初期脱毛がない育毛剤は効かない
プロペシア(成分:フィナステリド)やザガーロ(成分:デュタステリド)、ミノキシジルといった発毛剤を使用する上で、避けては通れないのが初期脱毛。
それでなくても薄くなってきた髪の毛がさらに減っていく恐怖といったら…しかし初期脱毛はこれから髪の毛が生えるサイン。
「薄毛を治したくて育毛に取り組んでいるのに、初期脱毛でさらに抜けるって…」と感じるのはもっともではあるものの、これは新たな髪の毛が生えるための“儀式”みたいなもの。恐怖に打ち勝ち使い続けることで髪の毛が生えてくるのです。
そうはいっても、初期脱毛中は「このまま髪の毛が減り続けたら…」という恐怖を誰しも感じるもの。それが嫌で初期脱毛が存在しない育毛剤を使用する人が後を絶ちません。
しかし、初期脱毛が存在しない育毛剤には発毛効果もありません。
育毛剤に初期脱毛がない理由や、発毛剤使用時の初期脱毛のメカニズムを知れば、育毛剤がいかに無駄なものか見えてくると思います。
なぜ初期脱毛が起こるのか?
プロペシア(フィナステリド)やザガーロ(デュタステリド)といった内服薬や、ミノキシジル外用薬など発毛剤使用時の宿命ともいえる初期脱毛。そもそもなぜ発毛剤の効果で髪の毛が抜けるという事態が起きるのか?
健康な髪の毛というのは、数年かけて下図のようなヘアサイクルを繰り返します。
しかし、不運にも男性型脱毛症(AGA)を発症してしまうと、成長期が極端に短いまま退行期に移行し、そのまま休止、脱毛というサイクルになってしまうため髪の毛が薄くなってしまいます。
これはジヒドロテストステロン(DHT)という男性ホルモンが毛母細胞や毛乳頭細胞に働きかけ、髪の毛の成長を阻害している状況。細く短い状態で成長が止まり、短期間で抜けてしまった結果髪の毛が薄く見えてしまうのです。
初期脱毛のメカニズム
発毛剤使用時の初期脱毛はなぜ起こってしまうのか?
プロペシアなどの発毛剤を使用すると、DHTの影響で弱ってしまった毛母細胞から生まれ、成長が不十分なまま休止期になっている髪の毛が抜けていきます。
プロペシアやザガーロなどの作用によりDHTが大幅に減少し、正常な毛母細胞が作られるようになった結果、弱々しく不健康な毛母細胞や髪の毛を排除しようとするからです。
新たに健康な髪の毛を成長させるためには、不健康な髪の毛や毛母細胞は邪魔になる…ということなのでしょう。
そのため、発毛剤を使用し始めてから1~4週間はどうしても抜け毛が増えてしまいます。この現象を「初期脱毛」と呼ぶのです。
しかし、この初期脱毛を乗り越えれば、今まで弱々しい髪の毛しか生えなかった部位から健康な髪の毛が生える期待が膨らみます。
薄毛の人なら分かると思いますが、AGAになると洗髪時など普段の生活の中で抜ける髪の毛って細くて毛根がほとんどないものが多くなる傾向にありますよね?
初期脱毛とは、そういった不健康な髪の毛根をリセットし、ヘアサイクルが正常化しつつあることを示唆しているといえます。つまり健康で元気な髪の毛を生やすための下準備であり、今後の発毛には欠かせない“儀式”でもあるのです。
育毛剤には初期脱毛はほとんどない
一方で育毛剤はどうなのか?
チャップアップやイクオスEXプラスなど人気の育毛剤は、公式サイトや使用者の評価、育毛サイトの記事などで初期脱毛の可能性に言及しているものの、現実的に初期脱毛はほとんど存在せず、あったとしても微々たるもの。
このあたりは実際に使ってみないと分からと思います。実際に育毛剤を塗布してみると、ミノキシジルタブレットやデュタステリドなど強力な発毛剤を使用した時の絶望的な初期脱毛に比べれば、育毛剤の初期脱毛など誤差の範囲内。
発毛剤の場合、効果が期待できる人ほど初期脱毛が酷い傾向にあり、1日200本300本抜けることはざら。多い時は1日500本くらい抜ける場合も。冗談抜きで「ごっそり持っていかれる」という表現がしっくりくるでしょう。
それはもう戦慄を覚えるくらい。
一方、私はサイト運営において育毛剤の是非を判断するため、様々な育毛剤を使用してきましたが、初期脱毛を感じることはほとんどありませんでした。
単純に考えれば、髪の毛を生やす効果のない育毛剤に初期脱毛を起こさせるだけに力などあるわけもなく、発毛剤を使用した時の絶望的な抜け毛とは無縁の、非常に穏やかな日々を送ることができます。悪い意味で。
育毛剤は発毛効果を一切期待できず、裏を返せば初期脱毛も存在しないことに。仮に育毛剤を使用して初期脱毛らしきものを実感しているのであれば、それは頭皮に合わないことによって髪が抜け落ちているだけかもしれません。
初期脱毛の期間や本数は?
