オナ禁で髪の毛が生えることはない

オナ禁で髪は生えない

ハゲ達の間でまことしやかに語られる「オナ禁すると髪が生える」という説をご存知ですか？ぶっちゃけてしまえば射精を長い期間我慢することは髪の毛にとってプラス要因であり薄毛改善に繋がるというもの。しかしこれは都市伝説です。

確かにオナニーには薄毛の原因になりそうな要素がいくつかあるものの、基本的にそれだけでハゲるようなことは考えづらく、また逆にオナ禁がハゲる要因になる可能性もゼロではありません。

なぜオナ禁で髪が生えると言われるのか？それが効果ないと言い切れる理由は何なのか？そして逆にオナ禁がハゲを進行させる可能性についても言及していきましょう。

オナ禁によってハゲが改善すると言われる理由

ではまず、オナニーを禁止するとハゲの改善が見込めると言われている理由から見てみたいと思います。キーワードは「栄養」と「男性ホルモン」です。

■髪の毛の成長に必要な栄養素を守る

髪の毛は99％をケラチンというたんぱく質で構成されており、そのケラチンは18種のアミノ酸を合成して作られます。

オナニーで射精するとたんぱく質やアミノ酸が放出されるのはもちろん、ケラチンの合成や毛母細胞の分裂に欠かせない亜鉛も失われてしまいます。

亜鉛の排出量は1回の射精で約1mgとされ、男性の1日の摂取推奨量10mgから考えると1回の射精で10％が出て行ってしまうことになります。

またビタミンの中でも髪の成長に影響を与えるビタミンB群も射精によって失われるとされ、オナニーを禁止することによってこれらの栄養素の排出を防止、結果薄毛が改善するというのがオナ禁による育毛説。

■ジヒドロテストステロン（DHT）の増加を抑制する

男性型脱毛症（AGA）はジヒドロテストステロン（DHT）という男性ホルモンが原因。オナニーをするとこのDHTが増えるとされ、「オナ禁でDHTの増加を抑制＝薄毛改善」という考えが成り立っているようです。

AGA治療薬であるフィナステリドやデュタステリドはDHTの生成を抑制し、その副作用には性欲減退や勃起障害などの性機能障害が挙げられます。

つまり性欲とDHTは密接に関わっており、性欲を最大限に高めるオナニーを行うことでDHTが増えるという憶測が広がっているのでしょう。実際DHTは性欲に影響を与えている事実がありますしね。

DHTは男性ホルモンであるテストステロンと5αリダクターゼという酵素が結びついて生まれるため、オナニーをすることによって5αリダクターゼが活性化するという考えもあるのかもしれません。

オナ禁をすることで性欲の盛り上がりを抑制しDHTの生成を抑えようという考え。なんとなく理にかなっているような気もしますが…

■テストステロンが増加する

代表的な男性ホルモンであるテストステロンは薄毛の原因になると勘違いしている人も多いものの、これ自体に薄毛を誘発する作用はありません。

むしろテストステロンは男らしい太くたくましい髪の毛を作るのに必要なホルモンとされ、オナ禁をすることによってこれが増加するというのです。

前述のように薄毛の原因となるDHTはテストステロンと5αリダクターゼが結びついて生成されますが、オナ禁ではDHTの生成が抑制されテストステロンの髪の毛を太く濃くする効果が強調されるという理屈。

テストステロンが増えれば相対的にDHTが減ることを意味します。であれば、確かに薄毛改善に期待が持てそうでもある。

オナニーを控えることによって髪の毛が生えるとする説の根拠は主にこの3つとなっています。これを見る限りそれなりに説得力のあるものに感じるのも確か。

オナ禁してもハゲは治らない

オナニーとハゲの関連づけた説は、射精による栄養排出や、テストステロン・DHT（ジヒドロテストステロン）といった男性ホルモンが大きなウェイトを占めていることが分かります。

特に男性ホルモンはAGAの直接の原因であるため、これらをオナ禁でコントロールできるのであればハゲ改善に効果を発揮しそう。しかしこれらの説には色々と落とし穴があるのです。

■オナニーでDHT増加は何の根拠もない

中でもオナニーによって薄毛の原因であるDHTが増えるというのは看過できない要素ではあるものの、実はこの説、なんの根拠もデータもないんです。

DHTが増えれば薄毛が発症・進行するのは間違いありませんが、「オナニー＝DHT増加」を示す根拠はなにもなく、どこかから尾ひれが付いて広まったデマと考えて差し支えないでしょう。

なかには「オナニーをしてDHTが増えるという根拠はないかもしれないが、増えないという根拠もないだろ」と考える人もいるでしょう。「否定する根拠がない＝肯定」であれば世の中のトンデモ説のほとんどは通ってしまうことになる。

そもそもオナニーをもっとも活発に行うのは性欲がノンストップな10代～20代。多ければ1日数回とかやっちゃう年齢でもありますが、この年代にハゲはほとんどいないことからもオナニーと薄毛に関係がないことが分かります。

フィナステリドやデュタステリドによってDHTの生成が抑制されると性欲が落ちる可能性があるのは事実。ゆえに強力な男性ホルモンであるDHTが多ければ性欲も旺盛と考えるのは自然でしょう。

しかし性欲が盛り上がるとDHTが増えるというのはさすがに暴論と言わざるを得ません。因果関係が逆転していますし、そもそも性欲を司るホルモンはDHTだけではありませんからね。

