発毛剤や育毛剤は一生使い続けるべき?

発毛剤は一生使う?

私達ハゲにとって救世主ともいえるフィナステリドやデュタステリドといった発毛剤。これらの使用により髪の毛が増え、前向きになれたという人も多いことでしょう。しかしここでひとつ疑問が。

これ、いつまで使えばいいの?

フィナステリドに続きデュタステリドの登場で、髪の毛が生え薄毛が改善する可能性が高まったのは間違いない。ただ、薬の効果で髪の毛が生えた後は使用を中止してもいいのか迷うところですよね。

発毛剤や育毛剤を使用している人は必ず直面する問題にもかかわらず、販売するメーカーがこれについて語ることは少なく、「いつまで使い続ければいいのだろう」という、漠然とした不安を抱いている人も多いのではないでしょうか。

これは発毛剤のみならず、育毛剤やスカルプシャンプーにも当てはまる問題。「〇〇歳まで続ける」「1年経って効果が見えなければやめる」など、ゴールに対するある程度のビジョンを持っていたほうがいいのかもしれません。

あまり語られない発毛剤の“出口”について深掘りしてみましょう。

発毛剤で生えた髪は服用を止めても維持される?

発毛剤で生えた髪はやめても維持される?

まず、「発毛剤などの使用をどのタイミングでやめるか」の問題に触れる前に、ハッキリさせておかなければならないのが、「発毛剤で髪が生えたとして、使用を止めたらどうなるのか?」という点でしょう。

結論から言えば、発毛剤の効果で生えた髪の毛はすべて抜け落ちます

プロペシアやザガーロに代表されるフィナステリドやデュタステリドは、薄毛の原因となるジヒドロテストステロン(DHT)の生成を強力に抑制することから、一見根本的な治療のように感じるかもしれませんが、それは薬を飲んでいる間だけ。

これはミノキシジルの外用薬や内服薬も同様で、発毛効果が現れ、かつそれが持続、維持されるのは使用している期間のみなのです。

発毛は進化しているとはいえ、今のところ対症療法でしかないのが実情。

もう少し厳しい事を書くと、厳密には「使用を中止したら元に戻る」ではなく、「使用を中止したら発毛剤で生えた髪がすべて抜けるうえ、本来なら進行していたであろう状態になる」という恐ろしい状況に。

発毛剤の効果が大きければ大きいほど落差は激しく、「発毛剤でフサフサになったー!」と油断して使用を中止するとすさまじい勢いで髪の毛が抜けることに。

薄毛に男性型脱毛症(AGA)以外の理由が隠れていたとするなら、その原因を取り除くことでの改善も加味されますからこの限りではないものの、AGAは男性の薄毛の9割を占めますから、その可能性は低いと見ておくべきでしょう。

発毛剤や育毛剤の効果は使っている間だけ」というのを肝に銘じておかなければなりません。

一生使い続けた場合の弊害

上記の理由から、フィナステリドやデュタステリドといった発毛剤の効果によって新たに生えた髪の毛を維持するためには、これら発毛剤を半永久的に使用し続けなければならないことになります。

しかしそれにはいくつかの弊害やリスクがあります。

■副作用のリスク

発毛剤を使い続けた際の副作用リスクが怖い

フィナステリドやデュタステリド、ミノキシジルといった発毛剤は、その強力な作用ゆえ副作用のリスクがあります。

代表的なものでは、フィナステリドやデュタステリドの「性欲減退」や「勃起障害」などの性機能障害。

AGAの原因であるDHTは、加齢によって減少する男性ホルモン「テストステロン」を補う形で増加してくるという説もあり、そのDHTの生成を抑制する行為は、性欲など男性の性に対する欲求を低下させる恐れがあるのです。

一方、ミノキシジルは外用薬であれば副作用のリスクは、仮に出た年てもせいぜい頭皮のかゆみや炎症程度。しかし効果の面では内服系の発毛剤に比べ弱い傾向にあります。

ただし、より効果が大きいミノキシジルタブレット(内服薬)になると、「低血圧」「めまい」といったものが出る可能性も。

ミノキシジルは本来血管を広げて血圧を下げる薬なので、血圧に問題がない人が服用するとこういった副作用が出てくることがあるのです。

発毛剤を長期間にわたって使い続けるとなると、これらの副作用とも付き合っていく必要が出てくるかもしれません。

ただ、基本的に薬の副作用というのは長く使い続けると徐々に軽減されていくという特徴があります。年単位で使用していれば体が順応し副作用を感じなくなるケースがほとんど。

