育毛剤の全額返金保証に騙されるな

インターネットを中心に販売している育毛剤のほとんどに設定されている「全額返金保証」。すごく良心的な制度に感じるかもしれませんが、その裏には色々とカラクリが隠されています。

育毛剤の全額返金保証の嘘

「全額返金保証はあるに越したことはない」と感じている人も多いでしょうが、本当にそうなのでしょうか?実はメーカー以外誰一人得をしないというネガティブな制度という見方もできます。

色々とツッコミどころ満載である育毛剤の全額返金保証。その裏側や是非についていろいろと検証してみたいと思います。

    目次
  1. 育毛剤の全額返金保証とは?
  2. 全額返金保証で差し引かれる費用
  3. 永久全額保証の育毛剤は特に注意
  4. 価格には返金保証のコストも含まれている
  5. 「あったほうが良い」は大きな間違い

育毛剤の全額返金保証とは?

「育毛剤の全額返金保証など知らん」という人のために簡単に説明しておくと、この制度は「購入から一定期間であれば理由にかかわらず商品代金を全額返金しますよ」というもので、その期間は育毛剤によって14日~永久と様々。

育毛剤は実際に使ってみないと相性や効果、使い勝手が分からないため、ネットを中心に販売する育毛剤のほとんどにこの制度が採用されています。

対象本数は多くの場合最初の1本のみで、それに関しては開封後はもちろんたとえ使い切っていたとしても期間内であれば返金の対象になります。

消費者目線に立った良い制度だと感じている人も多いと思いますが…

全額返金保証で差し引かれる費用

「全額返金保証」という言葉を見聞きするに、これを適用すれば実質無料で使用できる印象を抱きますが、実際はいくつかの費用がかかったり引かれたりするため全額は戻ってきません。

メーカーや育毛剤によってその費用は異なるものの、代表的なものを挙げると…

  • 購入時の送料
  • 購入時の代引き手数料
  • 返金の際の振込手数料
  • 商品などを送り返す際の送料
  • 事務手数料
  • 定期コース発送準備期間内での適用は事務手数料+キャンセル料

多くの場合育毛剤はお得(という錯覚を抱かせる)な定期コースで購入していると思われ、どのメーカーも定期コースでは送料無料になっています。場合によっては代引き手数料無料のところも。

全額返金保証を適用する際はこれら無料であった送料や代引き手数料を返金する商品代金から差し引くのが一般的で、送料のみなら650円前後、代引き手数料も無料であったならおよそ1,000円が引かれることに。

また、全額返金保証の適用には開封済みの育毛剤に加え、納品書や保証書などを送り返す必要がありますが、ここでかかる送料は自己負担になります。近年の送料値上げもあり800円前後になるでしょうか。

それらを勘案すると、全額返金保証適用は実質1,500~2,000円損をすることになります。つまり、全額返金保証と謳ってはいるものの、実際は全額戻ってこないことになる。

この表現って問題ないのか?

しかし、商品購入時の送料や代引き手数料が引かれ、かつ返送時の送料がかかるのはまだ良心的なほうだったりするから闇が深い。

育毛剤によっては事務手数料として一律1,000円を徴収したり、発送準備期間内であればさらに事務手数料を500~1,000円上乗せした上に商品代金の10%のキャンセル料を差し引くところもある。

永久全額保証の育毛剤は特に注意

育毛剤の全額返金保証の期間は一般的に30~60日間くらいに設定されていることが多いのですが、中には「永久」を謳うものも存在します。

今現在永久返金保証を謳うのはチャップアップとリデンの2つなのですが、この2つは前述した「送料や振込手数料に加え事務手数料などもろもろ差っ引く育毛剤」だったりします。

具体的な文言はこちら。

  • 返金の際の振込手数料、事務手数料(一律1000円)はお客様負担とさせていただきます。
  • 定期便発送準備期間内での返金保証書の使用は事務手数料(一律500円)と商品代の10%のキャンセル料がかかります。

