インセントは生えないが気休めに最適
育毛トニックといえばサクセスを思い浮かべる人もいるかもしれませんが、地味に人気なのがバスクリンが製造・販売するインセント。発毛効果は一切ありませんが、気休めとして最適の1本といえるかと。
そもそも医薬部外品の育毛剤なんて例外なく発毛効果など無いのだから、とりあえず使うなら安い方が良いに決まっていますよね。
そんな気休めの育毛にとってサクセスと双璧をなすインセント。具体的にどんな成分が入っていて、どう発毛効果がないのか詳しく取り上げていきましょう。
インセントって何者?
ここで取り上げているインセントという育毛トニックとはどういったものなのか?
これは誰もが知っているであろうバスクリン株式会社が製造・販売している医薬部外品の薬用育毛トニックで、非常にリーズナブルな商品になります。
マツモトキヨシなどその辺の薬局はもちろんネット上でも1,000円未満で買えるリーズナブルさと手軽さを誇り、お金のない貧乏ハゲも安心して使える万人の強い味方…なのか?
しかも内容量は250mlと非常に多いため、コストパホーマンスは抜群!メントールによる爽快感でなんか効いた気分になるので、気休めに最適!!
髪は生えんがな。
どうせ育毛剤じゃ髪は生えなんだからこれでいいんじゃね?的商品。
全成分と予想されない発毛効果
では具体的なインセントの全成分を見てみましょう。
インセント | |
---|---|
有効成分 | ショウキョウエキス センブリエキス シメン-5-オール |
成分 | DME 無水エタノール アルギニン ニンジンエキス ホップエキス メントール ハッカ油 エタノール BG DIPA エデト酸塩 粘度調整剤 |
…うん、まあ超少ない。
医薬部外品を名乗る上で欠かせない有効成分を除くその他の成分の内、育毛に関わりがありそうなものはアルギニンとニンジンエキス、ホップエキスくらいか。
ただし、育毛剤なんてどんなに成分数が多くても有効成分以外のその他の成分の一つひとつはカスみたいな量しか入っておらず、50種とか60種とか入っているヤツになると、もうカス通り越してチリ。
だからといって成分の少ないインセントは一つひとつの含有量が多いというわけでは決してないだろうが、ミノキシジルやフィナステリドといった発毛剤を見れば分かるように数が多ければ良いというわけではない。
一応主な成分の予想される効果を見てみると…
ショウキョウエキス
いわゆる生姜(ショウガ)エキス。生薬的な呼び名がショウキョウエキス。
生姜湯を想像してもらえば分かるように血行促進作用があり、それによって頭皮に酸素や栄養を行き渡らせ抜け毛を予防する雰囲気。
血行促進でハゲが止まれば苦労はしない。
センブリエキス
育毛剤成分のベストセラーであるセンブリエキス。チャップアップとかイクオスとかブブカとか、その他もろもろ大半の育毛剤に入っている汎用有効成分。
主な作用は血行促進と抗炎症作用。というか、育毛剤に使われる有効成分のほとんどはこの2つ+保湿効果程度の効き目しかない。
「抗炎症作用で頭皮環境改善を―」とか書いているサイトをよく見るが、男性の薄毛のほとんどを占める男性型脱毛症(AGA)に頭皮環境はまったく関係ない。つまり抗炎症作用でAGAが改善することは120%ありえない。
加えて、血行促進でハゲが止まれば苦労はしない。
シメン-5-オール
シメン-5-オールとは「イソプロピルメチルフェノール」とも呼ばれる、殺菌効果の強い成分です。
“わきが”などの臭い対策製品に使われることも多く、育毛トニックであるインセントに使われる理由としては臭い対策やフケの予防…なのか?
ハッキリ書くと、発毛はもとより育毛にも一切必要ない成分。
アルギニン
アルギニンはアミノ酸の一種で、サプリメントとして服用すれば滋養強壮や疲労回復、精力増強など、果てはEDにも効果があるとかないとか。いわゆるアレの前に飲んでおきたい成分。
内服すると成長ホルモンの分泌やら血行促進やらで髪の毛に良いと謳っている場合もありますが医学的根拠は一切なく、それを頭皮に塗布してどうしようってんだ?
ビンビン?髪の毛ビンビンになるの?
