AGA専門クリニックをおすすめしない理由
薄毛が気になってきた場合、AGAを扱うクリニックや病院の受診を検討する人も多いのではないでしょうか? その選択は基本的に正しいものの、病院選びを間違うと色々なリスクが付きまとうことに。
当サイトはエビデンス(科学的根拠)を最優先としているため、フィナステリドやミノキシジルといった発毛剤の使用を一貫して推奨しており、そういった点において医療機関の受診こそがベストなのは言うまでもありません。
ただ、金銭的負担も鑑み医療機関での処方から安価な個人輸入も含めて幅広く対象にしており、発毛剤の使用に不安のある方や医師の診断を受けたい、より安全な薬を使いたい場合は積極的に医療機関を利用すべきと考えています。
しかしそれは正しい病院を選ぶことが前提で、「AGA専門」を標榜するようなクリニックや病院はあまりおすすめしていません。
その理由について詳しく書いていきます。
- ネットでおすすめされるAGAクリニックはやめろ
- AGA治療の病院を紹介するサイトは金目的
- 広告費に金をかけている病院は信用できない
- 高額な治療を勧められる可能性
- 病院オリジナルの発毛剤は買うな
- AGA専門クリニックを受診する際の注意点
- おすすめはAGA外来と皮膚科
ネットでおすすめされるAGAクリニックはやめろ
一時CMなどで「男性型脱毛症(AGA)はお医者さんで相談を」と呼びかけていたこともあって、薄毛治療に取り組む際は病院を受診するのが一般的になってきています。
そういった背景もあり、ネットで病院を検索する人も多いはず。「AGA 病院」などで検索するとAGAクリニックを紹介するサイトや、AGAを専門に扱う、もしくは力を入れているクリニック・病院などが上位に表示されるでしょう。
しかし育毛系サイトで紹介されている病院やクリニックは基本的に要注意です。
AGA治療の病院を紹介するサイトは報酬目的
薄毛治療で検索すると「AGA治療の病院ランキング」や「実際に行ってきた」などのサイトが目に付くと思いますが、これらのサイトはほぼ例外なく金目的で、私たちハゲの立場には立っていません。
高報酬のチャップアップやフィンジアなどの育毛剤と同様に、自分のサイト経由でAGAクリニックを予約・受診することで1万円以上の報酬を得られるため、必死になって紹介したり売り込んだりしているだけの提灯記事やサイトなのです。
ハッキリ言って「AGA専門だから安心」なんて嘘ばかり。
なぜなら薄毛・AGAに効果があると実証されている治療法は限られており、エビデンス(科学的根拠)がしっかりしている標準治療はAGAクリニックだろうが皮膚科だろうが変わらないから。
日本にAGA治療を行う病院は星の数ほど存在するのに、ネット検索で目にする病院は極めて限定的ですよね。
それは自サイト経由で予約・受診させれば高額な報酬が受け取れるアフィリエイトを行っているサイトばかりが上位表示されるからで、裏を返せばそういった報酬システムを採用しているAGAクリニックはごく少数ということにも。
それでも「プロペシアやザガーロの処方」という標準治療を優先的に行っていれば問題はないのですが…育毛サイト運営者に高い報酬を払ってまで客寄せするのですから、どこかでこれを回収する必要がありますよね。
広告費に金をかけている病院は信用できない
「貴サイトで紹介して実際に受診までこぎつければ〇万円支払いますよ」というアフィリエイトを利用しているAGAクリニックの多くは、Googleにも広告を出稿していることが多いので、そういった医院が検索の最上位に並んでいるのをよく見かけます。
アフィリエイトの広告主はAGAクリニック紹介サイト経由で利用者が受診すれば1万円以上の報酬を支払うことになりますし、検索エンジンへの広告出稿にも金がかかります。
ましてやコンプレックス分野で多額の金を生み出す薄毛関連の広告出稿は激戦なので、広告費はかなりお高めなのですから。
それだけ多額の広告費を支払っているAGAクリニックは、そのコストをどこで回収すると思いますか?言うまでもなく患者です。
