ミノタブは2.5mg、5mg、10mgどれがいい?
市販の育毛シャンプー、育毛剤ときてミノキシジル外用薬、フィナステリド、デュタステリドまで使ったが薄毛には効果がなかった…そういった人の最終手段として用いられるのがミノキシジルタブレット。
副作用リスクも無視できないミノキシジルタブレットながら、最強とも呼ばれるその効果は私たちハゲの救世主とも呼べるもの。
それだけにこれから使用を検討している人も多いと思います。ただミノキシジルタブレットには主に2.5mg、5mg、10mgの3種類が存在し、どれを使うべきか悩んでしまう人もいるのではないでしょうか?
タイプ別に加え、男女別に適した選び方を提示しますので、AGA治療の参考にしていただければ幸いです。
ミノタブの効果は含有量に比例する?
ミノキシジルタブレットでポピュラーな商品といえば、ノキシジル、ロイド社製、米国製の3つがあります。ちなみにすべて先発薬である「ロニテン」のジェネリック医薬品であり、本家ロニテンは現在手に入れることはできません。
5mgと10mgの設定しかないノキシジル、2.5mg、5mg、10mgの3つをラインナップいるLloyd社製、2.5mgと10mgの米国製など状況に応じて選ぶことが可能になっています。
常識的に考えればミノキシジルの含有量が多ければ多いほど発毛効果が高く、また副作用が強くなります。しかし、これらを検証した臨床試験データは存在しないため、含有量によって具体的に効果や副作用にどの程度の差があるのか分かっていないというのが実情。
ミノキシジル外用薬の例では、1%配合のものと5%配合のもの効果を比較すると1平方センチメートルあたり1%で約16本増加、5%で22本増加となっています。ミノキシジルの含有量的には5倍ながら、効果面では1.4倍程度となのです。
プロペシアに代表されるフィナステリド内服薬も同様。0.2mgと1mgでは含有量こそ5倍ながら効果の差は小さいということが臨床試験で明らかになっています。
これらを総合して考えると、ミノキシジルタブレット5mgが2.5mgに対して2倍の効果、10mgはさらに2倍ということはまず考えられないのです。
考えられないが、だからといってミノタブのミノキシジル含有量を増やしても意味がないかといえば、決してそんなこともありません。
ミノキシジルタブレットは効果や副作用を検証する臨床試験を行っていないため、含有量別の具体的な効果の違いは分からないものの、数十年にわたり発毛剤として使われることにより蓄積されてきた“生の声”は効果の違いを語っています。
当然ながら薄毛改善には10mgが最も効果的となる。だからといって2.5mgが4分の1程度の効果がないかといえば、そんなこともない。
私が実際にミノキシジルタブレットを使ってみての体感的な印象は、2.5mgのものにくらべ10mgの効果は1.5倍くらいでしょうか。これは前述したリアップの1%と5%の効果の差にも近いため一定の説得力はあるかと。
ミノタブの効果は個人差が大きいため一概に「含有量の違いでこれだけ効果が違う!」とは言えないものの、平均的には「5mgは2.5mgの約1.2倍くらいの効果、10mgは5mgの1.2倍くらいの効果」くらいの感覚でいいのではないでしょうか。
もともと効果が高いミノタブだけに含有量を増やすことによって期待は膨らみますが、他の発毛剤のデータや実際の口コミなどを見るに過剰な期待は禁物かな。
含有量が多いほど副作用は強くなる?
一方で副作用はどうなのか?
