フィナからデュタ切り替えで効果は?

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フィナステリドからデュタステリド切り替えで効果は?

現在日本において選択できる経口発毛剤は2種。プロペシアに代表されるフィナステリド内服薬と、ザガーロに代表されるデュタステリド内服薬です。

2型の5αリダクターゼのみを阻害するフィナステリドに対し、デュタステリドは1型2型の両方を阻害することから、薄毛改善効果はより高いと考えられ、実際に複数の臨床試験においてもそれが実証されています。

しかし、どちらも5αリダクターゼ阻害薬であるため、従来から使われているフィナステリドが効かなかった場合、デュタステリドも効かないのではないか…と考える人が多数存在します。

しかし、調べてみるとフィナステリドが効かない人に対してもデュタステリドは効果を発揮する可能性が高いようです。

フィナは効かないがデュタは効いたというデータ

まずは「フィナステリドが効かない人でもデュタステリドが効く可能性」について、結論と根拠を示しておきましょう。

2014年に行われた臨床試験では、フィナステリドを6ヵ月間使用して有効性を示さなかった男性35人に対し、その後デュタステリド0.5mgを6ヶ月間投与し有効性の検証が行われました。

参照サイト:Pubmed

この治療を完了した31人中、薄毛の改善が確認できたのは約77%にあたる24人。内訳は軽度改善17人、中等度改善6人、著明改善1人。改善しなかった7人に関しても悪化は報告されていません。

少なくとも「効果」という点においては、フィナステリドからデュタステリドに切り替えて状況が悪化することはないと考えていいでしょう。

デュタステリド切り替えで副作用は?

一方、気になる副作用は6人に一過性の性機能障害が見られたとのこと。

フィナステリドやデュタステリドは5αリダクターゼという酵素の働きを阻害し、AGAの原因である強力な男性ホルモン「ジヒドロテストステロン(DHT)」の生成を抑制することから、性欲減退や勃起障害など性機能障害の副作用があります。

その副作用発現率は試験によって大きく異なるものの、プロペシアの治験では約5%、ザガーロの治験においてはフィナステリド、デュタステリド共に約20%程度の副作用発現率が確認されています。

今回のフィナステリドからデュタステリドへの切り替えで31人中6人に副作用が見られたとするなら、その発現率は約20%。ザガーロの臨床試験結果とほぼ一致することになります。

これは裏を返せばフィナステリドと作用が近しいデュタステリドへの切り替えであれば副作用は出にくいという希望を打ち砕く結果とも。

6ヵ月間フィナステリドを使用したうえでデュタステリドに切り替えても十分な発毛効果が期待できる一方で、副作用リスクもまた別物として考える必要がある…

良くも悪くもフィナステリドとデュタステリドはまったく別の薬という認識を持っていたほうがよさそうです。

デュタステリド切り替え試験の信頼性は

今回紹介した、フィナステリドからデュタステリドに切り替えた際の効果を検証した臨床試験。現実問題としてどの程度信頼性があるのでしょうか?

というのも、フィナステリドからデュタステリドに切り替えた場合の効果や副作用について検証した試験はこれ以外に存在しないため、この試験の信頼性がデュタステリド切り替えの是非に直結するから。

実はこの試験、日本に先駆けてデュタステリドを発毛剤として承認した韓国のデータ。世界的に見て現在デュタステリドを発毛剤として正式に認可している国は日本と韓国だけ…という点を考慮するとちょっと気になりますよね。

ハッキリと言ってしまえば、韓国では世界に先駆けてデュタステリドを発毛剤として認可させるために“何らか”の忖度や圧力が働いたのではないか…と。

韓国は表面上は法治国家の体を成しながらも、国民感情などが色濃く反映されたり、事後に制定された法律を過去に遡って適用されたりするなど不安要素があるのは間違いありません。

ただ、デュタステリドの発毛効果に関しては欧米など多くの国が小規模ながら臨床試験を行い、それなりの成果を上げています。現状ではそれが発毛剤としての認可に直接結びついていないだけで。

