量 | 内容量 | 価格 | 1錠あたりの価格 |
---|---|---|---|---|
ノキシジルボトル5mg | 5mg | 100錠 | 3,416円 | 34円 |
ノキシジルボトル10mg | 10mg | 100錠 | 4,588円 | 46円 |
医院H1 | 10mg | 30錠 | 4,800円 | 160円 |
医院H2 | 不明 | 90錠 | 15,000円 | 166円 |
医院S1 | 2.5mg | 100錠 | 19,000円 | 190円 |
医院S2 | 5mg | 30錠 | 4,000円 | 133円 |
医院G | 2.5mg | 28錠 | 7,500円 | 267円 |
医院U | 10mg | 28錠 | 9,900円 | 353円 |
検索で比較的上位に出てくるAGAクリニックの費用をざっとまとめました。
クリニックによって差はあるものの、個人輸入で購入できるノキシジルに比べかかる費用は5~10倍くらい。医療機関によってはここに初診料や再診料、診療費に処方代がかかってくる。保険適用外で10割負担と考えると結構な出費になるでしょう。
ミノキシジルタブレットは日本で生産していないため医師も海外から輸入する形になるはず。最も信頼性が高いと思われるアメリカ製のジェネリックでもノキシジルの2倍程度の価格ということを考えると…まあ察しろ。
自由診療ですからどんな値段を付けるかは各々の病院が判断すること。そこに文句を言うつもりはありませんが、端的かつ分かりやすく表現するとクソ高い。
ミノタブを病院で処方してもらうか否か
ミノキシジルタブレットを病院で処方してもらうか、それとも個人輸入で購入するか迷っている人も多いと思いこの記事を作成してみましたがいかがだったでしょうか。
医療機関での処方のメリットデメリットをもう一度簡単にまとめてみます。
- 医師が使用の是非を適切に判断してくれる安心感
- 万が一の副作用にもしっかりと対応
- 通院の手間がかかる
- 扱っている医療機関が限られる
- 費用がとても高い
ミノキシジルタブレットは元々が血管拡張剤であるだけに副作用の懸念は拭えないものの、処方されるものは個人輸入で買ったものと変わりないためリスクは一緒。
個人輸入代行には「偽物が横行している」という懸念を持っている人もいるかもしれませんが、近年は成分鑑定を受けている業者も多く、信頼性に大きな不安はありません。
結局は安心感を得られるかどうかがカギになるでしょう。副作用がある薬だけになおさら不安になるのは仕方のないところ。
最初は病院でミノタブの処方を受けると安心
ミノキシジルタブレットの使用に際し安心・安全を最優先するなら、やはり医療機関を受診し医師の判断のもとで処方してもらうべきでしょう。
医師が処方するということはプロが「使用するべき・しても問題ない」と判断したことになるので、それを踏まえて次回から安価な個人輸入に切り替えるという方法もあります。
ミノキシジルタブレットの使用を検討する人の多くはすでにフィンペシアやベルトリドなどを個人輸入し使っている人なので、医療機関を受診することなく自己責任でミノタブを購入していますが、安全面を第一に考えるなら医師の判断を仰ぐに越したことはありません。
ただ、前述したようにミノタブを処方する医療機関はハーグ療法や育毛メソセラピーといった胡散臭い治療を行っていたり独自の育毛剤を販売していたりするAGAクリニック。
しっかりした医療機関のAGA外来や皮膚科であれば受診を強くおすすめできますが、患者の薄毛を治すことより金儲けしか考えていないような印象を受けるAGAクリニックであれば…私なら行かない。
外用薬という選択肢も
医療機関でミノキシジルタブレットを処方してもらえばある程度安心できるものの、費用の高さに二の足を踏んでしまう…しかし自己責任が原則の個人輸入では副作用が心配という人も多いと思います。
そういう場合は海外製のミノキシジル外用薬という選択肢もあります。
ミノキシジルにはある程度の副作用リスクが存在しますが、それは内服薬での話。外用薬での副作用はミノキシジルを溶かすために必要なエタノールの刺激による頭皮のかぶれやかゆみ程度なので恐れる必要はありません。
海外製とはいえ内服薬のノキシジルに比べれば外用薬は高くなってしまいますが、リアップX5プラスネオと同じミノキシジル5%のカークランドであれば1本2,200円くらい。
最強外用薬として名高いミノキシジル16%のフォリックスFR16でも5,820円とリアップX5より2,000円ほど安いため、個人輸入がどういったものか経験する目的も兼ねて副作用の心配がほとんどな外用薬から使ってみるのも手かと。
医療機関でミノタブを処方してもらう際の注意点
ミノキシジルタブレットを処方してくれる病院は限られ、その限られた医療機関の多くは様々な高額治療を用意しているAGAクリニックという現実があります。
そのため、そういった医院でミノキシジルタブレットを処方してもらおうと考えているのであれば、「他の治療法やクリニックオリジナル育毛剤の誘いには乗らない」と言い聞かせ、ミノタブのみ、もしくはプロペシアやザガーロといった発毛剤のみを目的に受診するようにして下さい。
医療機関で発毛剤を処方してもらうと費用がかさむため、薬の使用に慣れてくれば「個人輸入でいいや」との結論に至るかもしれませんが、これから使用する場合は色々と不安もあると思いますので、そういった場合はやはり一度は病院を受診しておくべきでしょう。
フィナステリドやデュタステリドと違い、ミノキシジルタブレットは日本はおろか世界中を見渡しても発毛剤として認可されている国は存在しないように、副作用の懸念も大きい薬。
可能であれば、ミノキシジルはミノキシジルでも、頭皮に塗布する外用薬を使用するべきと考えます。前述した通り、アメリカ製であれば、安価なものから高濃度のものまで幅広くラインナップされていますからね。
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