リアップX5プラスネオを使うメリットは?

リアップX5プラスネオのメリットは?

大正製薬が製造・販売するリアップシリーズは発毛成分ミノキシジルを日本で初めて配合した発毛剤。

発売からしばらくはミノキシジル濃度1%の商品しか存在しなかったため効果はさほど望めないというのが実情でした。そんな状況を打破すべく2009年に世界標準ともいえるミノキシジル5%を配合した「リアップX5」を発売。

2015年には新たに3つの成分を追加し「リアップX5プラス」へリニューアル。そして2020年にはさらに3種の有効成分を加え得た「リアップX5プラスネオ」へと改良。薄毛に悩む多くの男性に愛されています。

そんなリアップX5プラスネオの効果や気になる副作用、価格、そしてコストパフォーマンスなどの面から使う価値があるのかどうかなど詳しく見ていきます。

個人輸入で購入できる安価なミノキシジル外用薬や、2018年に発売されたメディカルミノキ5やリグロEX5などとの比較も行い、リアップX5プラスネオにどんなメリットデメリットがあるのか暴いていきましょう。

    目次
  1. リアップに配合されるミノキシジルとは
  2. 日本でのミノキシジルはリアップだけ?
    1. 大正製薬がミノキシジル外用薬を独占していた理由
    2. ジェネリック医薬品が登場しても安くならない価格
  3. リアップX5プラスネオの発毛メカニズム
    1. 6種のサポート成分は気休めか
  4. リアップX5プラスネオの発毛効果
    1. リアップX5で増える髪の毛の本数
  5. リアップX5プラスネオが臨床試験を行わない理由
  6. リアップX5プラスネオの副作用
  7. リアップX5プラスネオ最大のネックは価格
  8. メディカルミノキ5やリグロEX5との比較
  9. アメリカ製と比べるとメリットは少ない
  10. リアップX5プラスネオのまとめ

リアップに配合されるミノキシジルとは

リアップX5プラスネオの発毛メカニズム

日本で初めて「髪の毛が生える」と認められ、リアップX5プラスネオの主成分としても知られる発毛成分“ミノキシジル”とはどういったものなのでしょうか?

ミノキシジルは元々高血圧を改善するための治療薬として開発されたもの。血管拡張作用によって血圧を下げることを目的とした内服薬です。

しかし、高血圧患者に投与をする中で全身の毛の成長が促進される「多毛症」の副作用を確認。それを逆手に取り米製薬大手であるアップジョン社(現ファイザー)が副作用の少ない外用発毛剤として発売したという経緯があります。

本来内服薬であるミノキシジルは当然ながら発毛効果も内服でこそ最大限発揮されます。しかしそうなると健康な人が血圧を下げる薬を飲むことのになるため副作用リスクは無視できないものに。

そんな背景からミノキシジルは外用剤として用いられるのです。ただ、ミノキシジルといえど外用薬では劇的な効果は望めないというジレンマも。実際内服・外用どちらのミノキシジルも使ったことがある人の評価は内服薬の方が圧倒的に高い。

そのため、本気で発毛に取り組む薄毛の人たちは多少の副作用リスクを受け入れたうえで、海外製のミノキシジル内服薬(ミノキシジルタブレット)を使用する場合も多くなっています。

また、ミノキシジル外用薬の本場であるアメリカでは10%を軽く超える濃度の商品が複数売られています。もしかしたら日本でも今後「5%では弱い」という流れになってくるのかもしれません。

日本でのミノキシジルはリアップだけ?

国産ミノキシジル外用薬はリアップだけ?

リアップシリーズは日本で初めて発毛成分ミノキシジルを配合した医薬品の発毛剤であると同時に、日本で唯一ミノキシジルを使用した商品でもあります。…というか、唯一のミノキシジル製剤“だった”と言ったほうが適切ですね。

というのも、2018年になってアンファーからミノキシジル5%製剤のメディカルミノキ5が、ロート製薬から同じく5%のリグロEX5が相次いで発売され、リアップシリーズの独占市場は終焉を迎えたから。

ただ、リアップが発売された1999年からメディカルミノキ5やリグロEX5が登場する2018年までの19年間、大正製薬はミノキシジルを用いた発毛剤を独占販売してきた歴史があります。

世界的に発毛剤として用いられているミノキシジル外用薬を、日本においては大正製薬が独占していた裏には何があったのでしょうか?

