ソヴール08ベースの育毛剤に騙されるな

ソヴール08ベースの育毛剤

昨今、インターネットを中心に販売している育毛剤は数多く存在しますが、育毛関連サイトがこぞって紹介し人気を獲得している複数の育毛剤が天真堂のOEM用汎用育毛剤ベースという事実をご存知ですか?

中でも顕著なのがチャップアップとイクオスEXプラス。どちらも育毛サイトが必死になって紹介していることもあり、ご存知の方も多いのではないでしょうか。

これら育毛剤。今でこそ多くの成分を追加し“吊るしのソヴール08”から脱却しているものの、数年前までは何も手を加えずそのまんま自社のブランド名で販売していました。まあソヴール08はそのための商品なのですが。

そんなソヴール08に隠された真実と裏側を暴いてみましょうか。

ソヴール08って何?

ソヴール08とは株式会社天真堂が企業向けに提供するOEM用の汎用育毛剤。

ブブカゼロイクオスEXプラスが売りにしている目玉成分の一つ「M-034」を配合していることが大きな特徴で、この成分名や効果を標榜しだしたのも、元を辿れば天真堂ということになります。

成分数は31種で、チャップアップやイクオスEXプラス、ブブカゼロがこれを使用していた実績があり、昔からの育毛剤を知っている人であれば「31種」という成分数でピンとくるものがあるのではないかと。

OEM用の育毛剤というのは、天真堂が中身を製造しているのは当然として、企業側の要請に合わせてパッケージや付随する説明書などもデザインすることも。

企業側の希望に応じて一から育毛剤を作るのではなく、天真堂がひな形としてあらかじめ製造していた商品をそのまま使用するのですから、文字通り「汎用」という言葉がしっくりくる。

育毛剤メーカーはこれを右(天真堂)から左(ユーザー)に流すのが仕事となるため、言うまでもなく自社開発ではないし、極端な話育毛や薬機法の知識がなくても問題なく販売できる。もちろん開発費もほとんどかかっていない。

ソヴール08ベースの育毛剤はどれ?

さて、そんな汎用育毛剤ソヴール08を使っていた育毛剤というのは、具体的にどういったものが挙げられるのでしょうか?

何度も書いている通り、男性用(男女兼用)としてはチャップアップやイクオスEXプラス、ブブカゼロなど、ネット上では超有名な育毛剤が名を連ね、また女性用育毛剤の代名詞になっているマイナチュレもこれに当たる。

一応証拠写真がこれ。

ソブール08を使った育毛剤

見事な四つ子っぷり。しかも一卵性。

成分も販売製造元も一緒なのが見て取れると思います。なぜかチャップアップには最後に精製水が表記されていますけど、それ以外の成分名や並び順は完全一致。

ただし、この4つの育毛剤がソヴール08を使っていたのは過去の話であり、これらをベースに少し成分を変えたり追加したりして、現在はソヴール08の表記はなくなっています。

とはいえベースはソヴール08なので、基本的な成分はほとんど一緒ですけどね。

ちなみに、現在ブブカゼロとマイナチュレの製造販売元に関しては、天真堂から別の企業に移っていますが、チャップアップとイクオスEXプラスは現在も天真堂が製造を担っています。

そもそもソヴール08に発毛効果は一切ない

ベースが同じでも効けばいいじゃん

そう考える人は多いも多いのではないしょうか。実際に私もチャップアップやイクオスEXプラスなどが汎用育毛剤をベースにしていることを問題にしているわけではありません。

そう、ソヴール08自体に発毛効果がないことが問題なのです

ソヴール08は医薬部外品の育毛剤であって、医療機関で処方される医薬品ではありません。成分構成を見るに数は比較的多いものの中身は極めて凡庸で、当然ながら発毛成分は一切入っていない。

ブブカゼロやイクオスEXプラスを販売するメーカーや、これらを積極的に紹介している育毛関連サイトが、目玉であるM-034を猛プッシュしているが、冷静に考えりゃただの海藻エキス

もう一度言う、昆布から抽出したただの海藻エキスだぞ? 出汁と変わらんぞ?

