副作用がない育毛剤は効果もない

副作用のない育毛剤には効果もない

フィナステリドやデュタステリド、ミノキシジルといった発毛剤は高い発毛効果が見込める一方で、副作用の存在も無視できませんよね。これによって発毛剤の使用を躊躇している人も多いのではないでしょうか。

そんな発毛剤に対し育毛剤は副作用がないことが大きな売りのひとつとなっており、「発毛剤のような副作用の心配がない!」という聞こえの良い文言を用い売り込んでいるケースが散見されます。

確かに育毛剤には副作用の心配がほとんどありません。しかしそれには2つのカラクリが。それを知れば育毛剤に副作用がないことはメリットではなく、むしろデメリットにすらなりかねないことが分かってくるはずです。

では育毛剤と副作用の関係について見ていきましょう。

外用薬には副作用の心配はほとんどない

外用薬に副作用はほとんどない

市販の育毛剤というのは頭皮に直接塗布する外用剤がほとんどですよね。そしてこれらは発毛剤に比べ副作用の心配がほとんどないことを売りのひとつにしているのは前述の通り。

しかし実はこれ、比較対象がそもそもおかしいのです。

というのも、副作用の心配がある発毛剤はプロペシアに代表されるフィナステリド内服薬やザガーロなどのデュタステリド内服薬、そして最強の発毛剤と名高いミノキシジルタブレットで、これらはすべて「内服薬」なのです。

育毛剤のような医薬部外品の外用薬と、元々は別の病気の治療薬だったという経緯を持つ内服薬の発毛剤を比べること自体フェアではありません。

一方、外用薬の発毛剤といえば日本ではリアップX5プラスネオやメディカルミノキ5、海外製のものであればロゲインやカークランド、フォリックスのようなミノキシジル外用薬が挙げられます。

実はこれら外用薬は発毛剤とはいえ重篤な副作用の心配はほとんどなく、仮に何らかの有害事象が起きたとしても、せいぜい頭皮のかゆみやかぶれ、炎症程度。市販の育毛剤とほとんど変わらないレベルなのです。

ちなみに、市販の医薬部外品の育毛剤といえど、エタノールやフェノキシエタノールなどの防腐剤を使っている以上、かゆみや炎症といった副作用が起きる可能性は完全に排除できません。

つまり、発毛剤とはいえミノキシジル外用薬であれば、副作用のリスクは育毛剤とそこまで大きく変わらないのです。まあ、ミノキシジル自体に刺激性があるので、育毛剤に比べれば頭皮に何らかの異常が出る可能性が高いのも事実ですけどね。

プロペシアやミノキシジルタブレットといった内服薬の発毛剤の副作用をあたかもすべての発毛剤に当てはまるかのように不安を煽り、育毛剤の副作用の無さをアピールする…なんとも汚いやり方ですよね。

■発毛剤で副作用の恐れがあるのは内服薬がほとんど
■発毛剤といえど外用薬であれば副作用リスクは低い

育毛剤は効果がないから副作用もない

育毛剤には硬化も副作用もない

発毛剤でも外用薬であれば副作用の心配は少ないものの、外用薬に使われるミノキシジルは元々が血管拡張剤であるため、外用薬といえどめまいや血圧低下などの副作用が“100%出ない”とは言い切れません。

しかしそれは医薬品として当たり前のこと。どんな良薬でも高い効果の裏に、必ず何らかの副作用が存在するのは薬学の常識です。ただ、副作用がどの程度出るかは個人差や薬の性質が大きく関わってきますが。

一方の育毛剤はどうでしょう?

育毛剤はメーカーも謳うように目立った副作用は存在せず、何かしらの症状が出るとしても頭皮に合わないことによるかぶれやかゆみ程度。しかし副作用が無いのに高い育毛効果や発毛促進効果があることなど考えられるのでしょうか?

もちろん考えられません。

西洋医学の薬と違いはっきりとした分かりやすい効果はないが、じっくりと効果が現れ比較的安全なイメージがある漢方薬ですら必ず副作用が存在するのですから、育毛剤に高い効果があるのであれば相応の副作用がなければ説明が付きません。

つまり、育毛剤には大した効果がないため副作用もない…ということになります。

育毛剤の成分のほとんどは化粧品と同じ

育毛剤と女性用化粧品は大差ない

とはいえ育毛剤は医薬部外品というカテゴリこともあり、それなりの効果が望めそうな気がしますよね。場合によっては「初期脱毛の可能性がある」なんて副作用的な文言を用いている場合もありますしね。