大正製薬がミノキシジル外用薬を独占していた理由

なぜ大正製薬以外の会社がミノキシジルを配合した発毛剤を出さないのかというと、実際のところは「出さない」のではなく「出せない」というのが実情だったようで、その裏には厚生労働省が認可を出さないという事実が隠されています。

そこにはリアップ発売前からメディアなどで海外製のミノキシジル外用薬ロゲインでの死亡例などがたびたび取り上げられ、リアップ発売後は副作用に対する問い合わせやクレームが相次いだという背景も。

このため厚生労働省は新たなミノキシジル発毛剤の認可には及び腰で他社は開発することができず、日本においてミノキシジル外用薬は大正製薬の独占状態になっていたのです。

そうなれば市場原理が働かず唯一の日本製ミノキシジル外用薬として価格が高くなってしまうのは当然。ミノキシジルをたかだか5%程度しか配合していないリアップX5プラスネオが8,000円近くするのはそういった理由があるからなのです。

ジェネリック医薬品が登場しても安くならない価格

日本のミノキシジルは高い

ミノキシジル外用薬の本場であるアメリカ製の商品であれば1本2,000円前後で購入できるミノキシジル5%製剤が、日本においては8,000円弱もする理由はリアップが独占し市場原理が働いていないからと見られていました。

しかし、その考えは裏切られる結果に。

2018年に登場したメディカルミノキ5、リグロEX5は、リアップX5のジェネリック医薬品にもかかわらず価格はほぼ横並びの7,800円と7,700円。

リアップが市場を独占していたから価格が下がらなかったのは間違いないものの、後発のアンファーやロート製薬も価格競争を仕掛けることはせず、「みんなで仲良く暴利をむさぼりましょう」というスタンスに徹するらしい。

臨床試験すら行っていないジェネリック医薬品を、先発薬であるリアップX5プラスネオと同じ価格で販売するという消費者を馬鹿にした態度を見るに、リアップが相対的に善良な商品に見えてくるから不思議なものです。

リアップX5プラスネオの発毛メカニズム

リアップX5プラスネオの発毛メカニズム

では具体的なリアップX5プラスネオの発毛メカニズムについて触れていきます。

リアップX5プラスネオの主成分は言うまでもなく5%の濃度で配合されたミノキシジルです。このミノキシジルは本来血管拡張剤でありながら高い発毛効果も併せ持つのは前述の通り。

そもそもなぜ血圧を下げるミノキシジルに発毛効果があるのか不思議ですよね。

血管を広げる作用があるミノキシジルを頭皮に塗布することで血流が良くなり、髪の毛の成長に必要な酸素や栄養がしっかりと供給されるから髪が生える…という説があたかも真実のように語られていますが、これは基本的に間違いです。

なぜなら、遥か昔から「血行促進で育毛する」と言われながら現実に薄毛が治らないことは証明されていますし、何よりミノキシジル以外の降圧剤では髪が生えないことからも、血行促進効果による発毛でないことは明らか。

ミノキシジルの発毛メカニズムは、毛包に作用することによって毛母細胞の増殖を促す何らかのシグナルや成長因子を増やすのではないかと見られています。

ミノキシジルを使用することでなぜ発毛するのかについて完全に解明されたわけではありませんが、服用した場合全身の毛が濃くなることから、毛乳頭細胞や毛母細胞を活性化させる働きがあると見るのが自然でしょう。

6種のサポート成分は気休めか

リアップX5は2015年10月に「リアップX5プラス」にリニューアルし3種の育毛サポート成分を配合。そして2020年4月のリニューアルではさらに3種の成分を加え「リアップX5プラスネオ」にパワーアップしました。

追加された計6種の有効成分は以下の通り。緑字はリアップX5プラスへのリニューアル時、赤字はリアップX5プラスネオへのリニューアル時に追加されたもの。

  • ピリドキシン塩酸塩
  • トコフェロール酢酸エステル
  • l-メントール
  • グリチルレチン酸
  • ジフェンヒドラミン塩酸塩
  • ヒノキチオール

