育毛剤がネット上で絶賛される理由
徐々に進行しつつある薄毛をどうにかしようと「何か良い対策や商品はないかな？」とネットで調べると、特定の育毛剤をやたらと絶賛している記事やサイトを目にします。チャップアップとかフィンジアとかイクオスとか。
それは「目にする」というレベルではなく、大量発生と言っても過言ではない。そしてその内容はほぼ100％好意的な記事であるはず。
「〇〇は効かない！？」なんてネガティブかつキャッチ―な雰囲気のタイトルを付け、薄毛に悩みを持つ人やより良い育毛剤を探している人の興味を引きつつ、最終的にはその育毛剤をおすすめする始末。
私が運営する育毛関連サイトも同様で、多少のデメリットや悪い点を指摘しながらも最終的にはメリットを強調し「使ってみても損はない」「とりあえず試してみては」といったように締めくくり商品をアピールします。
それはなぜなのか？
育毛関連商品のアフィリエイト報酬は驚くほど高い
ネット上で育毛剤など育毛関連商品が絶賛されている理由はたった1つ。
アフィリエイト報酬が高いから。
本当にただこれだけなんです。
ご存じない方もいらっしゃると思いますのでアフィリエイトについて簡単に説明しておきましょう。
アフィリエイトとは訪問者が自分のサイトやブログに貼った商品リンクをクリックし、当該商品が購入されると報酬が貰えるシステムのこと。中にはこれで数百万円、数千万円を稼ぎ出すスーパーアフィリエイターもいるほど。
ネット上で馬鹿みたいに絶賛されている育毛剤チャップアップやイクオスの報酬は、1本売っただけで最低5,000円とアフィリエイトの中でも高額な部類に入るため、みんながこぞって提灯記事を書き、結果ネット上に絶賛する声が溢れるのです。
…というか、5,000円というのは力のないアフィリエイターに対する素の報酬であって、ある程度アクセスを集められるサイトになると特別単価（特単）が適用、1本売って1～2万円はザラです。
つまり、こういった育毛剤がおすすめされる理由は、育毛剤の質が高いのではなく報酬が高いからということになります。
中でも特に報酬が高いのは以下の2つ。
- チャップアップ
- フィンジア
この2つの育毛剤は特単で2万円前後の報酬が設定されていることが多いため、どの育毛サイトでも積極的にプッシュされています。実際に色々なサイトを見て回った人は心当たりがあるのではないでしょうか。
その他、イクオスEXプラスやペルソナ育毛剤、BOSTONスカルプエッセンス、THE SCALP5.0C、ランブットなども特単で1万円以上の報酬が見込める商品。
こういった育毛剤を絶賛するサイトや記事を目にしても鵜呑みにしないよう気を付けるようにしてください。
■育毛剤の効果が高いから評価されているのでは決してない
なぜネガティブな意見がほとんど無いのか
育毛剤関連の報酬が高いから褒め称えるものが多いのは頷けると思いますが、実際の育毛剤に効果がないならもうちょっと批判的な記事があっても良いような気がしますよね。
批判した記事でもその商品の広告を貼れば一定の成果が望めるといわれますし、他のサイトと違うことを書けば注目を集められるはず。
そういったことが期待できるにもかかわらず批判的な記事はほとんどないのが実情。その理由は報酬が高いことに加え、あまりネガティブなことを書くと報酬が却下される可能性が高くなることも大きい。
育毛剤メーカーのブランドイメージを守るために「効かない」「効果がない」といったネガティブな文言が含まれるタイトルの記事から発生した報酬は却下する、提携解除もありうると明記している場合もあり、アフィリエイターは下手なことが書けないのです。
また私たちのようなアフィリエイターは様々なSEO（検索エンジン対策）を施し検索で上位に表示される工夫を行っているというのも理由のひとつ。
実際に当該育毛剤を使って効果のなさを実感し、それをありのままを書いた一般消費者のブログなどがあったとしても、SEOを行っていないがためにグーグルからの評価が低く、結果検索で下の方に追いやられているという面も無視できません。
もしネガティブな記事が見つかったとしても、別の育毛剤に誘導するためのものがほとんど。報酬の安い商品を乏しめ、報酬の高い商品にすり替える手法が目立ちます。
