ヘアラボは育毛剤を売るための営利サイト

ヘアラボ(旧ハゲラボ)はキュレーションサイト

※ハゲラボは2017年11月よりヘアラボと名称を変更。2020年には運営会社が解散となり放置状態となっています(詳細は後述)。当記事はそれ以前の内容も含んでいることをご了承ください。

ハゲラボ(現ヘアラボ)というサイトをご存知ですか?

薄毛やハゲに関する情報を調べれば多くの場合上位に何かしらのハゲラボ記事が表示されますので、ご存知ない方も知らないうちに見ている可能性が高いと思います。

このサイトは記事数2,000を超えており育毛関連サイトとしてはおそらく最大のものと思われますが、これはDeNAが運営するWELQなどで問題が明るみになったキュレーションサイトの一種。

内容自体はかなり気を使っているのかトンデモ記事は少ないものの、最終的には結局育毛剤を売り込む形式になっています。

育毛関連サイトを運営する身として企業が運営するハゲラボは巨大な象のようなもので批判的な記事を書くにはリスクも伴うものの、運営法に違和感を感じざるを得ないため、あえて記事にしてみました。

ハゲラボを運営するGorooとユナイテッド

ヘアラボ(旧ハゲラボ)はGoroo(ゴロー:現アラン・プロダクツ)という会社が運営しているサイトで、そのゴローは2016年、東証マザーズに上場するユナイテッド株式会社により約8億円で買収されています。

ユナイテッドはメディア事業に力を入れるための買収とアナウンスしており、ハゲラボを通じてコンプレックスを背景とした根強い育毛関連需要を取り込みつつ、新たなメディアの立ち上げなども視野に入れている模様。

近年、こういったコンプレックス系のサイトを運営する会社が買収される事案が相次いでおり、DeNAの「iemo」「MERY」買収やクルーズの「MARBLE」買収など10億円超の規模で買収されることも。

しかし、こういった流れは胡散臭く信憑性に欠ける記事を連発したWELQの一連の問題によって岐路に立たされます。

WELQ問題とは?

医療・健康系のキュレーションサイトであるWELQが問題になったのは記憶に新しく、見聞きした人も多いと思います。

ちなみに「キュレーションサイト」とはネット上に溢れる情報をまとめ、繋ぎ合わせたりして新たな記事を作り出すことで、良く言えば「リライト」、悪く言えば「パクリ」。

Googleなどの検索エンジンは、基本的に似たような記事の場合、先に書かれた記事を上位に表示する傾向にありますが、WELQなどのキュレーションサイトは同じ意味を持つ別の文言などを積極的に使わせると同時に、圧倒的な文字数と記事数による物量作戦で検索エンジンの信頼を勝ち取り、上位表示していました。

しかし所詮はパクリ記事。

記事数を増やすために外部のライターに信憑性のない記事まで書かせた結果、あまりの無神経さに批判が集中、その後外部ライターへのパクリ指示や営利最優先の運営が明るみに出て無期限休止に追い込まれました。

それが飛び火して同じような事をしていた別の大規模キュレーションサイトも閉鎖や非公開に追い込まれたという経緯があります。

ハゲラボの発毛・育毛に関するスタンスは・

一例の問題を受けてWELQやMERY、Healthilなどといった主要なキュレーションサイトが閉鎖や非公開に追い込まれる中、ハゲラボは何事もなく運営しています。

ハゲラボではトップページの中央にサイトポリシーへのリンクが貼られており、それを見ると以下のような特徴が見えてきます。

■発毛効果は発毛剤が一番というスタンス

当たり前と言えば当たり前なのですが、ハゲラボでは育毛・発毛の効果効能の大きさについて、ミノキシジルやフィナステリドの効果が最も高いというスタンスを取っています。

これは法令遵守や専門家の意見を鑑みても当然のことではあるのですが、育毛剤の報酬目的のためこれが行われていない育毛関連サイトが乱立している中、ハゲラボのこの姿勢には文句の付けようもありません

■育毛剤の評価が高い

このへんから若干怪しくなってきます。

ハゲラボのポリシーの中で、発毛剤の効果・効能の評価が「◎」なのに対し、育毛剤は「〇」。つまり育毛剤には発毛剤に次ぐ効果があるとしています。

一方で安全性については育毛剤が「◎」なのに対し、AGAクリニックなどで処方されるプロペシアですら「△」、個人輸入のものに至っては「×」の文字が。

発毛剤にはその強力な効果ゆえに副作用のリスクもありますが、これと安全性は別の問題。そんなことを言ったら病院で処方される薬のほとんどは安全性が低いことになってしまいます

