ベルタ育毛剤に発毛効果はないので注意
女性の社会進出が活発化するに従い薄毛に悩む人が増えており、そんな女性の間で人気なのがベルタ育毛剤。しかし、この商品に髪の毛を生やす効果はないため、薄毛治療にとって無意味なんです。
ベルタ育毛剤はインターネットを中心に販売する女性用育毛剤の中でもマイナチュレと人気を二分するとされる。それだけに使っている人や使用を検討している人も多いのでは?
しかしこの商品に発毛効果がないのはもちろん色々ツッコミどころが多い。
これで髪の毛が生えると勘違いする女性を少しでも減らし適切な治療を行う人が増えるよう、ベルタ育毛剤を使うべきでない理由を書いていきましょう。
発毛効果ないベルタ育毛剤の成分
ベルタ育毛剤の売りのひとつが「業界最多レベルとなる56種の成分」。
メーカーが誇らしげに語るそのすんごい成分の内訳はというと…
ベルタ育毛剤 | |
---|---|
成分 | センブリエキス グリチルリチン酸ジカリウム 酢酸DL-α-トコフェロール プラセンタエキス(1) サクシニルアテロコラーゲン液 水溶性コラーゲン液(3) ヒアルロン酸ナトリウム(2) プルーン酵素分解物 ユキノシタエキス 海藻エキス(1) シルバーバイン果実エキス ウメ果実エキス カンゾウ葉エキス イザヨイバラエキス エイジツエキス テンニンカ果実エキス スターフルーツ葉エキス イチョウエキス アシタバエキス ボタンエキス シナノキエキス ヒキオコシエキス(1) カモミラエキス(1) ビワ葉エキス ジオウエキス ヒオウギ抽出液 水素添加大豆リン脂質 L-ピロリドンカルボン酸 L-アルギニン L-アラニン L-アスパラギン酸 大豆たん白水解物(2) L-セリン L-バリン L-プロリン L-スレオニン L-イソロイシン L-ヒスチジン L-フェニルアラニン ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 ラウリルジメチルアミンオキシド液 濃グリセリン キサンタンガム 1,3-ブチレングリコール 乳酸ナトリウム液 DL-ピロリドンカルボン酸ナトリウム液 水酸化ナトリウム グリシン N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステリル・2- オクチルドデシル) 馬油 無水クエン酸 クエン酸ナトリウム 無水エタノール フェノキシエタノール エタノール D-パントテニルアルコール 精製水 |
わーすごーいいっぱーい。(棒)
そもそも、成分が多いほど効果があるとする育毛剤の間違った流れはどうにかならんものか?視覚的に訴求しやすいから行っているんでしょうが、成分の数と効果は比例しないので勘違いしないように。
もし「成分が少ないと効果がない」というのであれば、病院で処方される様々な病気に対する内服薬や外用薬のほとんどはゴミということになる。あれらは効果を高めるため基本的に1種の成分に特化していますからね。
それは育毛分野においても同様で、プロペシアやザガーロといった病院で処方される発毛剤はそれぞれフィナステリド、デュタステリドのみが有効成分となっています。女性は使うことができない点は痛いところですが。
つまり、効果を高めたいならより効き目の強い成分に特化するべきであり、「56種!」と鼻息荒く宣伝しているベルタ育毛剤の滑稽さが際立つ。
複数の生薬を組み合わせる漢方薬を目指している感じ?
病院で処方される医薬品の漢方薬ですら発毛するものは皆無だというのに、「有効成分は1割程度で、あとは水とエタノールがほとんど」とされる医薬部外品の育毛剤を頭皮に塗って何を期待しろと?
成分に発毛根拠は一切ない
成分数が多かろうが少なかろうが発毛の観点からいえば何の意味もありません。加えて、成分の一つひとつにも髪の毛が生えるという根拠は一切ないのです。
有効成分であるセンブリエキスやグリチルリチン酸ジカリウムは抗炎症作用や血行促進効果があるだけの成分。いわゆる「頭皮を健やかに保つ成分」であり、これで髪の毛が生えることは100%ありえません。
また、ビワ葉エキスやヒオウギ抽出液、海藻エキスなど定番成分が多く配合されているベルタ育毛剤ですが、これらのほとんどは保湿成分。発毛はおろか今ある髪の成長を促す育毛効果に対してすら明確なデータや根拠を持っていません。
「根拠がないからって生えないとは限らないじゃん」
そう感じる人もいるでしょう。しかしたとえ話をするなら「あなたが“がん”を患った場合、病院での治療と怪しい民間療法のどちらを選びますか?」というレベル。
ベルタ育毛剤を使いたいのであれば止めはしませんが、それは医学的根拠やデータがそろっている最善の治療を放棄し、なんの根拠もない高額な民間療法に頼るのと同義です。
新たな髪の毛を生やしたいわけではなく、「今ある毛が多少元気になればいいや」という目的であればベルタ育毛剤でも達成されるかもしれませんが。
ベルタ育毛剤はお決まりの天真堂製
天真堂という企業をご存知でしょうか?