ちなみにチャップアップであれば発送準備期間の返金保証適用は事務手数料500円上乗せだが、リデンは1,000円な。

商品購入時に無料だった送料や代引き手数料、返送時の送料負担に事務手数料1,000円が加わればこの時点で購入者の損は2,500~3,000円。

何より質が悪いのが「発送準備期間」の存在です。

発送準備期間の存在で大損

この発送準備期間、一般的に発送の10日前とされているため、これがかからない期間というのは前回の商品発送から20日間しかないことになります。

ちなみに、商品発送準備期間にかかってしまうと、その上乗せ分は…

  • チャップアップ…事務手数料500円+商品代金の10%909円=1,409円
  • リデン…事務手数料1,000円+商品代金の10%980円=1,980円

これによって返送にかかる送料と商品代金から引かれる額の合計は4,000~5,000円となる。まあ永久返金保証を謳うチャップアップやリデンは「全額」とは言っていないため、嘘ではないこということになるのかな?

ちなみにこれら育毛剤の返金保証、期間は永久だが対象は初回の分のみ。分かりやすく書くと「永久(一部)返金保証」か。片腹痛い。

価格には返金保証のコストも含まれている

それでも「商品代金から仮に数千円引かれたとしても、一円も戻ってこないのに比べればまだマシ」と感じる人は多いと思います。

しかしよく考えてみて下さい。その費用は誰が出しているのかを。

全額返金保証にかかる人件費や商品の損失といったコストは企業がサービスとしてすべて負担していると思う?そんなはずはない。

これらのコストは商品価格に転嫁されているんですよ。当たり前ですが。

全額返金保証制度というのは保険などと同様に「互助制度」であり、育毛剤の価格に転嫁された返金保証のコストを購入者が負担し、これを適用した人間に支払われると同時にメーカーの損失を埋めると言えば分かりやすいか。

だからといって全額返金保証を適用した人間が得をするかといえばそうではない。払った代金から様々な費用を引かれるため結局は損をすることになる。発毛効果のない育毛剤を安いコストで使えたと喜べるお花畑脳の持ち主ならその限りではないが。

そして、返金保証を適用しない大多数の購入者はこれらコストを埋めるために本来払う必要のないお金まで払っていることになるわけです。

非常に分かりやすい例を挙げると、前述のリデンは当初7日間の返金保証しかなかったものの、定期コースの初回価格は9割引きとなる980円でした。それが永久返金保証に切り替えた途端初回割引は無くなり1回目から通常の9,800円に。ここまであからさまだと清々しさすら感じる。

この制度、本当にお得だと感じますか?

「あったほうが良い」は大きな間違い

育毛剤メーカーはもちろん育毛関連サイトでは「全額返金保証があって安心」なんて、全額返金保証がいかにも消費者のために存在するようなことを書いていますが、それは大きな勘違い。

全額返金保証で得をするのはコストを商品価格に転嫁し、なおかつ消費者に「消費者目線」という良いイメージを持ってもらえる育毛剤メーカーだけ。これに安心して購入を決めるなどメーカーの思うつぼです。

遠慮がちな日本人はこういったサービスをあまり利用しない傾向にあり、そこまで計算に入れての全額返金保証。そんなもんを設定して価格を高くするくらいなら、それを廃止してもっと安くしろよと声を大にして言いたい。

そもそも発毛効果がないためこれといった副作用もない、しかも一般的に最低3ヶ月は使わないと効果が出ないとされる育毛剤に30日とか45日とかの返金保証を付けて何の意味があるんだと。

マイナチュレのように180日間6本まで対象とするぶっ飛んだ設定ならまだしも。まあ期間が長かろうが短かろうが育毛剤で髪の毛が生えないことに変わりはないが。

全額返金保証というのは名ばかりで実際には全額戻ってくることはなく、また育毛剤の価格に同制度のコストが含まれていることを忘れないで下さい。

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