男性用・女性用育毛剤に違いはない

男性用・女性用育毛剤に違いはない

男女ともに薄毛に悩む人は多く、特に女性は社会進出に伴って薄毛になる人が急増していると言われる昨今、多くの育毛剤が登場していますが、男性用と女性用にほとんど違いはないって知っていましたか?

いやいや、そんなはずないだろう

そう感じる人もいらっしゃると思います。しかし、男性用と女性用を分ける必要があるのか?分けることにどういった意味があるのかを考えると、おのずと「ほとんど変わらない」の意味が分かってくると思います。

男性用だろうが女性用だろうが発毛効果はないで当サイトでは一切おすすめしませんが、使用を考えている人の参考になるならという想いでこれらの真実について書いていきましょう。

    目次
  1. 男性用と女性用の成分はほとんど一緒
  2. 内容や効果が一緒になってしまう理由
  3. 大半の育毛剤は男女兼用という事実
  4. 薄毛のメカニズムを考えれば当たりまえ
  5. 違いはあくまでターゲット
  6. 発毛剤では男女で大きな違い
  7. 男性用・女性用育毛剤の違いに関するまとめ

男性用と女性用の成分はほとんど一緒

男性用と女性用の育毛剤は大きく成分が異なると思っている人も多いと思いますが、それは大きな勘違いです。

有名な例に、男性に人気のチャップアップやイクオス、ブブカと、女性に人気のマイナチュレがまったく同じ汎用育毛剤を使用していたというものがあります。

それは天真堂という企業が製造している相手先ブランド(OEM)用の育毛剤「ソヴール08」で、今でこそそれぞれ独自の成分を追加し“吊るし”の状態を卒業してはいるものの、ベースはあくまでソヴール08であることに変わりはありません。

ソブール08を使った育毛剤

それぞれ男性用、女性用として高い人気を誇る育毛剤だけに、これらに大きな違いがないことはこの段階でも明らかだと思います。

もちろん、これ以外の女性用育毛剤も成分的に男性用のそれとほとんど変わらず、これは前述のように男性用と変わらない成分であるマイナチュレと、やはり女性に人気のベルタ育毛剤からも見て取れます。

マイナチュレ ベルタ育毛剤

グリチルリチン酸ジカリウム
酢酸DL‐α‐トコフェロール
センブリ抽出液
精製水
1,2-ペンタンジオール
1,3-ブチレングリコール
濃グリセリン
フェノキシエタノール
クエン酸
クエン酸ナトリウム
ビワ葉エキス
海藻エキス(1)
ボタンエキス
シナノキエキス
ヒキオコシエキス(1)
ヒオウギ抽出液
クロレラエキス
オウゴンエキス
ローマカミツレエキス
アルニカエキス
オドリコソウエキス
オランダカラシエキス
ゴボウエキス
セイヨウキズタエキス
ニンニクエキス
マツエキス
ローズマリーエキス
セージエキス
トリメチルグリシン
DL-ピロリドンカルボン酸ナトリウム液
ソルビット液
L-セリン
グリシン
L-グルタミン酸
L-アラニン
L-リジン液
L-アルギニン
L-スレオニン
L-プロリン
サクラ葉抽出液
ジオウエキス
エタノール
アロエエキス(1)
キューカンバーエキス(1)
セイヨウサンザシエキス
セイヨウノコギリソウエキス
タイムエキス(2)
ラベンダーエキス(1)
ノバラエキス
ニンジンエキス
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油