プロペシアの長期副作用

上記はプロペシアの臨床試験時の副作用発現率をデータ化したもので、1年目に比べて2~3年目の副作用発現率が大きく下がっていることが見て取れると思います。

一方で効果が出た人の割合は1年目より2年目、2年目より3年目のほうが増加しているというデータが出ていることから、効果は維持しつつも副作用に対しては体に耐性が付くことが伺えます。

また、発毛剤としてフィナステリドは1mg、ミノキシジルタブレットは5mg、10mgが一般的ですが、本来の目的である前立腺肥大症の治療薬としてのフィナステリドは5mgが、血管拡張薬としてのミノキシジルは50~100mgが上限。

つまり、これらは発毛剤として使用される場合、本来の目的に比べ5分の1~10分の1の成分量に留めているのです。当然ながら副作用の程度も軽いと見ていいでしょう。

副作用のリスクがなくなるわけではないものの、長期服用でも強い懸念を示すほどではないのかもしれません。

■金銭的な負担

発毛剤を長期に使い続けた場合の費用

発毛剤を半永久的に使うとなると、当然金銭的な負担も増えることになります。

日本の正規品で考えると、プロペシアが1ヶ月約7,000円、ザガーロが10,000円、リアップX5プラスネオが7,500円として、定番のプロペシア+リアップを10年間続けると…

■14,500円×12ヶ月×10年=1,740,000円

174万円…それを20年30年と考えると恐ろしい額の出費になってしまいます。

一方、個人輸入で定番の組み合わせとなるフィンペシア+ミノキシジルタブレット10mgだと、100錠ずつ入ったものがセットで5,500円くらいなので、1ヶ月換算で約1,700円。となると…

■1,700円×12ヶ月×10年=204,000円

こちらでは10年間で約20万円とかなり現実的な額となるうえ、外用薬のリアップより効果が大きいミノキシジル内服薬なので発毛効果もより期待できる。

副作用のリスクを排除しきれないミノキシジルタブレットではなく、リアップX5プラスネオと同じミノキシジル5%の外用薬カークランドとフィンペシアの組み合わせでは、1ヶ月2,600円くらいなので、10年間での額は約31万円

日本製の発毛剤だと長期間使用でかなりの出費になりますが、海外製のジェネリックであればかなり抑えられます。

「日本製や病院で処方される正規品以外使いたくない」というこだわりがあるなら仕方ないでしょう。しかし特にそういったこだわりがないようでしたら、海外製の安いジェネリック医薬品を上手に活用したいところ。

■買ったり飲んだり塗ったりが面倒くさい

発毛剤を飲んだり買ったりが面倒くさい

発毛剤の使用には、副作用や金銭面での負担といった分かりやすいマイナス面以外にも、“手間”という目に見えないデメリットが存在します。

AGAクリニックや皮膚科を受診するのであれば、その時間的損失、毎日服用したり頭皮に塗布したりする手間、個人輸入での購入では、サイトにアクセスし購入する手間などがそれにあたります。

本来であれば何らかの持病を持っている人が、必要に迫られて仕方なく行うそれら手間を、薄毛というだけで健康な人が何年も何十年も行っていく必要があるのです。

とはいえ、個人的には男としての魅力を大きく損ねてしまう薄毛が、その程度の手間で改善するならまったく問題にならないと感じています。

薄毛になってしまったばかりに人生が大きく狂ってしまった人は枚挙にいとまがありませんからね。それに比べりゃ通院や購入、服用、塗布の手間などかわいいもの。

ただ、これら手間などないに越したことはないのも事実。

発毛剤の使用を中止することでこういった手間から解放されることは、間違いなくメリットと言えるでしょう。

発毛剤をやめる良いタイミングとは?