気になる初期脱毛の期間や本数についても言及しておきましょう。
平均的なケースでは、フィナステリドやデュタステリド、ミノキシジルといった発毛剤の使用開始から10日~14日くらいで初期脱毛が始まることが多く、それは2週間ほど続くというのが一般的。
しかしこれはあくまでも平均的なもので、早い人なら発毛剤使用後数日で初期脱毛が始まる人もいますし、その期間においても平均的な2週間程度を超え1~3ヶ月続くようなケースも。
平均的には発毛剤使用後2週間前後で初期脱毛が現れはじめ、2週間程度続く…となりますが、個人差が大きく「人によって様々」と言わざるを得ない面も。2週間+2週間というのは、あくまでも目安と思っておいてください。
初期脱毛の本数は?
次に本数を見てみましょう。
薄毛でない人の一般的な1日の抜け毛本数は50~100本程度とされます。一方で主な発毛剤の初期脱毛による1日の抜け毛本数の目安は以下の通り。
種類 | 1日の抜け毛本数 |
---|---|
フィナステリド | 200~400本 |
デュタステリド | 200~500本 |
ミノキシジルタブレット | 200~500本 |
ミノキシジル外用薬 | 100~300本 |
育毛剤 | 50~150本 |
初期脱毛の本数は個人差が大きく、また日によってもかなりのばらつきがあるため一概に「1日〇〇本」とは言い切れないものの、だいたいの目安として上記の本数になります。
はっきり言ってデュタステリドやミノキシジルタブレットなど強力な発毛効果を持つ発毛剤のは初期脱毛は絶望感すら覚えるレベル。「このまま生えなかったらどうしよう…」という恐怖との戦いとも言えるでしょう。
一方で育毛剤に初期脱毛はほとんどない。それは決してポジティブなものではなく、「発毛効果がないから初期脱毛もない」というネガティブなもの。初期脱毛が怖いから育毛剤を使うという判断は本末転倒なのです。
発毛効果と初期脱毛のバランスを考えると、リアップX5プラスネオやリグロースラボなどのミノキシジル外用薬という見方もできるでしょう。
しかし、ミノキシジル外用薬はフィナステリドやデュタステリド、ミノキシジルタブレットといった内服薬に比べ、強力な発毛効果が期待できない場合も。
薄毛やハゲをしっかりと改善できるほど強力な効果がある発毛剤ほど初期脱毛が強くなる…これが現実なのです。「初期脱毛が現れても使い続ける」という確固たる覚悟が必要になってきます。
そうはいっても、誰しも初期脱毛は怖いもの。今の髪の毛の状況や、自身が望む発毛効果の程度を考慮し、何を使用すべきか判断をするようにしましょう。
初期脱毛を軽減させる方法は?
発毛剤を使用すれば高い確率で現れるであろう初期脱毛。それが分かっているなら、どうにか初期脱毛を軽減させる方法もありそうなもの。
しかし、現状では初期脱毛をなくす、もしくは軽減させる方法はありません。
そもそも初期脱毛は「不健康な髪の毛や毛母細胞を一掃して、健康な髪の毛に置き換える」という、ポジティブな性質のもの。これを軽減させる行為は、薄毛改善効果を弱めることに他ならないのです。
例えば効果の弱い発毛剤を使用したり切り替えたりすれば、初期脱毛を軽微にすることができるでしょう。しかしそれは薄毛やハゲを改善させる力を弱めることに他なりません。
例えばミノキシジルタブレット10mgから5mgに弱めれば初期脱毛は軽減されるでしょう。ミノキシジル15%の外用薬「リグロースラボM15」から、同5%の「リグロースラボM5」に切り替えるなどの措置も同様。
でも、それで満足できますか?
「多少薄毛が改善すればいい」という目標であれば、初期脱毛と発毛効果のバランスを考慮し弱い発毛剤を使用するという選択肢もあるでしょう。しかし発毛剤を使用する方の希望の多くは「若い頃のようなフサフサの状態に戻りたい」というもののはず。
強い発毛効果を求めれば、相応の初期脱毛がある…これは宿命。医薬品を使用するにあたり避けては通れない「副作用」とも考えられるでしょう。
それを理解したうえで「初期脱毛でハゲ散らかした状態を周囲の人間に見られたくない」というのであれば、発毛剤使用から初期脱毛が収まるまでウィッグやかつらを使用するという方法も。根本的な解決にはなりませんが…
初期脱毛は髪の毛が生えるサイン
これまで書いてきた通り、発毛剤の使用により薄毛の改善に向かうに過程において、初期脱毛は避けては通れないもの。
しかしそれはこれから元気な髪の毛が生えるサインという見方も。初期脱毛が強く現れる状況は、裏を返せば発毛剤がしっかりと効いていると判断できることに。初期脱毛が終わった後は十分な発毛効果が期待できるでしょう。
重要なのは初期脱毛が現れたからといって使用を止めないこと。
前述した通り、初期脱毛とは発毛剤の効果で不健康な髪の毛を排除し、健康な髪を生やそうというサイン。にもかかわらず初期脱毛が出ている段階で使用を中止してしまうと、ただ髪の毛が抜けただけで終わってしまうという最悪の状況に。
使用を止めれば、初期脱毛が起きた部位から再び髪は生えてくるでしょうが、それは今まで通りの細くて弱い不健康な髪の毛に過ぎません。薄毛を改善させるためには、飲み続けることが何より重要になってくるのです。
恐怖すら感じる初期脱毛がほとんどないからと、チャップアップやイクオスEXプラスなどの育毛剤を使用したくなる気持ちも分からなくはないですが、初期脱毛がないことは効果がないい事の裏返しであることを忘れないでください。
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