インド製妊娠中絶薬に関する報道に懸念
去る2018年5月14日、個人輸入でインド製の傾向妊娠中絶薬を服用した20代の女性が大量出血やけいれんなどの被害を起こしたという報道がなされました。
日本では医師の処方が必要な薬でも個人輸入を用いれば簡単に手に入る状況が引き起こした痛ましい事故ですが、私たちハゲからすると「迷惑なことを…」と感じずにはいられません。
この女性が妊娠するきっかけになった相手方の男性がクズなのか、それとも女性自身が中絶というものを安易に考えていたのかまではこの記事では読み取れませんが、懸念は発毛剤に飛び火しないかという点。
報道の仕方にもやや問題を感じる、インドから個人輸入した妊娠中絶薬で大量出血した件。私なりの見解や補足も交えもう少し詳しく見ていきましょう。
問題の本質は使う側 報道の仕方に偏りも
今回のインドの妊娠中絶薬に関する報道を見てみると、ほとんどの報道機関で「インドから個人輸入」というタイトルを付けています。
そしてその内容を見ても「インド製」が連呼され、あたかもインドの薬が危険という印象を抱かせます。
いやいや、ちょっと待てよと。
常識的に考えて強制的に中絶する薬には強い作用があるのは想像に難くない。そもそも日本では経口妊娠中絶薬は認可されていない。
実際に厚生労働省のホームページを見てみると、こう書いてあります。
国内では承認されていない経口妊娠中絶薬は、ときに手術が必要となる出血を起こすことが知られており、欧米でも医師の処方と経過観察が必要とされる医薬品であるため、安易に個人輸入され、使用されることによる健康被害が懸念されます
これが記されたのは2004年。つまり10年以上前から妊娠中絶薬を安易に使用すると出血が起こる可能性が示唆されていたのです。
そして、今回の事故を引き起こした20代の女性は2種類の妊娠中絶薬7錠を服用したと報道されています。2種類…しかも7錠って…明らかに過剰摂取です。
しかし報道ではこれらの情報が完全に抜け落ちている。
妊娠中絶薬は出血が起こるリスクのある薬だということも、過剰摂取であるということも報道されていません。これらを認可している国では妊娠49日以内の使用が義務付けられているものの、この女性が妊娠何日なのかも分からない。
つまり一連の報道は明らかに言葉足らずで、コメントなどを見ても「インドの妊娠中絶薬だから事故が起きた」という受け止め方をする人が続出。意図的なのか無知なのかは知らんが明らかにミスリード。
わざとやってんのか?
インドはジェネリック大国
「インド」と聞いてどんな印象を抱きますか?
中国に匹敵する人口を誇り、いずれは大国になると見られているものの、現状では「ちょっと怪しい発展途上国」というイメージをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
しかし医薬品に関してはかなり進んでおり、特にジェネリック医薬品に関しては世界屈指の大国と言っても過言ではありません。アメリカや欧州など先進国を含め世界中にジェネリック医薬品を流通させています。
私たちのハゲを改善してくれるフィンペシアやミノキシジルタブレット、デュタス等々、多くのジェネリック発毛剤もインド製ですしね。
ただ、インド製のジェネリック医薬品は日本など先進国のものとはちょっと事情が異なります。
インドのジェネリックは無許可?
一般的にジェネリック医薬品というのは、先発薬である製薬会社の特許が切れてから、臨床試験などのデータを引き継ぎ低コストで製造・販売する薬のこと。当然薬価も安くなり、価格は先発薬の20~80%くらいに抑えられます。
しかしインドは違います。
2005年以前までは先進国の特許などクソくらえの状況。インドの製薬会社独自の製法で開発すれば先進国の先発薬と同じものを製造することができました。合法的に。
2005年からは特許法の改正でジェネリック医薬品を無許可で作ることは難しくなったものの、それ以前から製造されているものに関しては製造しても問題ないとされています。
近年は他国の先発薬メーカーから訴訟を起こされることが頻発。しかし、インド自体が先発薬に比べ極端に安い薬価に低率のライセンス料を課すに留めているため、現在でも先発の製薬会社に無許可でジェネリック医薬品を作っている状況が続いています。
とはいえ世界中にジェネリック医薬品を流通させているインドの製薬メーカーは大手であり、私たちがお世話になっているフィンペシアのシプラ社も150ヶ国に流通させるインド3位の大手製薬メーカー。
特許には疎いが薬自体の信頼性は高い…それがインドのジェネリックなのです。
妊娠中絶薬はしっかりと効いている事実
ここで妊娠中絶薬の話に戻します。
報道の内容を見るに「インドの薬で大量出血?インドの薬なんてよく飲めるなー」と受け止めた人が多いはず。インドの薬だから大量出血したのだと。
しかし10年以上前から厚生労働省が「経口妊娠中絶薬は手術が必要な出血を起こす恐れがある」と公表していること、件の女性が過剰摂取をしていることを鑑みれば、この出血はインド製とは関係がないことが分かります。
そう、むしろ正常に効いたからこそ出血したのだと。
私たちが使用するフィンペシアやベルトリド、ミノキシジルタブレットだって、効果に個人差はあれどしっかりと効いている人が大半。
だからこそ私は声を大にして言いたい。
インド製が悪いんじゃないんだ!、と。
発毛剤に飛び火しないことを望む
今回の妊娠中絶薬に限らず、個人輸入の医薬品についてはたびたび問題が起きてきました。ED治療薬の偽物問題や抗不安薬の大量摂取問題、スマートドラッグ問題などなど。
しかし、バイアグラの偽薬に関しては大問題であるものの、それ以外はすべて使用する側の問題なんですよね。ちゃんとした用法用量を守っていれば問題にならなかった事案がほとんど。
今回の件にしても、胎児とはいえ人の命を奪う薬を安易に、しかも大量に摂取したのが問題であって、薬自体は欧米などでも使用されているもの。薬に罪はないのです。
怖いのは、こういった問題が積み重なって個人輸入自体に強い規制がかかったり、禁止されてしまったりすること。
プロペシアやザガーロ、リアップといった発毛剤は私たちハゲの救世主であるが、日本のものは高すぎる。安心安全を金で買うと考えれば…なんて言う人間もいるが、それにしたって高すぎる。
日本では1ヶ月7,000~10,000円するような発毛剤でも、大手インド製薬メーカーが作るものであれば1ヶ月1,000~1,500円程度で使える。
長く続ける必要がある発毛剤だからこそ、インド製ジェネリックの存在は非常にありがたいのである。
お願いだから発毛剤には規制しないでくれと願わずにはいられない。
個人輸入は自己責任 おすすめはしない
とはいえ、フィナステリドやデュタステリドといった発毛剤は本来医療機関で処方される医薬品。
フィナステリドやデュタステリドには性欲減退や勃起障害といった副作用リスクがありますし、ミノキシジルタブレットはめまいや動悸、血圧低下などの副作用が出る恐れがあります。
本来、医薬品の個人輸入というのは、海外で生活していた時に使用していた薬を日本でも継続して使用できるようにする仕組みで、「安いから」という理由で使うものではありません。
仮にそういった理由で個人輸入を用いるとしても、一度は医療機関を受診し発毛剤の処方を受けてから、同等の薬を購入するのがベストなのは言うまでもない。もちろん用法用量を守るのは大前提。
個人輸入で医薬品を購入・使用するという行為は、仮に副作用や有害事象が出ても自己責任。ゆえに個人輸入で発毛剤を購入するのは基本的におすすめしません。
私は使用するがな。
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