フィナステリドに比べデュタステリドがより良い結果を残しているデータが多く存在することからも、前述した韓国の臨床試験データもそれなりに信用に値すると考えていいと思います。

ただし、この臨床試験は医薬品の正式な認可に必要な、厳密かつ大規模なものではありません。これまでのデュタステリドの結果から信頼に足ると考えられる一方、“参考”に留める必要があるのもまた確かなのです。

フィナステリド使用の期間的な問題も

今回紹介した臨床試験では、フィナステリドを6ヵ月間使用し効果が認められなかった人にデュタステリドを投与していますよね。

一般的に発毛剤の効果の有無を確認するには6ヶ月間必要とされているため、この試験内容に問題はないように感じます。

ただ、フィナステリドにしろミノキシジルにしろ、より正確な効果の有無が確認できるのは12ヶ月後…つまり1年間様子を見る必要があることは様々なデータが物語っています。

事実、代表的なフィナステリド内服薬であるプロペシアの試験では、使用から1年間の結果がその後の持続的な効果を見るうえで重要とされています。

そう、「6ヵ月で白黒はっきりする」ではなく、「6ヵ月使用すれば多くの人に効果が出始める」ということなのです。

何が言いたいか? 鋭い人ならもうお分かりですよね。そう、6ヶ月の使用で「フィナステリドに効果なし」と結論付けるのはいささか乱暴なのです。

この試験では6ヵ月間のフィナステリド使用でやっと発毛への準備が整ったという人もいたはず。そこからデュタステリドに切り替えたことで、「デュタステリドがフィナステリドの効果を引き継いだため良好な結果が得られた」という見方も。

このあたりは今となっては検証の使用もありません。ただ、これからフィナステリドやデュタステリドを使ってみようと考えている人に向け、「効果の有無を確実にするためには1年間使ってくれ」と声を大にして言いたい。

デュタステリド切り替えに対する個人的見解

フィナステリドが効かない人がデュタステリドに切り替えてどの程度効果が見込めるのか? この点について様々なデータに触れ、多くの発毛剤を使用・検証してきた筆者の個人的見解も述べたいと思います。

2015年に発毛剤として承認されたザガーロの治験では、デュタステリドはフィナステリドに比べ約1.6倍の発毛効果を得られたとされています。

ただ、世界に散らばるフィナステリドとデュタステリドの比較試験結果を見るに、そこまで劇的な差があるとは思えないというが実情。とはいえフィナステリドよりデュタステリドの方が高い効果を占める傾向にあるのも確か。

このことから、フィナステリドが効かなかった人もデュタステリドを使うことによって一定の発毛効果が得られる可能性があると見ていいでしょう。

もちろんそれはすべての人が当てはまるわけではありませんが。

そもそも、世界的に発毛効果が認められているフィナステリドやミノキシジルですら、その効果は個人差が大きいもの。デュタステリドに関しても劇的に効く人もいれば、ほとんど効き目がない人もいるのです。

相性もあります。中にはデュタステリドは効かなかったけどフィナステリドはよく効いたという人がいてもおかしくありません。発毛剤はそのくらい繊細かつ効果には個人差が大きいと心得てください。

それでもフィナステリドに限界を感じている人にとってデュタステリドが救世主になる可能性は十分あります。大事なのはフィナステリドが効かなかったからといって発毛を諦めない心なのです。

フィナステリドが効かない人はデュタステリドを

3種存在する発毛成分の中で最もベーシックなのはフィナステリドです。AGAクリニックや皮膚科を受診しても、まずはフィナステリドが処方されることでしょう。効果や副作用、費用などを総合的に考えれば妥当な判断。

そして、フィナステリドで思うような効果が得られなかった場合、次なる選択肢としてデュタステリドの他にミノキシジル外用薬やミノキシジルタブレットも視野に入ってきます。