それがミノキシジルと同等の“育毛効果”があるっていうんだから、見事な言葉のマジックと印象操作。

「ミノキシジルと同等の育毛効果」と聞けば、多くの人は「ミノキシジルと同じ効果があるんだ!」と思ってしまうでしょう。しかしあくまでも“育毛効果”であり“発毛効果”は一切ないのです。

育毛効果」というのは今ある髪の毛の成長を促進させたり、頭皮環境を整えたりするもの。一方の「発毛効果」は、文字通り薄毛になってしまった部位から髪の毛を生やす効果であり、男性型脱毛症(AGA)は発毛効果でしか改善しません。

ちなみにM-034にミノキシジルと同等の育毛効果があると大々的に謳ったのは天真堂ではなくブブカ。

ブブカのM-034

この有名なグラフを作ったのもブブカ。しかし比較対象は「生えてくるスピード」であり、新たな髪の毛を生やす発毛効果を比べたものでは決してありません。まあそこを比較しちゃうと悲しい結果になる上に薬機法にもひっかかりかねない。

M-034以外にもビワ葉エキスやらオウゴンエキスやら定番の成分が入っているが、当然こんなもので髪の毛が生えるわけもない。

自社の研究のように書いているのはほとんど嘘

そうはいっても、発毛効果のないソヴール08を使用したり、ベースにしたりするのは何ら問題ありません。医薬部外品の育毛剤というのは、そもそも薄毛を改善させたり毛を生やしたりする効果を想定した商品ではありませんからね。

気になるのは、各社ソヴール08をそのまんま使用していた時から「研究の結果これにたどり着きました」的な表現を使っていたこと。

OEM用汎用育毛剤を使っておいて、よくもまあ。

(天真堂が)研究開発した結果これにたどり着きました。」が正解。

では成分を追加した現在のソヴール08ベースの育毛剤はどうなのか?

インターネット上で人気の育毛剤メーカーのほとんどは規模の小さい新興企業で、大手製薬会社のように自前の研究所など保有しておらず、自社での研究やデータなど存在するはずがない。

外注して「これ入れてみましょっか」的な感じで、めぼしい成分を片っ端から配合している程度と推測されます。

芸能人が出版する本の大半が本人談をゴーストライターが記事に起こし、上手にまとめているのと一緒ですね。

とはいえ、世の中にはこういった商品が溢れているので、これ自体に問題があるというわけでは決してない。こうやって様々な会社に利益をもたらしWIN-WINの関係を築いているのは間違いないのですから。

ただ、トップバリュのように“自社の成果”をアピールすることなく、淡々と安く良い商品を販売するわけではなく、躍起になって自社開発アピールを行い、薄毛の人の足元を見て高く売りつける商法は感心しませんけどね。

追加した成分のほとんどは雀の涙か

チャップアップやイクオスEXプラスをはじめ、複数の育毛剤メーカー各社は成分を追加してソヴール08を脱したものの、その追加された成分がまたなんとも…

ブブカゼロのように「M-034を60%増量」とか書いてくれるならまだまし。そもそも育毛剤は発毛剤と違い各々の成分含有量を明記してないので、新たな成分がどの程度配合されたのかさっぱり分からない。

ブブカのM-034増量だって、60%とか200%とか具体的な数字が示されてはいるものの、元になっている量が不明であるため結局は意味をなしていない。

イクオスEXプラスのアルガス-2のように別の海藻エキスを追加してみたり、頭皮に塗っても何の意味も効果もないコラーゲンを配合してみたり…しかし所詮は「その他の成分」であるため、含有量はごく少量と思われる。

そもそもソヴール08の時点でほぼ完成されていたので、ここに成分を足したところで蛇足にしかならない気も。まあ、進化したところを見せて販売増につなげたいんでしょうね。効果のほどはさておき。

育毛剤の知識がない人からすれば、成分の数が多ければ多いほど効きそうだと感じる人が多数を占めると思われ、そういった背景から多くのメーカーや育毛サイトにとって成分数が多いという事実は大きな売りになる。