センブリエキス
グリチルリチン酸ジカリウム
酢酸DL-α-トコフェロール
プラセンタエキス(1)
サクシニルアテロコラーゲン液
水溶性コラーゲン液(3)
ヒアルロン酸ナトリウム(2)
プルーン酵素分解物
ユキノシタエキス
海藻エキス(1)
シルバーバイン果実エキス
ウメ果実エキス
カンゾウ葉エキス
イザヨイバラエキス
エイジツエキス
テンニンカ果実エキス
スターフルーツ葉エキス
イチョウエキス
アシタバエキス
ボタンエキス
シナノキエキス
ヒキオコシエキス(1)
カモミラエキス(1)
ビワ葉エキス
ジオウエキス
ヒオウギ抽出液
水素添加大豆リン脂質
L-ピロリドンカルボン酸
L-アルギニン
L-アラニン
L-アスパラギン酸
大豆たん白水解物(2)
L-セリン
L-バリン
L-プロリン
L-スレオニン
L-イソロイシン
L-ヒスチジン
L-フェニルアラニン
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油
ラウリルジメチルアミンオキシド液
濃グリセリン
キサンタンガム
1,3-ブチレングリコール
乳酸ナトリウム液
DL-ピロリドンカルボン酸ナトリウム液
水酸化ナトリウム
グリシン
N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステリル・2- オクチルドデシル)
馬油
無水クエン酸
クエン酸ナトリウム
無水エタノール
フェノキシエタノール
エタノール
D-パントテニルアルコール
精製水

なんだよ、結構違うじゃん」と感じる?

確かにこの2つの一つひとつを比べれば違う成分も多くなりますが、最も多く含有されている有効成分の「センブリエキス」「グリチルリチン酸ジカリウム」「酢酸DL-α-トコフェロール」は完全一致、それ以外の成分の多くは男性用にも使われるものが非常に多くなっています。

なぜこんなことが起きるのか?

内容や効果が一緒になってしまう理由

医薬部外品である育毛剤というのは、まず厚生労働省が抗炎症作用や血行促進効果があると認めた「有効成分」を一定量配合する必要があり、それらの数は数十種と決して多くありません。

しかもその有効成分は化粧品やシャンプーにも広く使われるものであるため、育毛の観点で見ると配合に適したものというのは限られてきます。

そのため、男性用・女性用問わず多くの育毛剤の有効成分は以下のものから3つ前後を選んで使っています。

  • ■グリチルリチン酸ジカリウム(グリチルリチン酸2K)
  • ■センブリエキス
  • ■ニンジンエキス(オタネニンジン根エキス)
  • ■酢酸DL-α-トコフェロール
  • ■塩酸ジフェンヒドラミン

ちなみに、これらは育毛剤の成分の中で最も多く含有されますが、効果は抗炎症作用や血行促進作用で、髪の毛を生やす発毛効果は一切ありません。

その他の成分も似たり寄ったり

また、有効成分以外の「その他の成分」も似たようなものばかり。

  • ■海藻エキス
  • ■ビワ葉エキス
  • ■ヒオウギ抽出液
  • ■オウゴンエキス
  • ■シナノキエキス
  • ■ローマカミツレエキス
  • ■ボタンエキス
  • ■複数のアミノ酸(L-〇〇など)

定番として上記のようなものが挙げられ、あとは各社独自性をアピールするためにいくつかの“化粧品”成分を配合しているといった形。ここ重要よ、「化粧品成分」だからね。

これらの中には「DHT生成を抑制する」とか「発毛促進する」なんて書いている成分もあるが、ほとんどは明確かつ客観的なデータが存在しないものばかり。

まあ、そんなデータが存在すれば世界各国で使われているはずですよね。

その他の成分に多少の違いがあっても、一つひとつの含有量は微々たるものである上に、それらは男性用、女性用問わず広く使われている成分で、しかも髪の毛に作用するという根拠がないものばかり。

それが育毛剤の真実なのです。

大半の育毛剤は男女兼用という事実

そもそも、男性に人気の育毛剤で「男性しかお使いいただけません」なんてものはほとんど存在せず、多くは「男女兼用」になっています。一部では「女性にも大人気!」なんて謳っているものも。

チャップアップ然り、イクオス然り、ポリピュアEX然り、フィンジアやDeeper3Dなどキャピキシル育毛剤も同様です。

また、「女性用」として大々的に売り出しているマイナチュレなどの育毛剤も、「男性も使用できますか?」問い合わせると「問題ございません」と返ってくる。

結局はそんなものなのです。

薄毛のメカニズムを考えれば当たりまえ

多くの育毛剤や育毛関連サイトでは「男性と女性で薄毛のメカニズムが違う」と書いているのを目にすると思います。だから男性は男性用の、女性は女性用の育毛剤を使わなければ効果が期待できないと。

では薄毛メカニズムの男女の違いとは?

