抗がん剤の副作用から読み解く薄毛の原因

抗がん剤と薄毛の原因

育毛サイトや関連書籍、育毛剤やシャンプーを販売する毛髪業界は薄毛の原因として、生活習慣や食生活など様々な要因を挙げていると思います。しかし、それに疑問を感じる私は抗がん剤の副作用を引き合いに検証してみたいと思います。

副作用で髪の毛が抜ける抗がん剤と、一般的な薄毛は関係ないだろう

そう感じる人も多いと思いますし、実際にそのご指摘はごもっとも。あくまでもここで書くことは、育毛業界に携わり裏側を暴露している私なりの個人的な見解なので、医学的・科学的な根拠もデータもありません。

ただ、個人的には育毛に携わる人間が口を揃えて主張する薄毛の原因に大きな疑問を感じるため、抗がん剤の副作用から真実を読み解きたいと考えただけで、「こういう考えもあるんだなー」というおおらかな目で見て頂ければと存じます。

    目次
  1. 薄毛を引き起こすとされる主な原因
  2. 抗がん剤ではすべての毛に影響する
    1. 生活習慣や食生活の影響はなぜ髪の毛だけなのか?
    2. ミノキシジルの影響は全身に及ぶ
  3. 血行不良や偏った食事などで髪が抜ける根拠は?
  4. AGAの原因はあくまでもDHT
    1. AGA以外の薄毛の場合は?
  5. 薄毛と生活習慣はほとんど関係ない

薄毛を引き起こすとされる主な原因

巷で語られる薄毛の原因

健康で、かつ脱毛などの副作用がある薬の服用などもない男性が薄毛になる原因は、5αリダクターゼとテストステロンが結びついて生成される男性ホルモン「ジヒドロテストステロン(DHT)」というのが広く知られています。

しかし、育毛サロンや育毛剤、シャンプーなどを販売する毛髪業界のメーカーや、育毛関連サイトなどの言い分を見ると、薄毛の原因として、DHTのみならず様々な原因を挙げています。

主だったものをピックアップすると…

  • 食生活の乱れ
  • 睡眠不足
  • ストレス
  • 喫煙
  • 肥満
  • 過度な飲酒
  • 運動不足
  • 過度な運動
  • 紫外線
  • 自慰
  • 高級アルコール系洗浄成分のシャンプー
  • 皮脂
  • 長時間のスマホやPCの使用(眼精疲労)
  • 活性酸素

…もうね、挙げだしたらきりがないくらい。

これらがなぜ薄毛を引き起こすかというと、多くは頭皮への血行不良や、それらに伴う頭皮の栄養の欠如、毛穴の詰まり、活性酸素の発生などに集約されます。

それら要因、一見すると説得力があるように感じるため、薄毛や育毛・発毛に関してあまり詳しくない人は「これらの原因で薄毛になってもおかしくないよな」と納得してしまう人も多いことでしょう。

喫煙にDHTを増やすという論文が一部存在する以外、これら要因に科学的根拠は一切ないものの、育毛に関わる各方面で当然のように語られ、かつ多くの育毛関連サイトが似通った記事を量産しているため、これがあたかも根拠の伴う真実のような風潮に。

はっきり言おう。生活習慣や食生活の改善で薄毛を改善・回避できるなら、誰も苦労はしない

抗がん剤ではすべての毛に影響する

抗がん剤の副作用はすべての毛に影響する

生活習慣や食生活がAGAなどの薄毛に影響を与える…こういった説の真偽はさておき、ここでひとつ大きな疑問が生まれる。

生活習慣や喫煙、ストレスなど全身に影響が及ぶものが薄毛を引き起こすとするなら、それは髪の毛のみならず全身の毛が抜けなければおかしいのではないかと。

ここで本題の抗がん剤が出てきます。

強い抗がん剤になると、副作用により髪の毛が抜けてしまうというのは誰もが知っていると思います。実はこれ、髪の毛のみならず全身すべての毛が抜けます。眉毛やまつげ、ヒゲはもちろん、すね毛も下の毛もすべてです。

抗がん剤は血液に乗って全身に行き渡り、がん細胞のみならず正常な細胞にも影響を及ぼしてしまうため、細胞分裂が活発な毛母細胞は特に影響を受けやすく、結果脱毛してしまうのです。

勘のいい方はもう気付いたでしょうか?

