ハゲはなぜミノキシジルを使わないのか?
日本はアジア有数の…というか、アジアの中で最もハゲ率が高い国。それだけに発毛に関して正しい知識が広まり治療に活かされているのかと思いきや、その点に関しては後進国と言わざるを得ません。
それは医療機関で処方されるプロペシアなどのフィナステリド内服薬やザガーロの主成分であるデュタステリドも同様ながら、特に顕著なのが市販もされている医薬品“ミノキシジル外用薬”の扱い。
外用薬としては唯一発毛効果が認められている商品だけに、外用剤に救いを求めている人のほとんどがこれを使っている…かと思いきや、無意味な育毛剤や養毛剤をあえて使う人が後を絶たないという実情が浮かび上がってきます。
なぜ世のハゲは発毛効果が認められたミノキシジルを使わず、育毛剤や養毛剤を使うという金をドブに捨てるような行為をしてしまうのか?
外用で発毛効果が認められた成分はミノキシジルのみ
ミノキシジルを使おうか別の育毛剤や養毛剤を使おうか迷っている人に改めて言っておきたいのは、「発毛効果が認められた成分はミノキシジルのみ」という点。これに関してはどこかしらで見聞きしたことがあるという人も多いことでしょう。
しかし、これをあまり信用していない、その意味を理解していない人が非常に多いように感じているので、今一度ミノキシジルについて説明しておきます。
ミノキシジルが配合された大正製薬リアップのCMでは「リアップは日本で唯一、発毛効果が認められています」と言っていました。厳密には“薬局やドラッグストアで購入できるOTC医療薬の中で唯一”ですけどね。
発毛効果とは読んで字の如く髪の毛を増やしたり生やしたりする効果のこと。日本で発毛効果が認められている成分はミノキシジル以外にフィナステリドとデュタステリド以外に存在しません。
これだけ聞くとあくまでも日本のみがこれらを発毛剤として認めているように感じるかもしれません。このあたりがミノキシジルを信用できない理由になっているという人もいるのではないでしょうか。
しかし、日本の韓国のみでしか発毛剤として認められていないデュタステリドはまだしも、フィナステリド内服薬とミノキシジル外用薬の発毛効果に関しては世界中の共通認識となっています。そう日本だけではないのです。
一方、世の中に溢れる医薬部外品の育毛剤や化粧品の養毛剤に使用されるそれ以外の成分に関しては発毛効果は認められていません。国によって違いはあれど発毛先進国であるアメリカでも発毛剤として認可しているのはフィナステリドとミノキシジルのみ。
つまり、外用薬に関してはミノキシジルとそれ以外の成分には実績や実際の効果に天と地ほどの差があるのです。
ハゲがミノキシジルを使わない理由
はっきり言ってミノキシジル以外の外用剤に関しては“気休め”以外の適切な表現が見当たらないのが実情。にもかかわらず市販されている医薬部外品の育毛剤や化粧品の養毛剤を手に取る人が後を絶ちません。
それはなぜなのか?なぜ世のハゲは無意味かつ高価な商品に救いを求めるのか?