ニンジンエキス
有効成分としてもよく使用されるオタネニンジン根エキス。
漢方においては滋養強壮といったイメージが強いものの、育毛剤で使用される場合は抗酸化作用や抗炎症作用、血行促進効果が見込めるとされています。
だから、抗炎症作用や血行促進で髪が生えれば苦労はしないとあれほど…
ホップエキス
ビールに欠かせないアレのエキス。
保湿効果に加え、女性ホルモンであるエストロゲンを構成する成分のひとつ「エストラジオール」に近い働きをするため、5αリダクターゼの働きを阻害しAGAの原因であるDHTの生成を抑制する効果があるとかないとか。
「ビールを飲むとホップの効果で薄毛が予防されるかも」なんてアホらしい都市伝説も存在するほど。
とはいえ、ホップエキスは体脂肪を減らすといったデータやアルツハイマー型認知症予防に関する研究に使われていたりと、インセントの成分の中では最も注目されている成分であるのは間違いありません。
ただ、注目されているのは内服した場合の話で、極めて少ない含有量であろう育毛トニックを頭皮に塗った程度でDHT生成が抑制されるはずもない。
インセントの副作用
インセントに副作用はあるのでしょうか?
もちろん無い。
誤解なきよう書いておくと、この「副作用がない」というのはポジティブな話ではなく、発毛効果はおろか大した育毛効果もないんだから、副作用などあるはずもないというネガティブな視点。
肌に合わないことによるかゆみや炎症程度を「副作用」と呼ぶのであれば、その限りではありませんが。
そもそもミノキシジルですら外用薬では頭皮のかゆみやかぶれ、炎症程度の副作用がほとんどなのですから、育毛トニック程度で重篤な副作用が出るはずもない。
安心してシュッシュしろ。
安さこそが最大の武器
インセントを使うことによる最大のメリット、それは発毛効果でも育毛効果でもなく、ただただ価格が安いことに集約されます。
実売価格800~1,000円程度という価格はサクセス育毛トニックと同価格帯。しかもサクセスは内容量180gなのに対し、インセントは250gでこのお値段。
成分が多いだけで男性型脱毛症(AGA)治療にはなんの役にも立たないインターネット専売の育毛剤が120mlほどの内容量で7,000~10,000円くらいすることを考えれば、価格的には10倍も20倍もお得に感じます。
1万円を超えるような高価な育毛剤ですら髪の毛を生やす発毛効果はなく、それならインセントを使っても結果は変わらない。
安くて内容量が多いからコストを気にせずガンガン使える点を考慮すれば、高価な育毛剤よりむしろインセントの方が抜け毛予防などに効果があるかもしれないとすら感じます。
…まあ、どちらにせよ髪が生えることはないが。
チャップアップを使うくらいならこれを
まず、基本的な話として医薬部外品の育毛剤や育毛トニックで髪が生えることはありません。できることといえば抜け毛を予防したり頭皮環境を改善したり。かなり育毛効果のあるものですら髪の毛を若干太くする程度。
これは高価・安価にかかわらずすべての育毛剤に当てはまることです。
AGAによって抜けてしまった部分から髪の毛を生やしたいのであれば、ミノキシジルやフィナステリド、デュタステリドといった発毛剤を使う以外方法はなく、それらが持つ低確率の副作用すら嫌うのであれば基本的に発毛は諦めざるを得ません。
発毛効果のない育毛剤を使うのであれば、どれを使っても効果は五十歩百歩。
ならば、高いアフィリエイト報酬の効果で絶賛する提灯記事が溢れているチャップアップやイクオスなどを使うよりインセントを使った方が遥かにまし。どうせAGAには効きやしないのだから。
抜け毛予防効果や頭皮を健やかに保つ効果であれば育毛剤でも一定の効果が期待できるため、そういう人はインセントやサクセスの育毛トニックで十分かと。
ただ、「薄毛になってしまった部分から再び髪を生やしたいけどお金が…」という人は、インセント同様1ヶ月1,000円弱で使用できる発毛剤フィンペシアやフィナロイドを検討してみて欲しい。
フィナステリド内服薬の副作用である性欲減退や勃起障害が嫌なのであれば、リアップX5と同じミノキシジル5%のカークランドが1本当たり1,700円で買える。
金銭的な理由でインセントを使っているのであれば上記発毛剤をおすすめしますし、とりあえず気休めならなんでもいいというのであれば気軽に使えるインセントをおすすめします。
間違ってもクソ高い育毛剤には手を出さないで欲しいと心から願います。
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