リデニカルスカルプエッセンスに発毛効果は?
近年育毛剤市場において急速に広まった感がある成分としてリデンシルが挙げられます。キャピキシルが下火になる中、多くの育毛剤メーカーが次なる目玉としてリデンシルに目を付けたといったところでしょうか。
キャピキシルの「ミノキシジルの3倍の育毛効果」というキャッチフレーズに比べリデンシルは「ミノキシジルの2倍の効果」という触れ込み。やや弱い印象を受けますが、医薬部外品として使用できるというメリットも。
ただリデンシルを用いた育毛剤は総じて高価という大きなデメリットがあり、あまり普及しないまま過去のものになりつつあるキャピキシルの二の舞になる恐れも。
そんな中登場したのが安価なリデンシル配合育毛剤であるドクターゼロ リデニカル・スカルプリバイタライジングエッセンス。この商品はどの程度の発毛効果が望めるのか?買う価値はあるのかどうか厳しく批評していきたいと思います。
- リデニカル・スカルプエッセンスとは
- リデニカル育毛剤の全成分
- リデンシルの発毛効果は?
- リデニカルのその他の成分
- リポソーム技術による浸透力
- リデニカル・スカルプエッセンスの副作用
- リデニカルは育毛剤ではない点に注意
- リデニカル育毛剤の価格
- 他のリデンシル育毛剤との比較
- リデニカル・スカルプエッセンスの総評
リデニカル・スカルプエッセンスとは
リデニカル。スカルプリバイタライジングエッセンスはその名の通りリデニカルシリーズを構成する商品のひとつで、ドクターゼロというアメリカのブランドが販売を手掛けている育毛ローションです。
リデニカルシリーズはリデンシルを配合しているのが大きな特徴。ここで紹介しているスカルプエッセンス以外にもリデンシル配合のスカルプシャンプーなども販売し人気を集めています。
リデニカルシリーズを手掛けるドクターゼロは同シリーズ以外にもミノキシジル外用薬や育毛シャンプーなど、発毛・育毛分野において様々な商品を販売しています。
リデニカル・スカルプリバイタライジングエッセンスは日本製
ドクターゼロの商品は一部の発毛剤と違いアメリカ製とあって信頼性の高さが売り。しかしリデニカルシリーズに関しては日本のドクターズ・ファーマシーという企業が製造しています。日本製とあって信頼性は抜群。
「海外製の育毛商品はちょっと…」という印象を抱いている人も抵抗なく使用することができるでしょう。
リデニカル育毛剤の全成分
「ミノキシジルの2倍の効果」という胡散臭いキャッチフレーズを引っさげて登場したリデンシルが目玉成分であるリデニカル・スカルプリバイタライジングエッセンスですが、具体的な成分構成はどうなっているのか?
まずは全成分を掲載しておきますので、気になる成分をチェックしてください。
リデニカル・スカルプリバイタライジングエッセンス | |
---|---|
成分 |
水 エタノール PGグリセリン PVP PEG-60水添ヒマシ油 セイヨウアカマツ球果エキス チャ葉エキス 塩化亜鉛 ピロ亜硫酸Na グリシン ピロクトンオラミン オウゴン根エキス ヒノキチオール ヒオウギエキス アカヤジオウ根エキス サンショウ果皮エキス チョウジエキス セージ葉エキス キハダ樹皮エキス ユーカリ葉エキス レモングラス葉/茎エキス センブリエキス オタネニンジン根エキス 酢酸トコフェロール セイヨウハッカ油 水添レシチン グリチルリチン酸2K クエン酸 クエン酸Na BG メントキシプロパンジオール フェノキシエタノール メントール 香料 |
赤字はリデンシルの構成成分です。リデンシルを1種類と数えるなら育毛成分は合計20種程度になるでしょうか。
成分をざっと見渡してみて感じたことは、リデンシル以外いたって標準的な育毛剤だなという印象。オタネニンジン根エキスやグリチルリチン酸2K、センブリエキス、酢酸トコフェロールなど定番成分が並んでいる。
まあリデンシルを売りにしたいくもうざいのほとんどはこんな感じの成分構成であるため、これで必要十分と見ることもできます。
価格を考えればむしろ頑張っているほうか。
リデンシルの発毛効果は?