この時点で副作用の可能性がある病院の治療より、副作用も効果もない胡散臭い民間療法を推奨しているのと同義です。

【追記】発毛剤に関しての安全性評価が変わった

2017年11月にヘアラボに改名した際に、フィナステリドやミノキシジルの安全評価がこれまでの「△」から「〇」に変更されました。

その理由についてヘアラボは「発毛剤に一定の副作用の報告が認められることから、△と位置づけていたが、医薬品の安全性の面という意味では語弊があると判断し◯と改めた」としている。

当記事は「ハゲラボ」で検索すると現時点で当該サイトに次いで2位に表示されており、上記のような批判を見た運営会社が対応してきたという見方もできます。

…まあ当サイトはヘアラボと違い弱小サイトなので、わざわざ相手にするとは思えないが。ただ、発毛剤の評価を少し上げることで「過剰に育毛剤をプッシュしている」という批判をかわす狙いがあることはまちがいないでしょう。

■サイト運営のためにアフィリエイトで利益を出すと明記

これについては当サイトですら発毛剤のアフィリエイト報酬で運営しているため、文句を言うつもりはありません。

ただし、問題は発毛効果がなくアフィリエイト報酬が桁違いな育毛剤ばかりをおすすめしている点で、効果の面で発毛剤が最も大きいというポリシーの割に、とにかく育毛剤のプッシュが激しい。

法令遵守し専門家の意見を至上とするスタンスを隠れ蓑にし、結局は報酬の高い育毛剤を売ろうという魂胆がありありと見える。

そりゃこの規模のサイトなら報酬も「特別単価」という形でかなり優遇されていて、チャップアップやフィンジアといった育毛剤を1本売れば2万円の利益になるでしょうから、育毛剤をプッシュするよね。

そもそもハゲラボってキュレーションサイトなの?

ハゲラボがWELQなど悪質なキュレーションサイトと同じかどうかという点については議論の余地は十分にあれど、外部のライターを募集していて、かつ他のサイトの情報をリライトしつつ多くの文字数を詰め込み検索上位表示に成功しているという点では間違いなくキュレーションサイトと言っていいでしょう。

ハゲラボのライター募集
出典:ヘアラボ


ただ、ネット上に溢れる情報を収集し分かりやすくまとめる手法というのはハゲラボのみならず多くのサイト運営者がおこなっていることで、それが訪問者の利益になるなら問題ないと考えています。

…まあ私もやっているしね。

問題なのはポリシーでも「髪に悩める1260万人に寄り添い、正しい情報を届け、最適な対策方法を提案する」と謳っているにもかかわらず、発毛根拠が一切なく高額な育毛剤ばかりをおすすめしている点。

つまり、寄り添っているのは国内1260万人のハゲではなく、高額なアフィリエイト報酬を支払ってくれる育毛剤メーカー

「お客様のために」とか言いながら金の事しか興味のない企業は多く、ハゲラボも結局はそのスタンスであることが垣間見えます。

ハゲラボの育毛剤関連情報は信用するな

ハゲラボの運営会社であるGorooにしろ、親会社のユナイテッドにしろ、企業である以上営利を追求するのは当然です。

しかし営利を追求するあまり、情報操作を行いあたかも育毛剤が優れているように書くのであれば、我々ハゲにとって害悪でしかありません。

とはいえ、圧倒的な記事数を誇るハゲラボには有用な情報も多々ありますので、「育毛剤関連は誇張」という前提のもと記事だけを参照するのであれば何の問題も被害ないでしょう。

ハゲラボが膨大な記事の中でどれだけ育毛剤をプッシュしようが、世界的に発毛根拠があるのはフィナステリド、デュタステリド、ミノキシジルを使った発毛剤のみであり、それ以外の育毛剤について客観的な発毛根拠はありません。それは国も専門家(育毛剤メーカーの息がかかっていない人間に限る)も認めています。

最後にもう一度書きますが、ハゲラボが猛プッシュするチャップアップを売れば1本当たり1.5~2万円、フィンジアなら2万円前後が運営会社に支払われます。ちなみに個人輸入の発毛剤の報酬は平均して300~500円くらい。これがすべてを物語っていると思います。

