女性の薄毛原因も遺伝なの?

女性の薄毛は遺伝?

近年は女性が積極的に社会進出し、それに伴い女性の薄毛が非常に増えています。

男性の薄毛であれば原因の多くは遺伝や体質にあるため、治療は一筋縄ではいかないものの「すべきこと」は単純明快である場合が多いのに対し、女性の薄毛は様々な要因が絡むため特定が難しいというのが実情です。

男性のように遺伝によるものである場合も考えられるものの、後述しますが女性の薄毛は劣性遺伝であるため遺伝による薄毛の可能性は低くなります。

かといって「遺伝ではない」と言い切れるわけではありません。そのあたりを詳しく見ていきましょう。

女性の薄毛は劣性遺伝(潜性遺伝)

薄毛の代表ともいえる男性型脱毛症(AGA)の場合は伴性劣性遺伝というやや特殊な遺伝によって男児に伝わります。

それは主に母方から受け継ぐX染色体にハゲの遺伝子があった場合薄毛になる可能性が高まるとあって、男性のハゲのほとんどは遺伝やそれに伴う体質によるもの。

一方の女性の薄毛は劣性遺伝で伝わるため頻度はそれほど多くありません。

というのも、薄毛になるかどうかを決めるのはX染色体が大きな役割を担っているから。男性の場合X染色体を1つしか持っていないため、そこにハゲの遺伝子があるかどうかが運命の分かれ目になります。

しかし女性の場合は母親と父親からX染色体を1つずつ受け継ぐ…つまり2つのX染色体を持っています。AGAはX染色体が2つある場合は両方にハゲの遺伝子がないと発現しない伴性劣性遺伝とされることから、女性が遺伝で薄毛になる可能性は男性に比べグッと低くなるのです。

女性の薄毛は劣性遺伝

劣性遺伝での薄毛は両親が共に薄毛の遺伝子(染色体)を持っていて、かつそれを両方受け継いだ場合に限り、単純計算では両親が遺伝を保有している場合で25%、片親だけの場合は0%となります。

そのため女性の薄毛が遺伝である可能性は低く、また遺伝で伝わるものは男性ホルモンであるテストステロンを薄毛の原因となる「ジヒドロテストステロン(DHT)」にしてしまう5αリダクターゼの分泌量とDHTの感受性なので、もともと男性ホルモンが少ない女性というのは仮に遺伝しても影響は軽微とされます。

■女性は薄毛は劣性遺伝で伝わるため確率的には低い
■仮に遺伝してもテストステロンの少ない女性への影響は大きくない

女性の薄毛もDHTが原因?

しかし現実的に女性の薄毛は確実に増えており、40代以降になると薄毛を気にする女性は男性より多くなるというデータもあるほど。であるなら、遺伝とは関係ないところに薄毛の原因があると考えるのが自然ですよね。

そう、女性の薄毛は遺伝ではない…しかしこれ、半分は正解であるものの、半分は間違いでもあるのです。

女性の薄毛はエストロゲン減少が要因

女性ホルモンであるエストロゲンという物質をご存知ですか?美容にも重要な役割を果たすことから、ほとんどの女性は知っているのではないでしょうか。

このエストロゲン、女性らしい体や瑞々しい肌を作りだすうえで重要なホルモンであり、美しい髪の毛を維持するうえでも非常に重要な役割を果たしています。

女性らしい艶やかで美しい髪の毛はエストロゲンがあるからこそなのです。

しかし、女性ホルモンの分泌というのは様々な要因によって左右され、繊細な女性らしくちょっとしたことでホルモンバランスが崩れてしまうもの。

ホルモンバランスを崩すものとして挙げられる代表的なものといえば…

  • ストレス
  • 睡眠不足
  • 肥満
  • 過度なダイエット
  • 運動不足
  • 食生活の乱れ

いわゆる“不健康な生活”といわれるものはホルモンバランスを崩してしまうと考えておけば間違いないか。

ホルモンバランスが乱れ女性らしい美しい髪の毛を作り出すエストロゲンの分泌が減ると薄毛になる可能性が高まることが示唆されています。

しかしこの裏には男性の薄毛と同じ“アレ”の存在が…

原因はDHTである可能性大

女性の薄毛がホルモンバランスの乱れによって引き起こされることは間違いありません。それは女性ホルモンが激減する更年期以降に薄毛女性が急増する点からも明らかです。

しかし、エストロゲンが減ることが直接的な原因ではないというのが専門家の見方。そう、ここで遺伝の話に戻るのです。

女性ホルモンであるエストロゲンは美しい髪の毛を作り出すうえで必要なものですが、これが減ったところで薄毛にはなる可能性はほとんどありません。そう、問題はAGAの原因でもある男性ホルモン「ジヒドロテストステロン(DHT)」なのです。

前述したように、女性であっても遺伝によりDHTを作り出す5αリダクターゼが多かったり、DHTの感受性が高くなったりする可能性があります。

ただ、それはエストロゲンが旺盛に分泌されているうちは問題になりません。なぜならエストロゲンによって髪の毛が生えることに加え、このホルモンにはDHTの生成を抑制する作用があるから。

そう、つまり遺伝的にDHTが多い女性が何らかの理由でホルモンバランスが乱れた場合に薄毛になるのです。

裏を返せば、どんなに乱れた生活をしていても遺伝的にDHTが少ない、もしくは感受性が低い人は薄毛になりません。女性ホルモンの分泌がかなり少ないおばあちゃんになってもフサフサの女性というのはこういった女性なのです。

ちなみに、男性のAGAと同じくDHTを原因とする女性の薄毛を女性男性型脱毛症(FAGA)と呼びます。そして女性の薄毛で最も多いのはこのFAGAという現実が。

このことから、女性の薄毛も男性同様遺伝によるものが大きいと言わざるを得ないのです。

女性の薄毛対策は女性ホルモンを増やす

遺伝による女性の薄毛の対策は?

