育毛剤の満足度に隠された嘘とカラクリ

育毛剤の満足度のカラクリ

色々な育毛剤を調べていると「満足度〇〇%!」という記述を見ることがありませんか?95%前後である場合がほとんどで、自社が販売する育毛剤がいかに素晴らしいか伝えるための宣伝文句になっています。

「95%の人が満足しているなら素晴らしい発毛効果があるのだろう」と感じたあなた、ちょっと待って、それは大きな勘違いかもしれませんよ。

医療機関で処方されるプロペシアやザガーロといった発毛剤ですら95%の人が満足することなどありえない。なのに髪の毛が生えることはない育毛剤でなぜそれだけの満足度が出ているのか疑問に感じたほうがいい。

育毛剤の宣伝文句として目にする高い満足度。そのカラクリと嘘に迫ります。

満足度の調査方法が不明

高い顧客満足度を示すことで消費者に訴求する手法を取るものは育毛剤に限らず広く普及した方法です。しかしその多くは明確な基準を示していません。

育毛剤であれば、顧客に対するアンケートの結果であったり、個人の感想であったり…一見信用できそうなアンケートといっても「何をもって満足とするのか」について言及しているものは皆無。

例えばアンケートでよく見られる下記のような5段階の評価があるとします。

  • 満足
  • やや満足
  • どちらでもない
  • やや不満
  • 不満

多くの場合、これは育毛に対する効果のみならず、使用感や匂い、デザイン、サービスにいたるまで多くの項目で同時に実施されます。

この5段階の中で満足度に繋がるものは「やや満足」以上なのか「どちらでもない」以上なのかが示されることはありませんよね。

また、複数の項目のうちひとつでも「やや満足」以上があれば満足度に加えている可能性も否定できません。肯定的な意見がひとつでも含まれていれば「満足」と解釈する可能性があるのです。

何をもって満足と判断しているのかが示されていない以上、満足度の指標など形骸化しているといっていいでしょう。

不満を持った消費者を除外している可能性

疑問点はまだまだあります。

インターネットを中心に販売する人気の育毛剤の中には一定の期間以上使用している会員へのアンケートで高い満足度を得られているとするものがあります。

不満を抱いた人間はすぐに使用をやめるだろうから、一定期間以上使用している人間にアンケートをとればそりゃ高い数字にになるだろうよ。

育毛剤や発毛剤は効果が出るまでに最低でも3ヶ月以上かかるのが常識であるため、「効果は分からないけど使用感は悪くない」という理由で続けている人も多く存在するでしょうしね。

不満を持つ人間をふるいにかけ落とした上でのアンケート。これになんの意味があるんだ?

満足度に占める効果の割合は高くない

育毛剤の販売メーカーの公式サイトや大手通販サイトのレビューを見てみると、使用感や匂いばかりに言及しているものも目に付く。

商品である以上、使い心地や匂い、サービス、価格、パッケージ、デザインなど様々な面が評価される。これ自体には何の問題もありません。

ただね、私たち薄毛人間が育毛剤や発毛剤に求めているものって何?使用感が良いこと?匂いが気にならないこと?違いますよね、「髪の毛が生えるのかどうか」ですよね。

気休めになればいいというのであれば使用感は大事だろう。しかし気休めで十分というのであれば、1万円前後するような育毛剤など使う必要などない。1,000円くらいのサクセス育毛トニックでも使っとけという話である。

同じだけの発毛効果が望める商品が複数あるなら、使用感や匂い、価格、サービスなどが決め手になることはあるでしょう。しかしそもそも髪の毛を生やす効果がない育毛剤に発毛効果など求めるだけ無駄。

どんな理由で育毛剤を使おうと考えているかは人それぞれでしょうが、本気で髪の毛を生やしたいなら「満足度」と呼ばれるものに含まれる効果の割合は少ないと認識しておくべき。