大きなサイトだから、上場企業が親会社だからといって記事に全幅の信頼を置くことはせず、情報の取捨選択をしっかりと行うようにして下さい。

【追記】ハゲラボがいきなりヘアラボに改名

いかにもハゲに寄り添っているように装いつつゴミみたいな育毛剤を売りつけようとするハゲラボは、2017年11月17日に突然「ヘアラボ」に改名しました。

その理由について、当該サイトでは「解決すべき課題の領域拡大に伴い、サイト名をヘアラボと変更することとなりました」としている。要はハゲを対象にした育毛関連商品のみならず、様々なヘアケア商品を売りつけるようになったので、ハゲラボという名前が実態にそぐわなくなったということか。

名称変更に伴って「ヘアラボに託す想い」というサイトのコンセプトなどを書いたページも更新されているのですが、なんか色々と言い訳がましい文言が増えている印象を受ける。

「正しい情報を届けるために時に多くのお金がかかる」としてアフィリエイトプログラムを“一部”使用していると書いているが、すべてのページのサイドバーとほとんどのページの本分直下に広告掲載しているよね。これが“一部”なのか。

謎の社名変更と名称変更

ハゲラボ改めヘアラボを運営する株式会社ゴローは当該サイト改名に先立ち2017年10月6日に社名を「株式会社アラン・プロダクツ」に社名を変更しています。

社名の変更から1ヶ月ちょっとでメインサイトの名称変更。ちなみにヘアラボを運営する株式会社ゴロー(当時)は2017年3月期の決算発表で約1億6千万円の純利益を上げたとしている。

私たちハゲに育毛剤に発毛効果がると誤認させ、サイトボリュームを背景に生えもしない育毛剤をバンバン売って儲けてるね~。

で、この社名変更に伴って新たなサービスを開始することを示唆。そして主要サイトのハゲラボでは「ハゲ」という限られつつも明確な対象から「ヘア」という広く曖昧な言葉を用い商売の範囲を広げてきている。

より利益を上げるため、髪の毛に悩みを抱えている人間からより金を巻き上げるために手を打ってきたといったところでしょうか。まあ民間企業は営利を目的とした企業なので特に問題はありませんけどね。

ただ、金のために発毛効果のない育毛剤を率先して売ろうとする姿勢はクソ。しかも「私たちはあなたの事を想って正しい情報を提供しているんです」という偽善者丸出し感には清々しさすら感じるレベル。

さて、狭くコアな「ハゲ」から広く浅い「ヘア」に名称変更したヘアラボと、事業拡大路線を突っ走る運営会社がどういった動きをし、どういった経緯を辿るのか、今後も注目していきましょう。

【追記】ヘアラボが事実上の閉鎖へ

2018年頃まではネット上の育毛関連記事において圧倒的な存在感を放っていたヘアラボ(旧ハゲラボ)。しかし2018年8月に実施されたグーグルによる検索エンジンのアルゴリズム変更により状況は一変します。

キュレーションサイトによる信頼性の低い記事の量産を問題視したグーグルは、医療関連の記事に関し医師や病院が発信する信頼性が高い情報を検索上位に表示する一方、信頼性が低いと考えられる一般的なサイトの情報を下に追いやる方向性を打ち出したのです。

その傾向はその後徐々に強化されることになり、ヘアラボのアクセス数は激減。サイトからの収益も大きく減少する結果となったのでしょう、徐々に記事の投稿も減少する事態に。

そりゃそうです、ピーク時は月間150万PVあったとされるヘアラボのアクセス数は2018年8月以降右肩下がりになり、2019年2月の段階で月間20万PVに。その数ヶ月後には月間5~6万PVになっていることを確認しました。

ヘアラボ(旧ハゲラボ)のアクセス数激減

もはや回復の見込みはないと考えたのか、ヘアラボを運営していたアラン・プロダクツの親会社であるユナイテッドは2020年1月にアラン・プロダクツの解散を発表したのです。

現在もヘアラボのサイトはネット上に存在するものの、レイアウトは崩れ更新も完全に止まっています。そりゃそうです、運営会社はすでに解散しているのですから。

数ある育毛関連サイトの中でも圧倒的な情報量によりアクセスを稼ぎ、効きもしない育毛剤をあたかも効果があるように謳うことでハゲを食い物にしてきたヘアラボも、グーグル様の手にかかれば1年で虫の息。恐ろしいですね。

ただ、こういった科学的根拠のない情報を掲載し育毛剤を買わせようとするサイトが淘汰されるのは薄毛に悩む人間としてはありがたいところ。まあ、ヘアラボが無くなったところで他の育毛サイトが出てくるだけなんですけどね。

育毛関連サイトには騙されないようにしてください。

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