ルグゼバイブで髪は生えるか?
パントガールは女性用の飲む育毛剤として世界中で使われ名を馳せていますが、それと同成分・同含有量に加え高価な馬プラセンタとコロストラムを配合し注目を集めているのがルグゼバイブ。
可愛らしいネーミングのパントガールと違いやたらと濁点が目立つ名前は女性用というよりは、ちょっと頭の弱いDQN(死語?)に好まれそうな印象を受けますが、れっきとした女性をターゲットにした育毛剤。
これもパントガール同様発毛剤の項目で取り扱うべきか微妙な商品ながら、海外製のため日本の育毛剤と違い「ハゲ騙して金巻き上げよう」という悪意がそれほどなく、世界中で愛用されているパントガールの実質的なパワーアップ版ということで一応発毛剤枠で紹介します。
しっかりとした効果があるのであれば男性も使ってみたいところではありますが、実際はどうなのか詳細に検証してみましょう。
ルグゼバイブの成分
ではとりあえずルグゼバイブの全成分を見てみますか。
ルグゼバイブ(1粒当たり) | |
---|---|
成分 | 馬プラセンタ 667mg チアミン硝酸塩 60mg D-パントテン酸カルシウム 60mg サッカロミセス 100mg L-シスチン 20mg ケラチン 20mg コロストラム(牛) 20mg |
あれ?なんかちょっと成分変わった?
元々ルグゼバイブはパントガールと完全に同成分同含有量に馬プラセンタとコロストラムを追加しているとあって人気を博していましたが、サッカロミセスやチアミン硝酸塩など聞き慣れない成分が入っている…
ちょっと調べてみたら、パントガールでの薬用酵母がサッカロミセス、ビタミンB1がチアミン硝酸塩と名前を変えているだけなので、実質変更はないようです。
ただ、白髪を黒髪に戻す効果があるとされる「パラアミノ安息香酸」が無くなっているのは間違いなく、微妙に成分減らしたのか?
まあハゲにとって白髪うんぬんなんて些細な問題だが。
では一つひとつの成分を詳しく見ていきましょうか。ちなみに上記は1粒当たりの量で、実際は1日3回に分けて3粒飲むため、1日の摂取量は上記の3倍になります。
■(チアミン硝酸塩)ビタミンB1
ビタミンB1であるチアミン硝酸塩は糖代謝を促す効果があり、疲れを取ったり脳への栄養補給などの効果が期待できます。
ただ、薄毛に直接的な効果は見当たらず、なんで育毛剤であるはずのルグゼバイブに1日180mgものチアミンが入っているのかは謎。
チアミン(ビタミンB1)よりB2やB6を入れてくれよと言いたい。
■パントテン酸カルシウム(ビタミンB5)
エネルギー代謝を促進したり、ビタミンCとの相乗効果でコラーゲンの生成を助けたりといった効果があるパントテン酸(ビタミンB5)。
肌や頭皮の70%がコラーゲンということもありパントテン酸の効果には期待できそうな気もしますが、パントテン酸は様々な食品に含まれており体内で足りなくなることはほとんどないといわれている。
ストレスを軽減する効果もあるとされているので、いわゆる「ストレスハゲ」の解消にも役立つと謳われるが、現実問題ストレスでAGAになることはほとんどないんだよね。(→ストレスでハゲるは嘘 AGAとは無関係)
■サッカロミセス
ビタミンやミネラル、アミノ酸など髪の毛に必要な栄養素を含んでいるとされるサッカロミセスは様々な美容関連商品に使われる成分。
確かにビタミンやミネラル、アミノ酸などは髪の毛にとって絶対に必要なものですが、サッカロミセスにそれがどの程度入っているのか不透明で、1日300mgとかいわれても効果は超未知数。
まあ、なんとなくモヤッと髪の毛に良い(らしい)成分。
■L-シスチン
髪の毛は90%以上をケラチンというタンパク質が占めていますが、そのケラチンは18種のアミノ酸で構成されており、中でもシスチンはケラチンの中でもっとも含有量が多いアミノ酸。
そう聞くと育毛や発毛に役立ちそうな気がするけど、18種の内1種だけを突出して摂取してもあまり意味はない。
しかもシスチンは体内で合成できない必須アミノ酸ではなく、必須アミノ酸であるメチオニンなどから合成されるため、必ずしも必要というわけではありません。
また、髪の主成分ケラチンはグルタミン酸やロイシン、アルギニン酸もかなりの割合を占めているため、シスチンだけではどうしようもない。
■ケラチン
「もうめんどくせぇからケラチンも入れとけ」という発想から配合されている…かどうかはさておき、髪の毛の主成分であるケラチンも配合されています。
ただ、これを経口摂取したからといってそのままケラチンとして使われるわけではなく、ケラチンに限らず摂取されたタンパク質はアミノ酸に分解されるため効果には疑問を抱かずにはいられない。
とはいえケラチンを摂れば構成するアミノ酸をしっかりと摂取することにもなるので、まあ意味はあるのかなと。
■馬プラセンタ
パントガールには入っていないルグゼバイブ独自の成分その1。
胎児を育てる“胎盤”あるプラセンタには成長に必要な多くの栄養素が凝縮されており、キャピキシル育毛剤やハーグ療法で使われる成長因子も豊富に含まれています。
中でも馬プラセンタのアミノ酸含有量は一般的な豚プラセンタに比べ圧倒しており、髪の毛にとってプラスになるのは間違いない。
ルグゼバイブは1日分で2000mgの馬プラセンタが摂取できるというのが魅力のひとつ。この含有量、3,000円以上は当たり前の馬プラセンタサプリよりはるかに多くなっているのです。
正直これだけでパントガールが霞むレベル。
■コロストラム
パントガールには入っていないルグゼバイブ独自の成分その2。
コロストラムは分娩後の牛の初乳を意味し、子供に免疫や抗体を与える上で非常に重要な役割を担っています。
当然ながらアミノ酸や美tマイン、ミネラル、成長因子といった栄養素も豊富なため美容面や健康面において効果があるとされ、アンチエイジング関連の商品にも使われています。
ぶっちゃけサッカロミセスよりよっぽど説得力がある。
ルグゼバイブに発毛効果はあるのか?
