ハゲは5αリダクターゼの量と感受性が原因

AGAの原因はアンドロゲンレセプターの感受性

薄毛の原因を調べてみると、食生活の乱れや喫煙、運動不足、睡眠不足など様々なものが挙げられているものの、実はほとんどが間違い。原因はあくまでも5αリダクターゼとDHTの感受性なのです。

サイトや書籍、テレビに至るまで様々なメディアにおいて、薄毛の原因には様々な要因が絡んでいると語られています。しかしそのほとんどには科学的根拠はないのです。

男性の薄毛の9割以上を占める男性型脱毛症(AGA)の原因はハッキリしていて、遺伝によって決まる5αリダクターゼの量と、薄毛の直接的な原因となるジヒドロテストステロン(DHT)の感受性がすべて

そこに他の要因が入り込む余地はほとんどないのです。

どういうことか、もう少し詳しく見ていきましょう。

    目次
  1. AGAのメカニズム 2つの遺伝構成
    1. 5αリダクターゼの分泌量
    2. DHTの感受性
  2. 生活習慣などの改善は意味ないの?
    1. メタボ解消は薄毛改善の可能性も
  3. 5αリダクターゼや受容体を減らす方法は?
  4. まとめ

AGAのメカニズム 2つの遺伝構成

遺伝によるAGAのメカニズム

男性の薄毛のほとんどを占めている「男性型脱毛症(AGA)」というのは生活習慣や食生活が原因で起こるものではなく、基本的に遺伝によって発症するかどうかが決まります。

遺伝によって薄毛になるかどうか決定する要素は主に2つ。

代表的な男性ホルモンであるテストステロンと結びつき、薄毛の原因となるジヒドロテストステロン(DHT)を作り出す「5αリダクターゼ(5α還元酵素)」の分泌量と、DHTの感受性を決める「アンドロゲンレセプター(男性ホルモン受容体)」の数や感受性です。

もう少し詳しく見てみましょう。

5αリダクターゼの分泌量

AGAの直接的な原因は強力な男性ホルモンである「ジヒドロテストステロン(DHT)」。これが毛乳頭細胞や毛母細胞に作用することで髪の毛の成長が阻害され薄毛になります。

このDHTはテストステロンという男性ホルモンに、「5αリダクターゼ」という酵素が働きかけることによって生み出されるもの。そしてこの5αリダクターゼの分泌量は個人差が大きく、遺伝によって決まるとされています。

5αリダクターゼの分泌が多ければ当然DHTも活発に生成されることになりますので、AGAになる可能性は高くなります。しかし、そこに至るにはDHTの感受性というもうひとつの原因が存在するのです。

DHTの感受性

前述したように、5αリダクターゼが多ければDHTも多量に作られることになりますが、DHTの量がどんなに多くても毛乳頭細胞がそれに反応しなければAGAになることはありません。

AGAの原因はアンドロゲンレセプターの感受性

DHTが毛乳頭細胞に作用し薄毛に至るには「アンドロゲンレセプター(男性ホルモン受容体)」の存在が欠かせない。その受容体の数や感受性を決めるのが遺伝です。

遺伝的に5αリダクターゼの分泌量が多くDHTが旺盛に作られたとしても、受容体が少なければAGAになる可能性は低くなりますし、逆に受容体が多くても5αリダクターゼの分泌量が少なければ、やはりAGAにはなりません。

つまり、遺伝によって決まる5αリダクターゼの数や分泌量と、アンドロゲンレセプターの感受性が強い場合にAGAが発症する…ということになるのです。

具体的には、DHTが毛乳頭細胞内でアンドロゲンレセプターと結合することにより、成長期の髪の毛を退行期に移行させる「TGF-β」などの脱毛因子が増殖・活発化し、髪の毛の成長を阻害してしまうとのこと。

そこに生活習慣や食生活などが入り込む余地などない。

生活習慣などの改善は意味ないの?

生活習慣の見直しはAGA改善に無意味

AGAになるかどうかは遺伝によるところが大きいというのであれば、多くの毛髪関連企業や育毛サイトが訴えているような「生活習慣や食生活の改善で薄毛が治る」という話は嘘ということになるのでしょうか?

当サイトでは度々「生活習慣や食生活を見直しても薄毛は治らない」と書いているように、AGAに関してはメカニズムがほぼ解明されており、冒頭でも述べたように生活習慣が入り込む余地はほとんどありません。

よく考えてみて下さい。

誰しも周囲にハゲている人がそれなりに存在していると思いますが、そういった人たちの薄毛が改善していく様を目の当たりにしたことがありますか? ありませんよね。ほとんどの男性の薄毛は進行する一方のはず。

フィナステリドやミノキシジルなどの発毛剤を使用しているなら話もまた変わってくるでしょう。しかし、多くの男性がまずは取り組むであろう育毛シャンプーや生活習慣の改善ではAGAは治りません。

育毛関連サイトや一部AGAクリニックでは「生活習慣を見直せばAGAが改善する」なんて書いている場合もあります。しかしここに科学的根拠は一切ありません。大事なことなのでもう一度書きます。

生活習慣や食生活の乱れでAGAになる、もしくは生活習慣や食生活の改善で薄毛が治るという科学的根拠は一切ありません

お金儲けしか眼中にない一部AGAクリニックではなく、ちゃんとした医療機関のAGA外来や皮膚科であれば、AGAの治療にあたって「生活習慣を見直すと良いでしょう」なんて的外れなことを言うことはほとんどありません。

