夏や秋に抜け毛が増えてハゲるは大嘘
「夏や秋は抜け毛が増えてハゲやすい時期」。昔から様々なシーンで語られるこの説はもはや常態化し、薄毛の人にとって夏や秋は危険な季節という認識をお持ちの方も多いと思いますが、これ大嘘です。
気温の高い夏は非常に汗をかきやすいので毛穴に皮脂が詰まりやすかったり、強い紫外線の影響で抜け毛が増えてしまったりといった話がそこかしこに転がっており、「夏はハゲやすい」という認識を植え付けられているだけ。
こう書くと「夏ハゲ説や秋ハゲ説を否定するんだから、それなりの根拠はあるのだろうな」と感じる人もいると思いますので、夏や秋に薄毛が進行する理由として挙げられる説に対し反論していきましょう。
夏や秋に抜け毛が増えハゲると言われる理由
夏や秋に抜け毛が増えて薄毛になってしまうという話は、ネットで検索すれば嫌というほど出てくると思われ、シャンプーや育毛剤を販売するメーカーも公然と訴えている。
その理由として挙げられる主な原因としては…
- ■汗を多量にかくことによる毛穴の皮脂汚れ
- ■強い紫外線
- ■エアコンによる乾燥
- ■動物としての夏毛仕様や生え変わり
概ねこの辺になります。
なんともまあ、いかにもらしい理由を並べていますね。これからこれらに対し反論してくわけですが、まず最初に言っておきたいことは、「夏秋にハゲるという説に根拠もデータも一切存在しない」ということ。
それを頭の片隅に続きの記事をご覧ください。
多量の汗や皮脂汚れで薄毛になることはない
頭皮の皮脂が毛穴を詰まらせることで髪の毛の成長を阻害したり抜け毛を誘引したりという話は昔から語られていますが、そんなことは一切ありません。
「過剰な皮脂で薄毛になる」は100%嘘でも詳しく書いていますが、頭皮のみならず毛穴というのは、肌のバリアを作るため、そして毛穴に異物が入ってこないようにするために常に皮脂を分泌しており、それが多少多くなったところで決して不健康ではないのです。
「皮脂や汗で毛穴が詰まる」なんて言うが、毛穴の中は本来皮脂で充満しているのが正常であり、その状態を「詰まっている」というのであれば、体中の毛みんな抜けてるよ。
角栓で毛穴が詰まるニキビの状態がすべての毛穴で起こっているならまだ分かるが、頭皮にニキビができることはほとんどない上に、できたとしても数か所程度。対して頭皮の毛穴は数万あります。
皮脂で毛穴が詰まってハゲるなんてナンセンスもいいところ。
近年は頭皮の皮脂を奪いすぎるのは良くないという風潮になってきているように、皮脂が髪の毛の成長を阻害することはないのです。
月並みだが、ほとんど髪の毛を洗わず頭皮環境最悪のホームレスにもフサフサが多量に存在することを考えれば理解しやすいだろう。
この皮脂でハゲる説は育毛剤やシャンプーを売りたいメーカーが作り出した都市伝説のようなもの。毎日髪の毛を洗っている私たちの頭皮において、皮脂や汗で毛穴が詰まるって…バカじゃないの?
当然、夏の暑さで汗や皮脂が増えたってハゲることはない。絶対に。
強い紫外線でハゲるという嘘
紫外線が肌にダメージを与えるのは紛れもない事実であり、中でも表皮をすり抜け真皮にまで到達する紫外線A波(UVA)は毛穴が存在する真皮のコラーゲンやエラスチンを変性・破壊するため、結果肌のハリや弾力が失われてしまうということで美容の天敵とされています。
また、強い紫外線を浴びると細胞の老化を促進させる活性酸素が生み出される点も育毛においてマイナスとされています。
そしてこの紫外線が最も強い時期が晩春から夏にかけて。
そのため、この時期は大量の紫外線によって薄毛になると言われるのです。しかし冷静になってよく考えてみて下さい。
紫外線の影響でハゲるというのであれば、頭皮全体…とりわけ常に太陽の光を浴び続ける頭の上部分が満遍なく薄毛にならないとおかしいですよね。でも実際のハゲ方は生え際やM字から、もしくは頭頂部から。
それはなぜか?答えは単純、紫外線とは関係ない男性型脱毛症(AGA)だから。
世の中頭皮の紫外線対策をしている人はほとんどおらず、紫外線に敏感な女性ですら同様です。紫外線によってハゲるというのであれば、引きこもりなどほとんど外に出ない人以外みんな薄毛になっているはず。
そうならないのは紫外線が薄毛を引き起こすというのは間違いだからで、「もしかしたら紫外線の影響で…」と感じているそのハゲはただのAGAです。
紫外線が肌老化を促すことは間違いないものの、だからといって肌しわしわの老人の眉毛やヒゲが薄くなりますか?肌老化と毛が抜けることはイコールではなく、夏の強い日差しで薄毛になることなんてありえないのです。
まあ、直射日光を日常的に長時間浴びると髪の毛は痛みますけど、それも表面上の髪の毛だけの話であり、髪の毛の生産能力とは一切関係がありません。
エアコンによる乾燥でハゲるの嘘
夏はフル稼働することも多いエアコン。除湿にしなくても湿度はある程度下がることになり、これが頭皮の乾燥をもたらし薄毛になる…もはや否定するのも馬鹿らしくなるクソ理論。
湿度の高い夏場にエアコンをつけて湿度がどれくらいになるかというと、下がっても40~50%程度まで。これでハゲるというのであれば、寒くて皮脂や汗の分泌が減る上に湿度30~40%がザラの冬場は頭ツルツルになってるわ。
ハッキリ言ってエアコンうんぬんなど、薄毛の人の不安を煽って育毛関連商品を買わせるための方便の最たるもの。
消費者を馬鹿にするもいい加減にしろよ。
人間も動物のように髪が生え変わる説
生え変わらねぇよ!