このように女性の薄毛も男性同様DHTが大きな要因になっているものの、その対策は男性と大きく異なります。

というのも、男性の薄毛のほとんどを占めているAGAの対策といえば、DHTの生成に大きく関わる5αリダクターゼという酵素を阻害する方法が主流。医療機関で処方されるプロペシアやザガーロはまさに5αリダクターゼ阻害薬です。

一方、女性は髪の毛の成長に女性ホルモン「エストロゲン」が大きく影響しているため、仮に薄毛になってしまった場合はDHTの対処よりエストロゲンの分泌が落ちてしまった原因を探るのが薄毛改善への近道といえます。

女性ホルモンの分泌は食生活や生活習慣などが大きく絡むため特定は若干難しいものの、改善する方法もまた多く存在し男性のハゲに比べれば治療しやすいので安心してください。

女性の遺伝性の薄毛を改善するには?

女性の薄毛にもAGA同様DHTが大きく関わっているのは間違いありません。しかし男性と比べ男性ホルモンが少ない女性の場合、DHT生成を抑制するAGA治療薬のプロペシアやザガーロは効果を発揮しないとされます。

…いや、本当は女性にも効果があったとするデータが複数存在するのですが、日本においてはプロペシア(成分名:フィナステリド)は女性が使ってはいけないものという認識が一般的なので、とりあえずそれを尊重する形で。

女性の遺伝性の薄毛治療はDHTを減らすより女性ホルモンを増やすのがセオリー。具体的な方法としては…

生活習慣の改善

女性が薄毛に直面した時、まず真っ先に試すべきは生活習慣や食生活の改善。

エストロゲンが減少しているのはホルモンバランスが乱れているケースが考えられるため、栄養バランスを考えた食事や適度な運動、睡眠不足の解消など健康的な生活を心がけてみましょう。

ただし、女性ホルモンが激減する更年期に差し掛かっている場合は、生活習慣を見直しても薄毛改善が期待できない可能性も。

イソフラボンを積極的に摂る

女性の薄毛にイソフラボン

大豆に多く含まれるイソフラボンは女性ホルモンであるエストロゲンに近い働きをすることで知られ、特に更年期の女性は積極的に摂取することが推奨されています。

イソフラボンを摂取することでDHTを抑制するという客観的なデータは乏しいものの、これによって薄毛の改善が見込めると考える医師も多い。また栄養バランスを整えるという観点からも大豆製品は非常に有用であるため、積極的に摂取するべきでしょう。

おすすめは月並みながら納豆と豆腐。

納豆であれば1パック、豆腐であれば半丁(150g)摂るだけでイソフラボンサプリメント(1日分30mg)より多くのイソフラボンを摂取できます。

手軽に食べられるうえ価格も安いことから、更年期如何にかかわらずすべての女性に食べて欲しいと感じています。

スピロノラクトンの使用

スピロノラクトンで遺伝性薄毛改善

遺伝によってDHTが多い体質である場合、とにかく女性ホルモンを増やすことが薄毛治療にとって重要になります。しかし、生活習慣を変えることが難しい場合や、更年期により増やしたくても増やせない場合もあるでしょう。

そういった場合に一つの選択肢として挙げられるのがスピロノラクトン。

スピロノラクトンは女性ホルモンを増やす作用がある内服薬で、薄毛改善はもちろん浮腫を改善したり体毛を薄くしたりといった効果が期待できます。実際スピロノラクトンを主成分とする内服薬ハイレスは薄毛女性に人気があります。

ただし、スピロノラクトンは本来利尿剤として用いられるものであるため副作用のリスクも。そのため安易な使用は避けたほうがいいかもしれません。

ハイレス(Hyles)の詳細

遺伝による女性の薄毛のまとめ

男性の薄毛に関しては遺伝がほぼすべてを決定するといっても過言ではありませんが、女性の薄毛の場合は遺伝が重要な要素を占めるとはいえ、女性ホルモンをしっかりと分泌できていればある程度避けられるというのが大きな特徴。

とはいえ、40代になれば必ず訪れるであろう更年期になれば女性ホルモンの激減は避けられず、その時期を境に女性の薄毛の悩みが急増するあたり、やはり遺伝の影響は無視できません。

そういった状況に目を付け多くのメーカーから女性用育毛剤が販売されていますが、こういった遺伝性の薄毛に市販の育毛剤は無意味。なぜなら育毛剤は頭皮の環境を改善する効果しかないからです。

遺伝による女性の薄毛を改善するには、現状では前述のスピロノラクトンのような女性ホルモンを増やす薬か、もしくは狭量な発毛効果により髪の毛を生やすミノキシジルを使用するほかありません。

ただ、確かにミノキシジルは高い発毛効果を示すものの副作用のリスクも存在します。このあたりはスピロノラクトン同様傾向発毛剤の宿命ともいえるでしょうか。

まずは美容対策も兼ねて世界39ヶ国で使用されている飲む育毛剤パントガールを進化させたルグゼバイブあたりを使用し、それでも改善が見られない場合はスピロノラクトンやミノキシジルを使用するのがベストの選択と考えます。

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