健康保険適用でAGA治療薬を使用する方法
私たちハゲにとって発毛剤は救世主ともいえる存在。長期使用が前提となるだけに、日本のものに比べ圧倒的に安いフィンペシアやベルトリドなど海外のジェネリック医薬品は非常にありがたいと感じます。
とはいえ服用するものだけにインドやフィリピン製のジェネリック医薬品に不安を感じる人も多いはず。なんだかんだ言っても日本で処方される正規品の信頼性は抜群ですからね。
しかし高い…海外製であれば1ヶ月分1,000~1,500円程度で済むフィナステリドやデュタステリド内服薬を日本で処方してもらおうとすると1ヶ月7,000~10,000円かかります。最大の理由はAGA治療に健康保険が使えないから。
これを健康保険適用にできたらどんなに負担が減ることか…どうにかして日本の発毛剤を保険適用で処方してもらう方法はないのか?その可能性を示してみたいと思います。
AGA治療目的での保険適用は100%不可能
日本では2005年にAGA治療薬としてプロペシアが登場したのを境に、薄毛治療を医療機関でも行えるようになりました。
それまでは男性型脱毛症(AGA)に対する有効的な治療や処方薬が存在せず、かつ「ハゲを病院で治療?」という先入観もあってか、薄毛は各々勝手に対応しろというスタンスだったのです。
しかし発毛に対し明確な科学的根拠を持つプロペシアが登場したことによって病院でもAGA治療が行えるように。
とはいえ命に関わるような緊急性は一切なく、かつ整形や歯列矯正のように審美的な意味合いもある薄毛治療に公的な医療保険適用は不適切。そのためいかなるAGA治療にも健康保険は適用されません。
当然ながら病院で処方されるAGA治療薬プロペシアやザガーロも同様。これらに健康保険適用時の基準となる薬価が設定されていないことからも、自由診療しか想定されていないことが見て取れます。
前立腺肥大症の治療薬アボルブは?
それは前立腺肥大症の治療薬であるアボルブも同様。
アボルブはAGA治療薬であるザガーロと同じくデュタステリド0.5%製剤。製薬会社も同じグラクソ・スミスクライン社とあって、名前やパッケージ、カプセルの色が異なるだけで中身は完全に同一のものになります。
もちろん正規品であるため信頼性はザガーロとまったく一緒です。
ザガーロが発売される前はAGAクリニックでもアボルブを処方するケースがありました。しかし前立腺肥大症の治療が目的で処方されるアボルブであれば公的な医療保険が適用されるものの、薄毛治療では当然ながら適用外。
本来の使用用途であれば健康保険が適用されるアボルブも、AGAクリニックや皮膚科においてAGA治療を目的に処方される以上健康保険適用は不可能なのです。
アボルブを健康保険適用で処方してもらう?
ここまで読んできて勘のいい人であれば今後の展開がなんとなく読めてきたのではないでしょうか。
そう、AGA治療薬であるプロペシアやザガーロを医療保険適用で処方してもらう術はないものの、前立腺肥大症の治療薬であるアボルブであれば公的な医療保険を受けて処方してもらえる可能性がありますよね。
というか、健康保険適用で発毛剤相当を処方してもらうにはアボルブしか可能性がない。プロペシアやザガーロは公的医療保険を適用できないAGA治療のみを目的とした薬なのですから。
じゃあどうやってアボルブを健康保険適用のもと処方してもらうのか?答えは簡単、「前立腺肥大症である」と医師に診断してもらえばいいのです。そのうえで「アボルブを試してみたい」と言えばあっさり処方してもらえる可能性が。
とはいえ「俺は前立腺肥大症じゃねぇし」という人がほとんどでしょう。そういった人がアボルブを処方してもらう可能性を考えるのがこの記事の趣旨です。
“前立腺肥大症になる”には
前立腺肥大症は多くが40代以降に発症し、加齢とともにかかる人が増えていきます。
治療が必要なレベルの有病率は60代で6%、70代で12%とされる一方、治療が必要ないものも含め大なり小なり前立腺の肥大が認められる割合は50代で30%、60代60%、70代では実に80%にのぼるとも。
