育毛サイトの改善経過写真を信用するな
ネット上に溢れる育毛剤を売ることを目的にした育毛サイト。そういったサイトでよく目にするのが「この育毛剤で薄毛がこれだけ改善しました！」という経過写真ではないでしょうか。
それを見るに確かに同じ人間のように見えるし、時間の経過とともにハゲが改善しているように見えますよね。場合によってはかなりのハゲがフサフサになるまでの経過を載せているものも。
しかしこういった薄毛改善経過写真を絶対に鵜呑みにしてはいけません。
なぜなら発毛根拠のない育毛剤ごときで髪の毛が生えるわけもなく、また写真なんていくらでも捏造できるから。ここではそういった胡散臭い薄毛改善経過写真の嘘を暴いていきたいと思います。
薄毛が改善する写真を載せる理由
育毛剤などを調べていると、何らかの商品で薄毛が改善している様子を撮影した写真を目にすることがあると思います。
そういったものの多くは臨床試験の結果やAGAクリニックでの改善例など比較的信頼のおけるものになっていますが、最近やたらと目に付くのは個人の育毛サイトで自身の薄毛が改善したという経過写真。
これって信用できるのでしょうか？
そもそも、チャップアップやフィンジア、イクオスといった育毛剤を猛プッシュしてくる育毛サイトの多くはは個人の小遣い稼ぎ、もしくは個人事業主の収益源として運営されています。
こういったサイトの運営者が育毛剤を使い、その経過を掲載する理由…それは育毛剤の効果を自ら実証し、訪問者に購入を促すためにほかなりません。
本来育毛剤というのは薄毛になってしまった部位から髪の毛を生やす効果はなく、しかも薬機法により発毛効果を謳えないため、販売するメーカーは改善写真を掲載するのを避けるのが一般的。
しかし個人のサイトやブログの場合、「個人の感想」としてこういった写真の掲載が可能になります。
個人という強みを活かして写真を掲載し「こんなに効果的ですよ」とアピールし育毛剤を売りつけるのが育毛サイトの常套手段といえるのです。
写真はいくらでも捏造が可能
しかしここで大きな疑問が。そもそもこういった写真は信用できるのか？
出典:井上医院
例えばこの写真。AGAの治療を行っている医療機関がプロペシアを用い、その経過を写真で紹介しているものになります。
発毛効果が認められたプロペシア（商品名：フィナステリド）を用いていること、医療機関であることを考えればこれはある程度信頼に足るものであると判断できるでしょう。もちろん効果には個人差が大きいという前提でね。
しかしこれが個人の育毛サイトであればどうでしょうか？
画像加工技術が進化した現在写真の加工など非常に簡単にできますよね。画像を加工しないにしても、角度や光の具合を変えることで写真から見て取れる髪の毛の量を変化させることも容易です。
何かしらのウィッグをかぶっていたり、いわゆる“ふりかけ”と呼ばれる黒い粉を使用している可能性だってあります。ちょっと髪の毛の流れを変えるだけでも印象はずいぶん違います。
もしかしたら薄毛の進行の経過を逆に貼っていることも…
本来はこのように徐々に薄毛が進行しているのに、写真を逆に並べ替えるだけで髪の毛がどんどん生えてきているように見せることもできます。
実際に私が行っていた
「さすがにそこまではしないだろう」と感じますか？
いいえ、そのくらい平気でしますよ。なぜなら私自身が育毛剤を売るために育毛サイトでハゲが改善しているかのような写真を掲載していましたから。
詐欺？いいえ、個人の感想なのです。
「こんなに髪の毛が生えました！」なんて書かなくても「現在の状況はこんな感じです」と書いて増えているように見える写真を掲載するだけで信じやすい一部の訪問者は勝手に「こんなに効果があるのか…」と受け取ってくれます。
サイト上に掲載する小さく不鮮明な写真で髪の毛が生えたように見せることなど誰でもできること。それほど簡単なことなのです。
考えてもみてください。薄毛で途方に暮れている訪問者に希望を与えて育毛剤を買わせることができれば1万円とか2万円とか入る業界です。その程度の小細工など苦労のうちに入りません。
多くは個人でやっていますから、ハッキリ言ってやりたい放題。研究機関や大学などの論文ですら捏造が行われているのですから、個人がやらないと考える方がおかしい。大きな金が絡んでいますからなおさらです。
そもそも髪の毛が生えない育毛剤を「すごい効果があります！」と書いて紹介しているくらいのモラルしか持ち合わせていないのだから、なんでもやりますよ。
育毛サイトの薄毛改善写真は信じるな
育毛サイトを巡っていると、チャップアップやフィンジアといった育毛剤を使って驚くほど髪の毛が回復した写真が掲載されていることがあります。
これ100％嘘です。
世界的に発毛効果が認められた医薬品のフィナステリドやミノキシジルですらスカスカの状態から薄毛がほぼ隠れるほどの回復を見せるのは稀。医療の世界でも薄毛の劇的な改善は難しいというのに、それっぽい成分を適当に配合しただけの育毛剤で生えるわけがない。
もし本当に生えたのであれば、それは私たちが悩まされている男性型脱毛症（AGA）ではなく、別の原因で一時的に薄毛になっているだけのもの。
AGAはフィナステリドやデュタステリドといった強い作用がある発毛剤を使わない限り進行する一方のもので、育毛剤で改善することはありません。そもそも育毛剤はAGA治療のためのものですらない。
医薬部外品の育毛剤というのは抜け毛を予防したり血行を促進させたりといった目的のもので、それ以上でもそれ以下でもありません。フィンジアやボストンなどの化粧品にいたってはもはや頭皮を健やかに保つ程度。
極端な例を挙げれば、市販の育毛剤でAGAを治そうと考えるのは、野菜ジュースを飲んでがんを治そうとしているのと同じレベル。それほど的外れなことなのです。
育毛サイトに掲載されている薄毛改善画像は育毛剤を売るためにでっちあげたものです。絶対に信用しないでください。
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