男性の薄毛メカニズム

男性の薄毛のほとんどは男性型脱毛症(AGA)と呼ばれるもの。

男性ホルモンである「テストステロン」に5αリダクターゼ(5α還元酵素)が作用して作り出される「ジヒドロテストステロン(DHT)」が毛乳頭細胞にあるアンドロゲンレセプターと結合し、髪の毛の成長を阻害します。

5αリダクターゼの分泌量やアンドロゲンレセプターの感受性は遺伝によって決まるとされ、薄毛の原因のほとんどをこれが占めている。

生活習慣とかタバコとか食生活でハゲるというのは嘘だから気を付けろ。

AGAクリニックなど無駄な育毛治療で金儲けを考えているような病院なら「生活習慣指導」「育毛なんたらの施術」などの名目で金をむしり取ろうとするが、まともな医者なら薄毛との関連性になんの根拠もない生活習慣などほとんど関係ないとハッキリ言ってくれる。

ちゃんとした医者かどうかを見極めるポイントにもなるので参考までに。まあ、すごいデブとか糖尿病とかになると、さすがに「多少は影響あるかも…」と言われる可能性はあるが。

とりあえずAGAの原因は遺伝による5αリダクターゼとDHTの感受性なのです。

女性の薄毛メカニズム

男性と違い女性の薄毛メカニズムは生活習慣やストレスなどと言われています。

女性の髪の毛は女性ホルモンである「エストロゲン」が成長のカギを握っており、生活習慣や食生活が乱れるとホルモンバランスが崩れ女性ホルモンが減少、結果薄毛になってしまいます。

ただし、男性と同じようにDHTも大きく関わっているとされます。

女性であっても多少の男性ホルモンは持っており、ホルモンバランスが乱れエストロゲンが減ると相対的に男性ホルモンが増えることになります。

また、男性に比べれば遺伝の影響は少ないものの、劣性遺伝によりアンドロゲンレセプターの感受性が高まる場合もあり、そういった要素がある場合エストロゲンが減るとDHTの影響が強くなり、薄毛になってしまいます。

これを「女性男性型脱毛症(FAGA)」といい、女性の薄毛理由で最も多いとも。


男性、女性共に薄毛の原因には男性ホルモンであるジヒドロテストステロン(DHT)が大きく関わっていることが分かります。

仮に女性の薄毛の原因が女性ホルモンの減少だけだとしても“ホルモン”がほとんどの原因を占めていることに変わりはありません。

さて、ここで本題に入ります。

頭皮に塗布する育毛剤で男性ホルモンであるDHTや、それを作り出す5αリダクターゼ、そして女性ホルモンのエストロゲンといったものをどうにかできると思いますか?ハッキリ言って不可能です。

そもそも育毛剤というものは発毛させるためのものではありませんし、ここまで書いてきたように使える成分は限られています。そしてメーカーはそれを重々承知しています

発毛成分のミノキシジルは強力な発毛作用によって遺伝に逆らい強引に髪の毛を生やすことができますが、抗炎症作用や血行促進作用、保湿作用しかない育毛剤にそんな力はない。

ぶっちゃけ厚生労働省で定められた有効成分が入っていて、それ以外にそれっぽい成分が入っていればなんでもいいんです。どうせ効かないんだから。

違いはあくまでターゲット

育毛剤の違いはターゲット

本当は男性用も女性用もほとんど変わらないのに、あえて「女性用」として販売したり、一部では「男性は購入できません」とまで明記している育毛剤があります。

しかし、前述したようにエストロゲンの減少やDHTが原因である女性の薄毛に対して特化するなど不可能。つまりこれは「女性の薄毛に特化して作っている」のではなく、女性に売りたい育毛剤ということになります。