これまで発毛剤を半永久的に使い続ける前提で書いてきましたが、こればかりは各々の判断なので、「もういいかな」と感じた時がやめ時なのではないでしょうか。

ただ、その“やめ時”の判断が本当に難しい。

発毛剤の使用をやめたいと感じている場合、どういったタイミングがベストなのか、一例を紹介しましょう。

■結婚・出産を機に

結婚・出産を機に発毛剤をやめる

発毛剤を使って髪の毛生やしてパートナーを見つけ、結婚・出産までこぎつければこっちのもの…という、ややゲス感漂う考え方。

パートナー的には、結婚や出産に至る頃にはこちらに対する多大な情が生まれているでしょうし、性格など内面の魅力も十分伝わっているでしょうから、今更ハゲても問題はないかと。

事前に発毛剤の使用をカミングアウトしておけば、なおやめやすくなるでしょう。

使用をひた隠しにしていたとしたら…素直に打ち明けた上で「発毛剤の使用をやめたいと思ってる」と持ち掛けるのが筋か。

一方、発毛剤を使っていたことを知られたくない場合、発毛剤の使用中止による急激な薄毛化に対し「一気にキちゃったガッハッハ」で押し通すという力技も。あくまでも自然なハゲを装うのだ。

結婚しちまえばこっちものですよ。

■服装・見た目に無頓着になったと感じた時

見た目や服装に気を使わなくなったら発毛剤のやめ時

20代30代の頃は髪の毛に対し執着や未練を強く感じるものですが、40代を超えてくると体型が崩れてきますし、顔にしわやシミが増えてくるなど明らかに老化を感じるようになり、見た目や服装に対しても無頓着になる傾向が。

「楽な服装が一番」「服や安いもので十分」と感じようになるなど、服に興味がなくなった、見た目を気にしなくなったと感じたら、まさにそこが発毛剤のやめ時。

はっきり言って、服装や見た目を気にしなくなった40代以降のおっさんなど、ハゲてようがハゲていなかろうが五十歩百歩。世間に数多存在する“ただの中年おやじ”です。モブキャラです。空気です。

40代50代になっても見た目や服装に気を使っているようであれば、発毛剤の使用中止は躊躇うところ。しかし、見た目を気にしなくなったのであれば、もはや髪の毛にこだわる意味はないでしょう。

40歳・50歳など区切りの年齢でやめる

区切りの年齢で発毛剤をやめる

「発毛剤の効果を持続させるためには半永久的に使用する必要がある」とはいっても、70歳80歳になっても使い続けるというのは現実的ではありません。

であるなら、人生の先が見えてくる年齢でスパッとやめてしまうのもひとつの手。

例えば、40歳50歳にもなると、大半の人において結婚をするかどうかがはっきりしてきますし、仕事も安定した時期を迎え、良くも悪くも先が見えてきます。

そんな状況において、髪の毛の有無が人生に影響を与える可能性はほとんどなくなるといっていいでしょう。

また、40歳を過ぎてくると周囲に同年代のハゲが増えてくることもあり、薄毛を受け入れやすい心理や環境ができあがってきます。そういったタイミングこそ発毛剤をやめる絶好の機会なのではないでしょうか。

発毛剤の上手なやめ方の例

発毛剤の使用をやめる場合、スパッと中止してもいいですが、やめた後の豪快な抜けっぷりは精神衛生上あまりよろしくないのも確か。ではどういったやめ方をすると抜け毛のショックを和らげることができるのか?

ここでは、上手なやめ方のパターンをいくつか挙げてみましょう。

■少しずつ量を減らす

発毛剤を徐々に減薬して最終的にやめる

発毛剤の使用をいきなりストップしてしまうと、当然ながら一気に髪の毛が抜け落ちてしまうことになるので、ある程度年齢を重ね「そろそろもういいかな」と感じた際は、徐々に使用する量を減らしていくのがおすすめ。