そう、全身に悪影響を与えるはずの食生活の乱れや喫煙、飲酒、運動不足、ストレスなどによって薄毛になるというのであれば、抗がん剤同様全身の毛が抜けなければ説明がつかないと思いませんか?

生活習慣や食生活の影響はなぜ髪の毛だけなのか?

他の毛には一切影響がないのに、なぜ髪の毛だけ抜ける?

「生活習慣や喫煙など様々な理由でAGAの原因物質であるDHTが増えるんだろ」と言う人もいるでしょう。

しかし、タバコでDHTが13%増えるという、科学的根拠とは到底呼べないレベルの研究結果が1編存在する以外、食生活や運動不足、活性酸素などでDHTが増えるなんてデータも根拠も存在しません。

一方、例えば薄毛の改善に効果的とされる「亜鉛」。通常の生活では考えられないほど極端な亜鉛不足になると、確かに髪の毛は抜けます。しかしこれはあくまでも全身症状であり、髪の毛含め体中の毛に影響を及ぼします。

当然ながら、髪の毛の脱毛も全体に及ぶため、AGAのように側頭部と後頭部の髪の毛はフサフサで、頭頂部と前頭部のみハゲる…なんてことは考えられません。

生活習慣や食生活も同様ですよね。

生活習慣や食生活が乱れれば、全身にわたって悪影響がありますし、逆に生活習慣や食生活を整えることで得られる好影響もまた全身に及びます。

つまりね、生活習慣や食生活の乱れで髪の毛だけが抜けるなんて考えられないのです。もちろん、まゆげやわき毛、すね毛、陰毛に至るまで脱毛が見られるというのであれば、また話は違ってきますが…そんな人はほとんどいません。

生活習慣や食生活が薄毛に影響を与えないのであれば、当然それを見直したところで薄毛は治らない…当たり前の話ですよね。

ミノキシジルの影響は全身に及ぶ

最強の発毛剤として名高いミノキシジル内服薬…いわゆるミノキシジルタブレットが本来高血圧の人に向けた血管拡張剤であることをご存知の方も多いと思います。

ミノキシジルを服用した患者の多くに多毛症の副作用が出たため、それを逆手にとって発毛剤として使用するようになった経緯があります。

ミノキシジルタブレットは強力な発毛剤ではあるものの、発毛メカニズムは毛母細胞や毛乳頭細胞の増殖や分裂を促すことによる多毛症なので、髪の毛のみならず全身の毛が濃くなるという特徴があります。

このように、全身に影響が及ぶものであれば毛が生えるにしろ抜けるにしろ、それは体のいたるところで起こるのが自然なはず。抗がん剤然り、ミノキシジル然り、生活習慣然り。

余談ですが、発毛剤であるフィナステリドやデュタステリドが全身の毛に影響を及ぼさないのは、頭頂部や前頭部のみ脱毛してしまうAGAの原因物質「DHT」を作り出す5αリダクターゼの阻害効果に特化しているから。

ただし、同じくDHTが原因で引き起こされる前立腺肥大症を抑制する効果はあります。…というか、元々はそのために薬だしね。

このように、薄毛の原因であるDHTを直接増減させるような作用がない限り、その効果は全身の毛に影響に及ぶと考えるのが自然。

にもかかわらず、自称専門家や育毛サイト運営者に言わせると、生活習慣や食生活の乱れや喫煙、ストレスなどは“なぜか”髪の毛のみに作用するらしい。

血行不良や偏った食事などで髪が抜ける根拠は?