…ついつい言葉が汚くなってしまいました。一部のメディアでは人間も動物と同じように季節に合わせて髪の毛の増減が行われており、暑い夏はそれに対応するために抜け毛が増える…なんてトンデモ論を展開しているのは腹立たしいの一言。
だからそれを言ったら日本全国老若男女問わずみんな薄くなってるわ。
動物とはまったく違う進化をとげた人間のヘアサイクルに季節が関わることなどありません。もし夏仕様の毛になるのだとしたら体毛も薄くならないと説明が付かないでしょう。
そもそも、仮に動物のように生え変わるとするなら、冬に近づくにつれ髪の毛がフサフサになるはず。つまり、この説を信じるなら対策をするまでもなく晩秋には髪の毛がフサフサになっているから心配するな。
夏に蓄積したダメージで秋ハゲるという嘘
夏場に受けた紫外線や多量の汗によって頭皮がダメージを受け、それが秋になって顕在化し薄毛になるという説が当たり前のように語られていますが、前述のように紫外線や皮脂、汗でハゲることはありません。
一部では秋に抜け毛が増えるというデータを出している企業もありますが、これの明確な根拠は示されていませんし、仮に秋に抜け毛が増えるとしても、それは正常なヘアサイクルによるものであって、それでハゲるということはありません。
つまり、季節によって抜け毛の本数に多少の波はあったとしても、それで薄毛になることは絶対にないということ。
薄毛になる背景には何らかの理由があり、それと季節は全く関係はないのです。
…まあ、“何らかの理由”といったって、男性の薄毛の9割はAGAなのだから、一部分だけが集中的に抜ける円形脱毛症や、明らかな皮膚炎を呈する脂漏性皮膚炎などでない限り、ほぼAGAだと思って間違いない。
そして、そのAGAが発症するかどうかは遺伝による5αリダクターゼの分泌量やジヒドロテストステロン(DHT)の感受性によって決まるので、夏や秋などの季節は一切関係ありません。
季節によって抜け毛が増えてきた場合の対処法
これまで書いてきたように、紫外線や汗、皮脂などで薄毛になることはまず考えられませんし、季節ごとに抜け毛に多少の増減があったとしても、それは人間の生理現象から来るものであり、それでハゲになることはありません。
「最近薄毛が気になる」という人は、まずハゲ方を見てみろ。
生え際やM字部分、もしくは頭頂部が薄くなってきているでしょう。それほぼ100%AGAであり、何もしなければ季節関係なく確実に進行していくもの。夏とか秋とか一切関係ない。
そして、ハゲてはいないが夏や秋になって抜け毛が増えて気になるという場合においても、すぐに対処する必要はありません。
AGAでなければ抜け毛は一時的で、放っておいても元の状態に戻りますし、AGAであれば育毛剤や育毛シャンプーの使用、食生活の改善など行っても無駄。
まずは、その抜け毛が一過性のものなのか、AGAによるものなのかを見極める必要があるため、とりあえず6ヶ月ほど様子を見ましょう。通常であれば冬には抜け毛が減り「薄毛になった」と感じることもないはず。
冬が終わる頃になっても抜け毛の本数が変わらず薄毛になってきたと感じるのであればAGAの発症が疑われますから、現状ではフィナステリドやデュタステリド、ミノキシジルといった発毛剤以外に改善法はありません。
気を付けてほしいのは、AGAを実感し何かしらの対策をしようと考えた時、間違っても市販の育毛剤や育毛シャンプーを使ってはダメな点。金の無駄だから。
また、一部AGAクリニックを受診すると言葉巧みに科学的根拠のない高額な医療を勧められる可能性がありますので注意して下さい。
当サイトでは負担を減らすために安価な海外製の発毛剤の使用も勧めていますが、個人輸入を用いた海外製の医薬品に懸念を抱く人も多いと思いますので、そういった場合は美容外科臭漂うAGAクリニックではなく、ちゃんとした医療機関のAGA外来や皮膚科を受診し、プロペシアやザガーロを処方してもらうようにして下さい。
もう一度書きます。発毛根拠のない市販の育毛剤や育毛シャンプー、高額なハーグ療法や育毛メソセラピー、育毛サロンには手を出さないようにして下さい。
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