興味深いのはこの6種すべて医薬部外品の有効成分に指定されたものだということ。世に溢れる育毛剤に3種くらい入っているアレですね。

すべて有効成分で揃えるあたり、国内初のミノキシジル外用薬としての意地のようなものを感じます。「効果に科学的根拠が全くない胡散臭い成分は一切使わない」といったところか。

とはいえ、これらに期待できる効果は、あくまでも「育毛効果」や「発毛促進効果」と呼ばれるもの。今現在生えている髪の毛の成長を促進させる…とされるものの、その実皮脂分泌の抑制や頭皮環境の改善が主。

気休め程度の抗炎症作用や保湿効果で髪の毛が生えれば苦労はしない。

要はそのへんに転がっている育毛剤に配合されているレベルの成分ということになります。世界的に発毛効果が認められているミノキシジルとは比べようもない。

l-メントールの清涼感やグリチルレチン酸の抗炎症作用などによりミノキシジルの刺激を若干でも緩和できれば御の字といったところか。当然ながら発毛に寄与することはありませんので、過度な期待は禁物です。

入っていないよりはまし…くらいの気持ちで。

リアップX5プラスネオの発毛効果

次にリアップX5プラスネオの発毛効果について取り上げましょう。

リアップX5プラスネオは医薬品ということもあり、厳密な臨床試験を行いどの程度効果があるのかを明確にしています。

とはいっても、臨床試験は初代のリアップX5発売に向けて行われたのみ。そのため大正製薬が提示するデータはサポート成分が配合されていない、純粋にミノキシジル5%のみの旧リアップX5のものになっています。

リアップX5プラスネオの発毛効果
出典:大正製薬商品情報サイト


上図の臨床データはリアップX5を52週(1年)にわたって長期投与し、その結果を医師が評価したもの。

12週後…つまり3ヶ月後から明確に効果が出はじめ、5ヶ月後には9割以上の人に軽度以上の改善が見られ、使用7ヶ月で6割以上の人が中程度改善に。

最終的には98%の人に効果が確認され、94%が軽度改善以上、70%が中等度改善以上、10%が薄毛がほぼ解消される著明改善という結果に。ミノキシジルは外用薬でもしっかりと効果が出ることが示されています。

リアップX5で増える髪の毛の本数

上記データは“軽度”や“中等度”といった漠然とした表現を用いているため、具体的にどの程度増えるのかいまいち見えてきません。リアップX5の試験ではそんな疑問を補完するデータも示されています。

リアップX5プラスネオで生える本数
出典:大正製薬商品情報サイト


リアップX5を使用することによって増える髪の毛は、1平方センチメートルあたり平均して約22本という結果に。また、太さ40μm以上の髪の毛は平均約26本増えるという結果を残しています。

リアップX5プラスネオの太毛効果
出典:大正製薬商品情報サイト


これにより、リアップX5を使うことで新たな髪の毛を増やしつつ、軟毛を太毛化する作用もある程度期待できることが分かります。

薄毛ではない人は1平方センチメートルあたり約150本生えていますから、仮に22本増えたとすれば…それなりに目に見えた改善が確認できるでしょう。

ただ、若い頃のようなフサフサの状態に戻るかとどうかはリアップX5プラスネオを使い始めるタイミングにかかっていると言わざるを得ません。薄毛がかなり進行してから使い始めれば改善の程度も知れるでしょう。

とはいえ、この「約22本増える」というデータはおよそ145名の平均。発毛剤の効果は個人差が大きいことから、中には劇的に効く人もいるでしょう。そういった一部の人が著明改善という結果を残していると考えられます。

…まあ裏を返せばほとんど効かない人も存在することになるわけですが…

リアップX5プラスネオがどの程度効果を発揮するのかは実際に使ってみなければ分かりませんが、発毛効果が存在することは疑いようがない事実。

リアップX5プラスネオを選ぶかどうかはさておき、薄毛を治したいのであればミノキシジル5%製剤を選択肢に入れるべきなのは間違いないでしょう。

リアップX5プラスネオが臨床試験を行わない理由

リアップX5プラスネオの臨床試験は?

ここでちょっとした疑問が湧いてきませんか?