さて、ではドクターゼロ リデニカル・スカルプリバイタライジングエッセンスの最大かつ唯一の強みともいえるリデンシルについて詳しく見ていきましょう。かなり辛口になりますよ。
リデンシルの試験データ
リデンシルはスイスのInduchem(インデュケム)社が開発した成分で、「in-cosmetics(イン・コスメティクス)」という化粧品原料の展示会において銀賞を受賞したのが自慢となっています。
銀賞受賞と髪の毛が生えるかどうかとは一切無関係だけどな。
そんなリデンシルはインデュケム社が独自に試験を行っており、そのデータを公表しています。なかでも培養毛包の成長をミノキシジルと比較した試験データは注目を集めました。
出典:REDENHAIR
それもそのはず、この試験ではミノキシジルの約2倍の効果を発揮したのですから。この結果から「リデンシルは発毛成分であるミノキシジルの2倍の効果がある!」という話が出回ったのです。
それを言ったら同様の試験でミノキシジルの3倍の効果が出たとするキャピキシルなんて神成分ですよね。でも実際は高いだけでまったく発毛効果がない役立たずですけど。
リデンシルの驚くべきデータはこれだけではありません。
リデニカル・スカルプリバイタライジングエッセンスと同様にリデンシル3%のローションとプラセボ(偽薬)をヒトに使用した臨床試験では成長期の髪の毛が9%増え、休止期の髪は17%も減少したのです。
出典:REDENHAIR
でもこれ、左のプラセボも結構良い成績を残しているような気がしなくもないですが、それを言うのは野暮というものですよ。そういう不都合に目をつぶって差し上げるのも大人の嗜みです。
このようにリデンシルは非常に高い効果を示しています。インデュケム社が提供する客観性も信頼性もない自社データによって、世界中で発毛効果が実証されているミノキシジルは過去のものになったと言っても過言ではないでしょう。
リデニカルのその他の成分
ドクターゼロ リデニカル・スカルプリバイタライジングエッセンスの素晴らしい成分はリデンシルだけではありません。
特に注目したい成分を挙げてみましょう。
8種の皮脂ケア成分
レモングラス葉/茎エキスやヒオウギエキス、アカヤアジオウ根エキスなど8種の成分は皮脂の過剰な分泌を抑制しつつ皮脂の酸化を防ぐとされます。
ただし、皮脂が多かろうが酸化しようがハゲることはありえないし、逆に皮脂が少なくても酸化しなくても薄毛が改善することはありえません。
医師や専門家がハッキリと「皮脂と男性型脱毛症(AGA)は一切関係ない」と言い切っている現代において、ハゲと皮脂を結びつけるなんて何十年前の発想だ?
3種の抗炎症作用成分
育毛剤の有効成分としてよく使用されるグリチルリチン酸2Kやペパーミントオイル、ヒノキチオールには消炎作用や抗炎症作用があります。
しかし残念ながら脱毛を引き起こすような酷い炎症には一切効果を発揮しません。エタノールや防腐剤などの刺激による炎症や紅斑などを抑制するために配合されていると見たほうが自然でしょう。
オウゴン根エキス
オウゴン根エキスも育毛剤の成分としてよく目にします。プロペシアの成分であるフィナステリドと同じくAGAの原因であるジヒドロテストステロン(DHT)を作り出す5αリダクターゼという酵素の働きを阻害する効果があるとされます。
そのためこれを全面に押し出す育毛剤も後を絶ちませんが、5αリダクターゼを阻害するというのは臨床試験によって得られたデータではありません。せいぜい培養細胞でそれっぽい効果があった程度のもの。
加えて、外用薬によって5αリダクターゼが阻害できるという根拠は一切ありません。強力な5αリダクターゼ阻害作用があるフィナステリドですら外用薬では効果は未知数だというのに。
なんとなく髪の毛に良さそうという程度の気休めに。
ピロクトンオラミン
ピロクトンオラミンは主にシャンプーなどに配合される成分で、抗菌作用や皮脂の酸化を抑制する作用があるとされます。
だからその程度の効果ではハゲは治らないと何度書けば…
3種の血行促進成分
オタネニンジン根エキスや酢酸トコフェロール、センブリエキスには頭皮の血行促進作用があります。ちなみにこれらはすべて育毛剤の有効成分として厚生労働省に認められているもの。一応実績はあります。
ただし過信は禁物。AGAのハゲ方を見れば分かるように私たちのハゲって頭頂部と前頭部に集中していますよね。仮に血行が悪いことが原因で薄毛になっているとするならそういったハゲ方はせず、頭皮全体が薄くなるはず。
実際、血行促進によって薄毛改善するという科学的根拠は一切存在しません。それでも血行が悪いよりは良い方がましかもしれませんが。
リポソーム技術による浸透力
リデニカル・スカルプリバイタライジングエッセンスに限らずリデンシルシリーズにはすべてリポソームによる浸透技術が採用されています。