5ch(2ch)やアマゾンなどの評価も見よう

90%をゆうに超える満足度を売りにしている育毛剤は多く、その育毛剤を検索してもビックリするくらい多くの絶賛記事がヒットするでしょう。

しかしそういった記事はアフィリエイト報酬目的の提灯記事なので、絶対に鵜呑みにしてはいけません。

■育毛剤のアフィリエイトとは

アフィリエイトとは自分のサイトの広告リンクから商品が購入されると一定の報酬が支払われるシステム。

育毛剤のアフィリエイト報酬は非常に高く、1本売るだけで数千円~2万円程度の報酬がサイト運営者に支払われます。

そのため、ネット上には育毛剤を売るための提灯記事が検索上位に溢れ、本当の情報が埋もれてしまうという事態に陥っています。

どうしても気になるようであれば、Amazonや5ちゃんねる(2ちゃんねる)のレビューや口コミを探してみてください。90%超の満足度を誇るはずの育毛剤の真実が見えてくるはずです。

育毛剤を販売するメーカーや、それを売ろうとする育毛サイトは金を儲けるために行動しているため、都合の良いデータのみを出し、場合によっては捏造や嘘の記述も平気で行います。

その点、Amazonや5chなどの掲示板は金が絡まない分生の声が掲載されています。育毛剤が気になっている人は育毛サイトの情報を鵜呑みにしないようにしてください。

リーブ21の裁判で面白い情報も

満足度に関してちょっと面白い情報も掲載しておきましょう。

何かとトラブルが絶えない発毛専門企業リーブ21。この企業は以前「発毛率95%以上」を謳っていました。育毛剤が謳う「満足度」と同じ香りがしますよね。

「発毛率95%以上」と聞けば誰しもが「95%以上に人が発毛しているんだな」と感じるのではないでしょうか。

しかし、2011年にリーブ21が行った後継社長の公募に応募した男性が起こした裁判のなかで興味深いやりとりがあります。それは以下のもの。

男性は、同社が公表している「発毛率95%以上」は虚偽で、実際は約40%だったとも主張した。これについて福田裁判長は、同社が不満を抱いた顧客に返金した割合から発毛率を計算していたことから、「偽ったとまでは言えない」と退けた。

出典:毎日新聞

裁判長は虚偽という点については退けたものの、返金した割合から発毛率を計算していたことは認めています。つまりリーブ21は返金に応じたもの以外は「発毛した」と判断していることになり、その結果が95%以上という数字だと。

こんな方法で「発毛率95%以上」という表現が許されるのであれば、育毛剤の満足度なんていくらでも水増しできますよね。

このケースに当てはめれば、インターネットを中心に販売している育毛剤の多くが採用する返金保証を適用しなかった人はすべて「満足している」と判断しても問題ないことになります。

であれば発毛効果がない育毛剤でも95%前後の満足度を得られるのも納得がいく。

もちろんこれは一例であり、育毛剤が同様の算出法を用いているとは限りません。しかし満足度などの数字がいかにあてにならないかは分かっていただけたと思います。

育毛剤の満足度など何の意味もない

ここで原点に立ち返ってみましょう。「なぜ育毛剤を使おうと考えたのか?」。

育毛剤を使おうと考えた理由なんて限られています。「薄毛を改善させたい」以外に考えられませんよね。であるなら何を最重視するのかは明白。生えるのかどうかです。

誤解なきよう書いておきますが、医薬部外品の育毛剤では髪は生えません。育毛剤は抜け毛を予防したり頭皮環境を整えたりするのが目的のカテゴリであり、発毛させる力があると認められているのは医薬品であるフィナステリド、デュタステリド、ミノキシジルの3つのみ。

つまり、育毛剤の満足度がどんなに高くても毛など生えないのです。

満足度が高ければ髪の毛を生やす発毛効果がありそうな印象を受けるかもしれません。しかしそれは使用感や匂いなど育毛・発毛とは関係のない評価が多く含まれるうえ、算出方法すら不透明。

髪の毛を生やしたい人間からすれば育毛剤の満足度など何の意味もありません。

気休めになればいい、抜け毛が多少でも減ってくれればいいというのであれば育毛剤の使用を止めはしませんが、男性型脱毛症(AGA)を改善させたい、薄毛を治したいというのであれば発毛剤しか選択肢がないことを忘れないで下さい。

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