この中で最も効果が期待できるのはミノキシジルタブレット。しかしミノキシジルタブレットは元が血圧を下げるための血管拡張剤ということもあり、副作用に対する懸念は最も大きいと言わざるを得ません。

となると、次なる選択肢はミノキシジル外用薬かデュタステリドということに。

ただ、現実問題としてフィナステリドを使用している段階でリアップX5プラスネオに代表されるミノキシジル外用薬を併用している人も多いことでしょう。

その点フィナステリドとデュタステリドを併用することはないため切り替えがしやすい。万人におすすめできるのはやはりデュタステリドへの切り替えなのです。

フィナステリドからデュタステリドへの切り替えでどの程度効果があるのかについては前述したデータしか存在しません。しかしここで一定の効果が示されているのは心強い。

また、エビデンス(科学的根拠)とは到底呼べないものの、多くの医師はフィナステリドからデュタステリドへの切り替えで発毛する可能性が高まることを経験則として実感している

フィナステリドが効かない、思うような効果が出ないと感じている人は、ミノキシジルを追加したり含有量を増やしたりする前にデュタステリドに切り替えてみてはいかがでしょうか。

おすすめのデュタステリド製剤は?

日本国内においてデュタステリドを用いた発毛剤は、グラクソ・スミスクライン社の「ザガーロ」しか存在しません。何より信頼性を重視するならこれを使うに越したことはないでしょう。

ただ、私はザガーロの使用はあまりお勧めしません。

信頼性においてはザガーロの右に出るものは存在しません。が、あまりにも価格が高すぎる。年単位での使用が想定される発毛剤において、薬代だけで1ヶ月1万円というのは大きな負担です。

そこでおすすめしたいのは海外製のデュタステリド製剤です。海外製のデュタステリドはすべてザガーロと同じ0.5mg。効果も同じで、かつ安価というのが大きな特徴。ただ複数の商品が存在するためどれを使っていいか迷う人も多いはず。

そこで、ここでは2種類しかおすすめしません。信頼性重視の「アボダート」と、価格重視の「ベルトリド」の2つです。

アボダート

アボダートは日本において前立腺肥大症の治療薬として処方される「アボルブ」とまったく同じ薬です。日本向けはアボルブ、海外向けはアボダートという名称で商品化しているだけ。

そしてこのアボルブはザガーロと同じグラクソ・スミスクライン社製。そう、前立腺肥大症の治療薬がアボルブ、AGA治療薬がザガーロという用途の違いだけで中身は完全に同一なのです。

アボダートとアボルブ、ザガーロは同じメーカー

つまり「ザガーロ=アボルブ=アボダート」という図式。どの箱にもグラクソ・スミスクライン社のマークが入っていることが見て取れると思います。

海外向けとはいえアボダートはザガーロと同じグラクソ・スミスクライン社の正規品。しかも価格は3,000~3,500円程度とザガーロの3分の1で購入できるのです。

これを知っているとザガーロを使うのが馬鹿らしくなってくる…アボダートはそんな商品。

アボダートの詳細

ベルトリド

おすすめデュタステリド ベルトリド 一方、価格を重視するならインドのインタス社が製造・販売するアボルブジェネリック「ベルトリド」がベスト。

ちょっと怪しい雰囲気が漂う“インド製”ですが、ベルトリドを作るインタス社は先進国を含め世界各国にジェネリック医薬品を流通させる大手製薬メーカー。世界のジェネリック医薬品の約4割はインド製というだけあって信頼性に問題はありません。

そして価格は100錠5,000円ほど。1日1錠の使用ですから1箱で3ヶ月強使えることに。つまり1ヶ月換算で約1,500円と圧倒的な安さを誇っているのです。

しかもベルトリドは複数同時購入の割引率が高く、3箱(300錠)同時購入になると1ヶ月1,000円レベルの約10,000円とさらに安くなる。

先発薬というブランドと安心感を重視するならアボダートを、製品がしっかりしていればジェネリック医薬品でも構わないという人はベルトリドを選択するといいでしょう。

ベルトリド100錠の詳細

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