育毛剤や化粧品に詳しい人でない限り聞いたことがないであろう天真堂。この企業はOEMの製造…つまり他社ブランド向けの製品を作っている企業。簡単に言ってしまえば企業から化粧品や育毛剤の製造委託を受けている会社です。
この天真堂はベルタ育毛剤のライバルともいえるマイナチュレを製造していることでも知られており、他にも男性に人気のあるチャップアップやブブカ、イクオスといった育毛剤の製造も請け負っています。
それ自体は別に何の問題もないことで、考えようによっては人気育毛剤を多く製造している天真堂製というのはむしろ好ましく感じる人もいるかもしれません。
ただ残念なのはマイナチュレもチャップアップもブブカもイクオスも大半の成分が同じで、かつ一切の発毛効果がない点。そして「ベルタ育毛剤はベルタブランドが長年の研究を重ねて完成した」という文言に怪しさが漂う点。
一般的にOEMの企業に製造を委託する会社のほとんどは自社で製造開発するだけの規模を持っておらず、いわゆる「研究」なんて行えるはずがない。企画を作ってOEM企業に持ち込み、それに沿って提案を受け製造してもらうだけ。まあ「企画=研究」と定義するなら間違いではないが。
ベルタ育毛剤の成分数がやたらと多い一方で妙に聞き覚えのあるものばかりだとは感じていましたが、天真堂製ということで合点がいきました。
もう一度書くけど別に天真堂製が悪いと言っているわけではないんですよ。ただ良くも悪くも似たりよったりになりがちというだけで。
発毛効果を謳っていないベルタ育毛剤
ちょっと辛辣なことを書きましたが、勘違いして欲しくないのは「ベルタ育毛剤は発毛効果を匂わせる質の悪い商品」と言っているわけでは決してないこと。
男性用の育毛剤では薬機法ギリギリの表現で髪の毛が生える錯覚を抱かせる商品が多く、中には完全にアウトなものも存在します。しかしベルタ育毛剤に関しては過度に発毛を期待させるような表現は使っていません。
つまり、理屈上では「ベルタ育毛剤が悪いのではなく、これで髪の毛が生えると勘違いする人が悪い」ということになります。
ただ、育毛や発毛にある程度知識がある人であれば「これで発毛はしないんだな」と理解するでしょうが、知らない人にとっては育毛と発毛の違いなど判別できるはずもなく、「育毛剤=髪の毛が生える薬」という認識になるかと。
であれば、ベルタ育毛剤は毛生え薬という見方になりますよね。
何度も書くようですが、ベルタ育毛剤に新たな髪の毛を生やす発毛効果はなく、あくまでも頭皮を健やかに保ったり、抜け毛を予防したり、今ある髪の毛の成長を手助けしたりするためのものです。公式サイトでもそう謳っているので、勘違いしないようにして下さい。
濃縮度99.9%の謎
ベルタ育毛剤の表現において「謎」として常々感じていたのが「濃縮度99.9%」というもの。育毛・頭皮ケア成分が99.9%ということだが、どうもこの表現が腑に落ちない。
単純に考えれば内容量のほぼすべてが何らかの育毛・頭皮ケア成分ということになる。すごい濃密な育毛剤なんだなという印象を受けますよね。
しかしちょっと待って、一般的に化粧品や育毛剤の有効成分は1割前後と言われ、それ以外は水やエタノールなど効果とは関係ないものになります。
そしてベルタ育毛剤の成分表にも複数のエタノールや精製水、水酸化ナトリウムなど育毛に関係ない成分がいくつも確認されます。濃縮度99.9%と謳うなら水やエタノールなどは0.1%しか入っていないとでも?
もしや濃グリセリンやキサンタンガム、乳酸ナトリウムなども「頭皮ケア成分」と見なしてるのか?