ミノキシジルタブレットの使用によって懸念される副作用にはどういったものがあるのか簡単に触れておきましょう。
- めまい
- 動悸
- 血圧低下
- 胸痛
- むくみ
- 多毛症
ミノキシジルは本来血管を広げて血圧を下げる「血管拡張剤」であるため、健康な人が使えば血圧が過度に下がってしまう恐れが。それに起因しめまいや動悸、胸痛などが表面化する可能性があります。
また、ミノキシジルが発毛剤として使われるきっかけになった多毛症によって髪の毛のみならず全身の体毛が濃くなることも。このあたり女性にとっては避けたいところではありますが…
ミノキシジルタブレットの副作用発現率
前述したとおりミノキシジルタブレットは臨床試験を行っておらず、含有量別の具体的な副作用発現率がはっきりしません。そのため他の発毛剤の副作用発現率を参考に考えてみたいと思います。
プロペシアに関しては0.2mgと1mgで1年目の副作用発現率はそれぞれ1.5%、5.0%となっています。つまり含有量5倍に対し3倍強の数の副作用が出ていることになるでしょうか。
ただ、フィナステリドを含まないプラセボ(偽薬)群でも2.2%の副作用が出ているため、ノセボ効果などのバイアスを排除すれば、含有量が5倍になった際に増加する副作用発現率は2倍程度と見ることができます。
一方、2015年に認可されたデュタステリド(ザガーロ)の臨床試験では0.5mg(16%)より0.1mg(21%)のほうが副作用発現率が高いという謎の結果に。こちらでもプラセボ群が15%という高い副作用発現率を示しているため、あんまりあてにならない。
プラセボ群 | フィナステリド1mg群 | ザガーロ0.1mg群 | ザガーロ0.5mg群 | |
---|---|---|---|---|
評価症例数 | 181 | 179 | 188 | 184 |
副作用発現例数(発現率) | 27(15%) | 35(20%) | 39(21%) | 30(16%) |
副作用名 | 発現症例数(発現率) | |||
生殖系および乳房障害 | 8(4%) | 18(10%) | 10(5%) | 14(8%) |
勃起不全 | 6(3%) | 10(6%) | 6(3%) | 10(5%) |
射精不能 | 2(1%) | 3(2%) | 2(1%) | 1(<1%) |
射精障害 | 1(<1%) | 2(1%) | 3(2%) | 2(1%) |
精神障害 | 5(3%) | 9(5%) | 14(7%) | 4(2%) |
リビドー減退 | 2(1%) | 7(4%) | 9(5%) | 4(2%) |
胃腸障害 | 8(4%) | 3(2%) | 6(3%) | 4(2%) |
腹痛 | 2(1%) | 0 | 3(2%) | 0 |
臨床検査 | 5(3%) | 4(2%) | 6(3%) | 5(3%) |
精液量減少 | 0 | 0 | 3(2%) | 2(1%) |
感染症および寄生虫症 | 0 | 1(<1%) | 1(<1%) | 3(2%) |
鼻咽頭炎 | 0 | 1(<1%) | 0 | 3(2%) |
成分含有量が増えたからといって必ずしも副作用発現率が増えるわけではないとことを示した好例といえるかもしれません。
最後に、ミノキシジルタブレットの副作用を考える上で最も参考になるであろうリアップの臨床試験を見てみます。
出典:PMDA
ここではミノキシジル1%の副作用発現率が5.3%なのに対し、5%は8.7%。含有量5倍に対し副作用発現率はおよそ1.6倍ということになるでしょうか。
フィナステリド、デュタステリド、ミノキシジル外用薬の副作用発現率を見るに、ミノキシジルタブレットの含有量が2倍になったからといって副作用の発現率も2倍になるということは考えにくい。
多くの発毛剤が5倍の含有量で1.5~3倍程度副作用発現率という事実から、2.5mgと10mgのミノキシジルタブレットの副作用発現率の差は1.5~2倍程度と推測されます。
しかしこれは数字の上での話。10mgを使う人の多くはすでに2.5mgや5mgを使用しているケースが多くミノキシジルタブレットの副作用になれているため、10mgに増やしても副作用は変わらなかったと感じる人も。実際私もこのパターンでした。
ミノキシジルの含有量に比例して効果・副作用発現率共に高くなるが、含有量に対してその差は小さいとみていいでしょう。
男性は基本的には2.5mgから
では、実際ミノキシジルタブレットはどの含有量を使用するべきなのか?
発毛剤の第一選択は一般的にプロペシア(フィナステリド)、もしくはリアップやカークランドなどのミノキシジル外用薬。ゆえに多くの男性はこれらから使用を始めると思います。
それで満足いく効果が出なかった場合にはデュタステリド、もしくはミノキシジルタブレットを…という過程を辿るかと。いきなりミノキシジルタブレットを試す人はそれほど多くないでしょう。
フィナステリドや塗りミノで効果が出なかった人がミノキシジルタブレットに行きつくわけですから、より高い効果を求めて5mgや10mgを使用したいと考えるかもしれません。実際5mgから始める人が最も多いと推測されます。
しかしミノキシジル内服薬は副作用リスクもあるため、できることなら2.5mgから始めるべき。時間と共にハゲが悪化するという焦りがあるのは理解できますが、まずは自分の体にミノキシジルが合うのかどうか試した方が無難。
5mgを購入して2分割するというのも手。この方が2.5mgを買うより安く済みますしね。2.5mgで効果が出ない場合は少しずつ増やしていくようにしましょう。
10mgでも過度に恐れる必要はない?