リポソームとは水溶性である親水性と脂溶性である疎水性の性質を併せ持つ分子構造で有効成分をカプセル状に閉じ込めたもの。高価な化粧品などでの使用が増えつつある技術です。
水にも脂にも馴染む性質であるため脂溶性の角質層はもちろん、頭皮の奥深くにまで浸透しやすいという特徴があります。
この技術、ミノキシジルを高濃度で配合するフォリックスシリーズやリグロースラボシリーズにも採用され、高い効果を発揮していることからも、育毛との相性が良いことが伺えるはず。
他の育毛剤が「高い浸透技術」と胸を張るナノ化とは似て非なるものという点にも注目。“ナノ”なんて1nmも10,000nmも同じナノメートルという単位。ある意味では言ったもん勝ちであり言葉のマジックなのです。
一方のリポソーム技術は「ナノ化」なんて曖昧なものではありません。ナノ技術を使用している点は同様ながら、リポソームは仕組みがはっきりとしているためごまかしが効かないのです。
リデンシルなどをリポソーム技術でカプセル化したところでどの程度の効果を望めるのか不透明な面はあるものの、他の育毛剤に比べれば浸透技術は抜きんでていると見ていいでしょう。
リデニカル・スカルプエッセンスの副作用
育毛剤と聞いて気になるのは副作用の存在ですよね。フィナステリドやミノキシジルの副作用に懸念があるためリデンシルを配合した育毛剤に行きついた人も多いのではないでしょうか。
しかし、リデンシルを用いたリデニカル・スカルプリバイタライジングエッセンスといえど副作用のリスクはゼロではありません。
というのも、一般的に医薬部外品の育毛剤や化粧品は「副作用がない」なんて紹介されているのを目にしますが、これは大きな間違い。正確には「リスクが少ない」です。
ほとんどの育毛剤は様々な成分を配合するためにエタノールを用い、最低でも3年間品質を維持する目的で防腐剤を使用します。しかしごく一部の人はエタノールや防腐剤にアレルギー反応を示したり刺激を感じたりする人がいるのです。
もちろんプロペシアに代表されるフィナステリド内服薬のような性機能障害や、ミノキシジルタブレットの血圧低下やめまい、動悸といったちょっと怖い副作用が出ることはありません。せいぜい頭皮のかゆみや紅斑程度。
それでも何らかの有害事象が出る可能性がゼロではない以上、「副作用の心配はありませんよ」なんて無責任なことを書くわけにはいきません。
ドクターゼロ リデニカル・スカルプリバイタライジングエッセンスに重篤な副作用は存在しませんが、体質によっては頭皮にかゆみや紅斑、発疹といった異常が出る可能性は否定できません。
はっきり言ってしまうと、その程度の副作用を恐れるのであれば育毛は諦めたほうがいい。
リデニカルは育毛剤ではない点に注意
ここまで「育毛剤」というスタンスで紹介してきたリデニカル・スカルプリバイタライジングエッセンスですが、厳密には育毛剤ではありません。
一般的に「育毛剤」と呼ばれるものは医薬部外品を指します。薬機法において育毛剤と名乗るには厚生労働省が医薬部外品の有効成分と認める成分を規定量配合する必要があるからです。
一方、有効成分を定められた量配合していない場合や、医薬部外品に使用できない成分を配合している場合は「化粧品の養毛剤」という扱いになります。
分かりやすい例を挙げると、ミノキシジルの3倍の育毛効果があるとして一気に広まったキャピキシルを用いた育毛剤。
薄毛に劇的な効果がありそうな雰囲気を漂わせる商品とあって世間の印象は「育毛剤」という認識のはず。しかしキャピキシルは医薬部外品には使用できない成分であるため「化粧品」という扱いなのです。
気になる方はキャピキシルを用いた育毛剤(っぽいもの)をよく調べてみてください。医薬部外品の育毛剤と名乗っている商品は皆無であることが分かるでしょう。そりゃそうです、それをやったら薬機法違反ですからね。
リデンシルは医薬部外品の認可を受けられる
一方のリデンシルはどうか?結論から言えば医薬部外品に使用できます。
そのためリデンシルを主成分とするリデンやプランテルEXは共に医薬部外品の育毛剤です。一方、リデンシルを5%配合するDeeper3Dはキャピキシルを使用しているため化粧品となっているのです。
じゃあキャピキシルを用いていないリデニカル・スカルプリバイタライジングエッセンスは医薬部外品の育毛剤…と思いきや、そうではないんですね。
理由は…分からん。ドクターゼロはアメリカのブランドだから何かしらの規制があるのか、もしくはコストや時間のも問題から医薬部外品の申請をしていないだけなのか。
リデニカル・スカルプエッセンスに配合されている成分には医薬部外品の有効成分であるグリチルリチン酸2Kやセンブリエキス、オタネニンジン根エキスなどが使用されているため、それらを規定量にし正式な手順で申請すれば医薬部外品の登録は難しくなさそうですが…