10%の育毛成分を90%の水やエタノールで希釈し「100%の(薄まった)育毛成分の出来上がり」というのであれば分からない話でもないが、そうなるともはや無法地帯である。
詳細が分からないので明言は避けますが、いまいち納得できないな。
天然由来成分99.6%のからくり
ベルタ育毛剤は濃縮度99.9%という謎の数字以外にも「天然由来成分99.6%」という数字を強調しています。どんだけ99%が好きなんだか。
これは濃縮度に比べ分かりやすいもので、精製水やエタノールを含め単純に成分の99.6%が天然由来の成分ということなのでしょう。
皆さんは「天然由来成分」と聞いてどんな印象を抱きますか?
多くの女性はこの言葉に「化学的に合成されたものとは違い刺激がなく安全なもの」という印象を抱くのではないでしょうか。実際にそれを目的として謳っているのでしょうし。
しかし天然由来成分といえ化学的な処理を施して抽出されたものも多いのが事実。
また、「天然由来」というと悪影響が懸念される石油由来の成分とは真逆の印象を受けるでしょう。しかし冷静に考えてみて下さい。生物の遺骸が数十万年、数百万年という時間の中で変化するとされる石油も天然由来です。
何をもって「天然由来」というかは極めて曖昧。極論を言うなら世の中にあるすべてのものは天然由来と見ることもできます。なぜなら全くのゼロから何かを生み出すことなど不可能で、ものを作り出すためには地球上に存在する自然由来の材料が必要になるからです。
そもそもベルタ育毛剤の有効成分のひとつである酢酸DL-α-トコフェロールからして合成ビタミンEと呼ばれるものですし、1,3-ブチレングリコール(BG)だって化学合成されて作られるもの。
天然由来と言えば聞こえはいいが、天然物であれ合成物であれ同じ成分であれば差異はありません。天然由来成分という定義は極めて曖昧、かつ安全である根拠すらない言葉のマジックなのです。
天然由来は安全?じゃあ天然由来のトリカブトやフグ・ヘビなどの毒も安全ということになるのかな?
頭皮クレンジングの謎
ベルタ育毛剤の売りのひとつに、定期コースでプレゼントされる2,000円相当の頭皮クレンジングの存在があります。
これは名前からも分かるように頭皮の汚れや皮脂を取り除くものなのですが、いったいこれに何の意味があるのか?
「角栓を取る」なんて書いているサイトもあるが、塊レベルの角栓がクレンジングで取れるわけもなく、せいぜい毛穴周辺の皮脂を溶かす程度。ただ、こういった毛穴に詰まった皮脂は無理に取る必要はないもの。
育毛サロンなどで頭皮の毛穴周辺に皮脂などの汚れがびっしり付いている画像を見ることがあるが、髪の毛が伸びれば皮脂も一緒に押し出されるため、洗髪でどんなに綺麗にしても数時間後には皮脂などで汚れてしまいます。つまりあの汚れはいたって正常ということ。
毛穴では常に皮脂が分泌され、それが毛穴へ異物が入ってくるのを防いでいるので神経質になる必要はなく、頭皮の汚れや余分な角質、毛穴表面の皮脂などは普段のシャンプーで十分取ることができます。
顔のように毎日化粧品を塗るならまだしも、シャンプーとコンディショナー程度しか行わない頭皮にベルタ育毛剤の頭皮クレンジングなど不要。それでなくても市販のシャンプーは洗浄力が強いんだから。
月並みな表現ですが、毛穴がー皮脂がーと言うならホームレスはみんなズルむけのハゲになっているはず。頭皮クレンジングなど気休めなのです。
まあ、薄毛治療の観点から言うと育毛剤はみんな気休め。「効果がある気分にさせる」という点においては意味があるのかもしれませんね。
安いようで実はかなり高い価格
ベルタ育毛剤の価格はライバルであるマイナチュレに比べ「やや高い」程度の価格で、日本の育毛剤としてはむしろ安い部類に入るかもしれません。しかし色々とカラクリがあるんです。
まずはベルタ育毛剤の価格を見てみましょう。
商品名 | 内容量 | 価格 |
---|---|---|
単品購入 | 80ml | 5,980円(税抜) |
定期便 | 80ml | 4,980円(税抜) |
即定期便 | 80ml×2 | 9,780円(税抜) |
定期コースで5,378円は男性用育毛剤に比べれば安めで、女性用育毛剤としても平均的な値段と言っていいでしょうが、問題になるのはその使用方法や使用期間。公式サイトでは以下のように書かれています。
出典:ベルタ公式サイト
基本は1日1回の使用で1ヶ月使用できるが、薄毛がより気になる人は1日2回使え。その際は1本で半月しか持たないがな。…と言っている。
一般的な育毛剤の場合1日2回を想定し1本で約1ヶ月持つように作られているが、ベルタ育毛剤でそれをやると1ヶ月で2本必要になるため、2本がセットになった「即定期便10,562円(税込)」が必要になります。
これだけ払って髪の毛は生えない…消費者舐めてる?
