育毛剤を売ることに罪悪感はないのか?

育毛剤売る罪悪感

当サイトにおいて散々書いていること、それは「医薬部外品の育毛剤に新しい髪の毛を生やす効果は一切ない」という事実。しかしいまだ様々な育毛剤が売られ、薄毛に悩む人たちを食い物にしています。

ここでちょっと疑問が。「発毛効果のない育毛剤をあたかも効果があるように謳い高額で売りつけようとするメーカーや育毛サイトに罪悪感や後ろめたさはないのか?」という素朴な疑問です。

医薬部外品の育毛剤というのは薬機法(旧薬事法)で「発毛」や「髪が生える」という表現を用いることを禁じられています。

そう聞くと「表現を禁じられているだけで実際は生えることもあるはず」とポジティブに考える人もいるでしょう。しかし育毛剤に髪の毛が生える根拠がある成分は99%使われていないというのが実情。

それにもかかわらず育毛剤は非常に高価ですよね。これを製造・販売しているメーカーや育毛サイトは「ハゲを騙している」という罪悪感や後ろめたさを感じないものなのでしょうか。

そのあたり、ちょっと掘り下げてみましょうか。

現場はジレンマを感じているかも

育毛剤や育毛シャンプーを販売する側としては薬機法の縛りによって「発毛」や「髪が生える」という表現は使えませんし、そもそもミノキシジルやフィナステリドのような髪の毛が生えるという科学的根拠のある成分を配合できないため、商品紹介の文言には気を使います。

良心的なメーカーであれば「髪の毛が生える」と錯覚させるような過度な表現は控え、あくまでも「今ある髪の毛の成長を助ける」というスタンスを貫いています。

こういった場合であれば、販売側とユーザーの目的が異なることはほとんどない、もしくはユーザーが勝手に「薄毛が治るかも」と希望を抱くだけなので、メーカーが罪悪感を抱くこともないでしょう。

しかし、育毛剤を使う人間のほとんどは発毛を望んでいるはず

薄くなった髪の毛を増やして再び昔のようにフサフサにしたいと考えるのが当然で、そういう人が今ある髪の毛の成長を助けるだけの育毛剤を選ぶでしょうか?

結局、育毛剤を売るためには「髪の毛が生える」と錯覚させることが何より重要になり、多くの育毛剤メーカーは薬機法に違反しないギリギリの表現、場合によっては完全に違反する文言を用いミスリードを誘います。

実際、完全に薬機法違反な表現を用いている育毛剤や育毛シャンプーも散見されますからね。

金儲けを至上と考え、それに対して手段を選ばないのであれば、消費者を騙すような表現を使って育毛剤を売ろうとする行為に罪悪感も後ろめたさも感じないでしょう。しかし現場レベルではそういった姿勢に疑問を感じているスタッフも多いのではないでしょうか?

リーブ21の例

以前、リーブ21で、支店長の女性が不必要な育毛剤の売り込みに疑問を呈し、会社側から降格などを言い渡され退職を余儀なくされたという裁判がありました。

ここまでハッキリと主張する人は稀かもしれませんが、内心「消費者を騙してまでこんなもの売りたくない」と感じている人は多いのかもしれません。

薬機法を遵守し、定められたとおりに成分を配合、法律の範囲内で宣伝を行っていれば確かに何の問題もありません。メーカー側からすれば「薬機法に沿った商品を開発・販売している」という自負もあるでしょう。

しかし薄毛に悩む人の受け取り方は千差万別。いかにも髪の毛が生えそうな響きである「育毛剤」というカテゴリの商品が、これまた薄毛が治りそうな宣伝文句を発している…そりゃ藁をも掴む思いで手に取ってしまいますよ。

そこに認識の相違が存在することはメーカーだって重々承知しているはず。実際に育毛剤の開発に携わっている人であれば尚更でしょう。

ましてリーブ21は施術に科学的根拠がないにもかかわらず「発毛専門」を謳い高額な費用を要求するような企業。正義感の強い人であれば罪悪感に苛まれることでしょう。そしてこういう形で世間に公表されたと。

