フォリックスFR05の効果や成分を比較

ポラリスシリーズの販売停止に伴い後継商品として登場したフォリックスシリーズの中でも男性向けとしてもっともミノキシジル濃度が低いフォリックスFR05。果たしてこの商品は買う価値があるのでしょうか?

フォリックスFR05の外観

フォリックスは従来のポラリス同様最大16%という高濃度のミノキシジルが最大の売りであり、売れ筋は同成分12~16%のFR12やFR15、FR16になっています。

そんな中にあってフォリックスFR05はリアップX5プラスネオやカークランド、ロゲイン同様ミノキシジル5%といたって普通。であるならわざわざフォリックスを使用する必要はないようにも感じますよね。

他商品に比べ様々な成分が入っているという強みはあるものの、肝であるミノキシジル濃度が低いフォリックスFR05。それら成分や価格など様々な面から「ぶっちゃけ使う価値があるのかどうか?」について詳しく検証していきたいと思います。

    目次
  1. フォリックスFR05とは?
  2. フォリックスFR05とポラリスNR-07の比較
  3. フォリックスFR05の副作用
  4. リポスフィアテクノロジーの浸透力は?
  5. フォリックスFR05の価格
  6. 他の製品と比べてどうよ?
  7. フォリックスFR05は買う価値あるのか?

フォリックスFR05とは?

フォリックスFR05に限らずフォリックスシリーズは2017年に発売された新しい発毛剤ということもあってご存知ない方も多いと思います。なので簡単な説明を。

ミノキシジル外用薬はリアップX5プラスネオやロゲインなどに代表されるように5%の濃度が一般的ですが、その常識を打ち破り最大16%を配合し効果を高めたアメリカ製の「ポラリス」というシリーズが人気を集めていました。

しかしそのポラリスシリーズは供給が不安定などの理由で販売を中止する業者が増え、その代わりに登場したのが同じくアメリカの「Sapphire Healthcare LLC(サファイアヘルスケア)」が製造するフォリックスです。

ポラリスとフォリックスは違う企業が販売するも、どちらも浸透力を高める独自技術「リポスフィアテクノロジー」を使用し、かつ成分や商品ラインナップ、価格はほとんど同じであるため、関連企業だと推測されます。

ここで紹介するフォリックスFR05はポラリスNR-07とほぼ同成分。ゆえにまずはこれと比較してみるべきでしょう。

フォリックスFR05とポラリスNR-07の比較

まずは前身であるポラリスNR-07と後継のフォリックスFR05の全成分を比較してみます。

フォリックスFR05 ポラリスNR-07

プロパンジオール
エタノール(SDA 40B -190溶媒)
乳酸
ミノキシジル5%
アジピン酸ジイソプロピル
ジブチルヒドロキシトルエン
ピロ亜硫酸Na
アデノシン
BG

PPG-26ブテス-26
PEG-40水添ヒマシ油
アピゲニン
オレアノール酸
ビオチノイルトリペプチド-1
メントールクリスタル
セイヨウハッカ油
アゼライン酸
加水分解コムギタンパク
プロシアニジンB2
ビオチン
リン脂質
エスシン
シトステロール
葉酸
シアノコバラミン
ナイアシンアミド
パントテン酸
ピリドキシン
リボフラビン
チアミン/酵母ポリペプチド


ミノキシジル5%
プロピレングリコール
エチルアルコール
アジピン酸ジイソプロピル
リン酸
ブチル化ヒドロキシトルエン
メントール
セイヨウハッカ(ペパーミント)油
ブチレングリコール
脱イオン水
PPG-26-Buteth-26
PEG-40水添ヒマシ油
ビオチノイルトリペプチド-1
アゼライン酸(アゼライク酸)
プロシアニジンB2
アデノシン
アピゲニン
オレアノール酸
β-シトステロール
リジン
ビオチン
ビタミンBコンプレックス(葉酸、シアノコバラミン、ナイアシンアミド、パントテン酸、ピリドキシン、リボフラビン、チアミン、酵母ポリペプチド)