初代リアップX5からリアップX5プラス、リアップX5プラスネオと2回リニューアルしたにもかかわらずなぜ古いデータを掲載し続けるのか? 「リアップX5プラスネオの臨床試験を行えばいいじゃん」、と。

リアップX5プラスになってもリアップX5プラスネオになっても初代リアップX5のデータを使い続ける理由…それは大きく2つが考えられます。

追加した成分は普遍的な育毛成分だから

第一の理由として、初代リアップX5も最新のリアップX5プラスネオも発毛効果は全く同じという点が挙げられます。

6種の有効成分が加えられたとはいえ、それはあくまでも医薬部外品の育毛剤レベルのもの。この6種に発毛効果は一切認められていないため、結局は「リアップX5=リアップX5プラスネオ」なのです。

大正製薬としてもグリチルレチン酸やl-メントールを加えたところで発毛効果に影響は出ないことは重々承知しているでしょうから、再び臨床試験を行うメリットはありません。

万が一リアップX5の臨床試験データより悪い結果が出ようものなら目も当てられないしね。

育毛剤の有効成分がいかに役立たずかについては、育毛剤を使ったことがある人であれば痛感しているはず。結局その程度の成分なのです。

臨床試験には相当な費用が掛かる

リアップX5の承認申請時に提出されたデータは、長期投与試験に50名、二重盲検比較試験に300名の被験者を用いています。この規模の臨床試験(治験)となると、その費用は少なくとも数億円かかります。

リアップX5と比べ効果に違いがないことは明白であるため、莫大な費用と期間をかけ臨床試験を行う方がどうかしている。臨床試験を行うことによって費用をペイできるほどの宣伝効果が得られるのであれば別でしょうけどね。

2018年頃からメディカルミノキ5やリグロEX5をはじめ、多くのリアップX5ジェネリックが登場してきています。中には5,000円を切る価格のものも存在することから、今後リアップX5プラスネオの売り上げは落ちてくるでしょう。

そう考えると、数億円以上をかけて試験を実施する余裕はないのかもしれない。

リアップX5プラスネオの副作用

リアップシリーズに配合されているミノキシジルは元々が血管拡張剤であるうえに強い発毛効果のある医薬品ということもあり、副作用の心配はほとんどない外用薬といえど「100%副作用は出ない」とは言い切れません。

というのも、薬学的に効果が大きい薬には必ず副作用があるのは常識。しっかりとした発毛効果を求めるなら仕方のないことでもあります。

リアップX5プラスネオの使用で確認されている副作用は…

リアップX5プラスネオの副作用
出典:PMDA


上記赤枠がリアップX5の副作用。ここでも初代リアップX5の臨床試験データが使用されています。

このデータでは副作用の発現率は8.7%。この数字を高いと感じるか低いと感じるかは人それぞれだと思いますが、そのほとんどが頭皮のかゆみや湿疹程度の軽微なものであることを考えれば、気にするほどのものではないのではないでしょうか。

そもそも頭皮のかゆみや湿疹といったものは何かしらの成分が入ったものを頭皮に塗るという性質上100%避けることは難しいもの。

それは一切の発毛効果がない育毛剤ですら出る可能性があるものであるうえに、「副作用が出るかもしれない」という不安や思い込みでの発現も多いため、正確なデータが得にくいというのが実情。

ただ、約8%程度の人の頭皮に何らかの異常が出るというのは間違いなさそう。なぜなら別の機関が3,000人以上を対象にリアップX5を用いて行った試験でも同様の結果が出ているから。

リアップX5の副作用
調査施設数 518
調査例数 3,072
副作用発現例数 271
副作用発現率(%) 8.82
副作用発現件数 378
副作用の種類 副作用発現件数(率)
一般・全身障害および投与部位の状態 192(6.25%)
適用部位そう痒感 123(4.00%)
適用部位発疹 43(1.40%)
適用部位紅斑 31(1.01%)
皮膚および皮下組織障害 70(2.28%)
頭部粃糠疹 33(1.07%)
接触性皮膚炎 32(1.04%)

この大規模試験においても副作用のほとんどは塗布部分のかゆみや発疹、紅斑がほとんどで、副作用発現率も大正製薬が行った臨床試験とほぼ同等の8.8%。2つの試験結果が一致していることから信頼性は極めて高いといえます。