ミノキシジルの副作用が怖い
ミノキシジルを使わない理由として真っ先に思い浮かぶのが「副作用が怖い」というものではないでしょうか。
ミノキシジルは本来血管を広げて血圧を下げる降圧剤として開発された成分。しかしこれを投与された患者の多くに体中の毛が濃くなる「多毛症」の副作用が見られたため、それを逆手にとって発毛剤としても使用されることに。
しかしミノキシジルが血圧を下げる薬であることに変わりないことから、これを健康な人間が服用すれば血圧が低下したりめまいや動悸を起こしたりといった副作用リスクがあるのは想像に難くありません。
そういったリスクを承知してもなおミノキシジル内服薬が持つ強力な発毛効果に魅せられた人達が使用するのはいわゆるミノキシジルタブレットということになります。
しかし、確かにミノキシジルには血圧が下がったり動悸が起きたりといったリスクがあるものの、それはあくまでも内服薬での話。頭皮に塗布する外用薬にそういったリスクはほとんどありません。
実際リアップX5の臨床試験においても発現した副作用のほとんどは頭皮のかゆみや紅斑、炎症といった塗布部の症状であり、血圧など何らかの数値に影響するという事実は存在しないのです。
にもかかわらずネット上にはミノキシジルに対する恐怖を煽るかのような記事が溢れており、外用薬に関しても「危険な薬」というレッテルを貼るサイトが後を絶ちません。そしてそれを鵜呑みにする消費者も。
こういったサイトは育毛剤を売ることで貰える報酬を目的としています。つまり訪問者がミノキシジル外用薬に流れてしまうと都合が悪いため必死になって副作用をでっち上げ恐怖を煽っているに過ぎません。
もう一度書きます。ミノキシジルとはいえ外用薬が血圧や心臓に影響を与えることはありません。自分の肌に合わず頭皮に何らかの症状が出た場合は使用量を減らしたり中止したりすればいいだけの話なのです。
ネット上に溢れる育毛剤の提灯記事に騙されている
ネット上の育毛関連サイトは育毛剤を売ってなんぼの存在です。そのためミノキシジルやフィナステリドを使う人が増えるのは何かと都合が悪いという点は前述した通り。
そして当然ながら報酬が高い育毛剤を猛プッシュしてきます。訪問者に対しあたかもハゲが治るような印象を受け付け買わせようとしてくるのです。
それはもう言葉巧みに商品を売り込み、自分が使用して「こんなに効果があった!」とする感想やレビューをでっちあげるなど手段を選びません。育毛剤を1本売れば数千円~2万円くらいの報酬が貰えるのだからそりゃ必死ですよ。
典型的な商品はチャップアップやフィンジア、イクオス、ブブカゼロあたりですね。こういった商品は発毛効果が一切認められていないただの医薬部外品。こんなもので薄毛が改善することはありえません。
例えばミノキシジルの数倍の効果があるとされるキャピキシルやリデンシル、NcPAなどは実際の頭皮環境とはかけ離れた状況といえる培養細胞を用いた実験でたまたまそういった結果が出ただけ。
実際に頭皮に使用して髪が生えるという科学的根拠は一切存在しません。それはこれらを発毛剤として認めている国が存在しないことを考えても明らかでしょう。
育毛サイトによる嘘まみれの刷り込みによって、本当に発毛効果があるミノキシジルを避けるというのはあまりにももったいない話なのです。
ミノキシジルの効果を実感できなかった
ミノキシジル外用薬を使ってみたが効果を感じられなかったため、やむを得ず使用を中止したり他の育毛剤に救いを求めたりという人も存在します。
ミノキシジルなどの発毛剤は効果が現れるまで最低3ヶ月、効果の有無を判断するには6ヶ月間使用する必要があります。そのためこれより短い期間しか使っていない場合は単に時間が不足している可能性も。
6ヶ月間使用しても効果が実感できなかった場合は、確かに別の方法を考える必要があるかも。ミノキシジルを含め発毛剤の効果は個人差が大きく、劇的に効く人もいればまったく効かない人もいるというのが実情。
しかしその“別の方法”は「育毛剤や養毛剤を使う」という類ものでは決してありません。
ミノキシジルの濃度を上げたり、フィナステリドをデュタステリドに替えたりといった方法が現実的。最終手段としてミノキシジルタブレットの使用も視野に入るでしょう。
放っておいたら勝手に治るかもしれないという希望的観測
ハゲてきた際に取る行動は大きく分けて2つ。育毛剤や発毛剤といったもので対策をするか、もしくは放置するか。