ただ、フィナステリドやデュタステリド、ミノキシジルなどの発毛剤を見てもらえば分かるように、本当に効果が高い医薬品というのは成分を1種類~数種類に限定して濃度や含有量にこだわるものなんだが…

たった120mlの内容量で、しかも8~9割が水とエタノールという状況においてやみくもに成分の数を増やせば、一つひとつの濃度は薄まる方向になる…というのは小学生でも分かりそうなレベルの話だ。

OEM商品なんだから安くて当たり前

自社での研究開発を一切放棄し、天真堂のソヴール08をそのまま使用していたチャップアップやイクオス、ブブカは、トップバリュなどのプライベートブランド同様本来安くて当たり前…と思いきや、これがまた恐ろしく高価。

それでも、お得感を演出している定期コースでは他の育毛剤に比べればやや安いものの、単品価格ならブブカが16,500円、チャップアップ7,400円、イクオスEXプラス10,428円と、ビックリするくらい高いんです。

なんでOEM用の育毛剤を使っていたにもかかわらずこんなに高いのか?

それはブランドイメージもさることながら、凄まじい広告費がかかっているから。チャップアップやイクオスEXプラスの「1本売ったら報酬5,000」という事実や、積極的な広告展開を見れば明らかですよね。

しかもアクセス数を稼ぐことができるサイトに対しては特別単価として1本1~2万円の報酬に設定しているのですから。安価な汎用育毛剤が高価になってしまう理由の大半は広告費、そしてメーカーの利益という事になる。

もちろん、これは真っ当な経済活動なので別に非難するつもりはありませんが、発毛効果がなく薄毛やAGAにはまったく効果がないのに、それっぽい雰囲気を演出することで消費者のミスリードを誘い、べらぼうな高値で売りつているのは事実。

私だったら絶対に買わない。死んでも買わない。

そこへいくとブブカゼロのアフィリエイト報酬はかなり低めに設定されており、チャップアップやイクオスに比べ商品価格にそれほど広告費が乗っかっていない…かと思いきや一番高いんですよね。もう圧倒的に。

広告費が乗っかっていない代わりに利益がたっぷり乗っているんだろう。

今でこそ天真堂のソヴール08は使っていないものの、原価や仕入れ値を大きく上げることなど考えられませんから、名が売れて数がさばけるようになったスケールメリットを背景に別の会社で安く作っているんだと思われます。

…ハゲを舐めるなよ。

ソヴール08ベースの育毛剤で薄毛は治らない

例えば資生堂のアデノゲンやアデノバイタル、ホソカワミクロンのナノインパクトは、大手企業が製造しているとあって、自社で研究開発を行っています。だからといってこれらを使って薄毛が治るわけではないが。

一方、天真堂のソヴール08を使用してきた企業というのは、例外なくぽっと出の新興企業。自社で研究開発する規模がないから、とりあえずソヴール08を自社ブランドで売り、利益を上げ会社を大きくしようという算段なのでしょう。

そしてある程度ブランドを確立し、顧客を掴んだところで成分を追加し、さらに訴求する…典型的なパターンですね。

しかし、これら企業は現在も製造を外部に委託していることに変わりはないため、成分も似たりよったり。「薄毛の人の悩みを解決したい」などという崇高な理念があるとも思えず、ただただ利益をあげたい…そんな思惑が透けて見える。

何度も書いているように、ソヴール08に罪があるわけではありませんし、これを自社ブランドで売り出すことも全く問題ない。ただ、消費者のミスリードを誘うような売り方には悪意しか感じませんけどね。

ソヴール08に限らず、医薬部外品の育毛剤は薄毛を治す類の商品ではありません。頭皮を健やかに保ちつつ、現在生えている髪の毛の成長を促すだけのものであり、薄毛の進行を止める力すらないのですから。

そのため、育毛剤を頑張って使用してもハゲは確実に進行していきます。

企業が自社に都合のいい言葉ばかりを並べるのは通常運転。そういった言葉に惑わされず、自分で正しい情報を獲得し、正しい選択をする…こういった努力こそが薄毛改善の第一歩なのではないでしょうか。

薄毛やAGAを治したいなら医薬品の発毛剤しか選択肢はありません。

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