とりあえず使ってみて、頭皮に何らかの異常が出た場合は使用を中止すればいい…その程度の軽い副作用しかないのです。

発毛効果のない育毛剤を売るための多くのサイトやブログでは発毛剤の副作用を執拗に叩く傾向にありますが、育毛剤と同じ外用薬であればミノキシジルでも危険な副作用が出ることはまずありません。

リアップX5プラスネオ最大のネックは価格

リアップX5プラスネオの価格

リアップX5プラスネオは日本製という安心感や全国の薬局やドラッグストアで買えるという手軽さが大きなメリットではあるものの、長期使用が求められる発毛剤であるがゆえに価格の高さはネックになります。

リアップX5プラスネオの定価は税込8,140円。基本的にドラッグストアや薬局では一切割引していないため、定価で買うことになるでしょう。ただ、ネット通販では1,000円引きの6,500円くらいで販売されているものも散見される。

とはいえ、非常に高いと感じるのは確か。

多くの人が実践しているフィナステリド内服薬とミノキシジル外用薬の併用も、日本製のプロペシアとリアップX5プラスネオを使用すると合わせて1ヶ月15,000円ほどかかることになり、懐へのダメージは無視できません。

海外製に目を向ければミノキシジル15、16%の高濃度を配合するフォリックスリグロースラボM15が3,500~5,000円程度で購入できます。

またアメリカ製のロゲインジェネリックであるリグロースラボM5に至ってはリアップX5同様5%濃度のものが2本で3,820円…つまり実質1本1,900円程度なのです。

リグロースラボM5の詳細

ただし、リアップX5プラスネオは他国のものに比べれば高価であるものの、発毛効果すらなく髪が生えないイクオスチャップアップといったアフィリエイターによる異常なまでの提灯記事に支えられた育毛剤に比べれば高いわけではありませんし、何よりそれらの育毛剤に比べ効果面でも圧倒しています。

ミノキシジルとはいえ外用薬であれば副作用のリスクはほとんどないので、効かない上に高価な育毛剤を使うくらいならリアップX5プラスプラスを使うべきなのは言うまでもありません。

余談ですが、リアップX5プラスネオへのリニューアルに伴う値上げは行われていません。商品価値を高め、たけのこのように乱立してきたリアップX5ジェネリックに対抗するためのリニューアルと見るのが自然か。

メディカルミノキ5やリグロEX5との比較

メディカルミノキ5・リグロEX5比較

長きにわたって日本市場を独占してきたリアップシリーズ。しかし2018年にアンファーからミノキシジル5%配合のメディカルミノキ5が、ロート製薬から同5%のリグロEX5が相次いで登場し3つ巴の展開に。

リアップX5プラスネオは先発薬、メディカルミノキ5とリグロEX5は後発薬(ジェネリック医薬品)という立場上、後者は成分や効果は同様で価格はより安い印象を抱きますよね。

でも実際に比較してみると…

リアップX5プラスネオ メディカルミノキ5 リグロEX5

ミノキシジル
ピリドキシン塩酸塩
トコフェロール酢酸エステル
l-メントール
ジフェンヒドラミン塩酸塩
グリチルレチン酸
ヒノキチオール
L-アルギニン
グリシン
1,3-ブチレングリコール
ジブチルヒドロキシトルエン
リン酸
エタノール


ミノキシジル
グリセリン
1,3-ブチレングリコール
リン酸
エタノール


ミノキシジル
エタノール
プロピレングリコール
1,3-ブチレングリコール
酒石酸

8,140円 7,800円 7,700円

むしろリアップX5プラスネオのほうがお得感があるという結果に。

リアップX5プラスネオはジェネリックの2商品と違い6つのサポート成分が配合されています。これらに発毛効果は一切ないものの、頭皮環境の改善効果程度なら期待できる可能性があり、入っていないよりは入っていたほうが良い。

また価格に関しても最も安いリグロEX5と50円しか変わらない。この時点で私ならリアップX5プラスネオを選ぶし、ネット上での実売価格という話になればさらにリアップX5プラスネオの方が安くなる。

なぜなら、メディカルミノキ5やリグロEX5は新しい商品ということもあってか通販サイトでも割引はほとんど行われていないのに対し、リアップX5プラスネオは1,000円引きくらいのものが見つかるから。

長年の実績や信頼性においてもリアップX5プラスネオが圧倒しており、会社の規模という点でもメディカルミノキ5のアンファー程度では勝負にもならない。大正製薬と同様に東証一部上場のロート製薬も時価総額で見れば半分以下。

日本の3製品を比較するのであれば、先発薬であるリアップX5プラスネオが信頼性、価格、成分、すべてで勝っているといえます。

…というか、メディカルミノキ5やリグロEX5は2代前製品である初代リアップX5のジェネリック医薬品なのに、現行品であるリアップX5プラスネオより高いってどういうことなんだ?