万人向けではなく、あえてターゲットを絞って訴求するというのは販売戦略としてよく利用されるもの。「男女兼用」と「女性用」、女性が「どちらを使う?」と問われれば、ほとんどの人は「女性用」を選ぶでしょう。

男性用(男女兼用)も女性用も成分的には大差ないのにあえて分ける理由は、ただ単にターゲットを絞って販売に繋げようとする戦略以外の何ものでもないのです。

どうせ髪の毛の生えない気休め商品なんだから、謳ったもん勝ちということ。

男性に比べ女性の肌の方がデリケートなので、刺激を抑えるくらいの配慮はあるかもしれないが、マイナチュレの例を見ても分かるように「女性の頭皮に配慮」もただの方便である可能性大。

あんなぼったくりの値札下げておいて「消費者のハゲなんて知ったこっちゃない」というスタンスは悪質以外の何ものでもないがな。

発毛剤では男女で大きな違い

育毛剤の場合は男性用も女性用も大差ないものの、発毛剤に関しては男性と女性で使えるものがハッキリと異なっています。

具体的には…

フィナステリド・デュタステリド

プロペシアに代表されるフィナステリドや、ザガーロの主成分デュタステリドは男性ホルモンであるDHTの生成を強力に抑制するという性質上、女性にはほとんど効果がありません。

また男児を妊娠している女性の場合、服用するのはもちろん薬の成分に触るだけでも胎児の生殖器の成長を阻害する可能性があるため、使用は禁止されています。

薄毛男性にとっては救世主であるフィナステリドやデュタステリドも、女性にとっては効果がないどころか危険な場合もある薬という位置付けなのです。

ミノキシジル外用薬

リアップに代表される医薬品のミノキシジル外用薬。

男性用のリアップX5プラスはミノキシジル5%配合で、アメリカ製のフォリックスに至っては15%や16%という高濃度のものも。

しかし女性の薄毛にはそこまでの濃度は必要ないとされ、女性用のリアップリジェンヌは1%、本家ロゲインや高濃度で知られるフォリックスですら2%と控えめになっています。

アメリカでは一部商品に5%のものがあるらしいのですが、副作用の影響も考慮してか女性用ミノキシジル外用薬は男性のそれに比べかなりの低濃度になっています。

ミノキシジルタブレット

最強の発毛剤との呼び声も高い飲むミノキシジル。

その強力な効果と、ちょっと怖い副作用の存在により“最終手段”的な位置づけのミノキシジルタブレットは、男性であれば5mgや10mgが主流。

しかし女性に対しては効き具合に加え低血圧やめまい、動悸などの副作用も考慮し2.5mgで十分とされます。髪の毛のみならず体毛も濃くする作用があるため、女性は2.5mg以上を使うべきではない。

男性用・女性用育毛剤の違いに関するまとめ

発毛剤であれば男性、女性で大きな違いがあれど、育毛剤に関しては女性用も男性用もほとんど変わりません。違うのはターゲットくらい。

そのため女性が男性用のものを使ってもまったく問題ありませんし、その逆もまた然りです。どっちを使おうが髪の毛が生えないことに変わりはないため、それを承知で育毛剤を使いたいのであれば好きなものを使えばいいかと。

補足として書いておきますが、育毛サプリメントに関しては医薬部外品ですらない栄養補給目的の健康食品であるため、こちらも男女どちらが使っても問題ありません。発毛はおろか育毛や抜け毛予防すら期待できないがな。

一応最後のフォローしておくと、抜け毛対策や髪の毛の成長を早めたい程度の目的であれば、男性用(男女兼用)であろうが女性用であろうが多少の効果は期待できるかもしれません。

薄毛の進行を止めたいわけではなく、気休めにになればいいやと考えている人にとって気軽に使える育毛剤はうってつけ!女性用なら5,000円くらいで買えちゃうよ。みんなぜひ使ってみて下さいね。(棒)

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