病院とはいえ営利目的の法人なので利益を出すことを第一にしているのはどこも一緒。しかし過剰な広告を打つAGAクリニックはその傾向がより強いことくらい誰でも想像がつくと思います。
そう、広告に力を入れているAGAクリニックは、標準治療ではない高額な保険外治療を勧めてくる可能性が高いのです。
高額な治療を勧められる可能性
AGAを専門に扱う、もしくは力を入れている美容クリニックなどはプロペシアやザガーロといった標準治療に加え、ハーグ療法や育毛メソセラピー、自毛植毛など様々なメニューを用意しているケースがほとんど。
しかし、標準治療以外はどれも数十万円以上の費用がかかるものばかりであるうえ、自毛植毛以外は明確なエビデンスのないものばかり。
その自毛植毛も負担の大きさなどからフィナステリド(プロペシア)やミノキシジルより評価が低い始末。「自毛植毛の落とし穴」でも書いているように謳い文句の「メンテナンスの必要なし」は嘘ですしね。
こういった治療はプロペシアやザガーロを使用する標準治療に比べずっとお金になるため、色々な理由を付けてこれらを勧めてくるケースが散見されます。多額の広告費をかけているAGAクリニックであればなおさら。
しかしこれら高額治療はこれといった発毛根拠のないただの民間療法。しかも根本的な治療ではなく対症療法なので、定期的なケアや追加の施術が必要になります。
大きい病院のAGA外来や皮膚科などでは標準的な発毛剤での治療しか行わない点を指摘し、「専門じゃないから治療法が限られる」などと書いている的外れなサイトも見受けられるが、それは大きな間違い。
ちゃんとした病院は科学的根拠のない治療を行わないだけ。
AGA専門クリニックは多くの治療法を提供することで専門性を謳うが、標準治療と自毛植毛以外は発毛根拠がないこと、それら治療を積極的に勧めてくる可能性があることを覚悟しておく必要があります。
病院オリジナルの発毛剤は買うな
どうしてもAGAクリニックを受診せざるを得ない場合に注意してほしい点のひとつとして、「病院オリジナルの発毛剤」が挙げられます。
というのも、AGA専門クリニックや薄毛治療に力を入れている病院は、一般的なプロペシアやザガーロといった医薬品以外に「オリジナル発毛剤」を提供しているところも多いのです。驚くほど高い値段で。
しかしこれらの中身はプロペシアの主成分フィナステリドや、ザガーロの主成分デュタステリド、ミノキシジルなどを主体にしたもので、そこにビタミンやミネラル、アミノ酸などサプリメント的な成分を加えた程度のものが多数。
病院がサプリメントって。(笑)
安全性や信頼性を重視するからこそ病院を受診するわけですよね。にもかかわらず臨床試験が行われたプロペシアやザガーロではなく、謎の多い病院オリジナルの薬を使う意味が分からない。だったら個人輸入の安価な発毛剤で十分だわ。
こういったクリニックオリジナルの発毛剤は、フィナステリドやミノキシジルの含有量が分からないものも多く価格も高いため、こういったものは極力使わないようにしたいところ。
AGAクリニックからしてみればプロペシアやザガーロを処方するより、これらオリジナル発毛剤のほうが利幅が大きいのでしょうが、私たちがそれに付き合う必要はありません。
AGA専門クリニックを受診する際の注意点
宣伝ばかりに力を入れ、エビデンスのない治療を積極的に提供しているAGA専門クリニックを私がおすすめすることはありませんが、「どうしても薄毛を治したいから受診してみたい」とそれら医療機関を受診する人もいるでしょう。
そういった場合に無駄な治療を受けないためのアドバイスをいくつか。
専門医のアドバイスを目的にする
AGAクリニックに若干の胡散臭さは漂うものの、薄毛に対する治療の実績や経験が多いことも確かなので、そういった立場からのアドバイスを受けることを主な目的として受診するようにしましょう。
ただし、AGAは薄毛の原因となる男性ホルモン「ジヒドロテストステロン(DHT)」を生み出す5αリダクターゼ(5α還元酵素)の量と、アンドロゲンレセプターによるDHTの感受性が原因のほとんど。
