女性用育毛剤に発毛効果は一切ない
専業主婦という言葉が死語になりつつある現在。かつては「ハゲ=男性」というイメージが強かったものですが、女性の社会進出が進んだことで近年は女性の薄毛が急増していると言われています。
実際、街中などでも髪の毛が薄い20~30代くらいの若い女性も散見され、場合によっては明らかな「薄毛」であるケースも。
そういった背景から女性用の薄毛対策商品にビジネスチャンスが生まれ、新興企業から大手化粧品メーカーに至るまで多くの会社が女性用育毛剤を世に送り出しています。
より良い育毛剤が販売され選択肢が増えることは女性にとって歓迎するべきことと感じる人もいるかもしれません。しかし結論から申せば女性用育毛剤で髪の毛が生えることはありません。
女性用育毛剤に発毛効果がない理由
ではなぜ女性用育毛剤で髪の毛は生えないのか?
その理由は極めて単純。そもそも「育毛剤」というものは髪の毛が抜け落ちてしまった場所から新たな髪の毛を生やす発毛効果を目的として作られていないから。
薄毛になってしまった部位から再び髪の毛を生やすことを目的としているものは「発毛剤」と呼ばれ、市場に出回っている多くの女性用育毛剤とは似て非なるもの。まったく性質が違うのです。
育毛剤は頭皮の炎症を抑制したり血行を促進したりして今ある髪の毛の成長を促したり、抜け毛を予防したりする程度の効果しかありません。「髪の毛を生やす発毛効果」というのはかなりの強い作用が必要になり、女性用育毛剤にそんな力はないのです。
原因はホルモンバランスの乱れ
男性の薄毛が男性ホルモン「テストステロン」と5αリダクターゼという酵素が結びついて作り出される「ジヒドロテストステロン(DHT)」なのに対し、女性の薄毛の原因はホルモンバランス乱れとされています。
女性ホルモンであるエストロゲンは美しく丈夫な髪の毛を作り出すホルモン。そのホルモンがストレスや食生活など様々な理由で減少してしまうと薄毛になりやすくなります。
また、男性に比べればごく少量ながら女性も男性ホルモンを分泌しており、女性ホルモンが減ると相対的に男性ホルモンが増え薄毛になるとされている「女性男性型脱毛症(FAGA)」が多いという説も。
どちらにせよ女性の薄毛にはホルモンが大きく関わっていることは間違いありません。そして、冷静に考えてみて下さい。育毛剤にごくわずかしか配合されていない自然由来成分を頭皮にちょろっと塗っただけでホルモンの作用に逆らい髪の毛が生えると思いますか?
含有量が明記されエビデンス(化学的根拠)が豊富な医薬品の発毛剤ですら完全なる発毛は難しいのに、含有量が分からず発毛根拠のない成分を塗って髪の毛が生えるはずはないのです。
発毛させたいなら女性用育毛剤は使うな
これを見ている女性というのは少なからず薄毛ケアに興味がある、もしくは実際に薄毛の傾向が現れている人と推測されます。
そういう女性にまずは問いたい。「何を目的に育毛剤を使うのか?」、と。
抜け毛が抑制できればいい」「気休めになれば良い」という理由であれば市販の育毛剤でも一定の効果は期待できるかもしれません。しかし再び髪の毛を生やしたいと考えているのであれば女性用育毛剤では話になりません。
しかし女性用育毛剤のメーカーや公式サイトにおいてその事実に触れられていることはなく、薬機法(旧薬事法)で育毛剤が謳うことが禁じられている「発毛する」「髪の毛が生える」という表現を避けつつ、あたかも髪の毛が生えそうな“雰囲気”を演出しています。
そういった文言に惑わされ、本来の目的とは異なる効果しかない女性用育毛剤でお金や時間を無駄にしてしまう女性が出ないよう、ここでは個別の育毛剤について客観的事実と個人的見解と交え批評していきます。
今現在女性用育毛剤を使用している人が当サイトを見ると不快に感じることもあるかもしれませんので、「自分が使用している育毛剤の批判を見たくない」という場合はそっと閉じていただければ幸いです。
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