数だけ多いだけで平凡な成分しか入っていないのに、なぜ1日1回でいいとぬかすのか?発毛成分であるミノキシジルを高濃度に配合したものですら1日2回の使用が基本だというのに。
まあ発毛の観点で見れば育毛剤など髪の毛の生えない、効果ないただの気休め商品ですから、「1日1回でも2回でも勝手にすれば」というのはある意味では真理か。
改悪した全額返金保証
ベルタ育毛剤のツッコミどころはまだある。
ネットを中心に販売する育毛剤のほとんどは一定期間の全額返金保証が設定され、この期間内であれば理由はどうあれ商品代金の返金に応じてくれるというもの。その期間はおおむね30~60日間くらいが平均で、対象本数は初回の1本のみというのが一般的。
で、ベルタ育毛剤には30日間の全額返金保証が設定されているのですが、実は少し前まで90日間だったんですよね。
出典:ベルタ公式サイト
90日間といえど対象本数は初回の1本のみだったので「大して変わってないじゃん」と感じるかもしれませんが、これまでは3ヶ月使って満足しなければ最初の代金だけでも返してもらえたのに、今は1ヶ月しか猶予がないことになる。これは大きな差。
育毛剤が返金保証を変更する場合、ほとんどは期間を延長する方向に動く中、ベルタ育毛剤は期間の短縮というとっても自社フレンドリーな対応になっています。
その少し前にライバルであるマイナチュレが90日間から180日間に変更したため、白旗を上げて利益を優先したという見方もできる。
こういうところに企業姿勢が出るな。
ベルタ育毛剤の使用はおすすめしない
当サイトでは発毛効果や根拠のない医薬部外品の育毛剤をおすすめすることはありませんが、評価できるところがあれば肯定的に書くするようにしています。マイナチュレの全額返金保証とか。
そんな中にあってベルタ育毛剤は1日2回使うと異常に高価になる、全額返金保証の改悪など、個人的に評価するべきところがほとんど見当たらない。
育毛剤というのは総じて髪の毛を生やす効果はないため、それなら懐が痛まない分安いものを使った方がまだまし。効かないのを分かった上で気休めとして使うのであればね。
ならば価格が安く返金保証も充実しているマイナチュレの方がよっぽどいい。これにも当然発毛効果はないが、「どうせ毛が生えないなら」という観点で見れば遥かに良心的です。薄毛を治したい人には一切おすすめはしないけどね。
薄毛を治したいならどうすればいい?
もし本気で髪の毛を生やしたいのであれば、医学的な発毛根拠のあって女性が使えるものはミノキシジルしかありません。
最も効果の高いものはミノキシジルタブレットという内服薬。低血圧やめまい、動悸といった副作用が出る可能性がありますが、男性であれば5~10mgでないと効果が出にくい一方で、女性は2.5mgで十分な効果が出るので、副作用のリスクは当然低くなります。
頭皮に塗る外用薬であればミノキシジルを2%配合した女性用のロゲインが1本あたり3,000円弱で購入できます。このロゲインは世界で初めてのミノキシジル外用薬で、リアップより遥かに歴史の長いアメリカの商品です。
ミノキシジルに抵抗があるなら、世界30ヶ国以上で使われる飲む育毛剤パントガールを進化させたルグゼバイブあたりか。ミノキシジルほどの根拠や実績はないものの、豊富な馬プラセンタなど育毛と美容の両面に効果的。
日本で女性が使える発毛剤を探すとミノキシジルを1%配合したリアップリジェンヌしか選択肢がなく、価格も5,000円前後と決して安いものではないため、選択肢の幅を広げるという意味で海外製のものに目を向けてみてもいいと思います。
とはいえ個人輸入に不安を感じている人も多いと思います。上記3つの商品は女性に高い人気を誇り、リンク先の個人輸入代行業者には数百件のレビューや口コミが集まっていますので参考にしていただければ幸いです。
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