もしかしたら育毛剤の開発や育毛サロンなどの現場では「薄毛に悩む人を騙したくない」という声も一定数存在するのかもしれません。

まあ、そういった考えは黙殺されてしまうでしょうが…

悪質なのは育毛関連サイト

薬機法の縛りがあるため過度な表現を行えないメーカー側に対し、「個人の感想」というものを盾に好き放題書いている育毛関連サイトは悪質です。

育毛剤を販売する会社は「髪の毛が生える」などの表現を使えないことは前述しましたが、個人が「これで髪の毛が生えた」と書く場合はOK…というかグレーな部分であり、育毛関連サイトではこれが横行しています。

実際に育毛剤を購入したり、アフィリエイトサービスを行う企業(ASP)から商品の提供を受けたりして、実際に使用しているかのような写真を掲載し「こんなに効果がありました」と書く手法は王道であり、事実私も散々行ってきました。

ただ、それで髪の毛が生えたことはありませんし、そもそも育毛剤ひいてはそれを使用した感を出す演出は記事に説得力を持たせるための「商材」であって、実際にちゃんと使用したことすらありません

育毛剤が効かないことは重々承知しているし、何より得体のしれない液体を頭皮に塗ってハゲを加速させたくないからね。実際に使用しているっぽい写真だけ撮って「ポイッ」ですよ。

つまり、育毛関連サイトを運営している人間の多くは育毛剤に発毛効果がないことは理解しているものの、お金のために「効果があった」と嘘の記事を書いていることになります。

この行為は薄毛の人を騙して育毛剤を買わせ自分の利益にすることに他ならないため、罪悪感を感じている人はそれなりにいると思います。しかし“お金には代えられない”というのが実情でしょう。

「生活のために」といえば聞こえはいいが、嘘を書いて高額かつ無意味な育毛剤を買わせ自分が潤うというのは悪質ですよね。個人の感想としてメーカー側以上に好き勝手書けるのだからなおさら。

そういった罪悪感もあって私はこのサイトを運営しています。

育毛サイトを展開している私の例

一応、こことは別にある程度の規模の育毛関連サイトを展開している私の例を。

自分のサイトやブログで特定の商品を紹介し、売れた際に報酬を貰えるシステムを「アフィリエイト」といい、私が本格的にこれを始めるにあたって真っ先に選んだジャンルが「育毛」です。

理由は単純、報酬が高いから

育毛剤がネット上で絶賛される理由」でも書いていますが、育毛剤は他ジャンルの商品に比べ報酬が高い傾向にあり、その分ライバルは多いものの成功すれば大きな利益を生み出す可能性があるのです。

しかし、サイトを作るにあたり薄毛やハゲ、発毛などの知識を蓄えていくと、ハゲにとっていかに育毛剤が無駄なものか分かってきます

育毛剤を褒め称え必死に売り込む記事を書き続けることに罪悪感や後ろめたさを感じ、罪滅ぼしを兼ねて育毛業界の裏側を知って発毛に活かしてもらおうとこのサイトを立ち上げた次第。

それでも育毛剤万歳で売り込みに躍起な育毛関連サイトの運営は続けています。

理由は簡単、育毛剤を一切売り込まないこのサイトでは全然稼げないからで、こういうサイトをやっている私ですら結局は「お金」の魅力に抗えないのです。

綺麗事を書いている私も、しょせんその程度ということになります。

正しい情報を見極める目を養おう

育毛剤などを製造・販売するメーカーのスタッフや、私のように育毛関連サイトを運営している人間は、髪が生えない育毛剤を売ることに多かれ少なかれ罪悪感を抱いています。

しかし、その利益の大きさから止めるに止められないというのが実情でしょう。

そんなクズの一翼を担っている私がこのサイトを通じて伝えたいのは、「育毛剤なんて使っても髪の毛は生えず時間と金の無駄なので、発毛剤を使用しろ」ということ。

個人輸入で海外の安い発毛剤を使用するか、信頼性の高い日本の発毛剤を病院で処方してもらうかは各々の判断に任せますが、薄毛に悩む人は「育毛剤」という回り道をせず、始めから発毛剤を使って欲しいと思います。

ネットで調べれば育毛剤を勧めるサイトばかりが出てきます。しかしこういったサイトは育毛剤を売って高額な報酬が欲しいだけなので、基本的に信用してはダメ。

…だからといって育毛剤が売れなくなったら私も困るんですけどね。

育毛剤が売れなくなったら困るが、このサイトを見ている人だけは育毛剤に騙されてほしくない…そういうジレンマを抱えています。

育毛関連商品に関わる人の多くは大なり小なりこういった矛盾や疑問を感じながらも、金のために育毛剤を売っているのかもしれません。

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