ミノキシジル5%が同様なのは当然として、それ以外の主要成分に関してもアデノシンやアゼライン酸、プロシアニジンB2など多くは共通しています。

これらの成分の効果や作用を簡単に説明しておきましょう。

ミノキシジル

フォリックスやポラリスを検討する人にミノキシジルの説明は不要だと思いますが、FR05はミノキシジル5%なので同様の濃度であるリアップX5プラスネオの臨床データを掲載しておきましょう。

ミノキシジル5%の効果
出典:大正製薬商品情報サイト


見てのとおり3ヶ月後くらいから効果が出はじめ、半年後には薄毛の部分がほぼ埋まる「著明改善」が見られるようになります。

ミノキシジルは男性型脱毛症診療ガイドラインにおいて「行うよう強く勧められる」という最高のA評価を受ける唯一の外用薬。それだけにその効果は高い信頼性を誇ります。

上記のリアップX5プラスネオのデータからもそれが伺えると思いますが、現実問題としてミノキシジル5%では劇的な効果までは望めないというのが実情。

もちろん一定の改善は見込めるのは間違いありません。しかし私たちハゲが望む「フサフサ」をミノキシジル5%の外用薬が叶えてくれる可能性はそれほど高くありません。1年使っても著明改善が10%程度なのがその証。

それでも外用薬として発毛効果が認められているのはミノキシジルしかないんですけどね。5%であればフィンペシアなど他の発毛剤を併用するのが一般的か。

アデノシン

日本では資生堂のアデノゲンやアデノバイタルの主成分として使用されているため、ご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

作用としては毛乳頭細胞に働きかけFGF-7という成長因子を増やすことにより育毛するというもの。資生堂などが行ったニコチン酸アミドとの比較試験において細い毛が減る一方で太い毛が増えたという結果が出ています。

アデノシンの効果

ただし、その試験の結果には「本数にはほとんど変化が見られなかった」と付け加えられていることから、今ある髪の毛を太くする作用はある程度期待できるものの発毛効果はないことが示されています。

このデータ自体資生堂の息がかかったものであるため客観性には乏しいものの、ある程度の信頼性はあるということで日本皮膚科学会の男性型および女性型脱毛症診療ガイドラインにおいて「行うよう勧める」という評価を受けている。

ミノキシジルほどではないにしろ一定の効果が認められていることからチャップアップやブブカゼロ、イクオスに配合されるM-034のような何の根拠もない海藻保湿成分よりかは100倍まし。

アゼライン酸

ニキビの治療薬として知られるアゼライン酸(アゼライク酸)ですが、プロペシアなどの主成分フィナステリド同様5αリダクターゼ(5α還元酵素)を阻害してAGAの原因であるジヒドロテストステロン(DHT)の生成を抑制すると言われています。

ミノキシジルと併用することで相乗効果が見込めるとされるが、フォリックスFR05のアゼライン酸濃度がどの程度か分からないため、あくまでも補助的なものと見ておいた方がいいでしょう。

プロシアニジンB2

プロシアニジンB2は青リンゴに含まれるポリフェノールの一種で、高い抗酸化作用があります。その作用によって頭皮や毛乳頭細胞などのアンチエイジングが期待でき、頭皮環境の改善や育毛に役立つとのこと。

ポラリスから引き続き使用されていることから一定の効果はあるのかもしれませんが、発毛効果まで望むのは酷か。

プロキャピル

フォリックスになって積極的に使われるようになった成分がプロキャピル。フランスの化粧品メーカーSederma社(セダーマ社)が開発したもので下記の成分によって構成されています。

  • BG
  • PPG-26ブテス-26
  • PEG-40水添ヒマシ油
  • アピゲニン
  • オレアノール酸
  • ビオチノイルトリペプチド-1

このうちオレアノール酸はデュタステリドと同様に1型と2型の5αリダクターゼを阻害する効果があるとされ、成分全体ではミノキシジルと同等の効果があると開発メーカーは謳っています。

プロキャピルとミノキシジル

実際にある程度の試験が行われているため一定の評価はできるものの、ミノキシジルと同濃度によって同等の効果を得られるとされているため、含有量が分からないフォリックスFR05のプロキャピルにどのくらいの効果があるのかは未知数。

もちろん入っていないよりかはマシだが。

フォリックスFR05の副作用

かつてリアップの副作用をマスコミが大きく取り上げたこともあって、ミノキシジル外用薬の副作用に懸念を抱いている人も多いのではないでしょうか?

