ストレスでハゲるは嘘 AGAとは無関係
「ストレスでハゲそう」といった言葉は日常で繰り広げられる会話の中で使われることもあり、ストレスが薄毛の原因になることは半ば常識となっていますが、実はこれ、大きな間違いでストレスでハゲになることはないんです。
なぜこう言われるようになったのかは不明な点も多いですが、ストレスが原因と見られていた円形脱毛症と男性型脱毛症(AGA)を混同しているのではないかと推測されます。
ただ、実際には円形脱毛症ですら原因がストレスと断定できていませんし、AGAなら尚更因果関係は証明されていません。
とはいえ通説となっているストレスとハゲの関係、そうそう無視はできないと思いますので「ストレスでハゲる」の嘘をもう少し詳しく暴いていきたいと思います。
ストレスでハゲると言われる原因は円形脱毛症
「10円ハゲ」とも呼ばれる円形脱毛症はストレスが原因というのが一般的で、テレビに映るような著名人が強いストレスにより円形脱毛症になったなんて報道や告白をたまに目にします。
しかしこの円形脱毛症、実はストレスとの明確な因果関係は証明されていません。かつてはストレスが主な要因と見られていたものの、近年では自己免疫疾患…つまり何らかの理由で免役が正常案細胞などを攻撃することが原因とする説が有力視されています。
自己免疫が毛乳頭細胞や毛母細胞を攻撃することによって髪の毛が抜け落ちてしまい、そうなってしまう一因にもしかしたらストレスも関わっているのかもね…という程度のスタンス。
円形脱毛症とAGA(男性型脱毛症)はどちらも「脱毛症」と名が付いているものの、メカニズムからまったく異なるため共通点は髪が抜けるという点くらいなのですが、いつの間にか「ストレス=ハゲ」という図式が成り立ってしまったのです。
円形脱毛症ですらストレスとの因果関係は分からないというのに。
円形脱毛症とAGAの原因は全然違う
自己免疫疾患という見方が強まっている円形脱毛症に対し男性型脱毛症(AGA)の原因はなんなのかといういと、ジヒドロテストステロン(DHT)という男性ホルモンに集約されます。
このDHTは代表的な男性ホルモンであるテストステロンと5αリダクターゼという酵素が結合して生成されるもので、毛乳頭細胞にある男性ホルモン受容体(アンドロゲンレセプター)と結合し髪の毛の成長を阻害するのです。
テストステロンは男性なら誰もが多量に分泌している男性ホルモン。これ自体に薄毛を誘発する作用はないものの、5αリダクターゼという酵素が結びつくことでDHTに変化、薄毛を引き起こしてしまうのです。
5αリダクターゼの分泌量やDHTの感受性は遺伝でほぼ決まることが分かっており、ハッキリ言ってしまえば「ハゲは遺伝」という結論に達します。これについては薄毛治療のパイオニアともいえる医師がハッキリと言い切っています。
男性の薄毛のほとんどを占めるAGAにはストレスが介在する余地はないため、AGAとストレスはほとんど無関係と言い切ることができるのです。
強いストレスにより自律神経が乱れハゲになる?
強いストレスを感じると自律神経が乱れ緊張などを司る交感神経が優位になることは疑いようがなく、それが血管の収縮を促し頭皮への血行が悪くなって薄毛を引き起こす…なんてもっともらしい説がありますが、デマです。完全に。
確かに緊張が強まれば血管は収縮しますが、仮にそれが原因で毛が抜け落ちてしまうというのであれば眉毛やヒゲはもちろん全身の体毛も薄くならなければ理屈が通りません。
例えば発毛剤であるミノキシジルは血管拡張薬ですが、あれは血管拡張作用で髪の毛が生えるのではなく、毛母細胞や毛乳頭細胞の分裂や増殖が促進され発毛するのであり、実際髪の毛のみならず体中の毛が濃くなる「多毛症」が現れます。
つまり、ストレスや緊張による血管収縮や血行悪化など全身に作用するもので毛が抜けたり成長が阻害されたりするというのであれば、当然ながら全身の毛に影響が出なければおかしいのです。
ハッキリ言ってしまえば血行が悪くなってハゲる…この通説すら嘘なのです。
ストレスではハゲません
「ストレスでホルモンバランスが乱れて薄毛になる」なんて話もあります。
しかしエストロゲンという女性ホルモンの作用により髪の毛を作り出す女性ならまだしも、そもそも女性ホルモンが少なく男性ホルモンが圧倒的に多い男性の場合ホルモンバランスもクソもありません。
男性の場合ホルモンバランスが乱れれば減るのは男性ホルモンであるため、むしろホルモンバランスが乱れたほうが発毛するんじゃないかという声があってもいいくらい。しかしそんな話はとんと聞かない。
結論としては、ハゲの原因はDHTと、それを作り出す5αリダクターゼに集約されるので、そこにストレスは関係ありません。
「ストレスでハゲる」はかつての間違った円形脱毛症の認識から生み出され独り歩きしたもので、男性型脱毛症(AGA)とは関係ないのです。
仕事や家庭、育児などでストレスを感じやすい30~40代という年齢とAGAの好発が重なるため、こういう認識が生まれた可能性もあるでしょう。
ストレスを解消して治る薄毛であればそれはAGAではなく放っておいても治るハゲ。円形脱毛症であれば放置していても治る可能性が高いですし、脂漏性皮膚炎などは炎症を抑える治療をすれば薄毛も解消します。
一方、AGAであればストレスを解消しても治ることは100%なく基本的に進行する一方。それを治療できる可能性があるものは現状フィナステリドやミノキシジルといった発毛剤しかないのです。
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