育毛剤に対し「何か髪の毛を生やす特別な成分を使っている」と思っている人って多いのではないでしょうか。やれM-034だ~、アルガス-3だ~、ジンゲル6~だと、様々な育毛剤があたかも特別な成分を配合しているように謳っていますからね。

そういった“特別な成分”であれば、しっかりした発毛効果と、それに対する副作用がありそうな気がします。

しかし、メーカーがそれっぽい名前を付けたこれら成分、まったく特別ではないんです。M-034やアルガス-3はただの海藻エキスだし、ジンゲル6はショウキョウエキス(ショウガエキス)。女性用の化粧品にもよく使われる凡庸成分なのです。

それ以外に育毛剤の成分としてよく見かけるグリチルリチン酸やニンジンエキス、センブリエキス、ビワ葉エキスなどなど、ほとんどは化粧品でもよく使用される成分。それで毛が生えたら女性の顔はムダ毛ボーボーだよ。

そんなただの化粧品成分に副作用なんてあるわけないですよね。何らかの成分にアレルギーを持っている人であれば皮膚に異常が出るかもしれませんが。

だから育毛剤は副作用を気にせず使っていただけます。ただし、薄毛やハゲを改善させる効果は一切期待できないけどね。

■医薬品などは強い効果があるほど副作用も強くなる
■副作用がない育毛剤は効果がないことの裏返し

副作用の仕組みを知ろう

副作用の仕組み

私がなぜここまで副作用にこだわるのか?副作用などないに越したことはありませんが、これがなければ高い発毛効果が望めないからです。

そして副作用がない育毛剤に効果が望めないことについては、副作用の仕組みを知ることで理解できると思います。

発毛剤の副作用の仕組み

発毛剤の副作用の仕組み

発毛剤の中でも最も実績があるものとしてフィナステリドが挙げられます。プロペシアやフィンペシアに代表される成分ですね。

私たちが悩まされている男性型脱毛症(AGA)は、代表的な男性ホルモンであるテストステロンと5αリダクターゼという酵素が結びついて生成されるジヒドロテストステロン(DHT)が原因で引き起こされます。

そしてフィナステリドは5αリダクターゼの働きを阻害することでDHTの生成を抑制させ、薄毛の改善をもたらす薬。つまりAGAの原因物質に直接働きかけることになります。

しかし、DHTというのはAGAの原因物質である一方で性欲や生殖器の成長に欠かせない男性ホルモンでもあるのです。これを抑制してしまうという性質上、性欲減退や勃起障害といった副作用が起きるのです。

ちなみにデュタステリドも同様のメカニズムを持つ発毛剤です。

「あちらを立てればこちらが立たぬ」ということわざがあるように、薬によって何らかの作用を得ればその揺り返しがあるのは当然のこと。

ミノキシジル外用薬にしても同様。外用剤であるため血管拡張剤としてのネガティブな部分はかなり薄まっているものの、頭皮に一定の刺激はありますし、強い発毛作用による初期脱毛の可能性もあります。

では育毛剤は?

エタノールの刺激は完全に無視できないものの、成分による副作用は皆無。発毛効果など存在しないため初期脱毛のリスクもありません。

フィナステリドと同じ作用があるとされるノコギリヤシなどが配合された育毛サプリメントも同様。フィナステリドと同じく5αリダクターゼ阻害作用があるのに性機能障害といった副作用が存在しないなんて虫がいい話はない。

それでも副作用がない育毛剤のほうがいいと感じますか?

「副作用の心配がない」は売り文句ではない

育毛剤は副作用がないことを売りのひとつにしており、多くの育毛サイトでも「副作用のある発毛剤より育毛剤のほうが良い」といった紹介をしますが、よくよく考えればそれは本末転倒であることが分かるはずです。

「副作用のない育毛剤を使おう」は「効果のない育毛剤を使おう」と同義なのですから。

例えば2015年に日本で正式に認可された第3の発毛成分「デュタステリド」はフィナステリドの効果をさらにパワーアップさせたもので発毛効果は1.5倍とされていますが、副作用面でもフィナステリドより強い傾向にあることでも知られています。

そう、最新の発毛剤ですら効果と副作用は比例してしまうのです。

発毛剤には確かに副作用のリスクは存在するものの、それは効果があることの裏返しでもあります。高いお金を出してどちらも存在しない育毛剤を使うなど愚の骨頂と言わざるを得ません。

髪の毛を生やしたいから育毛剤や発毛剤を使うのであって、いくら副作用がないとはいえ発毛効果もないのであれば本末転倒なのではないでしょうか。

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