■テストステロンは増加するが…

次にオナ禁で髪の毛を太く成長させるといわれるテストステロンが増加するとの説ですが、これに関してはデータが示されています。

オナ禁の日数	テストステロンの値	オナ禁の日数	テストステロンの値
0日	374	9日	387
1日	384	10日	378
2日	375	11日	389
3日	380	12日	386
4日	385	13日	381
5日	404	14日	383
6日	426	15日	370
7日	524	16日	372
8日	417

これは射精を行わない実験に参加した男性28人の平均テストステロン濃度。この中ではオナ禁によってテストステロンの増加が見込めるのは7日後がピークで、9日目には正常な値に戻り、その後はほとんど変化しないのが見て取れます。

テストステロンに髪を太くたくましくする効果があるとしても、ヘアサイクルの観点からそれは数ヶ月間継続する必要があります。しかしこのデータではオナ禁による長期的なテストステロン増加が否定されています。

一方、セックスやオナニーをすることによってテストステロン量が急激に増えるという研究結果も。そう考えるとむしろオナニーをした方がテストステロンが増えるのではないか？

また、オナニーやセックスによる射精でテストステロンが減少することはないとの研究結果もあり、オナ禁と男性ホルモン、それに付随するハゲとの関係は完全に否定されたことになります。

■射精で亜鉛などの栄養素が排出される

一方で射精によって様々な栄養素が排出されてしまうのは紛れもない事実で、特に亜鉛についてはハゲが好んで摂取するミネラルとあって無視できない存在。

1回の射精量が5mlとすると1mgの亜鉛が排出されることになり、男性の1日の推奨摂取量10mgから考えるとそれなりの割合を占めます。

慢性的に亜鉛が不足すると精子の数が減少したりインポテンツになったりと性機能障害が起きることが知られており、それ以外にも味覚障害や骨粗鬆症などのリスクも高まるとされ、髪の毛への影響も気になるところ。

ただ、結論から言うと射精の亜鉛放出程度でハゲないし、それを抑えたところで髪の毛が生えたりもしません。

亜鉛の摂取量が極端に少なく、それが数ヶ月、数年と継続的に続いているというのであればまだしも、1日1回程度の射精でハゲたら世界中で思春期を越えた男の大半がハゲていることになる。

射精による亜鉛排出が薄毛に一切関わっていないとは断言できないが、仮に関連していたとしても極めて軽微。射精がハゲの主な原因になることもなければ、オナ禁による亜鉛量の維持が薄毛改善に繋がることはもっと考えられない。

なぜなら、“毛”というのは髪の毛のみならず全身に生えており、射精したからといって体毛やヒゲが薄くなることはないように、髪の毛への影響など無いに等しい。つまりハゲているのは別の原因ということだ。

オナ禁しても髪は生えない

オナニーが髪の毛に与える影響というのはかねてから議論されており、ハゲを治すために実践している人もそれなりにいらっしゃいます。

ただ、独身彼女無しならまだしも彼女がいたり結婚していたりすれば射精しないなどナンセンスな話ですし、オナニー（射精）でハゲるというのであれば円満な夫婦生活、ラブラブな恋人関係を築いている人はもれなく薄毛ということになる。

でも現実は独身をこじらせたデブ男の方がずっとハゲている率高いよね。

ハッキリ言ってオナ禁でハゲが治るとかって話は、自分のハゲやモテないことの責任をどこかに転嫁したい人間の戯言で、そんなことをしても髪は生えないし、万が一髪が生えたところでモテないことに変わりはない。

そんな無駄な事にエネルギーを注ぐよりファッションや身だしなみ、体型、性格などを見直すほうが遥かに人間的にステキなるんだが…まあそれが理解できない視野の狭い人間が「オナ禁ガ～」って言うんだろうね。

オナ禁してもDHTもテストステロンも増えないし、1日数回を長期的に行わない限り亜鉛など栄養素の排出も心配するほどではありません。

そんなことに心血注ぐほど行動力に溢れているなら、オナ禁よりはるかに効果の高いフィナステリドやデュタステリド、ミノキシジルといった発毛剤をしっかり使えと言いたい。

オナ禁と発毛剤は相性抜群

オナ禁による育毛や発毛を考えているあなた。自身の努力によって性欲を抑えるだけの精神力を持っているのであればフィナステリドやデュタステリドを使うべき。

フィナステリドやデュタステリドといった発毛剤は高い発毛効果がある一方で、DHTを7～9割も減少させるため性欲減退などの副作用リスクがあり、それを懸念し使用を躊躇する人も存在します。

しかしオナ禁を考慮・実行する人にとってはむしろ性欲など邪魔なはず。そう、つまりフィナステリドやデュタステリドの副作用である性欲減退や勃起不全といった性機能障害はオナ禁にとって都合がいいのです。

高い発毛効果があるうえにオナ禁のサポートまでしてくれるのですから、射精による薄毛を気にしている人にとってこれほど適した薬なはいはず。

特にDHTを約9割も減少させる最新の発毛成分デュタステリドであれば、発毛とオナ禁両方の希望を叶えてくれるでしょう。

この2つを両立させたい人は医療機関においてデュタステリド製剤であるザガーロを処方してもらうか、もしくは個人輸入によってベルトリドなど格安のザガーロジェネリックを試してみるべきと考えます。

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