ハゲへの対応を諦め受け入れているのであれば何もしないという選択肢はベストといえるかもしれません。ハゲの悩みから解放されるという点において“受け入れる”というのは最良の選択だからです。
しかし人間というものは現実逃避するケースも多く、「一時的にハゲているだけで時間が経てば治るのではないか」と都合よく考える人も存在します。
しかしその希望的観測が実現することはほとんど考えられません。
円形脱毛症であれば放置していても多くは治ります。脂漏性皮膚炎やひこうせい脱毛症なども根本的な治療を行えば薄毛は改善するでしょう。しかし男性の薄毛の9割以上は進行性の男性型脱毛症(AGA)という現実が。
つまり男性のハゲのほとんどはAGAであり、放置すればするほど酷くなる一方。
そのうち良くなるかも…なんて根拠のない希望的観測によりミノキシジルの使用を躊躇しAGAを悪化させてしまえば治るものも治りません。AGA治療は時間との勝負。早期に治療することが何より重要なのです。
安いミノキシジル外用薬の存在を知らない
日本のミノキシジル外用薬といえば大正製薬のリアップシリーズ。近年は様々なメーカーからリアップのジェネリック医薬品が登場してきていますが、知名度や実績という面ではリアップがぶっちぎり。
そんなリアップ、旗艦モデルとなるリアップX5プラスの価格は8,140円。ネット上で腐るほど売られている男性向けの育毛剤と同じくらいの価格設定といったところか。
…というか、育毛剤がリアップX5プラスの価格を意識して価格設定を行っていると言ったほうが正しいのでしょうけどね。
それはさておき、1ヵ月分で8,140円というのは決して安くないですよね。医療機関で処方されるプロペシアやザガーロと併用していればあっという間に15,000円超ですよ。
髪の毛のためにそこまでのお金は出せないと思う人もいるでしょうし、それだけのお金を出すなら育毛サプリメントが付いている同価格帯の育毛剤を試してみようという考えが湧き出てきても不思議ではありません。
しかし、ミノキシジル外用薬は発毛や育毛の先進国であるアメリカの商品であれば驚くほど安い。ミノキシジル外用薬の本家がアメリカのロゲインであり、食品医薬品局(FDA)の目も厳しいことから信頼性に関してもまったく問題ありません。
安いミノキシジル外用薬の定番であるカークランドやリグロースラボM5はリアップX5プラスと同じミノキシジル5%配合にもかかわらず1本あたり約1,700円。リアップX5プラスの4分の1~5分の1の価格なのです。
また、ミノキシジルを15%16%配合するフォリックスシリーズも1本5,000円前後。効果の高さや価格の安さで日本製を圧倒しているのがアメリカ製の商品。
こういった安くてかつ効果が高い商品の存在を知っていれば、もっと多くの人にミノキシジル外用薬が普及・浸透するのではないでしょうか。
ミノキシジルを諦めないで
日本に限らず世の中には数多くのスカルプケア商品が存在し、使われる成分も星の数。キャピキシルやリデンシル、NcPA、ピディオキシジルなどミノキシジルと同等以上の効果を謳う成分も複数存在します。
それだけにミノキシジル外用薬で思うような効果を実感できなかった、副作用が怖いという人は育毛剤の根拠のない売り文句に騙されてしまいがち。
しかし、これだけ様々な成分が溢れるスカルプケア業界において、発毛効果が認められている外用の成分はミノキシジルのみ。しかもそれは世界の共通認識です。それだけの効果がミノキシジルにはあるのです。
ミノキシジルの副作用が怖い?
そんなことはありません。仮に何らかの異常が出たとしても頭皮のかゆみや炎症程度。世に溢れる“副作用がない”とされる育毛剤にも同様のリスクがあります。
ミノキシジルが効かなかった?
本当に効果がないのか今一度考えてみてください。AGAは進行性ということもあり、「髪の毛が目に見えて増えることはないものの、ミノキシジルによって進行を食い止めている」という可能性も十分考えられます。
金銭的な負担が大きいと考えているのであればアメリカのリグロースラボM5を使ってみて欲しい。格安ミノキシジルの中でも同商品はベストバイといえるでしょう。
世界中で行われている臨床試験において発毛効果を実証したミノキシジルが効かないほど頑固なハゲであれば、医薬部外品の育毛剤や化粧品の養毛剤など効くはずもない。
それを肝に銘じ、我慢強く上手にミノキシジルを活用して欲しいと感じます。
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