これらの要素は遺伝によって決まってしまうため、医師がアドバイスできることなど限られてしまいますが…
エビデンスにのっとって治療を行う医者であれば、AGAに対し「生活習慣の改善を―」「食生活の見直しを―」なんて的外れなことはほとんど言わないので、そこらへんに言及するかどうかも良い病院かどうかの判断材料に。
標準治療以外は拒否する
様々な治療を提供しているAGA専門クリニックは、より利幅の大きいハーグ療法や育毛メソセラピーなどを勧めてくる場合もあります。
これらは経済的負担が大きいばかりか、薄毛改善への科学的根拠にも乏しい治療の典型であるため、個人的には絶対に行うべきではないと考えています。
せっかく高いお金を出して病院を受診するのですから、プロペシアもしくは正式なジェネリックであるファイザー、サワイあたりか、最新の治療薬であるザガーロでの治療を選択するようにしましょう。
もちろんオリジナル発毛剤もスルーで。初診の段階で「プロペシアかザガーロを使いたい」と牽制しておくといいでしょう。
海外製のものは個人輸入で
AGAクリニックによっては、パントガールやルグゼバイブ、ポラリス、ロゲイン、アボダートといった海外製の発毛剤を処方している場合があります。
これらを病院で処方してもらうと個人輸入で購入するよりはるかに高くついてしまうため、そういった海外製の薬を使うのであれば個人輸入で十分。というか、わざわざ病院を受診する意味がない。
個人輸入に胡散臭さを感じている人もいるかもしれませんが、まともな業者であれば成分鑑定やメーカーから直接仕入れを行っているため偽物の心配もありません。
…というか、AGAクリニックだって輸入しているわけだから信頼性は変わらん。
まあ、医師の診断のもとにこれら海外製の発毛剤を処方してもらいたいというのであれば止めはしませんが、それでも初回だけ処方してもらって、以後は個人輸入で十分なのではないでしょうか。
おすすめはAGA外来と皮膚科
市販の育毛剤は効かなそうだし、だからといって個人輸入で発毛剤を買うのは怖い…そう感じている人も多いのではないでしょうか。
そういった場合は医師の診断のもとに、エビデンスがしっかりした医薬品の発毛剤を処方してもらうことができる病院を受診するべき。安全性が高いのはもちろん大きな安心感も得られるでしょう。
しかし、AGA治療に対する知識がない人がAGA専門クリニックを受診すると、科学的根拠のない高額な治療に誘導されてしまったり、余計な薬を買わされてしまったりといった可能性が考えられます。
前述したとおり発毛根拠がしっかりしている治療はフィナステリドとデュタステリド、ミノキシジルの3つを用いたもの以外存在しません。そのためこういった標準治療はAGAを扱う病院であればどこでも行っています。
ただ、ミノキシジルに関しては処方薬が存在しないため、オリジナルのミノキシジル外用薬を用意しているか、もしくは「市販のリアップなどを使用してください」というスタンスであるケースも多くなります。
大都市圏や比較的大きな市などにしか存在しないAGA専門クリニックに行くまでもなく、近場にはAGAも扱う大きな病院や皮膚科が存在するはず。AGA専門である必要などないのです。
そういったところであれば余計な治療を勧められることもなく、適切かつ無駄のない治療が受けられるでしょう。できる限りそういった地元の病院を受診し薄毛治療を受けるようにしてください。
最後にもう一度書きます。AGA専門クリニックで行われている標準治療以外のものは費用が高いだけで発毛するという明確なエビデンスはありません。
しかし、膨大な広告費をかけ宣伝しているAGAクリニックは、広告費を回収するために高額な治療を積極的に勧めてくる傾向に。
本来であればこういったクリニックは避けたいところですが、やむにやまれぬ事情によりこれらの専門クリニックを受診せざるを得ない場合、プロペシアやザガーロを用いた標準治療のみを選択するようにしてください。
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