ミノキシジルタブレットの1日の限度量は10mgとなっています。2.5mg、5mgと増やしていっても満足いく効果が得られなかった場合は最終的に10mgに行きつくことになるでしょう。
ただこの10mg、「限度量」という表現から「ものすごい大量」という印象を抱くかもしれませんが、それはあくまでも髪の毛を生やす目的で使用するならという前提での話。
本来の使用方法である降圧剤としての限度量は1日50mg。そう考えると発毛剤としての限度量10mgなど大したことがないように感じますよね。
ただ、前述したように薬というのは量が倍だからといって効果や副作用も倍になるわけではありません。発毛剤としての限度量は降圧剤としてのそれに比べ5分の1だからといって副作用が5分の1にはならない。もちろん効果も。
決して危険な薬ではないものの、発毛目的でミノキシジルタブレットを使う行為は本来の使い方から逸脱しているのも間違いないため、服用する量は可能な限り減らしておきたいもの。
女性のミノタブ使用は1.25mgから
一方、女性の場合は少量でも十分な効果が得られるとされていますので、どんなに多くても2.5mgに抑えたいところ。
初めて使用する場合は2.5mgを2分割…つまり1.25mgから始めるべき。
これはめまいや動悸といった副作用を抑える目的に加え、男性以上に避けたいであろう体毛が濃くなる副作用を懸念してのこと。
ミノキシジルで毛が生えるメカニズムは毛母細胞の活性化によるもの。内服薬であるミノキシジルタブレットの場合その作用は全身に及ぶので、髪の毛と並行して体毛も濃くなる傾向にあります。
どの程度濃くなるかは個人差があるものの、発毛効果があればあるほど体毛も濃くなると見ていいでしょう。
とりあえず初期脱毛を乗り越え発毛を実感するであろう6ヶ月ほどは1.25mgで様子を見て、効果や副作用の状況を踏まえ現状維持か2.5mgに増やすかを判断するようにしてください。
実際にミノタブを使っている人の口コミ
副作用を考慮するならミノキシジルの含有量は少ないに越したことはありません。とはいえミノタブを使用する目的はあくまでも髪の毛を生やすこと。つまり副作用の有無にかかわらず生えなければ意味がない。
そうはいっても副作用が怖いのも確か。ミノタブについて旺盛な書き込みが行われている2ちゃんねる(5ちゃんねる)から含有量や効果・副作用に言及している口コミをいくつか紹介しましょう。
1日2.5㎎でも浮腫むし眩暈もするから体質にあってないんだろうな
ミノタブ2.5でも副作用きついので更に半分に割った。 効いてくれるかな
ミノタブは2.5㎎でもめまい、ダルさや浮腫みが出るから続けられん
副作用を感じない奴はすごいな
俺は2.5で初期脱毛ありましたよ。
同短くか細い毛が手櫛でスルスル抜けてました。ヘアサイクルを正常化するにあたり、DHTの影響を既に受けてる毛が抜けるのかと思います。
2.5mgでも副作用があるという人も多い。代表的なのはめまいやむくみ。
副作用についてはかなり個人差があるものの、最低でも2週間~1ヶ月は2.5mgで自分の体に合うかどうかを確認するべき。
最初は2.5からはじめるのが正解。
人によっては副作用が強くあらわれる場合があるので、まずは2.5で様子を見て効きが悪いようなら5に増量。 だいたい5あたりから効果を感じる人が多い
朝2.5夜2.5がいいと思う
朝2.5夜2.5を朝5夜5にした最初の朝5で頭痛がしたから。 個人差あるからわからんけど
普通に朝にミノタブ5mとフィンペ1mと風呂上がりにポラ10だけで三か月でM字埋まったよ。 動悸が嫌で飲み始めて4ヶ月目にやめた。
それから暑くなってきた4月に一気に抜けたわクソだわ。 ミノタブ飲むの嫌だわ。 でもミノタブは生えるんだよな
ミノタブ5mgでドフサになったから2.5mgにしたら、1ヶ月でシャンプー時の抜け毛が半端ないことになってしまった…
効果が出ているとする含有量となると5mg以上が圧倒的に多くなります。
しっかりと増やすことを考えれば、初めて使う場合においても5mgを購入し2分割して試す方法が最も無駄がない気もする。