一見して育毛剤に否定的なサイトでも、よく見れば結局は育毛剤を売ることに繋がっている場合がほとんどのはず。
また、最近はタイトルだけネガティブなワードを盛り込むことで検索上位に表示させる手法が広がってきています。批判記事かと期待して読むと、結局おすすめしてくるやつです。
そういった記事やサイトには騙されないようにしてください。
■一般人の評価を書いたブログなどは検索結果に下位に追いやられている
■ネガティブな記事だと思ったら別の育毛剤に誘導している
ネット上の育毛剤の評価を信じるな
世界中で発毛効果が認められ、日本においても厚生労働省から「新たな髪が生える」と認定されている成分はフィナステリドとデュタステリド、ミノキシジルの3つしか存在せず、これらを使ったものを「発毛剤」と呼びます。もちろん医薬品。
一方、ネット上で絶賛されているチャップアップやイクオスなど医薬部外品の育毛剤はそれらの成分を使うことができません。今ある髪を維持する育毛効果があるとされる保湿成分や抗炎症作用のある成分を詰め込んだものに過ぎません。
しかも、発毛剤と異なりそれら成分がどの程度頭皮に吸収されるかもわからない。それどころか、一つひとつの成分含有量すら不明。それでまともに効果が出ると考える方が不自然です。
男性の薄毛の原因のほとんどは、遺伝による男性ホルモンの作用でハゲてしまう男性型脱毛症（AGA）。いわば体に刻まれたもの。保湿成分や抗炎症作用がある成分ごときを頭皮に塗った程度で抗えるはずがありません。
ネット上に溢れる育毛剤絶賛の記事やサイトは、ほとんどすべてが高額報酬を目的に書いている嘘。そういった情報に騙されずAGAに対して本当に効果があるものを選択するようにしてください。
信用できる育毛サイトの見極め方
薄毛や育毛・発毛に関してことを書いているサイトは星の数ほど存在しますが、良し悪しを見極めるにはどういった点に気を付けるべきなのか？
重要な点は以下の2つ。
- 一貫して育毛剤をおすすめしていない
- 発毛剤のリスクを正確に記述したうえで使用を推奨している
AGAを含めどんな治療薬においても、医師などのプロは「エビデンス（科学的根拠）」を背景に、効果や副作用を考慮しながら患者に合ったものを処方します。
その科学的根拠を導き出すのは、医薬品を承認するにあたって行われる大規模な臨床試験（治験）による信頼性の高いデータです。
最低でも数百人単位の被験者を対象に、プラセボ（偽薬）などを用いて対象の薬と効果や副作用を比較するもので、被験者はもちろん、携わる医師やスタッフにすらどの被験者がどの薬を使ったか分からない状態で行う「二重盲検試験」を採用するのが一般的。
このような厳格な試験データに基づき、多くの国において発毛剤として承認されているのはフィナステリドとミノキシジルのみ。デュタステリドは現状日本と韓国のみの承認ですが、今後増えていくと予想されます。
発毛剤はデータで裏付けされた確かな効果が期待できる一方、副作用などの安全性の検証もしっかりと行われており、どういった副作用がどの程度の頻度で発現するか…といった詳細なデータが揃っています。
効果などのメリットはもちろん、デメリットである副作用のことまでしっかりと説明しているサイトこそが信用に値するサイトと言っていいでしょう。
一方、チャップアップやフィンジア、イクオスといった育毛剤には一切の科学的根拠がありません。それは効果のみならず副作用も同様。
そのためまともな医師や専門家であればまずおすすめすることはありません。だって胡散臭い民間医療以下の、企業が薄毛に悩む人を食い物にするための商品なのですから。
信用できるサイトの見分け方、それは科学的根拠がない育毛剤を勧めるようなことはせず、発毛剤のメリットデメリットをしっかりと説明しているサイトです。
育毛剤を猛プッシュしているサイトばかりが目立つと思いますが、上記に気を付ければおのずと信用できるサイト・信用できないサイトが見えるようになってくることでしょう。
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