フォリックスFR05はリアップX5プラスネオとミノキシジル濃度が同じであるため副作用も同程度と思われますので、まずは同製品の臨床試験による副作用を見てみましょう。

リアップX5の副作用
調査施設数 518
調査例数 3,072
副作用発現例数 271
副作用発現率(%) 8.82
副作用発現件数 378
副作用の種類 副作用発現件数(率)
一般・全身障害および投与部位の状態 192(6.25%)
適用部位そう痒感 123(4.00%)
適用部位発疹 43(1.40%)
適用部位紅斑 31(1.01%)
皮膚および皮下組織障害 70(2.28%)
頭部粃糠疹 33(1.07%)
接触性皮膚炎 32(1.04%)

基本的に薬剤を塗布した部分のかゆみや発疹、軽い皮膚炎といったものが主で、ミノキシジル本来の血管拡張剤としてのネガティブな部分はほとんど見られません。

リアップ発売当初に副作用による死亡例などがメディアによって取り上げられ、これをクローズアップしてチャップアップなどなんの発毛効果も根拠もない育毛剤を売る流れに持っていこうとするサイトが後を絶ちませんが、頭皮に塗布したミノキシジルが血圧や心臓に影響することなどまず考えられず、厚生労働省もハッキリと否定しています。

ミノキシジルを16%配合したフォリックスFR16ですらめまいや動悸といったミノキシジル内服薬に見られる副作用は報告されていないので、同5%のフォリックスFR05に過度な心配は無用です。

ただ、血圧やめまい、動機などは精神状態が大きく左右するため、「副作用が出るんじゃないか…」という懸念を強く抱いていれば実際にそれが現れる可能性があるのも確か。心配性の人は使わない方が無難でしょう。

PG不使用は朗報か

フォリックスFR05はポラリスに使用されていたプロピレングリコール(PG)が使われなくなったという特徴があります。

PGは保湿剤や防腐剤、溶剤などとして発毛剤や育毛剤のみならず化粧品やシャンプーなどに広く使われるもの。しかし毒性や刺激を懸念する声が一部存在するのも事実であるため、安全性を重視してPG不使用になったとのこと。

実際PGにアレルギー反応を示す人が稀に存在するのも確か。しかしアレルギーの話をしだすと厳密にはすべての成分に当てはまってしまう。

PG不使用といったってそれに代わるなんらかの成分が使用されているわけで、非常に多くの製品に使われているPGをここで問題視するのもどうなんだろう?少なくとも私はPGを使用していようがいまいがどうでもいい。

ただ、メーカーとしてはPG不使用は安全性を謳うにあたって都合がいいのでしょうし、それで喜ぶ人間がいるのであればまあいいのかなと。

リポスフィアテクノロジーの浸透力は?

リポスフィアテクノロジー

もともとポラリスに採用され、後継であるフォリックスにも引き続き使用されている特徴的な技術がリポスフィアテクノロジーです。

水分にも油分にも親和性があるリポソームという極小のカプセルに成分を閉じ込めるためより深く浸透し、かつ徐々に成分が溶け出す構造であるため長時間にわたって効果を発揮します。

このリポソームは化粧品分野でも注目されている技術で、大手メーカーが研究開発を行っていることからも技術の信頼性が伺えるのではないでしょうか。

とりあえず日本の育毛剤の決まり文句「※角質層まで」というしょぼい効果でないことは確か。

フォリックスFR05の価格

次にフォリックスFR05の価格を見てみます。

商品名 ミノキシジル濃度 価格
1本 5% 4,980円
2本 5% 8,980円

フォリックスFR05は女性用であるFR02を除けばもっともミノキシジル濃度が低いとあって、価格も抑え気味になっています。加えて2本同時購入すると1,000円割引されるメリットも。

ただ、安いといってもミノキシジル16%やフィナステリドが配合されているFR16の5,820円に比べ800円程度の差なので、相対的に見れば微妙な価格設定と言わざるを得ません。

また、ミノキシジル5%というのは比較対象が多いため、それ以外の成分にどれだけ価値を見出せるかによって評価は大きく分かれそうです。

他の製品と比較してどうよ?