血行不良や偏った食事で髪が抜ける根拠はない

前述したように、睡眠不足やストレス、喫煙、肥満、運動不足、眼精疲労は頭皮への血行が滞り栄養や酸素が行き渡らないことが理由で薄毛になるとされています。

食生活の乱れや自慰は髪の毛の成長に必要な栄養の欠如を、紫外線や過度な運動、ストレス、喫煙は老化を促進させる活性酸素を増やし毛母細胞やも毛乳頭細胞が酸化、薄毛に繋がるとも。

こういったことを平然と広めている医師やサイト、毛髪業界の人物などは、どういった根拠があって言っているのか示してほしい。

そして、全身に及ぶはずのこれら悪影響がなぜ髪の毛のみに作用するのかも。

AGAの原因はあくまでもDHT

AGAの原因はDHTで生活習慣は関係ない

冒頭の方でもサラッと書きましたが、男性の薄毛の9割以上を占めるのは男性型脱毛症(AGA)です。そして、AGAの原因は5αリダクターゼとテストステロンが結合して生成される「ジヒドロテストステロン(DHT)」です。

重要なのは、この5αリダクターゼの分泌量や、毛母細胞内のDHTの感受性は遺伝によって決まるということ。

つまり、少なくともAGAに関しては5αリダクターゼやDHT以外の要因が関わる余地は、ほとんどないと言っても過言ではないのです。

AGA以外の薄毛の場合は?

では残り1割に満たない他の原因の薄毛はどうか?

ここには円形脱毛症や脂漏性皮膚炎などによる薄毛が相当数入っていると思われ、円形脱毛症に関してはストレスが関係している可能性も多少はあります。ただ、かつてストレスが原因とされた円形脱毛症も現在は自己免疫疾患が有力な説ですが。

AGAにあたらない薄毛に関しては、生活習慣が大きな要因であるケースが多いと感じるかもしれません。しかし、現実問題として生活習慣が関わる、AGA以外の主要な薄毛・脱毛というのは決して多くありません。

あえて挙げるとするならば、洗髪の仕方や生活習慣の改善が治療に効果的とされる「脂漏性皮膚炎」「粃糠(ひこう)性脱毛症」くらいでしょうか。

現実的には、男性の薄毛の原因がこの2つのどちらかである可能性はほとんどありませんけどね。男性の薄毛はほぼAGAですからね。

薄毛と生活習慣はほとんど関係ない

抗がん剤の脱毛が全身に及ぶことに着目し、巷で当たり前のように語られる薄毛の原因を否定してみましたが、いかがだったでしょうか。

ここまで書いてきたことは私が個人的に感じている事であり、巷で語られる薄毛の原因の多くには明確な根拠がないのと同様に、抗がん剤の副作用による脱毛と、一般的な薄毛を比較することは的外れと言われても仕方ないでしょう。

抗がん剤の副作用と薄毛の原因を同列に語るなど、見る人が見れば失笑ものかもしれませが、こういった考え方もあるんだなと広い心で見て頂ければと存じます。

まあ、毛髪業界がハゲの足元を見て金儲けに走っているのは間違いないがな。

色々と挙げている薄毛の理由についても、5αリダクターゼとDHT以外は「AGAの原因」と明記するケースは少なく、あくまでも「薄毛の原因」としているのは、“可能性”という逃げ道を作るためのものでしょう。いわゆる言葉のマジック。

薄毛を気にして情報を探している人間のほとんどはAGAなのに、AGAとは関係ない理由を書き連ね、しかもそれは的外れときた。

酷い話である。

とはいえ、抗がん剤うんぬんに関しては私の主観や偏見が多分に入っており、その内容を保証するものでは決してない。参考程度に…というのもおこがましいレベルのもの。ちょっとした息抜きとして楽しんでいただけたなら幸いです。

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