前頭部とM字がどうしても生えんから5mgから10mgにしたら生える生える。 腕毛も腰毛もデコ毛もどんどん伸びる
ミノタブ5mgで満足な効果出ないやつは10飲め確実に5より増えるぞ。全く効いてないやつは知らん
10mgを使用している猛者も多数いますが、やはり段階を経るべき。
5mgから10mgにしても副作用はほとんど変わらない、もしくは感じないという人もいれば、明らかに体調が悪くなったという人もいるので、こればかりは実際に試してみないと分からないというのが実情。
含有量によって価格はどの程度変わるか
ここまで、ミノキシジルタブレットの含有量によってどの程度効果や副作用が変わるのかについて書いてきましたが、ここではお金の話もしておきましょう。
一部のAGAクリニックではミノキシジルタブレットを処方しているものの、クソ高いうえに価格もバラバラなので参考にならん。というわけで、ここでは個人輸入での価格を掲載します。
商品名 | 含有量 | 内容量 | 価格 |
---|---|---|---|
ノキシジルボトル5mg | 5mg | 100錠 | 3,416円 |
ノキシジルボトル10mg | 10mg | 100錠 | 4,588円 |
Lloyd社製2.5mg | 2.5mg | 100錠 | 3,400円 |
Lloyd社製5mg | 5mg | 100錠 | 3,700円 |
Lloyd社製10mg | 10mg | 100錠 | 4,000円 |
単純に安さを重視するならタイ製のノキシジルになりますが、会社の規模としてはフィリピンLloyd社の方が上。フィナロイドとのセットであればかなり安くなるため、ノキシジルより信頼性が高いものを選びたい場合はこちらを。
最も信頼性が高いのは本場アメリカ製のものだが価格はお高めであるうえに2019年頃から取り扱いを終了する動きが広がっている。選択肢を広げるという意味でアメリカ製は貴重な存在だったのですが…
ミノキシジルの含有量による価格差は大きくない
で、それぞれの含有量で価格を比較してみると、その差はそれほど大きくないことが見て取れると思います。
特に顕著なのがLloyd社製。2.5mgが3,400円なのに対し、5mgがプラス300円、10mgがプラス600円とほとんど変わらない。ゆえに面倒でなければ10mgを購入し、ピルカッターなどで分割して使う方法もあり。
ただ、ピルカッターを用いたとしても完全に2等分するのは難しく毎日の服用量に多少のムラができてしまうため、使用の最初期に分割して2.5mgや1.25mgを試す場合を除き、1錠ずつ飲むのがベストなのは言うまでもありません。
ミノタブは何ミリがいいのか?のまとめ
ミノキシジルタブレットの効果や副作用は個人差が大きいため、一概に「〇mgが良い」とは言い切ることはできません。しかし、基準となる量というのであれば、男性が5mg、女性が2.5mgであるのは間違いありません。
とはいえ5mgで思うような効果が出ない人も存在するので、そういった場合は副作用の状況を見ながら10mgを試してみてもいいでしょう。
2ちゃんねる(5ちゃんねる)のスレを見ていると1日20mgや30mgを使っているとのたまう人間がいますが、これは絶対におすすめしません。そもそもネタである可能性も高いし。
ミノキシジルタブレットは2017年に策定された男性型および女性型脱毛症診療ガイドラインにおいて、ほとんど検証されていない副作用への懸念から「行うべきではない」という評価を得るなど、必ずしも万人におすすめできる薬ではありません。
しかし、これで髪の毛が生えたという人は膨大な数に上り、海外製のミノキシジルタブレットを処方しているAGAクリニックも多数存在するのも事実。
安心感はあるが割高になる医師の処方、圧倒的な安さを誇る個人輸入どちらを選択するかは個々の価値観に委ねますが、副作用の懸念も大きいことから、含有量の多いものを最初から使うようなことは避けるようにしましょう。
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