フォリックスの最大の強みは高濃度のミノキシジルであり、その強みがないフォリックスFR05はやや微妙な立ち位置と言わざるを得ないでしょう。

先述のようにミノキシジル5%製剤というのはライバルが多いため、他製品と比べてフォリックスFR05に価値があるのかどうかを検証してみたいと思います。

とりあえず他製品との簡単な比較表を作ってみました。内容量はすべて60ml。

商品名 主要成分 価格
フォリックスFR05 ミノキシジル5%
アデノシン
プロシアニジンB2
プロキャピル
4,980円
リアップX5プラスネオ ミノキシジル5% 8,140円
5HP ミノキシジル5%
デュタステリド0.1%
馬プラセンタ
5,600円
カークランド ミノキシジル5% 4,573円(2本)
リグロースラボM5 ミノキシジル5% 4,780円(2本)
(2024年4月現在)  

ミノキシジル5%製剤というと本家のロゲインを思い浮かべる人もいるかもしれませんが、ミノキシジル以外に特徴はないため同じくアメリカ製のジェネリックであるカークランドやリグロースラボM5で十分と判断し除外しています。

日本製のものにこだわるなら大正製薬のリアップX5プラスかアンファーのメディカルミノキ5などのリアップジェネリックしか選択肢はありませんが、非常に高価な上にミノキシジル以外これといった特徴はない。フォリックスFR05を検討する人であれば最初から除外していると思われます。

価格面ではカークランドとリグロースラボM5が圧倒的に安いため、ミノキシジル以外に興味がなく、かつ価格重視という人はこれを使うべきでしょう。

一方、ミノキシジル以外の成分にこだわるならフォリックスFR05か5HPかで迷うところ。5HPに含まれるデュタステリドは発毛効果が認められている成分だけに魅力的に映ります。ただ、デュタステリドは一般的に内服薬として使うものであり、外用薬としてどの程度効果があるのかは未知数。

一方のフォリックスFR05に含まれるアデノシンやプロシアニジンB2、プロキャピルなどは発毛効果は認められていないものの、一定の試験は行い育毛効果があるという結果は出している。ちなみに価格はフォリックスFR05の方が700円ほど安い。

ミノキシジル5%製剤において効果を追求するならフォリックスFR05か5HPかのどちらかになるのは間違いところ。

しかし「どっちを選ぶ?」と問われたら…悩ましいところだが、含有量が明記してあり経皮吸収するとされるデュタステリドを配合する5HPをとりあえず使ってみて、効果が出なかったらFR05かな。

フォリックスFR05は買う価値あるのか?

ライバルの多いミノキシジル5%外用薬においてフォリックスFR05は注目成分をそれなりに配合してはいるものの、発毛効果が認められているものはミノキシジルのみである上に価格はさほど安くないなど微妙な立ち位置。

ぶっちゃけてしまうとミノキシジル5%のものであるならわざわざフォリックスを使用するまでもないというのが本音でしょうか。

フォリックスシリーズは高濃度のミノキシジルが強み。となれば最低でも12%のFR12、外用薬にフィナステリドは必要ないと考えるならFR15、最強の効果が欲しいのであればFR16という選択になるはず。FR05とFR16の価格差は1,400円ほどという点を考えるとFR05には割高感すらあります。

それでもあえてフォリックスFR05を選ぶ理由を挙げるとすれば、高濃度ミノキシジルは合わないが同シリーズの特徴であるアデノシンやアゼライン酸、プロキャピルなどの成分が入ったものを使いたい人向けか。

あと500~1,000円安ければまた評価も違ったのでしょうが…将来的にFR15やFR16を使うことを想定してフォリックスシリーズの相性を確かめる「入門」という位置づけでいいと思います。

フォリックスFR05の詳細

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