うーん、難しい問題ですね。
パントガールであればハッキリと「発毛はほとんど期待できない」と言えるものの、馬プラセンタとコロストラムは美容や健康にとってかなり良い成分であることは間違いなく、そう考えれば髪の毛を生やす効果があっても不思議ではない。
馬プラセンタとコロストラムは胎児や子供の成長に大きく関わるほどの栄養素を持っていることからも、それなりの効果は期待できるのかもしれません。
とはいえ健康食品の部類であるのも確かなので、フィナステリドやミノキシジルといった発毛剤に比べれば発毛効果が弱いのは間違いありませんが、フィナステリドやデュタステリドが使えない女性にとっては大きな助けになるかと。
しかも美容・健康面での効果も十分期待できるしね。
ルグゼバイブは男性にも効果ある?
ルグゼバイブを売っている業者の口コミやレビューを見てみると、90%以上が女性で、たまに存在する男性の意見もほとんどは彼女や奥さんに買ったものになっています。
女性の薄毛はホルモンバランスなども大きく影響しており、遺伝が原因のほとんどを占める男性のAGAに比べれば改善しやすいためルグゼバイブでも十分な効果が出るかもしれませんが、男性にはちょっと厳しいかな。
育毛や健康の補助として飲むのであれば価値は見いだせるものの、これ単品で発毛させるというのは力不足を感じざるを得ません。
男性の場合、やはりフィナステリドやデュタステリド、ミノキシジルが基本であり、これらの発毛剤の副作用リスクがどうしても怖いというのであればルグゼバイブを使ってみてもいいかなー程度でしょうか。
ルグゼバイブの価格 2024年6月更新
男性に対しては力不足ながら女性に対してはそれなりの効果が期待できるルグゼバイブ。価格はいかほどなのでしょうか?
本数 | 価格(税込) | 1本当たりの価格 |
---|---|---|
1本 | 7,700円 | 7,700円 |
2本 | 11,550円 | 5,775円 |
3本 | 15,400円 | 5,133円 |
なかなか高いな。
ただ、パントガールが6,000円以上することを考えるとお得感は十分。なぜなら、ルグゼバイブは2本以上セットで買うと単価がグッと下がり、パントガールより安いという逆転現象が起きるから。
女性が使える発毛剤や育毛剤の中で最も発毛効果が期待できるミノキシジルタブレットであれば、1ヶ月あたり1,000円程度で使用できる一方、副作用の懸念から利用に二の足を踏んでいる人が多いのも確か。
そう考えると、価格はやや高めとはいえ、一定の育毛・発毛効果に加え、馬プラセンタやコロストラムによる美容効果も期待できるルグゼバイブを2本以上セットで買うのがベストバイなのかもしれません。
ルグゼバイブの総評・まとめ
基本的に私は育毛サプリメント系に否定的で、育毛サプリメントの項目ではかなり厳しいことを書いています。
一方でルグゼバイブは日本のサプリメントとは違い、それぞれの成分において十分な含有量を確保し、しかもそれをしっかり明記しているため効果を想像しやすい点は十分評価できる。
それでもパントガールには否定的にならざるを得ないが、ルグゼバイブに関しては相当な含有量を誇る馬プラセンタとコロストラムは魅力。美容にも気を使う女性に対しおすすめする価値は十分あります。
ただ、男性の薄毛に対してはやはり力不足と感じざるを得ず、そこは素直に発毛剤を使っておけと言いたい。「俺、肌とかにも超気を使ってるんだよね」という男性であれば、使ってみてもいいかもしれないが。
ミノキシジルを使うことに抵抗がある女性にとって、ルグゼバイブは十分第一選択になり得るのではないでしょうか。
また、ルグゼバイブはどちらかというと育毛サプリメントの括りであるため、どうしても髪の毛を生やしたい人はミノキシジルとの併用も可能というのも大きなメリット。
1本だけ買うとちょっと価格が高いのは玉に瑕ですが、2~3本同時に購入すれば下手な育毛剤や育毛サプリメントより安いのも魅力のひとつです。
【追記】フォリックス ルグゼバイブに商品名変更
以前まで「ドクターゼロ」のブランドから販売されていたルグゼバイブですが、2018年5月より「フォリックス」のブランドに移行し、名前も「フォリックス ルグゼバイブ」に変更になっています。
併せてパッケージや容器のデザインも変更になっております。「あれ、なんか違う」と感じた方もいらっしゃるかもしれませんが、価格や内容は従来から変わっていないので安心してください。
なぜブランドが変わったかは不明。ドクターゼロが無くなったわけではないし…もしかしたらドクターゼロとフォリックスは関連会社なのかな?
ちなみにこのフォリックスは、高濃度のミノキシジル外用薬を販売することでも知られるアメリカ企業のブランドで、薄毛に悩む男性から支持を集めています。
女性用としても、ミノキシジル2%に加え2017年に日本で一定の発毛効果が認められたアデノシンなども配合したフォリックスFR02を販売しています。
大正製薬の女性用リアップであるリジェンヌより高いミノキシジル濃度に様々な成分、そして価格はリアップリジェンヌより安く、女性の外用発毛剤としては最もおすすめできる商品。
薄毛に悩む女性はルグゼバイブ共々検討してみてはいかがでしょうか。
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