ただし、AGA以外の薄毛であれば生活習慣やストレスなどが関わっている可能性はゼロではありません。ただしAGA以外となると自己免疫疾患である円形脱毛症や脂漏性皮膚炎などが代表的で、必ずしも生活習慣やストレスが原因ではないんですけどね。

そもそも円形脱毛症や脂漏性皮膚炎はAGAとは明らかに抜け方や症状が異なりますので、AGAに知識がない人でも「これは普通のハゲではないな」と気づくでしょう。つまりAGAで悩む人とは探す情報が異なるのです。

当サイトや育毛関連サイトに訪れる男性のほとんどは男性の薄毛の9割以上を占めるAGAなので、そういった人に「生活習慣を―」なんていうのはナンセンス以外の何ものでもありません。

問題なのは、本来専門家であるはずの医師ですら「生活習慣を見直しましょう」といった間違った改善法を提示することがある点。「医者がそう言っているなら…」と真に受けてしまうと手遅れになりかねません。

メタボ解消は薄毛改善の可能性も

寝不足や喫煙、飲酒、食べ過ぎ、運動不足などの生活習慣や食生活を改善したところで薄毛が治ることはまず考えられないというのは前述の通り。

しかし、肥満や高血圧、高血糖(糖尿病)などが複合された「メタボリックシンドローム」が薄毛を引き起こす可能性があるという研究結果が存在します。

これ以外にも高血圧や高血糖、肥満などのメタボリックシンドロームとAGAの関連性を検証した研究は複数存在し、一定の関連性を見い出した論文が複数存在しているのです。

肥満や糖尿病、高血圧などのメタボリックシンドロームは生活習慣や食生活が原因であることがほとんどであり、仮にメタボがAGAの原因となるのであれば、生活習慣の改善によりメタボを解消することでAGAも改善に向かう可能性が。

ただし、メタボとAGAの関連性を調べた結果、関連性を見出せなかったと結論付ける研究も複数あることから、“エビデンス(科学的根拠)がある”と言うにはあまりにも弱い。あくまでも可能性のひとつといったところか。

メタボリックシンドロームは重大な疾患や様々な合併症を引き起こす恐ろしい症状。薄毛うんぬんはさておき、日常からメタボにならない、メタボを改善させる生活習慣や食生活を心がけたいところです。

5αリダクターゼや受容体を減らす方法は?

5αリダクターゼやアンドロゲン受容体を減らす方法

5αリダクターゼやアンドロゲンレセプター(男性ホルモン受容体)が遺伝によって決まるというのであれば、それを減少させる根本的な解決法はないのでしょうか?

結論から書くと、残念ながら現状で根本的な方法は存在しません。

フィナステリドやデュタステリドといった発毛剤はDHTを作り出す5αリダクターゼの働きを阻害しDHTの生成を抑制しますが、それは薬を飲んでいる間だけの話であり、発毛剤の使用をやめてしまえば元に戻ってしまうのです。

これは「対症療法」であり、根本的な解決法ではありません。

一方、同じく発毛剤である「ミノキシジル」は、母細胞の分裂や増殖を強力に促進させる作用を持ちます。DHTによる毛髪の成長阻害作用を上回る発毛効果によって、半ば強引に髪の毛を生やすイメージになるでしょうか。

つまり、ミノキシジルには5αリダクターゼを減らしたりアンドロゲンレセプターの感受性を鈍くしたりするような効果はなく、この強力な発毛効果はフィナステリド同様薬を飲んでいる間だけのもので、止めてしまえば薄毛に逆戻りです。

遺伝子治療などがもっと進歩してくれば根本的な治療が可能になるかもしれないものの、現状では発毛剤の効果で薄毛を改善させる方法以外の治療法は確立されていないというのが実情なのです。

まとめ

AGAの原因が遺伝によって決まる5αリダクターゼの分泌量と、DHTの受容体であるアンドロゲンレセプターの感受性…と聞いて絶望を感じる人もいるかもしれません。

薄毛の原因が「生活習慣や食生活の乱れ」と聞かされれば、「じゃあそれを改善すれば薄毛が治るかも…」といった期待も膨らむでしょう。しかし「遺伝」と言われてしまえば現在の医学ではどうにもならない領域ですからね。

そんな絶望感に苛まれている人はこう考えてみて下さい。

生活習慣やストレス、タバコ、酒など原因が多くあれば対処も大変ですし、色々と我慢しなければならないことも多くなりますが、それが遺伝のみというのであれば発毛剤を使用すればいいだけの話だと。

科学的根拠のない情報に踊らされて育毛剤やシャンプーに無駄なお金を使ったり、余計な我慢を強いられてなお「生えねぇ…」と絶望を感じたりするより、遺伝と割り切って発毛剤を使うor諦める方がよっぽどいいと思います。

海外製の発毛剤であれば1ヶ月分1,000~2,000円で十二分な効果が得られますしね。

男性の薄毛の9割以上はAGAであり、そのAGAの原因は遺伝によって決まる5αリダクターゼの分泌量とアンドロゲンレセプターの感受性です。

これさえ受け入れられれば、治療に余計な時間とお金を使うこともなくなるはず。ものは考えようなのです。

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