ハゲが増えている原因は育毛剤という説
薄毛に悩む人が増えていると言われる昨今。実際にAGA外来やクリニックに訪れる人は年々増加しており、ヘアケア市場でも新たな商品が続々と登場するなど活況を呈しています。
薄毛の人が増えているとされる理由については様々なものが考えられ、中でも女性の増加が目立つとの声も。
しかし一方でミノキシジルやプロペシア(フィナステリド)の登場によって、これまでほぼ不可能とされた発毛が可能になるなど、髪の毛を増やす方法も確立されてきているのも確かです。
にもかかわらず薄毛が増えているとされる理由について、反論も覚悟のうえで「育毛剤などのヘアケア商品が原因」という説を唱えてみたいと思います。
薄毛が増えていると見られる原因
育毛剤などヘアケア商品の議論はとりあえず置いておいて、公平を期すためにまずは薄毛が増えているとされる理由について、考えうる主なものを見ていきたいと思います。
■高齢化が進んでいる
超高齢化社会は日本の将来における大きな懸念材料。高齢者が増え若年層が減っている状況を考えれば、薄毛人口は増えるに決まっていますよね。
男性型脱毛症(AGA)は早ければ10代から始まるものの、特に顕著に増えだすのは30代以降。実際データを見てみると、40~50代ともなると約半数の男性がAGAを発症してしまうのです。
年を重ねるごとにAGAのリスクは高まるうえ、一度AGAを発症してしまえば薄毛は進行する一方です。
逆ピラミッドと形容される現在の人口構造である以上、薄毛人口の増加はこれからも続くと見るべきでしょう。
■薄毛への意識が高まった
かつては30代といえばもはや「おっさん」であることは昔の写真や映像を見れば明らかですよね。昔の人の20代の写真や映像は現代の40代にしか見えないこともザラ。
…まあ、これは自分がおっさんになった今だからこそそう感じるだけで、10代から見れば30代は完全なるおっさんだが。
そんなこともあってかつては30代以降はハゲていても何ら不思議ではありませんでした。しかし現代の30代は自他共に「おっさん」と呼ぶには微妙な年齢となり、当然薄毛も昔以上に気にするようになったと推測されます。
それは周囲の目にも表れており、昔であれば多少ハゲても気にしなかった年齢層が、現在は自他ともにハゲを気にするようになった結果、薄毛を自認する人が増えたのだろうと。
“意識”が変わったといえば分かりやすいか。
40代くらいになっても若々しい芸能人が増えたことも一因と見られ、「その年齢でハゲは辛い」という意識が浸透していったのは想像に難くない。
■女性の薄毛が急増している
近年は女性の社会進出が目覚ましく、その影響もあってか男性以上に女性の薄毛が急増しているという。
男性の薄毛であれば遺伝が原因のほとんどを占めるため、生活習慣の乱れやストレスがあったとしても大した影響はないが、女性の薄毛の場合は女性ホルモン「エストロゲン」の減少も大きな要因であるため、社会進出に伴うストレスの増大や生活習慣の乱れが薄毛を引き起こしているとされる。
確かに、30歳前後で綺麗な女性でも髪が異様に薄い人とかちょくちょく見かけますよね。
ただし、これも前述した「意識」が影響しているのかもしれません。女性の社会進出に伴って不特定多数の人間と接する機会が増えた結果、これまで以上に自分の髪の毛に気を使うようになったのも一因と考えられます。
専業主婦が当たり前の時代なら接する人間など限られてきますし、多少薄くても気にしなかったでしょう。しかし現在はそうもいかなくなったというのも背景にあるかと。
薄毛の人口は正確な統計を取ったデータはないため、実際に増えているかどうかという点において疑問が残るものの、ヘアケア市場を見てみると横ばいから微増で推移しています。
すでにほとんどが薄毛治療を諦めているであろう高齢者が増え、薄毛の改善に積極的であろう若者が減っていることを考えると、ヘアケア市場の横ばい~微増という事実は若年層の薄毛の増加を示しているようにも感じます。
もしくは、1人あたりが髪の毛にかける金額が上がっているか。
これだけヘアケア商品が充実している現代において、薄毛の人が減らない・増えているというのはちょっと腑に落ちないですよね。
育毛剤で髪が生えることはない
現在、世界的に「髪の毛が生える」「発毛する」と認められている成分はフィナステリドとミノキシジルのみで、日本や韓国などではフィナステリドの効果をさらに高めたデュタステリドも発毛剤として認可されています。
当然これらは厳密かつ客観的な臨床試験を行い、膨大なデータを背景に「髪の毛が生える」という科学的根拠を得た薬となります。
一方で市販の育毛剤はどうか?