こいつらが頑張ってくれていれば国産のミノキシジル外用薬が選択肢に入る人も多かったはずなのに…利益を追求するあまり3社で示し合わせて価格を維持した結果、どんどん海外製に流れてしまうという本末転倒な結果にならなければいいが…

アメリカ製と比べるとメリットは少ない

リアップX5プラスネオと海外製発毛剤比較

日本のミノキシジル外用薬同士で比べればリアップX5プラスネオがベストという結論にならざるを得ませんが、ミノキシジル外用薬の本場であるアメリカの商品と比較すると状況は一変します。

例えばリアップX5プラスネオと同様にミノキシジル5%外用薬で比較してみましょう。

(2本)
商品名 主要成分 価格
リアップX5プラスネオ ミノキシジル5% 8,140円
ロゲイン ミノキシジル5% 8,384円
カークランド ミノキシジル5% 4,573円(2本)
リグロースラボM5 ミノキシジル5% 4,780円(2本)
フォリックスFR05 ミノキシジル5%
アデノシン
プロシアニジンB2
プロキャピル
アゼライン酸他
4,980円
5HP ミノキシジル5%
デュタステリド
馬プラセンタ
5,600円
(2024年6月現在)  

どうでしょうか? リアップX5プラスネオ以外すべてアメリカ製で内容量は60ml。

正真正銘の先発薬…世界で初めてミノキシジル外用薬を商品化した本家本元のロゲインですら1本換算で3,500円ほどの価格で購入でき、その純粋なジェネリックであるカークランドやリグロースラボM5は1本あたり1,900円と非常に安価。

フォリックスFR05や5HPのようにミノキシジル以外に実績のある成分を複数配合すると値段は跳ね上がりますが、それでもリアップX5プラスネオに比べればずっと安い。

日本製にこだわるのであればリアップX5プラスネオがおすすめです。しかし発毛剤の先進国であるアメリカ製であれば信頼性で引けを取らず、しかも価格は圧倒的に安い。これらを選択肢に入れると日本の発毛剤の現実が見えてきます。

ミノキシジル5%製剤なら、少し前であればコストコのプライベートブランドであるカークランドをおすすめしていました。

しかし2018年になって発売されたリグロースラボM5はリポソームを用いた高い浸透技術を採用し、かつ価格はカークランドと同等なので、現在であればリグロースラボM5をおすすめします。

リグロースラボM5の詳細

リアップX5プラスネオのまとめ

日本の発毛剤としては最も古い歴史を持つリアップシリーズの旗艦商品であるリアップX5プラスネオ。それだけに知名度と信頼性は抜群です。

その状況はジェネリック医薬品であるメディカルミノキ5やリグロEX5が発売されても衰えず、むしろこれら商品があまりにも不甲斐ないためリアップX5プラスネオを引き立てるために出てきたのではないかと勘繰ってしまうほど。

しかし、そんなリアップX5プラスネオの輝きも日本国内のみでの話。

発毛剤先進国であるアメリカ製に目を向ければ、リアップX5プラスネオより遥かに安くて成分が充実したものがゴロゴロ出てきます。そう、日本はミノキシジル外用薬の後進国なのです。

長期間独占市場だったことから世界の進歩に取り残された結果、リアップX5プラスネオは王者でいられたのです。井の中の蛙というやつですね。

どうしても日本製にこだわるのであれば間違いなくリアップX5プラスネオを勧めます。しかしもっと広い視野で商品を選択するのであればリアップX5プラスネオは絶対におすすめしません。そんなレベルの商品。

もちろん何を選択してもあなたの自由です。安心安全な日本の商品以外に使う気になれないという人が多いからこそリアップX5プラスネオがロングセラーになったのも事実ですからね。

ご自分が何を重視するのか今一度確認し、悔いのない選択をするようにしてください。

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