成分的には医薬部外品のものとほとんど一緒。リデンシルの配合量も3%と明確であるため、効果面で医薬部外品の育毛剤を名乗っている商品と差はないでしょう。違いは「育毛効果がある」と謳えるか謳えないか程度。
そもそも育毛剤だろうが化粧品だろうが、本来男性型脱毛症(AGA)を改善させる目的のものではありませんしね。
リデニカル育毛剤の価格
はっきり言っておこう、ドクターゼロ リデニカル・スカルプリバイタライジングエッセンスのメリットは価格だと。
というのも、リデンシルを配合した育毛剤は総じて高いんですよね。宣伝ばかりに力を入れている日本の育毛剤は広告費がかさみ価格が高くなるというクソみたいな特徴があるのですが、リデンシル関連は特に高い。
そんな中、リデニカル・スカルプエッセンスの価格は良心的なのです。
内容量 | 価格 | |
---|---|---|
1本 | 60ml | 4,800円 |
2本 | 60ml×2 | 9,000円 |
いや、アメリカ製のミノキシジル外用薬であるリグロースラボM5などに比べれば決して安くはないですよ。しかし日本のリデンシル育毛剤に比べれば半額レベルの安さなのです。
安くて効果が高い商品を使いたいのであればミノキシジル外用薬がベストなのは言うまでもありませんが、副作用などが気になる、ミノキシジルで効果が出なかった等の理由によりリデンシルが気になっている人にとってはありがたいはず。
ちなみに2本同時購入するとちょっとだけ安くなります。600円くらいですけど。
他のリデンシル育毛剤との比較
現在リデンシルを配合している育毛剤は複数存在するため、どれを使おうか迷っている人もいるのではないでしょうか。
リデンシル濃度が高い商品、内容量が多い商品、価格が安い商品など特徴は様々なので、ここではリデニカル・スカルプエッセンスを主体としリデンシルを配合した育毛剤を比較したいと思います。
ちなみにここでの価格は基本的に最も安く買うことができる定期コースのものを使用。定期コースが存在しないDeeper3Dとリデニカルは単品価格での比較になります。すべて税込。
内容量 | リデンシル濃度 | 価格 | |
---|---|---|---|
リデニカル | 60ml | 3% | 4,800円 |
プランテルEX | 50ml | 5% | 9,700円 |
Deeper3D | 60ml | 5% | 14,100円 |
リデン | 90ml | 3% | 9,800円 |
どうでしょう?
キャピキシルを5%配合しているDeeper3Dが高いのは仕方ないとして、プランテルEXやリデンに比べリデニカル・スカルプリバイタライジングエッセンスは圧倒的に安くなっています。
ただしプランテルEXのリデンシル濃度は5%。リデンは内容量が90mlと多めである点がプラス評価か。
開発メーカーであるインデュケム社の試験は1%ないし3%で行われているため、5%の効果は未知数。初めてリデンシル育毛剤を使う場合は3%で十分でしょう。
だからといってリデンは…度重なる値上げや消費者を欺く手法、120mlから90mlへの内容量減らしなど、とにかく企業姿勢に良いイメージが一切ない。
同じリデンシル3%ならリデニカルを9,000円で2本買うほうがはるかにお得。それで思うような効果を実感せず、それでもリデンシルにこだわるのであればプランテルEXでも使っておけばいい。
リデニカル・スカルプエッセンスの総評
はっきり言っておきますが、私はリデンシルの効果に否定的です。ミノキシジルやフィナステリドと違い大規模かつ客観性に富んだ臨床試験を行っていないことから発毛の科学的根拠が一切存在しないのがその理由。
インデュケム社の試験データにしても大した結果は出ておらず、こんなレベルの成分に人生を左右する髪の毛の命運を預ける気には到底ならない。
とはいえ、みんながみんなそうでないことも理解できます。ミノキシジルなど発毛剤の副作用が気になる人もいるでしょう。発毛剤が効かず藁をも掴む思いでリデンシルに救いを求める人もいるでしょう。
そういった人には、とりえあず最もコストパフォーマンスに優れるドクターゼロ リデニカル・スカルプリバイタライジングエッセンスを使って欲しいと感じます。
効かなくてもダメージは少ないからね。
とはいえ、本当に薄毛を改善させたいのであれば世界的に効果が認められている発毛剤を使うべきです。ミノキシジルといえど外用薬であれば副作用のリスクは低いですからね。
リデンシルが気になっている人はリデニカル・スカルプリバイタライジングエッセンスを6ヶ月間使ってみてください。それでも効果が見られない場合はミノキシジルの使用を考えてみてはいかがでしょうか。
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