厚生労働省認可の育毛剤に騙されるな

厚生労働省認可育毛剤

ネットで育毛剤を調べていると「厚生労働省に認められた―」「厚労省認可の―」という文言を見かけませんか?メーカーが謳うこともあれば、育毛関連サイトが育毛剤を売り込むためにこう書くこともあります。

この文言、確かに嘘ではないものの、これを書く意図には明らかな悪意を感じざるを得ないというのが本音。

というか、バカじゃねぇの?

その宣伝には悪意に満ち満ちている育毛剤ですが、こういった恥知らずな宣伝文句を謳うあたり、メーカーや育毛サイト、そして商品の程度が知れるというもの。

厚生労働省認可は本当なのか?

まず、育毛剤の謳い文句としてたびたび用いられる「厚生労働省認可」という文言、これって本当なのかどうかという話をしましょう。

結論から言えば本当です。

育毛剤というとプロペシアやミノキシジルといった医薬品からキャピキシルを配合した化粧品まで幅広く使われることも多々ありますが、厳密には育毛や抜け毛の防止を目的とした「医薬部外品」を育毛剤と呼びます

医薬部外品を製造・販売するには厚生労働省の認可を受ける必要があるため、これに該当する育毛剤が「厚生労働省認可」「厚生省が認めた」と書いても間違いではないのです。

…というか、医薬部外品の育毛剤は例外なく厚生労働省の認可を受けているので、これを売りにするとか「バカじゃないの?」というレベルの話なのだが、平気でこれを行う育毛剤や育毛サイトがあるから業界の程度が知れる。

この事実を知っている人間であれば私のように「何言ってんだコイツ」で済みますが、何も知らない人がこの言葉を見たらどう感じるでしょうか?

医薬部外品の育毛剤って具体的にどんなもの?

そもそも医薬部外品の育毛剤ってなんなのでしょうか?

医薬部外品とは医薬品ほど強い効果は無いが、緩やかな効き目で症状を緩和したり予防したりする作用が期待できるものを指します。育毛剤であれば抜け毛を減らしたり育毛させたりする緩やかな効果が期待できるという位置づけ。

この認可を受けるには、厚生労働省が保湿効果や抗炎症作用などの作用があると認めた有効成分を規定の量以上配合する必要があり、安全性など様々な資料をそろえて申請します。

つまり、医薬部外品の育毛剤は厚生労働省が認めている有効成分を配合しているだけであって、実際の育毛剤を試験しているわけでもなければ、効果を確かめているわけでもない。

書類上で育毛剤の要件を満たしているか審査しているだけ。

それでも化粧品カテゴリの養毛剤に比べ医薬部外品の認可を受けるには色々と手間がかかります。しかし医薬部外品となれば育毛や発毛促進、抜け毛予防などの効果を謳うことができるという大きな強みがあり、信頼性が高くなるメリットもあるため多くのメーカーは医薬部外品の認可を受けるのです。

とはいえ、本来は医薬部外品の認可を受けるのは手間も時間もかかるものですが、ネット上の人気育毛剤のほとんどは医薬部外品のOEM育毛剤や化粧品などを製造する企業に丸投げ…場合によってはソヴール08のようなまんま既製品を使う育毛剤もあるので、手間や時間などほとんど必要ないどころか、薬機法(旧薬事法)の知識すら大して持ち合わせていないメーカーも散見されるレベルの低さ。

厚生労働省に認められたという文言に感じる悪意

上記の事を踏まえた上で誤解なきように書いておくと、まともな育毛剤メーカーであれば「厚生労働省認可」とか「厚生労働省に認められた」なんて表現は使いません。なぜなら当たり前だから。

しかし、一部の育毛剤や育毛サイトはこの文言を売りにしていますよね。

これを何の知識もない薄毛の人が見たら「厚生労働省が“効果”を認めている」「国が認めるほど特別かつすごい育毛剤なんだな」という印象を抱くのではないでしょうか?

まさに言葉のマジック。

医薬部外品の育毛剤は等しく厚生労働省の認可を受けている当たり前のことなのに、あえてこの言葉を使うことで知識のない人間に特別な印象を与える。髪の毛を生やす発毛効果など一切存在しない育毛剤風情が。

数年~数十年という歳月と膨大な費用をかけて開発し、臨床試験で効果を実証しつつ副作用を洗い出す医薬品の発毛剤であればまだしも、外部企業に製造などを丸投げしている程度の育毛剤メーカーが誇らしげに厚生労働省認可を謳うって…面の皮が厚いにもほどがある。

ちなみに、フィナステリドやミノキシジル、デュタステリドといった医薬部外品の発毛剤は「強い発毛効果」がある。つまりハゲてしまった、薄毛になってしまったところから新たな髪の毛を生やす“強い”効き目があるということ。当然育毛効果に関しても育毛剤とは比較にならないほど強い。

一方で医薬部外品の育毛剤は「緩やかな育毛効果や抜け毛予防効果」。抜け毛を抑制したり、今ある髪の毛の成長を促したりする“緩やかな”効果がある。

これが何を意味するか分かるな?

育毛剤ですらない化粧品も多数

上記のように「厚生労働省が認めた」なんて悪意ある言葉を使う育毛剤や育毛関連サイトが存在するのは嘆かわしい限り。しかしスカルプケア商品には育毛剤ですらない化粧品も多数存在し、コイツらがまた化粧品の分際で発毛効果を匂わす質の悪さ。

具体的に挙げると、キャピキシルリデンシルピディオキシジルを使ったヤツ。

これらは成分的に医薬部外品の認可を受けられないから仕方なく化粧品のカテゴリで販売していると推測されますが、書いていることは育毛剤どころか発毛剤レベルの効果を連想させるものばかり。

中にはリ〇ンのようにハッキリと発毛効果を謳う100%薬機法違反の面白いやつも存在する。知識のない薄毛の人を食い物にしようという姿勢がここまで明確に出ていると、もはや不快を通り越してある意味気持ちいい。

育毛業界ってほんと質悪いな。

厚生労働省認可を謳うヤツはゴミと心得よ

ここまで育毛剤が悪のような表現も多々見受けられるかもしれませんが、上でも少し書いたように、まともな育毛剤であれば厚生労働省を持ち出すようなことはしませんし、明らかに発毛効果を連想させるような表現も使いません。

残念なのは、その“まとも”な育毛剤やメーカーが思いのほか少ないことで、育毛シャンプーのCMをバンバン流しているような企業ですら薬機法ギリギリの表現を使うことはザラなのです。

結論としては、厚生労働省に認可を受けていることが当たり前の育毛剤において、わざわざ厚労省を持ち出す育毛剤はクソで間違いありませんし、育毛剤を売るためにそれを持ちだす育毛関連サイトも同様です。

そういったものを見かけたら「厚生労働省が認めた?育毛剤なんだから当たり前だろバーカ」という生暖かい目で蔑んでやりましょう。

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