原因はAGAと同じく男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロン(DHT)。ゆえに前立腺肥大症の治療薬であるアボルブもAGA治療薬であるザガーロもDHTの生成を抑制するデュタステリドが主成分となっているのです。
すでに前立腺肥大症や尿トラブルの兆候がある場合
もしあなたが40代以降であれば自覚症状の有る無しにかかわらず前立腺肥大症の兆候があるかもしれません。尿の回数が多い、残尿感がある、尿の勢いやキレが悪いなどといった違和感を覚えているのであれば前立腺肥大症の可能性も。
そういった場合はすぐに泌尿器科や内科を受診し、その旨を医師に伝えてみてください。その際に必ず国際前立腺症状スコア(IPSS)という下記のような自覚症状の有無を調べる検査が行われます。
これによって前立腺肥大症の重症度を量り、その後の検査や治療に役立てることになります。軽度すぎると経過観察になる可能性がありますし、重度すぎると詳細な検査が行われる可能性が高くなるため、ほどほどぐらいがベスト。
その後直腸内指診…つまり肛門から直接指を入れて前立腺の状態を確かめる検査や尿検査、超音波検査などにより病状を確かめつつ前立腺がんの有無を確認し、その後は然るべき治療を行うという流れになります。
多くの場合は投薬治療となりますが、注意してほしいのはα1遮断薬が第一選択薬として用いられる可能性が高いという点。一方、私たちが欲しいのは5α還元酵素阻害薬であるアボルブ。
「アボルブが使いたいんですけど…」と申し出ないとα1遮断薬が処方される可能性が高いものの、それを口にすると医師によっては「なんで?」と返されることも。
その際に髪の毛の状態を確認し「ははーん、こいつさてはハゲ治療を目的にしているな」と医師にバレてしまう恐れが。とりあえず「以前通っていた病院でα1遮断薬を処方してもらっていたが、あまり効果がなかった」とか言っておくといい。
このように、すでに前立腺肥大症の症状がある場合は健康保険適用によるアボルブの処方は難しいものではありません。ケツの穴に指を突っ込まれるのは素直に受け入れましょう。新たな世界が開けるかも。
前立腺肥大症や尿トラブルとは無縁の場合
加齢などにより尿トラブルや前立腺肥大症の兆候があるのであればアボルブを公的医療保険適用により処方してもらうのはそれほど難しい問題ではありません。しかしそういった兆候がない大多数のハゲはどうすればいいのか?
当然ながら前立腺肥大症を“装う”必要が出てきます。
前述したアンケート形式のIPSS検査において適度な自覚症状を訴え、かつ他の検査において医師に「前立腺肥大症」と診断してもらわなければならないのです。
しかし健康な男性であれば直腸内指診や超音波検査では前立腺の肥大は認められないでしょうし、尿の勢いや排尿量、残尿量を調べる検査においても前立腺肥大症を装うのは排出量をコントロールするなどのコツが必要になります。
どのくらいの検査を行うのか、“前立腺肥大症の疑い”レベルでも薬を処方してくれるのか…など、医師の性格や厳格さによって難易度は大きく異なってくるでしょう。
そう考えると専門医ということもあり様々な検査器具が揃い、かつ経験豊富な泌尿器科は厳しいと言わざるを得ません。様々な病気を一手に引き受ける古くからの内科や町医者あたりが適しているでしょう。
もちろんある程度“話が分かる医師”というのが前提。薬を出してもらわないと安心できない老人などに適当な抗生剤を処方してお茶を濁すような融通と、漠然と患者の意図を察する細やかさを持ち合わせている医者が近くにいればベスト。
診療点数を稼ぐためにどんどん薬を処方してくれる銭ゲバでもいい。世の中的には「やぶ医者」と呼ばれるような医師も、こういった点では都合がいい。アレとハサミは使いようである。
そういった医師や病院に心当たりがあれば、そこに出向いて前立腺肥大症の症状を訴えることで健康保険適用のもとアボルブを処方してくれる可能性が高いといえるでしょう。