毎日フィナステリド1mgを飲んでいるのであれば、ピルカッターなどで半分にして1かけら(0.5mg)にしたり、1日おきに飲むようにしたりといった方法です。

1年間かけて2日に1錠、3日に1錠と減らしていけば、薄毛の進行も緩やかなものになりますので、心の準備ができるのではないでしょうか。

■発毛剤をやめるのを機に坊主・スキンヘッド

発毛剤をやめるのと同時にスキンヘッドや坊主に

発毛に対する情熱が失せ色々と面倒くさくなった場合は、発毛剤の使用中止と同時に短めの坊主やスキンヘッドにしてしまうのも手。

これであれば髪の毛が一気に抜けるショックを回避できますし、今後髪形に悩む必要がないというメリットも。ある意味最良の選択と思える。

ただし、坊主やスキンヘッドは職種を選ぶというデメリットもあり、万人におすすめできないのは残念なところ。

■短髪にする

発毛剤をやめたら短髪に

状況的に坊主やスキンヘッドが無理な場合、可能な限り髪の毛を短くすることで、抜け毛の多さを目の当たりにするショックを軽減することができますし、薄毛部分の悪目立ちも防ぐことができます。

また、ハゲなのに中途半端な髪の毛の長さだと、女性から「気持ち悪い」「潔くない」と思われがちなので、それを回避できるというメリットも。

将来の根本的発毛治療への繋ぎという考え方も

発毛剤使用は将来の発毛技術への繋ぎ

現在世界中で使われている発毛剤は、使用をやめてしまうとこれまで薬の効果で生えてきた髪の毛が抜け落ちてしまうという大きなデメリットがあります。

しかし、それはあくまでも「現在の医学では」の話であり、今後根本的な治療につながる技術が出てくる可能性は大いにあります。

そういった将来的な発毛の進歩を見据えた場合、発毛剤を使用し続けることで髪の毛や毛根を維持させ、今後確立されるかもしれない治療に賭ける…という考え方もあるのではないでしょうか。

発毛剤を将来的な治療までの“繋ぎ”と位置付けるのです。

今はまだ出口の見えない発毛剤も、いずれは根本的な治療が確立され正真正銘発毛剤を止められる時が来るのではないか…という望みは捨てきれない。

ハゲを受け入れ、コンプレックスを克服することができるなら、それに越したことはないのかもしれませんけどね。

発毛剤が救世主であることに変わりはない

発毛剤は確かに対症療法であり、根本的な解決にはなりません。

だからといって、感情的、世間的に薄毛が受け入れられるかといえば決してそうではなく、AGAを発症する年齢が若ければ若いほどその傾向は強まります。

恋愛面、仕事面、対人関係において髪の毛があるに越したことはなく、薄毛であるがゆえに人生が大きく狂ってしまうことも多々あるのです。

それは裏を返せば、発毛剤の効果で髪の毛が生えることによって、人生が上向く可能性も十分考えられることを意味します。

普通の人のように恋愛を楽しみ、結婚し、気兼ねなく人と付き合う…そういった何気ない人生すら送れなくなる可能性がある薄毛に対し、薬を使用している期間だけでも髪の毛が生えることがどれだけありがたいことか。

使っている時だけにしか効果がない」とネガティブに考えるのではなく、「普通の人生をもたらしてくれるもの」とポジティブに考えれば、発毛剤を否定する気にはならないはず。

若いうち、自分の薄毛に納得できないうちは発毛剤を使用し、自分の中でその役目を終えたと確信した時に使用を止めればいいのです。

ただ、発毛剤の使用が様々な負担を強いるのも事実。70歳80歳になっても発毛剤を使い続ける…というのはさすがに現実的ではありません。多くの場合、いずれ発毛剤をやめざるを得ないタイミングが訪れることでしょう。

可能な限り使い続けるのもひとつの選択肢ではあるものの、それは一生涯にわたってハゲに囚われる付けることを意味します。そんな茨の道を歩むより、ハゲを受け入れたほうが楽なのは間違いありません。

漠然とでも、自分の中で区切りとなるタイミングを想定してみてはいかがでしょうか。仮にそこで踏ん切りが付かず、結局やめられなかったとしても、それはそれで構わないわけですし。

発毛剤はあくまでも人生を豊かにしてくれる可能性があるツールのひとつ。上手に活用しつつも、髪の毛に囚われ過ぎない人生を歩みたいものです。

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