市販の育毛剤や医薬部外品において発毛効果が認められたフィナステリドやミノキシジルといった成分は一切使われていません。配合されているのはせいぜい「育毛・発毛促進」「抜け毛を防ぐ」程度の効果しか認められていないものばかり。
育毛というのは今ある髪の毛の成長を促すもので、私達ハゲが望む新たな髪の毛を生やす効果はありませんし、発毛促進は「発毛を手助けする」という意味で、発毛剤における「発毛」とは意味がまったく異なります。
実際、育毛剤の成分のほとんどが保湿成分、もしくは抗炎症作用・血行促進作用などがある成分としてしか認められていない。当然ながらこんなもので毛が生えるわけはありません。
もっと質が悪いのはキャピキシルやリデンシルといったただの化粧品成分にミノキシジル以上の効果があると錯覚させるような行為・宣伝がまかり通っていること。育毛や発毛に詳しい人であればまだしも、そういった知識に乏しい人は騙されてしまうことでしょう。
育毛業界は悪意に満ちていると言っても過言ではないのです。
育毛剤がハゲを増やしている原因という説
さて、前置きが長くなってしまいました。ここからが本題です。
近年、ネットを中心に販売する育毛剤が爆発的に増えた結果、違法まがいの過剰広告や高額なアフィリエイト報酬をエサに提灯記事を書かせる手法によって、「育毛剤は効果が高い一方で副作用がない素晴らしい商品」「発毛剤は副作用が強く危険なもの」という風潮を作り出そうとしています。
その傾向はネットで育毛剤や発毛剤を検索すればすぐに分かると思います。育毛剤の売り込みと発毛剤叩きが凄まじいから。
しかし、冷静になって考えてみて下さい。
世界的に発毛効果が認められているプロペシア(フィナステリド)やミノキシジルと、世界はおろか日本ですら発毛効果を全く認められておらず、販売しているメーカーが「すごい効果!」と謳っているだけの育毛剤、どっちが信用できますか?
医者が科学的根拠をもとに提供する医療と、民間企業が勝手に「効果ある」と言っているだけの民間療法など比べるまでもないはずなのに、ネットなどで発毛剤の副作用に過度な恐怖を与えたり、育毛剤の効果が発毛剤の効果を上回るような情報が溢れたりした結果、それに騙されて育毛剤を使う人間が後を絶たないのです。
当然ながら育毛剤で髪の毛が生えるわけもなく薄毛はどんどん進行、もはや取り返しのつかないレベルにまでなってしまう。そう、「育毛剤という余計な寄り道」を選択してしまうことが薄毛人口を増やしている一因と考えられるのです。
髪の毛を生やすには発毛剤を使うしかないという正しい情報が徹底され、第一選択としてプロペシアやミノキシジルを使うのが常識となっていればハゲ散らかす人間は確実に減るはずなのに…
■がんの代替医療から読み取る育毛剤の闇
先日、興味深いニュースがありました。
民間療法に代表される「代替医療」を選択したがん患者の死亡率は、医療機関で受ける手術や化学療法を選択した患者より最大で5倍ほど高くなる…というもの。
これは米のエール大学医学大学院の研究によって明らかになったもので、科学的根拠のない代替医療を1種類以上受けることを選択した281人と、医療機関での標準治療を受けた560人を比較した結果、代替医療を選んだ患者の5年以内の死亡率は標準医療をはるかに上回りました。
市川海老蔵さんの妻である小林麻央さんが逝去した際、「民間の代替医療を選択したため、取り返しのつかない結果になってしまった」と取りざたされたことは記憶に新しいのではないでしょうか。
これはまんま発毛剤と育毛剤にも当てはまります。
拙い知識しか持ち合わせていないにもかかわらず、科学的根拠があるプロペシア(フィナステリド)やザガーロ(デュタステリド)、ミノキシジルの効果や副作用に疑問を抱き、「副作用がない」「ミノキシジルより効果がある」といった甘い言葉に騙され、科学的根拠が一切存在しない育毛剤を使うという行為がまさにこれ。
早期に発毛剤で治療すれば高い確率で改善・もしくは現状維持が可能なのに、育毛剤の甘言に踊らされた結果、時間と金を無駄にし取り返しがつかなくなってしまうのです。
間違った情報に踊らされるな
「育毛剤には科学的根拠がないかもしれないが、だからって髪が生えないという根拠もないだろう」
ここまで読んできてそう感じるのであれば、心行くまで育毛剤を使ってみればいいと思います。あなたにはそれを選択する自由があるのですから。
しかし、「やっぱ育毛剤ではなく発毛剤を使うべきなのか」という考えに至ったのであれば、医療機関での処方、個人輸入での購入問わず、少しでも早くフィナステリドやデュタステリドを使用してみて下さい。
これら発毛剤には副作用のリスクが確かに存在します。しかし、フィナステリドを例に取れば発毛剤として使用する量は元々の使用目的である前立腺肥大症の治療薬として使用する量の5分の1程度で、医学的にも安全性の高い薬として認知されています。
そもそも、高い効果を示す薬には大なり小なり副作用が存在するのは常識。裏を返せば副作用がない育毛剤に発毛効果などあるはずがないのです。
大々的に広告を打ち髪が生えると錯覚させる育毛剤は金儲けのためハゲを食い物にしているに過ぎず、同じく金儲けのためにそれに加担し、育毛剤を持ち上げ発毛剤を乏しめているのが育毛関連サイト。
これらが無くなり「髪の毛を生やすには発毛剤しかない」という正しい認識が広がれば、薄毛人口は確実に減少すると考えられます。
市販で買えるヘアケア商品など、ミノキシジルを配合しているリアップシリーズ以外はすべて科学的根拠が存在しません。育毛シャンプーに至っては発毛にとってゴミ以外の何ものでもない。
ちなみに、リーブ21に代表される育毛サロンはもちろん、医師が行うハーグ療法や育毛メソセラピーにも発毛するという科学的根拠はありません。
こういった治療を積極的に行うAGAクリニックを受診すると言葉巧みに代替医療を勧められる可能性がありますので、医療機関を受診する場合は大きな病院のAGA外来や、AGA治療も行っている皮膚科を選ぶほうがいいでしょう。
育毛関連商品は一見ハゲに寄り添っているように見えるかもしれませんが、発毛すると錯覚させて治療を遅らせている現状を見るに、ただのハゲ製造機。
せめてこれを見ている人が薄毛人口に加わることがないよう祈るばかりです。
…まあ、発毛剤を使う状況にある時点で薄毛人口入りなのかもしれないが。
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