…あくまでも妄想の中のお話です。推奨はしません。そういう不適切かつけしからんことを考える輩も存在するという架空のお話。
健康保険適用時のアボルブの価格
公的な医療保険が適用された場合、アボルブはいくらで使用することができるのでしょうか?ちなみにAGAクリニックでアボルブを処方してもらう場合は健康保険適用外であるため30日分で8,000円前後が相場です。
まずアボルブの薬価は1錠210.1円。30日分で約6,300円ということに。これはあくまでも10割負担の額となります。
これに初診料や診察料、再診料、処方箋料、調剤料などを含め、そこから3割負担となると3,000~3,500円くらいでしょうか。AGAクリニックでは薬だけで8,000円前後することを考えれば非常に安価であることが分かります。
3割負担なんだから当たり前だけど。
そもそも保険が適用されない自由診療では医師が薬の価格や診察料を自由に設定できるため、通常の薬価より高いのは日常茶飯事。医者からしてみればそれこそが自由診療の旨味なんだろうしね。
前立腺肥大症として診断してもらうというハードルさえクリアできれば、信頼性の高い日本の正規品であるアボルブが格安で手に入るのです。
アボルブの保険適用処方は割に合うのか?
そうはいってもハゲているという以外に健康面に不安がない状態で医療機関を訪れ、前立腺肥大症として診断してもらうというのは手間ですし、そもそも診断してもらえない可能性も十分あります。仲が良い医者がいれば別だけど。
そうやってまで健康保険適用のアボルブを処方してもらう価値はあるのか?
発毛剤の使用というのは長期を想定しておく必要があります。効果の有無が判明するまでに6ヶ月。その後効き目を維持するためには半永久的に飲み続ける必要があるからです。
そう考えると健康保険適用により1ヶ月4,000~5,000円浮くのは非常に大きい。そのお金でミノキシジルを買って併用することもできますしね。
とはいえそのためだけに病院に行くというもは抵抗があるのも確か。モラル的な問題もはらんでいます。前立腺肥大症の兆候があるならまだしも、完全なる健康体なのであれば気が引けると感じるのが良識ある人間の姿か。
信頼性が高い正規品を安く使いたいのであれば、個人輸入で海外のアボルブ(海外名:アボダート)を購入するのが個人的にベストと感じます。当然ながらザガーロと同じグラクソ・スミスクライン社製ですしね。
価格も公的医療保険適用のアボルブと変わらない約3,300円。日本の医療機関で処方されたもの以外使う気にならないというのであればおすすめはしませんが、正規品へのこだわりだけであればアボダートで事足ります。
毎月病院を受診する必要もないし、これで十分な気もします。まあこのあたりは各々の価値観に委ねます。
まとめ
AGAの人が健康保険適用によりアボルブを処方してもらうことは不可能ではありません。しかし前立腺肥大症を装う狡猾さや、処方薬をほいほい出してくれる医者への心当たりが必要になってきます。
町医者などでは簡単に薬を処方してくれるケースもあるため、そういった病院に心当たりがあれば一度受診してみるのも手か。もちろん良心の呵責に耐えることができればの話になりますが。
現在は健康保険適用のアボルブより安い海外製のジェネリックが多数存在しますし、正規品であるアボダートも個人輸入を用いれば3,000円強で購入することができます。病院でアボルブを処方してもらうメリットはあまりないといえるでしょう。
日本での処方薬にこだわり、かつ医師や国を欺いてでも安く使用したいというのであればやってみる価値はあるかもしれません。しかしそれは医師や病院に対す詐欺罪にあたる可能性も。
まあ現実的にはそれがバレることも罪に問われることもないだろうけど、実行するならあくまでも自己責任で。
あくまでも「こういった方法もあるよ」という可能性の紹介であって、私自身はこういった行為はおすすめしません。こんな無駄な労力を使ってまで日本の処方薬にこだわる必要はないというのが私の結論。
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